遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ   作:柏田 雪貴

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やっと、やっとデュエルです。


戦のデュエル

Side遊羽

 

 授業が終わり、今日も行き着けのカードショップにでも行こうかと席を立つ。虹花は生徒会で仕事があるらしいので、一緒には帰れそうにない・・・・・・一応、待つか。

 

 そう思っていると、担任教師に呼び出された。なんでも、登校中にデュエルしたことについての説教らしい。面倒くさい。

 

ーーーーーーーーーー

 

 説教を聞き流し終えて、ようやく帰れるかと思ったが、どうにもイライラした。

 

 理由は簡単。さっきの説教に朝の・・・・・・誰だっけ、アイツ。まぁアイツが呼び出されてなかったからだ。権力者の息子だかららしい。アホか。

 

 苛立ちを抱えたまま、ふと見た窓の外のデュエル場に、いじめられっ子一人といじめっ子を発見。

 

 ちょうどいい。八つ当たりしよう。

 

 俺は口角を思いっきり上げた。

 

ーーーーーーーーーー

 

「「デュエル!」」

 

 そして、今にいたる。

 

 目の前にいるのは、全身ボロボロの少年。名前? 知らないな。

 

 虹花がくるまでの時間つぶしのデュエル、開始だッ!

 

「先攻はいただく。俺のターン」

 

 手札確認。まあまあかな。

 

「俺は調和の宝札を発動。手札から攻撃力1000以外のドラゴン族チューナーを一枚捨てて、二枚ドロー」

 

 下ごしらえはこんなものか。

 

「俺はドラグニティ-ドゥクスを召喚。効果で墓地のドラグニティ-ファランクスを装備っと」

 

ドラグニティ-ドゥクス ☆4 攻撃力1500

 

 今日も頼むぜ、モンスター達。

 

「さっきの手札交換の時に・・・・・・」

 

 他にないだろ?

 

「んでファランクスの効果。装備しているこのカードを特殊召喚。来い、ファランクス」

 

ドラグニティ-ファランクス ☆2 チューナー 攻撃力500

 

「チューナーと、それ以外のモンスターが一体。シンクロ召喚だね」

 

「もちろん。シンクロ召喚! ドラグニティナイト-ガジャルグ」

 

4+2=6

 

 黄金色の鎧に身を包んだ竜騎士が現れる。

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ ☆6 攻撃力2400

 

「効果発動。デッキからBF-精鋭のゼピュロスを手札に加え、そのまま墓地へ送る」

 

 先攻だとあんまりやることないんだよなぁ、ドラグニティ。

 

『遊羽。彼には私が見えているようだ』

 

「マジか」

 

『あぁ。あまり見下さない方がいいかもしれない』

 

 まぁ、平気だろ。様子見程度ってことで。所詮は虹花が来るまでの時間つぶしだし。

 

「つーことで、ターン終了だぜ」

 

如月遊羽

LP8000 手札4

場 EX:ドラグニティナイト-ガジャルグ

 

「僕のターン。ドロー」

 

 さてと、ボロボロ少年くんは、どんなデッキかな。

 

「僕は、手札から魔法カード、妨げられた壊獣の眠りを発動」

 

 待て待て待て! 壊獣? ワンキルじゃねぇか!

 

「効果で場のモンスターを全て破壊。その後、僕のデッキからカード名の異なる壊獣を、お互いの場に特殊召喚する。君には多次元壊獣ラディアンを、僕の場には壊星壊獣ジズキエルを出すよ」

 

 地面に亀裂が走り、ガジャルグが飲み込まれる。いや、飛べよ。申し訳なさそうにこっち向くな! 仕方なく破壊されてるのはわかったから!

