遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
デュエルしません。(元々一回しかデュエルしてないけど)
Side遊羽
山のようなフライドポテト。そしてそれを食べる戦。眺めている俺。それが今起きていることの全てだ。
あのデュエルの後、コイツと話をしてみたくなって、近くのファミレスによった。おごってやるからと言って。その結果が、この有り様だ。虹花にはここにいると連絡してある。
「・・・・・・なぁ、戦」
「・・・・・・、ふぁに(何)?」
・・・・・・食うの止めないのな。
「お前のデッキって・・・・・・」
「ふぃふぇふぉうふぁ(見せようか)?」
「きたねぇし何言ってるかわからない。食うかしゃべるかどっちかにしろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
食う方選びやがった、コイツ。
「・・・・・・パックでも開けるかな」
確か昨日あたり箱で買ったはずだ。バックの中に、と。よしあった。
「・・・・・・」
戦が視線を向けてくるが、無視だな。
ペリッ
えーと、何々? 星杯? このテーマは使わないなぁ。お、マジカルシルクハットか。使い方次第で面白いことができるんだよな、このカード。
続けてパックを開けていく。
お、ドラグニティ! セナート? 新しいカード出てたんだなー。クーゼ? こっちもか。・・・・・・ん?この効果ってバルーチャ出しやすいな! 帰ったらデッキを組み直そう。
「・・・・・・・・・・・・」
次のパックは、WW? ウィンドウィッチ? バーンデッキか? いやでもチューナー? シンクロ召喚とバーンを組み合わせたテーマなのか? あ、トリックスターにも融合モンスター出たのか。バーンデッキならこっちの方が有名だな。
お、コレって・・・・・・!
「♪~~♪~~~」
ちょっと上機嫌になってきた。欲しいカードが出たからな。鼻歌ぐらいは勘弁して欲しい。
『・・・・・・』
「・・・・・・」
レヴとか他のお客さんとかの視線も痛いけど、気にしない気にしない。あと27パックも残ってるし、今日は大勝利だぜ。
「・・・・・・何をしているんですか?」
声に反応してそちらを見れば、般若心経が。拝むか。
「南無三」
「何故拝むんですかっ!」
「? 般若心経が見えたから」
拝むだろ? 普通。
「まぁ冗談はこのくらいにして。仕事は終わったのか、虹花?」
なんと般若心経の正体は怒る生徒会長、真宮虹花だったのだ! シャレにならねぇ。
「えぇ、終わりました。貴方がデュエルしている間に」
・・・・・・あ、マズい。これ結構怒ってる。
「い、いやー? これには訳がありまして?」
ヤバいって。冷や汗が止まらない。
「それで? いったいどのような理由で私を置いていき、デュエルを楽しんでいたんですか? 是非とも聞きたいですね?」
ヲーのよく死ぬ竜さんホルアクティさん三幻魔ドン千バリアン三邪神ズァーク。伝説のデュエリストの皆さん! 俺に(言い訳する)力を!
「・・・・・・あ、ちょっとお花摘みに「行かせるとおもいますか?」・・・・・・はい」
神は死んだ。
『はぁ、説明くらいしてやったらどうだ?』
いや、この怒り様だと、何言っても通じないだろ?
『諦めろ』
・・・・・・お前マジでデッキから抜くぞ?
『それでどうする気だ?』
さっき当てたウィンドウィッチとドラグニティを合わせてクリスタルウィングのデッキを作る。
『・・・・・・すまなかった。共に説教を聞いてやるから、それは止めてくれ』
説教確定かよ!
「戦! お前から説明を」
してくれ、とは続かなかった。
「・・・・・・?」
コイツ、追加オーダーしてやがる。
「さて、抵抗はもう終わりですか?」
「い、いや、ちょっ、待っ」
ーーーーーーーーーー
お、終わった・・・・・・。やっと説教終わった・・・・・・。
一時間だぜ一時間! 辛ぁ・・・・・・。
『自業自得だな』
とりあえず、俺のパック5つで今のところは手打ちにしてもらった。
「♪~~♪~~~~♪~~」
ホクホク顔でパックを開ける虹花。俺も開けるかな。
BF・・・・・・あ、またウィンドウィッチ。これはもう本格的にデッキ組むかな。お、クリバンデットか。虹花が欲しいって言ってたな。
「なぁ虹花」
「何でしょうか♪」
・・・・・・いいカードでも出たのか? 超上機嫌じゃん。
「クリバンデットが出たんだが、何かとトレードしないか?」
「勿論です!」
うおっ。凄い食いつきいいな。
「何がいいですか? ドラグニティの新規は生憎持っていませんけども・・・・・・」
「このウィンドウィッチっていうのをだな・・・・・・」
「は?」
ん? あれ? 虹花さん、凄い怒ってらっしゃる?
「に、虹花? どうしたんだ?」
「ドラゴンならまだしも、美少女カードですか? 何のつもりですか」
何ギレ!? ねぇこれ何ギレ!? さっき説教食らったぜ!?
「はぁ、まあいいでしょう」
よくわからない怒りはおさまったようだ。意味わからん。
「ですが、WWはカードが5種類しかないですよ? そんなカードで何を?」
「デッキパーツとして使えねぇかなと。相性はわからないが、カードがないことには始まらない」
風属性だし、シンクロ軸だし。バーンは使わないけど、あって損はないだろう。ブラックフェザードラゴン使うやつなんてほとんどいないし。俺がさっき当てたカードを使われたら困るけど。
「で、お前はいつまで食ってるんだ?」
俺の目線の先にいるのは、俺が説教されてる間にもずっとフライドポテトを食っていた戦。
「ふぁふぁっふぁ。ふぉうふぁめふ(わかった。もうやめる)」
口の中のものを飲み込み、戦はようやく食事をやめた。
「それで、僕に何の用?」
やっと、ようやく本題に移れる。
「お前のデッキを見せて欲しい」
「・・・・・・えーと、それは何で?」
戦は困惑した表情を浮かべる。ま、さらそうなる。
「お前のデッキって、多分コンボデッキだろ? 他にどんなコンボがあるのか気になってな」
いちいちコンボの説明をされるより、デッキを見せてもらった方が早い。
「遊羽、今日はもう遅いです。また後日にしてはどうです?」
・・・・・・もう遅いって、説教がなければ余裕でしたよ?
「何か?」
「いいえ、なんでもありません」
この光景を見ていた戦はアハハ、と笑って
「僕は基本暇だし、いつでもいいよ。同じクラスだし」
「・・・・・・マジで?」
同じクラスだったのか?
「まったく、遊羽は・・・・・・」
『もう少し他人に興味を持ってはどうだ?』
レヴまで・・・・・・。
「じゃあ戦。一つ頼みがあるんだ」
「頼み?」
「今後、俺以外に負けるな」
「えーと、何で?」
「俺は弱いものいじめはしない主義なんでな。お前が負けると、俺の株が下がる」
それに、と続けて
「お前、『弱くない』んだろ?」
特大の挑発をしてやった。
それに対して、戦は。
「わかった。僕は『弱くない』ことを、証明しよう」
満面の笑みで答えた。
次回予告
『弱くない』証明のために負けないことを決めた戦。
そんな彼に、デュエルをいどむ者がいた。
次回、『証明の第一歩』 デュエルスタンバイッ!
ノリと勢いで書きました。
とりあえず、次回はデュエルします。