捻くれた少年と海色に輝く少女達 Guilty Kiss編   作:ローリング・ビートル

24 / 25
I Really Like You #6

「あらダイヤじゃない。グッモーニン♪」

「破廉恥ですわっ!」

「「?」」

 

 黒澤姉のいきなりの発言に、俺と小原は顔を見合わせ、首を傾げた。

 すると、黒澤姉はわなわな震えながら、こちらを指差してきた。

 

「このような朝早い時間から、人気のない海で男女が逢瀬を交わすなど……破廉恥ですわっ!」

「「…………」」

 

 波の音が一際大きく聞こえたのは何故だろうか。

 とりあえず小原の方をちらりと見やると、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべていた。おそらくこれは、どうからかってやろうかと考えているのだと思う。

 

「あーあ、ただ二人で遊んでいるだけなのに、そんなこと言い出すなんて……ダイヤってもしかして、お子ちゃま?それともムッツリ?」

「なっ!?だ、誰がお子ちゃまですの!?誰がムッツリですの!?わたくしはただ、慎みを持てと言ってるだけですわ!」

「慎み……そのバストみたいに?」

「おだまらっしゃい!こういうのは形が大事なんですの!大きさだけでアピールできると思ったら大間違いですわ!」

「あら?アピールしたい男の子がいるの?」

「そんなのいませんわっ!あなた、人の話くらい真面目に聞きなさい!」

「ダイヤったら相変わらずおこりんぼなんだもーん」

「だ・れ・が!そうさせているのですか~!」

「…………」

 

 やべえ。なんだ、この置いてきぼり感。

 入っていけそうにない。別に入ろうとも思わないが……。

 とりあえず、親友同士で積もる話もあるだろうから、邪魔にならないよう、俺はさっさと立ち去ろう。抜き足、差し足、忍び足……。

 

「ハチマン、逃げられると思ったら大間違いデース」

「いや、気を利かせてるだけだから。俺の事は気にせず存分にやり合っていいから」

「べ、別にわたくし達はやり合ってなんか……」

「ざっぱーん!!」

「「っ!!」」

 

 いきなり海水をかけられた。

 そりゃもうたっぷりと。

 

「……ええぇ」

「ふふふ、これでもう逃げられまセーン」

 

 全然そんなことはないけど、と言いかけたが、隣にはひたすら怒気を放っているお方がいたので、俺は口をつぐんだ。

 

「鞠莉さん。よくもやってくれましたわね……」

「あらあら、ダイヤ……怒った?」

「おだまらっしゃ~~~~~い!!!」

 

 黒澤は、さっきの小原より大量の水を掬い上げ、俺もろとも小原をずぶ濡れにした。おい。

 

「ふっふっふ、昔やった水かけ合戦の決着をつけるのデース!」

「望むところですわよ!」

「…………」

 

 とりあえず、このまま帰るのも癪なので、こっそり俺も水をかけた。

 思ったより多くの水を掬い上げ、長い間こういう遊びをしていなかった事を思い出す。何だか笑みが零れそうだった。

 そして、そのまましばらく三人で海ではしゃいだ。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。