遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
盛大にネタ回です。カードの効果を間違えてなければプレイミスはスルーしてください。
遊羽達が課題をやったり、映画を見たりしてイチャイチャしていたころ。
戦は『ジャンクフード』にて昼食をとっていた。『ジャンクフード』というのは、栄養価のバランスを著しく欠いた調理済み食品のことではなく、ハンバーガー屋の名前だ。人気メニューは何故かジャンク・ウォリアーの顔の形をしている『ジャンクハングリーバーガー』。戦が今食べているのもそれだ。
『拙者の顔をしたハンバーガー・・・・・・何とも微妙な気分ですな・・・・・・』
「? お持ち帰りして、家で食べる?」
『いや、遠慮しますぞ』
ブンブン首を振って断るジャン。その仕草に、戦は頭の上に疑問符を浮かべる。
「そう? 美味しいのに」
そう言って二つ目のバーガーに手を伸ばす。《E・HERO Great TORNADO》をモチーフにした、『トルネードバーガー』だ。ハンバーガーを包む紙が黒くなっており、レタスが多めに入っている。
勢いよく食べる戦に、ジャンはついつい心配してしまう。
『主殿、いくらなんでもがっつきすぎですぞ。何か飲み物を・・・・・・』
そう言いながら、開いてあったメニューに目を向ける。
ブルーアイズマウンテン・アルティメット 9000円
ブルーアイズマウンテン・ツインバースト 6000円
ブルーアイズマウンテン 3000円
ブルーアイス・ホワイトナイツカフェオレ 3000円
『・・・・・・ぉおう』
そのラインナップに、声にならない声を上げるジャン。どれもお高い。
『高いにも程がありますぞ!? 他にはないのですかな!?』
「
『何を言っているのか皆目見当くらいしかつきませんぞ』
あ、見当はつくんだ・・・・・・と心の中で突っ込む戦だったが、口には出さなかった。出したら一緒にトルネードバーガーが飛び出る。
実際にはジャンの見たメニューはよくあるイチオシの欄で、ちゃんと他のページに通常価格の飲み物もある。
「何だよ!
メインディッシュのフライドポテトに手を伸ばそうとしていた戦の耳に、突然声が響く。
「最近、不良が多いっていう噂があってな。お前さんみたいな奴を店に入れる訳にはいかないんだよ」
「
不快感と共に戦が声のした店の入り口方面へ目を向けると、そこでは髪が真っ白な少年と店員と思しき人物が向かい合っていた。
「ほら、やっぱり不良じゃないか。ほら、帰った帰った」
「うるせぇ! 何で客を帰すんだ! おかしいだろ!」
戦は二人に近づき、声をかけた。
「あの、うるさいからやめてくれない?」
「あぁ!? 何だよ、オマエも
白髪の方に睨まれる戦。だが、彼は首を横にふる。
「いいや。店員さんの方がおかしい。問題も起こしてない人を見た目だけで追い出すのは失礼だと思う。どうですか?」
にっこりと笑いながら店員を見やる。うぐっ、と言葉に詰まる店員。
「だとしてもだ! こんな奴を店に入れて、万が一問題が起きたら、オレが起こられちまう。だから、店に入れる訳にはいかない!」
腕を組み、意見を変えないことをアピールする店員。戦の言葉によって、むしろ状況が悪化してしまった。
「うるさいぞ。何やってるんだ?」
「あ、店長!」
どうしたものかと戦が考えていると、店の奥から人が出てきた。コックの服を着た男性だ。
「どうした、何かあったのか?」
「あのですね、この不良が店に入ろうとしたので、止めていたんです。ほら、店の評判を落とす訳にはいかないでしょう?」
戦達に対する態度から540度態度を変え、ニコニコと手もみしながら弁明する店員。店長は不機嫌そうに戦と少年を見る。
「こいつらが何か問題を起こしたのか?」
「いえ。ですが、問題は起きる前に止めるべきですよ」
店長の言葉に、ますます不機嫌な顔になる店長。
「ならお客様だろ? お客様になんてことしてるんだよ」
「いえ、しかし・・・・・・」
ここでようやく己の失態に気付いた店員。額に汗を浮かべながら、必死に思考を巡らせる。
「そうそう! コイツ、先日ウチの店で食い逃げしたんですよ! いや、捕まえられて良かった!」
そう言いながら、戦の腕を掴む店員。店長の眉がピクリと動く。
「それは本当か?」
「いや、僕は」
「本当ですよ! ほら、店長もコイツの顔に見覚えがあるでしょう? 前から怪しいと思っていたんですよー」
