不死殺し 作:ユルト
ソウルは神、人、獣であろうと所持している。なら、人のみが持ち得る『人間性』とは何か。
ウーラシールでは蛇に誑かされた人間が『深淵の主』を解き放ち。民は人間性を暴走させ、醜い化け物と化した。
『太陽の王』が『小人の王』とその末裔たちに脅威を感じていたのは闇の時代の到来を考えてか。
それとも『神』である彼は人の持つ『
「はっ!はっ!」
パシャッ、パシャッと男が地に足を着く度に水音が響く。それ以外は男の荒い呼吸音くらいだろうか。
水の都の地下。そこで一人の冒険者が恐怖に顔を歪め、死に物狂いで走っている。
男の右腕の肘から先は『砕けて』ない。彼ももう少し反応が遅れていれば、
「ッ!!かはっ?!」
突如足を取られて地面に体を叩きつけてしまう。再び立ち上がろうとするも足が地面に張り付き動かない。
一体何が原因かと足元を見ると『蠢く肉の溜まり』が男の足に絡み付いている。
「糞……こんなハズでは……」
悲観している男の背後から死が音を立てて迫る。人が歩く音が徐々に近づいてくる。
ソイツは男の側に立つと剣を振り下ろす。剣は頭蓋をかち割り、脳漿が周囲に飛び散った。
『これで4人…アイツではないか…』
そう呟いた後、まるで幻のようにソイツは消え去った。
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「
前に乗って馬の番をしてくれていた
外に出ると目の前には水の都の正門が見える。湖の中州に建てられた街は船の行き来が多く、交易が盛んで様々な品が揃う。
周囲が湖の為に攻めにくく守りやすい。元々は神代の砦があり、その上に水の都を建設したそうだ。
「ん~!やっぱり、馬車での移動は体が痛くなるわ」
「休憩を入れたがそれでも二日の移動だからな。だが、大烏やデーモンに運ばれるよりはマシだろう?」
「拙僧だけなら寝ずに走り続ければ馬車よりも早く辿り着けますぞ」
私と
「君たちの基準がおかしいよ…」
「それよりもだ…。少々、衛兵達の様子が険しいな」
「……何かに警戒しているのかピリピリしているね」
「それも『あの方』に訊けば宜しいですな。まずは寝床を探すことにしましょう」
正門の衛兵に神殿からの依頼書を見せるとすんなり通過することが出来た。
街中を歩き回ってみると住民たちは楽しげに話し合っている。何かに問題が起こっているような雰囲気ではない。
「もっと暗い雰囲気だと思ったのだがな」
「まぁ、危険が迫っている実感がないんでしょ」
こうして話している隣の人物が明日死ぬかもしれない。そんな事を彼らは考えもしない。この街には冒険者たちが『剣の乙女』が居るのだから。
大都市に住む者ほど危険を察知するのに鈍くなる。目で見える場所で人が殺されなければ彼らは危険だと認識しない。
「杞憂で済めばいいんだがな…」
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白亜の大理石を支柱として使用した社。その壮麗な神殿には天秤と剣の意匠が散りばめられている。
『至高神』とは法と正義の神。広場にも至高神であろう神が片手に剣をもう片方には天秤を持つ像が設置されている。
「やはり、信奉者としてはちゃんとした像がある方が良いのだろうな」
「?………ああ…ウチの主神の像の話ね。どうなんだろうね、それぞれ人の考える神を信仰すればいいと思うけど」
ロードランでは完全な形の像は見つけられなかった。むしろ、此方に来てから新たに発見した物の方が多いくらいだ。
「我らは神代に存在していたという。誇り高き神狼を信仰してるのだが、その姿は各部族によって異なっていますな」
「ふむ、下手に彼らのイメージを崩さないためにも像はあのままで良いかもな」
広場を抜けて神殿の内部へ入る。法を司る神の神殿である故に裁判を行えるようになっている。
罪を償うもの達が裁かれるのを待つ場所。彼らが裁かれ、己が罪を理解する場所など様々だ。
そんな施設の更に奥へ進む。壁には神々の絵画が飾られている。四方世界で語られる神話の数々を絵画にしているのだろう。
神殿の最奥にある祭壇前で跪き、真剣に祈りを捧げる女性。豊満な肉体を覆うのは薄い白衣。
ここが神殿でなければ娼婦と間違えられそうな服装をする彼女こそが至高神の
「久しぶりだな、『剣の乙女』よ。王都で会って以来か」
「…あら?…
「貴女が呼んだんでしょ……依頼は?」
「事の始まりは街の中で神殿から遣いに出した侍女が殺されたことでした。侍女を殺したのがゴブリンだということも既に分かっています」
剣の乙女は沈鬱な表情で杖を強く握り俯く。非力な女がゴブリンに捕まったということはマトモな殺され方はしていないのだろう。
「ふむ…ゴブリン退治なら同じギルドにいる
「はい、ですのでゴブリン退治の依頼は
「それ以外の問題が起こったのだな?」
私の言葉に剣の乙女は小さく頷く。それにしても街の住人は暢気なものだと思う。
彼らは『外からの襲撃を防ぐ構造』をしている水の都でゴブリンが潜んでいることの恐ろしさを理解しているのだろうか?
