遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
Side遊羽
今思えば、俺は油断ばかりしていた気がする。
この前の虹花とのデュエルでは、レギオンを攻撃表示で出して、そのまま攻撃した。デッキ内容をほとんど知っていたにも関わらず、安易なプレイングだった。本当に警戒していたら、裏側守備表示で出すはずだ。
戦との初めてのデュエルでさえ、俺は油断して追い込まれた。もし手札にバトルフェーダーがなければ、俺はあのまま負けていた。
最終的には勝ったが、どちらも運によるものが大きい。元々俺のデッキは展開力ばかりで、相手を妨害するようなカードはほとんど入っていない。それは、相手を妨害するまでもない、という見下した考えからくるものだ。
去年、ワンキル・ソリティア研究会とデュエルしまくった時は、こんなに油断していなかった。妨害系のカードも今よりは入っていた。
要するに、俺は調子に乗って浮かれていたんだな。あそこに勝ってから、俺は恐れられてデュエルを挑まれることがほとんどなくなった。それで、お山の大将でも気取ってたんだろう。バカバカしいことこの上ない。
レヴと出会って、自分が特別だと思い込んで、それを誰にも直されなくて。
ちょっとばかし強いからって、油断して、追い込まれて。
いつもヘラヘラ笑って、全て自分の思い通りになると勘違いして。
「こんなんじゃ、ダメだな」
今の俺は、レヴに相応しくない。
胸張って、アイツの『家族』だって言えない。
「だから、ちょっとお別れだ」
遊羽SideOut
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Side戦
林間学校が終わって、日曜休みを挟んだ月曜日。
ちょっと前から変わった、僕のいつも通りの日常は、やって来なかった。
「如月くんがいない?」
僕の言葉に、神妙な顔で頷く真宮さん。
「はい。朝起こしに家まで行ったんですが、留守みたいでした」
・・・・・・朝、真宮さんに起こされてるんだ。
「単なる寝坊ってことは?」
「私もそう思って合い鍵で部屋まで行ったんですが、これが・・・・・・」
・・・・・・合い鍵まで渡してるんだ、じゃなくて。
「これは、手紙?」
『自分を見つめ直してくる』
手紙には、それだけが書かれていた。
「それと、これも置いてありました・・・・・・」
「これは・・・・・・デッキ!? 如月くんの!?」
「はい。恐らく」
よく見知ったカードの中には、ドラグニティアームズ-レヴァテインのカードもあった。
その中から、橙色の竜が現れる。
『レヴ殿!? どうなされたのですか!?』
『・・・・・・私にもわからない。気がついたら、遊羽がいなくなっていて・・・・・・』
レヴまで置いていくだなんて、一体何があったんだ・・・・・・?
唐突なるシリアス。そして短い内容。
次回はデュエルする予定です。