身に覚えのない罪に戦が声を上げるも、店員によって遮られる。
「そうか・・・・・・なら、俺とデュエルしろ、少年」
店長の鋭い目が戦を射抜く。
「デュエルは、人の心を表す。コイツが本当に悪人なら、それはデュエルに現れるだろうよ」
突然のことに戦は目を見張るが、そのまま首を縦にふる。
「わかりました。ただ、彼は関係ないですよね。放してもらえませんか?」
彼、とはもちろん白髪の少年である。
「いいや店長! コイツは食い逃げの仲間かもしれないですよ!」
「わかったから、そんなに大声を出すな。ほら、裏に来い。お前もだ」
店長に連れられ、店の裏に回った戦達。ディスクを構え、店長と向き合う。
「「デュエル!」」
遊民戦
LP8000
店長
LP8000
デュエルディスクが先攻に選んだのは戦。
「僕のターン。ワン・フォー・ワンを発動して、チューニング・サポーターをデッキから特殊召喚!」
チューニング・サポーター ☆1 守備力300
フライパンをかぶったミニロボ。中を見ると呪われるかもしれない。
「さらに、ジャンク・シンクロンを通常召喚! 効果で墓地のチューニング・サポーターを効果を無効にして特殊召喚!」
ジャンク・シンクロン ☆3 攻撃力1300
チューニング・サポーター ☆1 守備力300
「チューニング・サポーターはシンクロ素材になるとき、レベル2として扱える! 僕はジャンク・シンクロンで二体のチューニング・サポーターをチューニング!」
3+1+2=6
「シンクロ召喚! おいで、スターダスト・チャージ・ウォリアー!」
スターダスト・チャージ・ウォリアー ☆6 守備力1300
星屑の戦士の便利な方。もう片方もデッキに入ってはいるが、出番は遠い。
「チャージ・ウォリアーがシンクロ召喚に成功したとき、カードを一枚ドローできる! さらに、チューニング・サポーターの効果発動! シンクロ素材として墓地に送られたとき、カードを一枚ドローする! 合計三枚ドロー!」
使った分の手札を補充する戦。普段ならばもっとドローできているが、今日は軽く事後ったらしい。
「カードを三体伏せて、ターンエンド」
遊民戦
LP8000 手札2
場 エクストラ:スターダスト・チャージ・ウォリアー 魔法・罠:伏せカード×3
「俺のターン。ドロー」
店長は軽く手札を確認すると、ディスクにカードを置いていく。
「モンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンドだ」
店長
LP8000 手札3
場 メイン:伏せモンスター 魔法・罠:伏せカード
「僕のターン、ドロー!」
戦にターンが回る。心配したのか、ジャンが戦の中からでてくる。
『主殿。このデュエル、受ける意味はあったのですかな? あのまま逃げれば良かったのに・・・・・・』
(それは出来ないよ。もしそうしたら、このお店にこれなくなっちゃうし)
戦はこのお店のフライドポテトとハンバーガーを気に入っている。ここにこれなくなるのは、精神的にかなり辛い。
(それに、試したいカードもあるしね)
先日、遊羽に身の上を語ったとき、ふと思い出して探したカードだ。昨日、ようやく探し当て、戦のエクストラデッキに入っている。
「おろかな埋葬を発動! デッキから、シンクロ・フュージョニストを墓地に送るよ。そして戦士の生還を発動! 墓地のジャンク・シンクロンを手札に戻すよ」
シンクロ・フュージョニスト。探し当てたカードを出すために使うカードだ。
「チャージ・ウォリアーを攻撃表示に変更! バトル! チャージ・ウォリアーで伏せモンスターを攻撃!」
「伏せモンスターはプチトマボー!」
プチトマボー ☆2 チューナー 守備力400
二人のプチトマボーが現れ、服の青い方が緑の方を盾にしてチャージ・ウォリアーの攻撃を防ぐ。が、防ぎきれずに自身も破壊される。
『今、盾にしましたぞ!? モンスターとして最低のことをしましたぞ!?』
ジャンはご立腹のようだ。
「プチトマボーの効果発動! 戦闘破壊されたとき、デッキから「トマボー」と名の付くモンスター二体を特殊召喚する! 来いトマボー! プチトマボー!」
トマボー ☆3 守備力800
プチトマボー ☆2 チューナー 守備力400
「僕はこれでターンエンド」
遊民戦
LP8000 手札2
場 エクストラ:スターダスト・チャージ・ウォリアー 魔法・罠:伏せカード×3
