遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
Side遊羽
テスト開始から、今日でちょうど一週間。
「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでダイレクトアタック」
「うわぁぁあ!」
LP1500→0
テストで少しでもいい成績を残したいのか、デュエルを挑んでくる奴が三割増しで多い。正直、しつこい。
『そう言うな、遊羽。彼らも必死なのだろう』
「でもなぁ」
焦ってデュエルしても、いいデュエルはできない。そんなデュエルを何度やっても、つまらねぇだけだ。血走った目もキモいしな。
「なるほど、戦が図書室に逃げるのも納得だ」
こんなデュエル、いくらやっても意味がないな。
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「トーナメントに出る生徒の発表です」
帰りのホームルーム。異次元の女戦士っぽい担任の女教師から、トーナメントに出る生徒が発表されるらしい。ようやく、無駄なデュエルが終わる。
「このクラスからは、如月くん、真宮さん、遊民くん、四谷くんが出場します。断ることもできますが、それ相応の理由が必要です」
教室内が軽くどよめく。
「何で皆驚いてんだ?」
わからないことは虹花大先生まで。虹ペディアとも言う。
「トーナメントの出場生徒数が八名だからです。このクラスから半分が出た訳ですから、驚いても仕方ないです」
あー、そゆこと。おーけー完全に理解したわ。
「えと、僕も出場していいのかな?」
自信なさげな戦。
「もっと自分に自信を持てよ。『弱くない』ことを証明するんだろ?」
俺の言葉に、若干戦の雰囲気が変わった。まるで、覚悟を決めたような目。
「・・・・・・うん、そうだね」
チョロいな。
遊羽SideOut
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Side???
「お~、遊羽もやっぱトーナメント出るのか。これは楽しみだなぁ♪」
遊羽とデュエルするのって、半年ぶりくらいかな?
「会長。こんなトーナメントで本気を出すつもりか?」
「え~いいじゃん! 春樹は固いなぁ」
『そんなんだと、早く年取るよ~? パートナーみたいにさー』
ほらほら、オレの精霊もこう言ってるし。
『あらあら。それは私に対する当てつけかしら? 小娘が』
「落ち着け、ディペ。子供の言うことだ、真に受けるな」
うわ~、ディペちゃん怖~い。
「会長もディペを挑発するような顔をするな。後でオレが大変だ」
『重い女だって~』
「こらこら、事実にも言っていい事と悪い事があるでしょ?」
『そっか~』
オレが精霊に注意をすると、ディペちゃんの顔が更に怖くなる。
『・・・・・・あなたねぇ! 今日という今日は許さないわよ!』
『うわ~! 怒った~♪』
ディペが逃げるオレの精霊を追いかける。
「まったく。結局いつも通りか」
そ♪ いつも通り、オレの思惑通り♪
「それで、遊羽は強くなってた?」
「さぁ? ワンキルしたからわからないな」
ぶぅ~。またそうやってはぐらかす~。
「亜白龍は渡したんだろ? それに、教室でデュエルを見る機会だってあるでしょ~が」
「人の精霊をからかうような輩に、教えることなどないな」
チェッ! わかったよ。
『待ちなさい!』
『や~だよ♪』
「そこらへんにしてあげて?」
オレが言うと、オレの精霊は大人しくディペに捕まった。
『捕まえたわよ!』
『ぶぅ~! マスターの意地悪~!』
ごめんごめん。後で何かしてあげるから。
『約束だよ?』
あら、可愛い。
『あなたはこっちでお仕置きよ!』
『あ~れ~。助けてマスター~』
引きずられていく彼女を、手を振って見送る。
コホン、と一つ咳払いをして、春樹の説明開始。
「如月は新しいデッキを作ったようだ。カオス青眼ドラグニティ、といった感じだったが、まだギミックが隠されているだろう」
ほうほう。
「ワンキルデッキっぽかった?」
「いや。展開力はあったが、ガンドラXを出す様子も無かった。どちらかと言うと、毎ターンドラゴン族を並べるデッキだろう。ワンキルもできるだろうが、それに特化させた訳では無さそうだ」
へぇ~。遊羽のデッキは相変わらず殺意が高いなぁ~♪
「それで、オレに勝てそう?」
「実力はほぼ互角、といったところか。まだ会長が一枚上だ」
そう。それは良かった。
「前回は引き分けだったからね。今回はオレが勝つよ」
あぁ、早く遊羽とデュエルしたいなぁ♪
初めての主人公以外のキャラ視点です。さぁ、この新キャラは誰でしょう?