遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
違う、違うんだ。ふと最新段のカードが目に入って、wikiで調べたらいけるってあったから・・・・・・。
デュエル回です。
昼休みに息吹から放課後にワンキル・ソリティア研究会の部室へ来るよう呼び出しを受けた戦だったが、新レギュレーションによるショックから立ち直ったらしい不動性ソリティア理論の先生の授業が長引いたために遅れてしまった。
「ごめん、龍塚くん。授業が長引いちゃって」
部室の扉を開け、謝罪と共に入室する戦。そんな彼を、息吹は笑顔で迎える。
「いいっていいって。じゃ、早速遊兎とデュエルしてくれる?」
言いながら、息吹は遊兎に目を向ける。
「・・・・・・あ? 今度は誰だよ、って
白髪に学ラン、制服の下のTシャツには『ちっちゃい頃から悪ガキで』とプリントされている。そんな変わった外見に目がいった戦は、とっさに相手のことを思い出せなかった。
「え? ・・・・・・誰?」
呆然と呟く戦、彼を指差す遊兎。
この緊迫した状況(笑)で先に動いたのは、我らが脳筋、遊民戦。
「ああ! この前ジャンクフードで絡まれてた不良くんか!」
「そうそう、ってどんな覚え方だよ!
戦にツッコミを入れると同時に自己紹介も済ませる遊兎。戦も「あ、僕は遊民戦です。よろしく」「あ、どうもこちらこそ」と自己紹介をした。
「それじゃ、お互い名前もわかったことだし、早速デュエル開始だね♪」
成り行きを傍観して楽しんでいた息吹が二人に声をかける。
すると、二人に気を使ってか、孝之と星河は扉を開けて部室を出た。
「バイト行ってくるわー」
「電波を察知した。ある世界の並行世界に突撃してフルボッコにしてくる」
ああ、死んだなオリジン。
『行ってらっしゃ~い♪』
そんな彼らに手を振るオッドアイズ。孝之は見えていないため無反応だが、彼の精霊であるイヴとアウラムは手を振り返した。ニンギルスは特に反応しなかったが。
「じゃ、改めてデュエルしようか」
腰のホルダーからデッキを取り出し、デュエルディスクにセットする戦。それを見て、遊兎もまたディスクを構える。
「「デュエル!」」
遊民戦
LP8000
月見遊兎
LP8000
「僕のターン、手札抹殺を発動するよ。お互いに手札交換だね」
互いに手札を全て捨て、戦は四枚、遊兎は五枚ドローした。
「ジャンク・シンクロンを通常召喚! 効果で墓地のチューニング・サポーターを特殊召喚!」
ジャンク・シンクロン ☆3 チューナー 攻撃力1300
チューニング・サポーター ☆1 守備力300
「チューナーとそれ以外のモンスター。ってことは、」
「まだだよ。機械複製術を発動! デッキからもう二体、チューニング・サポーターを特殊召喚する!」
チューニング・サポーター ☆1 守備力300
「いくよ、ジャンク・シンクロンで、三体のチューニング・サポーターをチューニング!」
3+1+1+1=6
ジャンク・シンクロンが光の輪に変わり、三体のミニロボを包む。
「シンクロ召喚、スターダスト・チャージ・ウォリアー!」
スターダスト・チャージ・ウォリアー ☆6 攻撃力2000
「チャージ・ウォリアーの効果と、チューニング・サポーターの効果をそれぞれ発動して、デッキから四枚ドロー!」
「四枚ドロー!? い、インチキ臭ぇ!」
戦にとってはいつも通りのプレイングなのだが、遊兎からすれば驚きのドロー数だ。
「墓地のジェット・シンクロンの効果を発動するよ。手札一枚をコストに、墓地から特殊召喚!」
ジェット・シンクロン ☆1 チューナー 守備力0
墓地から扇風機のようなモンスターが飛び出す。夏に回すと涼しそうだが炎属性だ。
「現れろ、強きを挫くサーキット! 僕はスターダスト・チャージ・ウォリアーとジェット・シンクロンをリンクマーカーにセット!」
八つの矢印の付いた門に吸い込まれるモンスター達を見て息吹はハリファイバーかと思ったが、矢印の方向が右と下であることから違うことがわかる。
「リンク召喚! 真打ち登場だ、落消しのパズロミノ!」
落消しのパズロミノ link2 攻撃力1300
門から出てきたのは、ピエロのような魔法使い族。戦が新しく手に入れたカードだ。