 

壊星壊獣ジズキエル ☆10 攻撃力3300

 

多次元壊獣ラディアン ☆7 攻撃力2800

 

 俺の場に真っ黒なちょっとカッコいい巨人(?)が、ボロボロ少年の場には無機質な破壊兵器が現れる。

 

「僕はSRアクマグネを召喚」

 

SRアクマグネ ☆1 チューナー 攻撃力0

 

 ? スピードロイドは汎用カードとして有名だが、聞いたことないカードだ。マイナーカードか?

 

「アクマグネの効果。相手のモンスター一体と風属性シンクロモンスターをシンクロ召喚する。対象はラディアン」

 

7+1=8

 

「集いし星よ、空に輝く綺羅星となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

 星屑の輝きを持つシグナー竜が降臨する。

 

スターダスト・ドラゴン ☆8 攻撃力2500

 

 ・・・・・・は? ナニソレ強くね?

 

 このコンボを考えたのがコイツだとしたら、俺は彼を舐めすぎていたかもしれない。

 

『だから言っただろう』

 

 ・・・・・・うっさいぞ、レヴ。デッキから抜くぞ。

 

『それは困るが、そんなことして君のデッキが無事で済むと思うか?』

 

 回転力や安定性に問題はない。火力がちょっと欠けてこのデッキを作った意味がなくなるだけだ。

 

『そうだったな。私のために作ってくれたデッキだったな、これは』

 

 あとは、俺が個人的にコイツが大好きってだけだ。

 

「速攻魔法、リミッター解除を発動」

 

 ・・・・・・あ。

 

「僕の場の機械族モンスターの攻撃力を倍にする。かわりに、ターン終了時に破壊される」

 

 ジズキエルの目が赤く光る。赤いオーラまで現れた。

 

壊星壊獣ジズキエル 攻撃力3300→6600

 

 ワンキルだよぉ! やっぱりワンキルだよぉ!

 

「行くよ、バトル」

 

 その宣言は、俺にとって死刑宣告に等しかった。

 

「君の場にモンスターはいない。よってジズキエルでダイレクトアタック! 壊星の一撃!」

 

 確かに今の攻撃力なら星もイケルかもしれない。

 

「だが残念だったな! こっちもワンキル対策ぐらいできている! 来い、バトルフェーダー!」

 

バトルフェーダー ☆1 守備力0

 

 去年、ワンキル・ソリティア研究会と全面戦争をしてから、俺のデッキにはコイツが入っている。・・・・・・よくあそこに勝てたよな、俺。

 

「・・・・・・リミッター解除の効果でジズキエルは破壊される。それに対して、速攻魔法、禁じられた聖衣を発動。破壊を免れる。僕はカードを二枚伏せて、ターンエンドだよ」

 

 悔しそうな顔と共に、ボロボロ少年くんのターンが終わる。

 

遊民戦

LP8000 手札0

場 EX:スターダスト・ドラゴン メイン:壊星壊獣ジズキエル 伏せカード:二枚

 

 ・・・・・・正直、危なかった。侮っていた。コイツの実力を。

 

「すげぇよ、ボロボロ少年くん」

 

「僕は遊民 戦だ」

 

「そうか。なら戦」

 

 俺は、万感の思いを込めて、告げる。

 

「素晴らしいコンボだった。誇っていいぜ。・・・・・・だが、ここまでだ」

 

「!?」

 

「お前に、次のターンはないッ!」

 

 デッキの一番上のカードに手を掛けながら、宣言した。

 

「・・・・・・僕のライフは一つも減っていないよ。伏せカードもある。それでもかい?」

 

「あぁ。その上で、だ」

 

 その上で、全てを砕くッ!

 

「ファイナルターン!」




次回予告

3ターン目にして告げられたファイナルターン。
戦はこのターンを凌ぎきることが出来るのか!?
次回、『遊羽のデュエル』 デュエルスタンバイッ!

長くなりそうだし切りがいいので前後編に。
遊羽の精霊、呼び方と姿とデッキから、もうバレバレですね。

追記
アクマグネで出すのが閃珖竜スターダストだったんですが、光属性だったので直しました。禁じられた聖衣はその代わりです。
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