遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
ドラゴン擬人化を否定するつもりで書いたわけではありません。
むしろ私はドラゴン擬人化肯定派です。
Side戦
僕らは今、前にも来たことのあるファミレス『バーガーワールド』にいる。
「む~、後はホーリー・ナイト・ドラゴンだけなのです。通常ドラゴンコンプリートまで」
「ホーリー・ナイト・ドラゴンか。少しボロボロだけど、持ってはいるな」
「本当なのです!? 譲って欲しいのです!!」
「おう。明日あたり持って来るぜ」
と言っても、話しているのは二人だけで、僕はフライドポテトを食べてるだけなんだけどね。
「でも、ただで譲って貰っては申し訳ないのです」
「じゃあ友達になった記念、って事にしてくれ。俺もドラゴン好き友達ができて嬉しいんだよ」
『遊羽に友達ができる日がくるとはな・・・・・・』
そういえば、僕と如月くんの関係って何だろう? ライバル? 友達?
『あんまり気にする必要はないと思いますぞ。強いて言うなら、『仲間』ですかな』
仲間か~。うん、それでいいや。
「ありがとうなのです!! あ、自己紹介してなかったのです」
そうだったね。初対面でどっちのカードがいいかを訊かれて、デッキを見せてもらって、調整したら試運転として即デュエル、だったからね。自己紹介する隙間がないよ。
「そうだったな。俺は如月遊羽だ。よろしくな」
「私は龍塚 手鞠(りゅうづか てまり)というのです。よろしくお願いします、なのです」
如月くんが笑顔で話していたのに、彼女の名前を聞いた瞬間真顔に戻った。
「龍塚? お前、息吹(いぶき)の妹か?」
「お兄様を知っているのです?」
その息吹って人も龍塚性なんだね。
「あぁ。ちょっと前にな」
何があったんだろう?
「ふぁ、もひかひふぇ」
「口の中を空にしてからじゃべれ」
ゴクン。
「もしかして、それがドラゴン性の違いで会ってないっていうドラゴン好き友達?」
「・・・・・・そうだ」
『さすがは主殿ですな』
ありがとう、ジャン。
「それで、何でお兄様とは会わなくなったのです?」
「・・・・・・アイツが、ドラゴンは擬人化に限るとか抜かしたからだ」
・・・・・・ワッツ?
「そんな事をお兄様が!?」
「あぁ。アイツは、俺がドラゴンについての魅力を語った後、『ならこれでも読んでみたら? 遊羽ならオレの好みを理解してくれそ~』とか言って俺に『ドラゴン擬人化図鑑』を差し出してきやがった・・・・・・」
その本図書室のだよね!?
「そんな、お兄様がそんな事を・・・・・・」
「アイツはドラゴン好きの風上にも置けない。擬人化至上主義者なんだよ・・・・・・」
「その様なのです。お兄様の事、信頼してたのにです・・・・・・」
僕、帰っていい? その話、微塵も興味がわかないんだけど。
『主殿、少しの間ですぞ。我慢してくだされ』
いや、ドラゴン好きなのは同じなんだし、仲良くすればいいじゃん。
「最近、ドラゴエクィテスも擬人化したらしいし、擬人化ってそんなに人気なのか?」
それ、色々マズい発言だからね。バレないようにこっそり言ってね。
「どうりで最近お兄様が部屋に入れてくれないと思ったら、そんな、擬人化なんかに気を取られていたのです? 恥ずかしいのです・・・・・・」
恥ずかしいとまで言っちゃったよ。フライドポテトおいしい。
「ところで、そちらのドラゴンさんはどなたなのです? さっきからずっと気になっているのです」
彼女の目線の先にいるのはレヴ。
『あれ、拙者は?』
「ごめんなさい、気にしてなかったのです・・・・・・」
これは、もしかして・・・・・・。
「手鞠。お前、精霊が見えているのか!?」
「? もしかして、見えたらまずいものです? 悪霊とかです?」
『悪霊・・・・・・』
あ、レヴが地味にダメージ受けてるよ! やめてあげて!? フライドポテトおいしい。
『主殿・・・・・・』
いや、おいしいものはおいしいもん。
「いや、見える人がそんなにいないものなんだ、精霊って」
「あぁ! どうりで店員さんが『三名様ですか?』って言っていたと思ったら、そういうことなのです」
ポム、と手を打ちながら納得したような表情を浮かべる龍塚さん。いや、そこで疑問を持とうよ。
「・・・・・・精霊に対しての反応って、コレが普通なのか? 戦も変な反応してたしな」
失礼な。
「あ、私、精霊さんともお友達になりたいのです~! なってもらってもよいです?」
『勿論だ。私はドラグニティアームズ-レヴァテインだ。レヴと呼ばれている。よろしく頼む』
『ジャンク・ウォリアーのジャンですぞ。以後、お見知り置きを』
やっぱりフレンドリーすぎないかなぁ龍塚さん。少し怖い。
『バーガーワールド』って、わかる人どれくらいいるんですかね?
次回はデュエルする予定です。