「現在ある地図は不確かなもので彼らが来る前に地図の正確さを確かめるために冒険者に依頼したのです。ですが…」
「その
「はい…。後日、別の
「……神殿側はその空間については一切知らないのだな」
「はい…地下水路の奥にも神代の物が残っていて完全には把握出来ていません。更にその下となると私達には何時の時代のものなのかも…」
未知の空間に飛び込むのは何時ものことだ。しかし、
「地下についての情報はそれだけなのか?」
「……この街で巨大鼠等の駆除依頼がないのは私の使徒が駆除しているからなのです」
「ほう……地下水路に使徒が…」
「白く巨大な
「沼竜か……見たことがないな」
「地を這い水の中を移動する
飛び回って攻撃されるよりはマシだろうか?いや、そもそも水に引き摺り込まれたら私はそれで終わりだ。
「それでその使徒に異変でも起きたの?」
「いえ、最近になって巨大鼠の数が増えているのです。原因は未知の空間で溢れ出るように出てきているのです」
「普通の事じゃない」
「その鼠は死ぬ際に『死体を残さなかった』のです」
私が選ばれた理由が理解できた。地下水路の更に地下にある空間は『遺跡』だろう。
「!それは『遺跡』と同じ…」
「はい…ですので『遺跡』の探索について積極的な
「了解した。明日から探索に移る」
「わかりました…明日また此方に御越しください。地図をお渡しします」
その後も幾つか情報の擦り合わせをし、明日の探索をどのようにして進めていくか考えながら私は神殿を後にする。
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彼ら三人を碌に見えもしない目で見送る。
「
王都で国王に紹介されてからの付き合い。それ以来は彼から鑑定の依頼が来ますがそれくらいの関係。
「相も変わらず底の見えない御方。先の見えない暗闇でもあり、全てを照らす太陽でもある」
多くの者が彼に惹かれる。それは闇に潜む混沌も光を求む秩序も同じ。そんな何かが彼にはあるように思える。
「貴女はそんな彼に惹かれたのでしょうね」
彼の側には何時も彼女が居た。それは仲の良い
「どうか、彼らに神の祝福を…」
私は至高神へ彼らの無事、いち早くこの街が平和に…あの『小鬼』が消え去ることを震える手で錫杖を強く握り締めて祈る。
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宿で一夜を明かした。私としては寝ず食わずが基本であり、野宿でも構わない。だが、
全身鎧は悪目立ちするため、平服に着替えて宿の食堂に向かう。
「おはようございます。
「おはよう、アイツはまだのようだな」
食堂の端の席で
私は女給を呼びつけるとパンとスープを頼む。それともうすぐ起きてくるであろう彼女の為の料理も注文しておく。
女給が注文を受けて厨房の奥へ姿を消してから少しすると
「おはよー!」
「相変わらず朝から元気ですな」
「お前の分も既に頼んである。座るといい」
「おお、君は気が利くね」
「我々の目的はゴブリン退治ではない。それは後続の
「今日は私達の
「後日、
「もう片方の
後続が到着するのは明後日の昼以降。それまでに探索が進めばいいが。
「まあ、あまり後続に期待して頼りにするのも危ないわね」
「遺跡調査に関しては他の銀等級も多くが命を落としていますからな」
「我々はいつも通り行動する。いつでも帰還できるように気を付けながら探索をしていくぞ」
「了解」 「承知」
それぞれ、部屋に戻り装備を整えると宿を出て地下水路へ向かう。
地下に存在するロードランに似た遺跡。私は嫌な予感を感じつつも向かうのだった。
ダクソの考察は楽しいけど絶対はないし、人の考察を聞くのも大好き。
前はロザリアはソウルからはグウィネヴィアの奇跡が錬成できるから彼女の生まれ変わりした姿なのかと考えてました。
今はロスリック城の天井裏にある鳥籠のような部屋がロスリック王の娘であるゲルトルードを監禁して場所であることとロザリアの部屋も同じくような形状していて。
彼女は天使を信仰する際に声と光を失ったそうなので彼女がロザリアに生まれ変わったのかなと今は思ってます
それ以外にもロスリック王家は考察しがいがありますね
ボツになった赤子のオセロットの姿とロスリック王の発狂
女神の祝福のテキストにある豊穣の女神が王妃だったりとかなりダークソウル3のストーリーの基盤となる家系なのに各方面へ情報が散ってて整理しにくいですね
公式がアイテム・武器防具のフレーバーテキストをまとめた本とかを出してくれればなぁ…
後日、個人的な考察とかもTwitterであげます
あくまでも個人的な考えと趣味なのでご了承を
@soul_yurt