「俺のターン、ドロー。マンジュ・ゴッドを召喚! 効果でデッキからハンバーガーのレシピを手札に加える!」
マンジュ・ゴッド ☆4 攻撃力1400
マンジュ・ゴッドの特性、ものひろい。どこからか儀式モンスターか儀式魔法を拾ってくる。
「俺はレベル3、トマボーと、レベル4、マンジュ・ゴッドに、レベル2、プチトマボーをチューニング!」
2+3+4=9
「シンクロ召喚! 現れよ、氷結界の龍 トリシューラ!」
氷結界の龍 トリシューラ ☆9 攻撃力2700
フィールドが冷気に包まれ、冷蔵庫の守護者が現れる。
「トリシューラの効果発動! 場のチャージ・ウォリアー、墓地のチューニング・サポーター、右端の手札を除外する!」
手札のシンクロン・キャリアーが『ギャー何で俺が!?』と悲鳴を上げ、氷漬けにされる。
『シンクロン・キャリアー殿。そなたのことは忘れませぬぞ・・・・・・』
除外ゾーン(そんなゾーンは存在しないが、デュエルディスクには付いている)に向かって敬礼する。エクストラデッキは安全だ。
「バトルだ! トリシューラでダイレクトアタック!」
「うわ、冷た!」
遊民戦
LP8000→5300
「俺はこれでターンエンド」
店長
LP8000 手札4
場 エクストラ:氷結界の龍 トリシューラ 魔法・罠:伏せカード×2
「僕のターン、ドロー!」
(あのデッキは、恐らく伝説のクッキング流!)
クッキング流。調理師デュエリストの誰もが羨むデッキだ。店長もご多分に漏れず、そのデッキを真似ている。
「僕はジャンク・シンクロンを召喚! 効果で墓地のシンクロ・フュージョニストを特殊召喚!」
ジャンク・シンクロン ☆3 チューナー 攻撃力1300
シンクロ・フュージョニスト ☆2 守備力600
「なるほど、それでシンクロ召k「バトルだ!」ぅえ?」
店長の予想とは異なり、バトルフェイズの宣言をする戦。
「速攻魔法、ライバル・アライバル! 手札からモンスター一体を召喚する! おいで、ものマネ幻想師!」
ものマネ幻想師 ☆1 攻撃力0
「攻撃力が0? 一体、どんな効果が・・・・・・」
かなり古いカード、ものマネ幻想師。どこぞのアゴも使っていたカードだ。
「ものマネ幻想師の効果発動! 相手のモンスター一体と同じ攻撃力と守備力を得る!」
ものマネ幻想師 攻撃力0→2700
トリシューラのマネのつもりなのかマントをたなびかせ両手を顔ぐらいにまで上げるが鏡を持って顔を隠しているため上手くいかずに失敗に終わる。
「リバースカード、緊急同調! バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う!」
「バトルフェイズ中にシンクロ召喚だと!?」
遊戯王名物、驚いたらオウム返しを発動し、目を見開く店長。
「僕はジャンク・シンクロンでシンクロ・フュージョニストをチューニング!」
3+2=5
「集いし星が、鋼に打ち勝つ戦士となる! シンクロ召喚! ジャンク・ウォリアー!」
ジャンク・ウォリアー ☆5 攻撃力2300
『久々の登場、ですぞ!』
最近活躍していなかったせいで溜まったストレスを発散するべくフィールドを飛び回るジャン。その先でトリシューラにぶつかり身体を凍らせながらもまだ飛び回るが途中で氷がエンジンの中に入り撃沈する。
「何やってるんだ? あのモンスター」
「おい、うるさいぞ! デュエルの邪魔をしたら、オレが店長に怒られるかもしれねえじゃねえか!」
白髪の少年が呟くと、醜く保身に走る店員。何となく、店長の不機嫌さが増したのを戦は感じた。
「シンクロ・フュージョニストの効果で、デッキから超融合を手札に加える」
林間学校へ行くときのバスで手に入れたカード。ようやく伏線の回収ができた。
「ジャンク・ウォリアーの効果発動! 僕のフィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力分、攻撃力をアップする!」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2300→5000
流石に凍って寒くなったのか、ものマネ幻想師からマントを借りてフィールドの端で氷が溶けるのを待つジャン。ものマネ幻想師が気を効かせて日光を鏡で反射してジャンに当てている。攻撃力が上がったのはそのおかげではないかと一瞬思ったがすぐにデュエルに意識を戻す。