「墓地のラッシュ・ウォリアーの効果発動だよ。ジャンク・シンクロンを手札に戻す。カードを四枚伏せて、ターンエンド」
遊民戦
LP8000 手札2
場 エクストラ:落消しのパズロミノ 魔法・罠:伏せカード×4
「お、
四枚の伏せカードに若干ビビりながらもカードをドローする遊兎。頭を振って、恐怖を消した。
「
レスキューラビット ☆4 攻撃力300
メガロスマッシャーX ☆4 攻撃力2000
ヘルメットを被ったウサギが、フィールドに現れて早々に助けを求めて
「行くぜ! フィールドの攻撃力2000以上のモンスター、メガロスマッシャーXを二体リリースすることで、銀河眼の光子竜を特殊召喚!」
銀河眼の光子竜 ☆8 攻撃力3000
メガロスマッシャーXが赤い十字架に吸収され、そこから銀河が誕生する。夏休み中に戦がいた異世界では、アンデットになったりしていた。
「更に! 墓地の恐竜族モンスター二体を除外することで、究極伝導恐獣を特殊召喚!」
究極伝導恐獣 ☆10 攻撃力3500
フィールドに現れる、太古の恐竜の頂点。だが、寝転がって面倒くさそうにしている。
「あ、おい! 真面目にやれって!」
遊兎が叫ぶが、究極伝導恐獣は素知らぬ顔で欠伸している。
「あーもう! バトルだ!」
「その瞬間、リバースカード、ライバル・アライバル! 手札から、ジャンク・シンクロンを召喚! 効果で、墓地からドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」
ジャンク・シンクロン ☆3 チューナー 攻撃力1300
ドッペル・ウォリアー ☆2 守備力800
「更にリバースカード、緊急同調! バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う! ジャンク・シンクロンで、ドッペル・ウォリアーをチューニング!」
3+2=5
「集いし星が、鋼に打ち勝つ戦士となる! シンクロ召喚! おいで、ジャンク・ウォリアー!」
ジャンク・ウォリアー ☆5 攻撃力2300
『DE・BA・N! ですぞ!』
意気揚々と肩を回しながらパズロミノの後ろに降り立つジャン。しかし、
『主殿、この奇っ怪な方の効果は?』
「すぐにわかるよ。先ずはジャンク・ウォリアーの効果を発動! それにチェーンして、パズロミノの効果も発動! 更にチェーンして、ドッペル・ウォリアーの効果発動! 最後にチェーンしてリバースカード、旗鼓堂々!」
大量に組まれるチェーン。それでは、逆順処理開始。
「まずは旗鼓堂々の効果で、墓地の団結の力をジャンに装備!」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2300→3900
「続けて、ドッペル・ウォリアーの効果で、ドッペル・トークン二体を特殊召喚!」
ドッペル・トークン ☆1 攻撃力400
ジャンク・ウォリアー 攻撃力3900→5500
「パズロミノの効果! リンク先にモンスターが特殊召喚されたとき、そのモンスターのレベルを1から8まで変更する!」
「あ、それヤバいやつ」
デュエルを見ていた息吹が、思わずポツリと呟く。遊兎はジャンク・ウォリアーの効果を知らないためか、首を傾げている。
ジャンク・ウォリアー ☆5→1
『あ~れ~! 拙者の身体が小さく!?』
レベルが下がったせいか、デフォルメされて小さくなるジャン。まるでオモチャかヌイグルミだ。
「そして、ジャンク・ウォリアーの効果! フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力分、攻撃力をアップする!」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力5500→11800
小さくなった身体の代わりに倍以上に上がる攻撃力。身体の大きさと攻撃力が反比例している。
『身体が小さくて動きにくいけど、一応、攻撃力アップですぞ!』
わーい! わーい! と小柄な身体で跳ねまわるジャン。身長的には、ドッペル・トークンとそう変わらない。攻撃力に天と地程の差はあるが。
「攻撃力、11800!? でも、関係ねぇ! 究極伝導恐獣で、パズロミノに攻撃だ!
