捻くれた少年と海色に輝く少女達 Guilty Kiss編 作:ローリング・ビートル
「は?Aqoursのメンバーが増えた?」
「ええ、そうなんですよ。あ、醤油取ってもらえますか?」
「ほら⋯⋯つーか、なんで当たり前のようにウチで朝食とってるの?俺まだ夢の中なの?」
「今日は小町ちゃんからお呼ばれしたんですよ。最近朝兄を起こしに来てくれるからたまにはウチで朝ごはん食べてくださいって」
「…………」
せめて一言欲しかった気もするがこれは避けようがない気がするので受け入れよう。これも桜内の依頼と思えば普通の朝……いや、やっぱそこまで思い込むのは無理だわ。
とはいえダラダラしていたら遅刻してしまうので、気持早めに味噌汁をかきこむ。
二人ほぼ同じタイミングで食べ終わり「ご馳走さまでした」と手を合わせると、桜内は台所に皿を持っていき、スポンジに洗剤を含ませた。
「は?洗い物してくの?」
「当り前じゃないですか。ご馳走してもらって洗い物まで放置していけないですよ。ほら、はやく洗い物持ってきてください」
「お、おう……」
それから俺は洗い物を拭く役目を仰せつかり、思ったより早く片付いたことに何故か達成感を得て、桜内と家を出た。
********
「そういえば、さっきの話覚えてますか?」
「小町の作った料理がうまいって話か?」
「違いますよ!確かにおいしかったですけど、どんだけシスコンなんですか。そうじゃなくてAqoursに新メンバーが加入した話ですよ」
「ああ、おめでとう」
「興味なさそうに返事しないでください。はい、この子達です」
桜内はスマホの画面をこちらに見せてきた。
そこに写っているのは、こがらな美少女二人だ。片方は見覚えがあるようなないような……。
「……あーもしかして、この二人の前でもきっちり演技頼みますとかそういう話?」
「察しがよくて助かります。よろしくお願いしますね」
「…………」
「めちゃくちゃ嫌そうな顔するじゃないですか!申し訳ないとは思いますけど!」
「いや、まあ、嫌は嫌だが、ここでいきなり別れても、俺も小町に何を言われるかわからんからな。とりあえず時間が経つのを待ってから後は自然にフェードアウトしようっっ!!?」
いきなり手を繋がれたので変な声が出てしまった。
「静かに。さっそく遭遇しました」
桜内の視線を辿ってみると、先程見せてもらったAqoursの新メンバーがいた。
「やらかさないように気をつけてくださいね」
「い、いや、お前にだけは言われたくないんだが……」
まったくいい予感がしないまま、朝のイベントに突入しようとしていた。