遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
磯野、テスト開始の宣言をしろ!
Side戦
先日、如月くんが傷だらけで帰ってきてからが一週間。
今日から、中間テストが始まった。
「覇王眷竜スターヴ・ヴェノムでトドメ」
「ドラゴエクィテスで攻撃、速攻魔法、アクションマジック-フルターン! これでトドメだ!」
「ということで、エクゾディア!」
「カオス・ソルジャー -開闢の使者-で攻撃です!」
登校して、校門をくぐったと思ったら、すぐにこれだ。授業開始までデュエル三昧だね。
「ジャンク・ウォリアーで攻撃、速攻魔法リミッター解除! DNA改造手術の効果で機械族だから、攻撃力二倍! ダメージ計算時、ラッシュ・ウォリアーを捨ててさらに倍! 終わりだよ!」
でも、デュエルする以上は勝ちたいし、テストのためには効率よく勝たないといけない。
よって、ワンキル乱発。永野さんは違うけど、四谷くんや如月くんはワンキルばっかりだ。
「オレに勝ちたければ、ワンキル・ソリティア研究会まで来い」
「手札誘発握ってないのが悪い」
二人とも、こんな調子だしね。あと、四谷くん。勧誘はやめようよ。
ーーーーーーーーーー
放課後、僕は逃げるように図書室へ向かった。図書室ではデュエルが禁止されているからだ。帰ろうにも、校門まで行くのに、何時間かかるかわからない。
「ずっとデュエルとか、死んじゃうって・・・・・・」
『そうですな。休むことは大切ですぞ』
ありがとう、ジャン。
図書室には、一人だけしか利用者がいなかった。きっと、皆デュエルしているんだろう。
「何か本でも読もうかな」
図書室に来たんだし、読書はしないとね。
僕は本棚に近づき、置いてある本を眺める。
「『不動性ソリティア理論』、『ミザエル先生のドラゴンイラスト 傑作集』、『月刊デュエルモンスターズ』、『週刊少年デュエリスト』、『星遺物ストーリー』、『ドラゴン擬人化図鑑』、『古代エジプトから学ぶ、デュエルモンスターズ史』・・・・・・」
うわ、全部デュエルモンスターズ関係じゃん! 特に『ドラゴン擬人化図鑑』とか、誰が借りるんだろう・・・・・・。
「・・・・・・あのー」
突然声をかけられたので振り返ってみると、一人だけいた利用者さんだった。
とても小柄で、黒髪を短めのポニーテールにした、可愛らしい女の子だ。
「えっと、僕に何か用かな?」
初対面、だよね? 僕、何かしたっけ? もしかして、図書室の利用規約的な何かに違反しちゃったりしたのかな? ほら、図書室で音を立てるな、みたいな。
「えと、デッキに入れるカードに迷ってしまったのです・・・・・・。どちらがよいと思うです?」
その少女が見せてきたのは、ギャラクシーサーペントと守護竜ユスティア。どちらもレベル2、通常モンスター、チューナー、ドラゴン族と共通点の多いカードだ。
「一概には言えないと思うよ。どっちにも魅力があるし、デッキによるんじゃないかな?」
僕にはどちらがいいとかわからないので、笑顔で当たり障りない返答をする。・・・・・・初対面で訊くことじゃないと思うんだけど。
「そうですか・・・・・・。なら、デッキを見て欲しいのです!」
何でここまで友好的なんだろうね!? ちょっと怖いよ!?
「えーっと、流石に他人のデッキを見るっていうのには抵抗があるんだけど・・・・・・」
「なら、お友達になれば他人じゃないです! 是非お友達になって、デッキを見てください!」
この子、フレンドリーすぎない!? 笑顔を維持してるけど、苦笑いになりそうだよ!
「いや、突然お友達って言われてもね・・・・・・」
「駄目です? ならなら、お友達未満の関係からならよいです?」
・・・・・・ギブ。もう無理。頭が痛くなってきた。
「わかった、とにかくデッキを見せてもらうよ」
「本当なのです!? ありがとうなのです!!」
パァっと花が咲くように喜んだ表情になる女の子。
『主殿が折れた・・・・・・?』
ジャン、君は僕を何だと思ってるのかな? 僕ってそんなに折れないキャラだったっけ?
『いえ、ちょっとシリアスっぽくしてみようかと』
すごいいらない気遣いありがとう!? ・・・・・・デッキから抜こうかな。
『冗談ですぞやめてくだされ何でもはしませぬが』
今なんでもって・・・・・・。
「では、こちらなのです!! ふんす!」
・・・・・・正直、普通に帰れば良かったと思う
中途半端な終わりですがご容赦を。
次回はデュエルします。