遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ   作:柏田 雪貴

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Q 今まで何してた?
A 風邪で寝込んでた。


精霊達の探検

 宿屋『凪庵』のある、とある山奥。

 

 その道を、二体の精霊が進んでいた。

 

『おお~! 自然がいっぱいですぞ!』

 

 ジャンク・ウォリアーのジャンと、

 

『そうだな。デュエルスクールのような都会では見れない景色だ』

 

 ドラグニティアームズ-レヴァテインのレヴである。

 

 彼らは主の下を一時離れ、山の散策をしていた。

 

『あ、あれは!』

 

『ジャン? どうかしたのか?』

 

 何かを発見した様子のジャン。そばに生えていた木に駆け寄る。

 

『カブトムシですぞ! カブトムシ!』

 

『・・・・・・そうか』

 

 あまりのはしゃぎ様に若干引き気味のレヴ。

 

 しかし、ジャンがはしゃぐのも、ある意味仕方がないのかもしれない。

 

 彼はつい先日までは下位精霊で、ただ存在しているだけだったのだから。高位精霊で、遊羽と出会ってからずっと一緒にいたレヴにとっては珍しくもないようなものも、ジャンにとっては初めて見るものなのだ。

 

『・・・・・・』

 

 そのことに気づいたレヴ。大人しくジャンを見守ることにしたようだ。

 

『ふう。そういえばレヴ殿』

 

 ある程度はしゃいで疲れたのか、レヴの下へと引き返して来たジャン。

 

『遊羽殿とはいつからの付き合いなのですかな? ずいぶん長く共におられるようですが』

 

『ふむ。では、私と遊羽の馴れ初めでも話すかな』

 

『お願いしますぞ』

 

 そうして、レヴは歩きながら遊羽との出会いについて語り始めた。

 

『私が遊羽と出会ったのは、彼が初めて買ったパックでのことだ』

 

『なんと! 運命的ですな』

 

『ああ。彼は私に気づいて、話しかけてくれた。第一声には驚いたな。なんせ「カッコいい!」だったからな』

 

『遊羽殿らしいですなぁ』

 

『だが、他の人には私が見えなくてな。私を両親に紹介しようとしてくれたのだが、両親は困惑するばかり。次第に遊羽も諦めた』

 

『・・・・・・それは、残酷ですな』

 

 子供が味わうには早い現実。当時、遊羽はまだ五歳だ。

 

『彼はだんだん人とは話さなくなっていった。幼なじみである虹花はまだ話せたが、他は駄目だった。敵対心を抱き、周囲を自らに近づけなかった』

 

『何故その様なことに?』

 

『決まっているだろう』

 

 レヴは歩みを一度止めた。

 

『彼らは、私を見ることができなかったからだ』

 

『どういう意味ですかな?』

 

『彼らは見えない私と話す彼を気味悪く思ったらしく、彼を馬鹿にし始めた。それだけならまだ良かったのだが、それが一緒にいる虹花にも及んでしまってな』

 

『虹花殿はレヴ殿のことを?』

 

『見えていないな』

 

『ならば何故・・・・・・』

 

『虹花はそんな外聞を気にしない子だったのだ。気にしない、というよりは自分の見たものしか信じないタイプだな』

 

『なるほど』

 

『彼女は私の存在の有無に関係なく彼と共にいた。素晴らしい子だ』

 

『そうですな』

 

『しかし、遊羽はそれを良しとはしなかった。虹花とも、距離を置くようになってしまった』

 

 そして、彼は一人になった。

 

『それだけではない。彼らは私がいないと彼に言い聞かせた。優しさ故の行動だったのだろうが、遊羽はそれに激怒した』

 

『して、どうなったのですかな?』

 

『蹂躙した』

 

 それを聞いて、ジャンは絶句する。

 

『デュエルで徹底的に叩き潰した。再起不能になった者もいた。その過程で、ワンキル・ソリティア研究会に切り札をヴァジュランダだと言われ、彼らとの全面戦争ともなった』

 

 それが、彼が恐れられている理由。初等部からデュエルスクールにいる生徒は、彼とは関わろうともしない。

 

『戦は、確か高等部からデュエルスクールに通い始めたのだろう? だから、遊羽を恐れていない』

 

『・・・・・・そう、かもしれませんな』

 

 ジャンも己が主を弁護したいが、その壮絶な過去を聞いた後では、そうではないと断言できない。

 

『レヴ殿は』

 

『何だ?』

 

『レヴ殿はそれを、どう思っているのですかな?』

 

『・・・・・・』

 

 その、壮絶な過去の原因は、何を思ってその蹂躙を見ていたのか。

 

『すまない。上手く言葉にすることができない』

 

『そう、ですか』

 

『ただ、嬉しさと悲しさはあった。遊羽に大切に思われて嬉しい。だが、彼が友人を得る機会を奪ってしまって悲しい、と』

 

 精霊は、基本的にその主人のことを第一に考える。『自分が』どうなるかではなく『主が』どうなるかを優先する。そういうものなのだ。

 

『・・・・・・お、レヴ殿! 祠がありますぞ!』

 

 暗い雰囲気をなくすため、ジャンは話を切り替える。それに気づいたレヴは、ジャンに心の中で感謝する。

 

『そうだな。行ってみるか』

 

 彼らはその祠に向けて歩き出した。

 

『そう言えばレヴ殿』

 

『どうかしたのか?』

 

『その割には、デュエルでレヴ殿を見かけないのですが』

 

『・・・・・・』




次回予告が何も思いつかない・・・・・・。
とりあえず、デュエルはしません。
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