遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
デュエルなしです。
孝之と星河がデュエルしていた頃。
虹花が生徒会の仕事をしている間、図書室で時間を潰していた遊羽は、テーブルの上に自身のデッキを広げて、一人唸っていた。
(ドラグニティはよく回るし展開力もあるんだが、相手を妨害するようなカードや攻撃を止めるカードが無いんだよな・・・・・・汎用カードに頼らざるを得ねぇ)
並べたカードの内、ピンク色をしているのは《聖なるバリアーミラーフォースー》や《神の通告》といった汎用カードばかり。ドラグニティにも専用罠の《ドラグニティ・ドライブ》があるが、正直言って使い物にならない。
(一応、手札誘発も入れてはいるが・・・・・・)
ドラグニティモンスターの横に並ぶのは、《速攻のかかし》や《エフェクト・ヴェーラー》等の汎用手札誘発。ドラゴン族の手札誘発が欲しいところだが、《鉄騎龍ティアマトン》というピーキーなカードや、戦闘破壊された時にリカバリーとして出てくるようなモンスターばかりだ。
(ドラゴン族の手札誘発・・・・・・あ)
ふと頭に《古聖戴サウラヴィス》と《ディサイシブの影霊衣》が思い浮かび、儀式召喚も組み込んだデッキも考えるが、数秒で諦めた。
(無理あるな・・・・・・それに、親父と被るし)
彼の父親、如月 青羽(きさらぎ あおば)のデッキを思い出し、遊羽が渋い顔をする。
丁度そこへ、遊羽に声を掛ける生徒がいた。
「あれ? 何をしているのです?」
息吹の妹、龍塚 手鞠だ。小さい身体と同じくらい長い黒髪をポニーテールにし、手には数冊の本を抱えている。
「いや、デッキをどうしようかと考えて、て・・・・・・」
話しながら、ふと思いついたコンボについての考察を始めてしまう遊羽。彼が一人でデッキを組みたがるのは、こういうクセがあるのも理由の一つだったりする。
「? どうかしたのです?」
「・・・・・・どうにかして青眼の究極竜を出した後ザボルグをアドバンス召喚して、エクストラデッキ12枚破壊とかできねぇかなーと思ってな」
何気なく青眼の白龍の精霊が聞いたら失神しそうなことを呟く遊羽。それを聞いた手鞠は、顔を白くしながら首を振る。
「や、止めた方がいいと思うのです・・・・・・絶対そんなことしてはいけないのです・・・・・・」
自分の青眼の究極竜が破壊されたところを想像したのか、白から青に顔色を変える手鞠に、遊羽は焦りながら否定する。
「い、いや! やらねぇって! 俺もドラゴン好きだ、そんな外道なことはしねぇよ」
言いながら、異世界で出会ったドラゴン好き達のことを思い出して、口元が緩む遊羽。あれはいい体験だった。尤も、そのドラゴン好きの一人である二股でヘンタイロリコンストーカーフィギュアフェチな青年が先程のコンボをしていたとは思いもしなかっただろうが。
「それなら良かったのです! 私は危うく、大切なお友達を亡くしてしまうところでした!」
「おう・・・・・・おう? 何か『なくす』の字がおかしかった気が・・・・・・?」
一瞬手鞠の目にヤンデレオーラが漂ったのを感じ取った遊羽が冷や汗を流しながらも一応肯定する。と同時に、そんなコンボやらなくて良かったと心底安堵した。
と、そこで遊羽のケータイが鳴る。
遊羽は「悪い」と手鞠に断りをいれてから、その電話に出た。
「何だよホッさん。あ? 神のカードが使われてる? 店長のおかげ? いや、知らねぇよ。どこの世界の話だよ、それ。・・・・・・骨董品店? あー、オーケー。それ以上言うな。色々と危ないから。つーか俺達が異世界行ってる間何してたんだよ。さっさと回収してくれりゃあ良かったのによ。・・・・・・」
電話が長くなりそうなことを感じ、本を探しに離れる手鞠。
遊羽の電話は、その後三十分程続いたという。
この後遊兎達のデュエルを入れようと思ったんですが、長くなりそうだったのでここでカットです。
公立受験があるため、二月に入ったら本当に投稿できなくなります。ご了承ください。