「ジャンク・ウォリアーでトリシューラに攻撃! スクラップ・フィスト!」
『もう寒くありませんぞ!」
ものマネ幻想師が尽力を尽くしたこともあり、パワーアップして完全復活したジャンが拳でトリシューラを砕く。若干まだ凍っていたが、むしろその分固くなって痛そうだ。
店長
LP8000→5700
「ものマネ幻想師でダイレクトアタック!」
「リバースカード、戦線復帰! 墓地からプチトマボーを特殊召喚!」
プチトマボー ☆2 チューナー 守備力400
「ならプチトマボーに攻撃!」
ものマネ幻想師が鏡で日光を反射し、プチトマボーを炙る。焼きトマトならぬ炙りトマト。
※このトマトはジャンが美味しくいただきました。
「プチトマボーの効果で、デッキからトマボーとプチトマボーを特殊召喚!」
プチトマボー ☆2 チューナー 守備力400
トマボー ☆3 守備力800
プチトマボーの緑色とトマボーがフィールドに現れ、少し後に青色のプチトマボーが緑色を踏みながらフィールドに飛び出てくる。さっきから緑が不憫だ。
『倒しても倒しても出てくるトマト・・・・・・食べ放題ですな』
先程の炙りトマトをムシャムシャしながらジャンが呟く。意外に美味しいらしい。
「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンドだよ」
遊民戦
LP5300 手札1
場 エクストラ:ジャンク・ウォリアー メイン:ものマネ幻想師 魔法・罠:伏せカード×3
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードを見た瞬間、店長の口元に笑みが浮かぶ。
「薔薇の刻印を発動! 墓地のトマボーを除外し、ジャンク・ウォリアーのコントロールを得る!」
『む! 生の方が美味しいですな!』
除外されたプチトマボーによってジャンが餌付けされ、店長側につく。
「ジャン!?」
『あーあー! 効果で! 効果で仕方なくこちら側につきますぞ! 決して美味しいトマトをまた食べたいなーとか思っていませんぞ!』
いかにも仕方なく、といった風を装うジャンだが、口元によだれのようにガソリンが垂れている。ジャンク・ウォリアーのエンジンはガソリンで動いているらしい。
「そして、クリッターを召喚!」
クリッター ☆3 攻撃力1000
毛むくじゃらの悪魔。そして、この二体が揃ったということは・・・・・・。
「俺は儀式魔法、ハンバーガーのレシピを発動! ジャンク・ウォリアーとクリッターでクッキング!」
ジャンとクリッターがフライパンに乗せられ、火にかけられる。
『熱ちちちちち! 熱、熱いですぞ!? あ、クリッター殿が諦めている! え、何? 天使の施しの天使と相乗りしたときにもう牢屋暮らしを覚悟していたから今更? 拙者は嫌ですぞー!!』
フライパンの上で泣き叫ぶジャン。店長側についたことに関しては文句を言っていないあたり、よほどトマトを気に入ったらしい。ものマネ幻想師は裏切ったジャンが許せないらしく、フライパンの底に日光を当てて温度を上げている。
ふとそのフライパンに疑問を感じて戦が除外されているチューニング・サポーターを見れば、そこにはマフラーだけで顔を隠しているミニロボが。頭のフライパンを使われているらしい。
「調理召喚! ジャンクリッターバーガー!」
ハングリーバーガー ☆6 攻撃力2000
ジャンク・ウォリアーの身体にハングリーバーガーの胴体。バーガーの中身はクリッター。そんなカオスなバーガーが誕生した。
『ふぅ。まさか調理される日が来るとは思っていませんでしたな』
カードから抜け出し、しれっと戦の後ろに舞い戻ったジャン。戦はしばらく無視することにした。
「ハンバーガーの具材となったクリッター効果発動! デッキからマンジュ・ゴッドを手札に加える!」
手札に加わるものひろい。ものひろいが拾われている。
「さらに! 俺は死者蘇生を発動! 墓地のトマボーを特殊召喚!」
トマボー ☆3 守備力800
「俺はレベル3、トマボー二体に、レベル2、プチトマボーをチューニング!」
2+3+3=8
「シンクロ召喚! 現れろ、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ☆8 攻撃力3000
250円のコンロの守護者が、長年の使用で傷ついた姿。
「バトルだ! スカーライトで、ものマネ幻想師を攻撃!」