重い腰を上げ、『止めた方がいいよ?』という目を遊兎に向けながらもパズロミノに突っ込む究極伝導恐獣。しかし、その前にジャンが立ちふさがる。
「最後のリバースカード、立ちはだかる強敵! このターン、君のモンスターはジャンに攻撃しなければならない!」
「へ? ・・・・・・は!?」
『あーうん、やっぱりねー』と溜め息をつく究極伝導恐獣。遊兎は頭の理解が追いついていない。
「ジャンの迎撃! ミニ・スクラップ・フィスト!」
『別名、オモチャパンチですぞ!』
小さな拳で究極伝導恐獣をワンパンノックアウトするジャン。シュールだ。
月見遊兎
LP8000→0
「はあああああ!?」
ようやく事態に付いてこれた遊兎。だが、時既に遅し。デュエルの勝敗は決した。
「これは・・・・・・ワンキル、なのか? 言うなら、カウンターワンキルかな♪」
あまり見ないデュエルの結末への動揺のためか、変な発言をする息吹。この発言によって、ワンキル・ソリティア研究会内部から独立してカウンターワンキル研究会ができたとかなんとか。
「いや、何だよ今の!? 攻撃したと思ったら反撃されて・・・・・・」
罵詈雑言でも浴びせられるのか、と戦は少し身構える。
だが、遊兎が発した言葉は、彼の予想を裏切るものだった。
「すげーな!!
「え? あ、うん。ありがとう」
感動したように言う遊兎に、戸惑いながらも笑顔で答える戦。
彼らのやり取りを見ながら、冷静になった息吹は思う。
(ホント、ぶっ壊れた戦い方だ。まるで、
以前、戦は両親の死を乗り越えたと言っていたが、それは違う。
ただ、心が壊れただけだ。それも、本人が気づかない内に。
それは、精霊と人間の間に生まれ、他人の心を読める息吹にだけわかったこと。遊羽でさえ、このことには気付いていない。
(今のところは問題ないけど・・・・・・)
もし、戦が自分の心と向き合う時が来たら。
ふとした時に、そう考えてしまう。
(ま、今は考えても仕方ないか♪)
答えのない考えを振り払うかのように、息吹は少し笑うと、戦と遊兎が話す間に入っていった。
「そろそろ下校の時間だよ♪ 遊兎は花園さんと帰るんでしょ?」
「な、何でそれを!?」
「え? あ、マジで?」
息吹の反応から冗談だったことに気付いた遊兎は、顔を赤くしながら叫ぶ。
「
「おーおー、オレになんか構ってていいの? 花園さんが待ちくたびれてるかもよ♪」
今にも飛びかかりそうな遊兎に、息吹はからかうように言う。そして、それを少し離れて眺める戦。
(僕も帰ろうかな。家に遊戯王チップスのストックがまだあったはずだし)
「じゃ、帰ろうか♪」
そう息吹が言ったのをきっかけに、その日は解散となった。
一応、デフォルメジャンを描いてみました。
【挿絵表示】
・・・・・・うん、下手。(中学生の画力)
多分、この後は三月まで投稿しません。
感想欄で見かけたら、『ああ、受験勉強から逃げ出したんだな』と察してください。