「うわ、熱い! 今度は熱い!」
遊民戦
LP5300→5000
「続けて、ジャンクリッターバーガーで攻撃!」
バーガーからクリッターが射出され、戦にぶつかる。
遊民戦
LP5000→3000
「俺はこれでターンエンド。さぁ、ここからどうする?」
店長
LP5700 手札1
場 エクストラ:レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト メイン:ハングリーバーガー
「僕のターン、ドロー」
引いたのはドッペル・ウォリアー。手札にはダーク・バーストがある。
『さぁ、主殿! 今こそ拙者を出して反撃ですぞ!』
「僕はダーク・バーストを発動。墓地からジャンク・シンクロンを手札に加わるよ。そしてそのまま通常召喚!」
ジャンク・シンクロン ☆3 チューナー 攻撃力1300
『効果で墓地のモンスターを特殊召喚して、手札のドッペル・ウォリアーも特殊召喚! 拙者が大暴れ! ですな!』
「効果で墓地のシンクロ・フュージョニストを特殊召喚!」
シンクロ・フュージョニスト ☆2 守備力600
『よし、拙者の出番「リバースカード、超融合!」あるぇえ!?』
コストで墓地に送られるドッペル・ウォリアー。銃を片手に敬礼する姿をジャンは幻視した。
「あなたのハングリーバーガーとシンクロ・フュージョニストで融合する!」
「俺のモンスターで融合だと!?」
融合の渦が現れ、本来素材となるモンスターが入るはずが、中からツルが伸び、強引にハングリーバーガーとフュージョニストを取り込む。
「闇の花咲く美しき毒竜よ! 全てを飲み込み食らい尽くせ! 融合召喚! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ☆8 攻撃力2800
禍々しくも美しい毒竜。戦の母親の遺産で、昨日探していたカードだ。
『な、何故ェーー!?』
驚愕で赤いモノアイを思い切り開くジャン。
戦は、ニィヤァと笑う。この反応のために、わざわざダメージを負ったのだ。
「スターヴ・ヴェノムの効果発動! 融合召喚に成功したことで、スカーライトの攻撃力を得る! ヴェノム・ドレイン!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃力2800→5800
スターヴ・ヴェノムがツルを伸ばし、スカーライトから養分を吸い取る。若干炎で焦げているが、問題にもならない。
「スターヴ・ヴェノムの第二の効果! 相手モンスターの効果と名前を得る! ヴェノム・イート!」
スターヴ・ヴェノムがツルから養分だけではなく存在までもを奪い始める。
「得たスカーライトの効果発動! 自身の攻撃力以下の特殊召喚されたモンスター全てを破壊し、その数×500ダメージを与える!」
養分をあらかた吸い尽くしたスターヴ・ヴェノムは、もう用済みだと言わんばかりにスカーライトに炎のブレスを吐く。その炎も、元はスカーライトのものだ。
「バトル! スターヴ・ヴェノムでダイレクトアタック! スカーライト・ブレス!」
スカーライトの炎を宿したブレスが放たれ、店長を包み込んだ。
店長
LP5700→0
デュエルが終わり、少しの静寂があってから。
(ヤバい! ジャンにあまりにイラついてスターヴとか出しちゃったけど、これじゃあ食い逃げだと思われてもおかしくない!)
焦りのあまり、冷や汗が首筋を伝う。だが、店長の反応は予想を裏切るものだった。
「いや、素晴らしい。礼儀正しく、残さず俺のモンスターを食べるとは! こんな少年が食い逃げなんてする筈がないな」
デュエリスト対してはあんまりなプレイングだったが、料理人に対してはこちらの方がよかったらしい。
「おいお前。明日から来なくていいぞ」
「なっ、そんな!?」
デュエルの結果に呆然としていた店員だったが、店長の言葉に我に返った。
「あー、
「おう。お前らはれっきとしたお客様だ。おいバイト! 最後の日くらいきちんと働けよ!」
そうして店に戻っていく店長。店員は戦達の方を見て盛大に舌打ちした後、店の中に戻った。ただし、店長の入ったカウンター方面ではなく、バックヤードの方だ。
戦もまた、冷めてしまったであろうフライドポテトに思いを馳せながら、店に戻った。
遊羽のデュエルは真面目。戦のデュエルはギャグ。
今回はギャグに力を入れまくったらこうなりました。8500文字とか、初めてです。