遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
ということで、早速投稿。
デュエルなしです。
一般的に、夏休みが終われば、次は期末テストだ。今回のテスト内容は、筆記試験と実技試験である。
(わ、わからねぇ・・・・・・何だよ、『時』と『場合』の効果処理の違いって・・・・・・チェーン処理で優先されるもの? プレイヤーが選べるんじゃないのか? 強制効果とか、もうわけわからねぇ!!)
転校生扱いとは言え、遊兎もテストは受けなければならない。
しかし、彼はあまり頭がいい方ではない。もちろん、コンマイ語が難しいのもあるが、それを踏まえても彼は周りの生徒から劣っていた。
息吹はといえば。
(う~ん、わかんない♪ オッドアイズ、ちょっと三沢くんの答案用紙を見てきて?)
『は~い♪』
思いっきりズルである。
そして彩葉は。
(わからない・・・・・・)
答案用紙をじっと眺めたかと思えば、鉛筆をカラカラ転がし、その鉛筆の先に掘られた言葉をそのまま答案用紙に書き込んでいく。
(・・・・・・ペリー)
おい待て、それ社会じゃない。しかもそこ選択問題。
一方、一組の遊羽は。
(・・・・・・相手の攻撃を無効にする手札誘発モンスター・・・・・・夏休みに虹花とやったとこだな。答えはゴーストリック・ランタン、っと)
余裕である。愛の力は強いのだ。
無論、虹花も同じだ。遊羽の隣で、スラスラと答案用紙に答えを書いていく。
(Q:《機甲忍者ブレード・ハート》が、自身の効果で2回攻撃能力を得ています。1回目の攻撃を無効にされた際に《ダブル・アップ・チャンス》を発動しました。この場合、この《機甲忍者ブレード・ハート》はあと何回攻撃できますか? ですか・・・・・・遊羽が《ダブル・アップ・チャンス》を使っていてくれて助かりました。あと一回ですね)
この様に、遊戯王wikiからも問題が出たりと、そこそこ難易度は高いのだが、そこはさすが生徒会長といったところだろうか。
さて、我らが脳筋、戦は。
(チェーン処理で優先されるのは、強制効果。その後にプレイヤーが効果を発動して、相手はそれにチェーンできる。コストとかで強制効果を発動すると、相手はそこに割り込めなくなるんだったよね)
この脳筋、意外とできる。
元々、戦のデッキはカードを組み合わせてジャンク・ウォリアーの攻撃力を上げて殴るデッキだ。そして、意外と頭を使う。
彼は、プレイングを攻撃力に全振りしてはいるが、そこそこオールマイティーなデュエリストなのである。
問題なのは、三年生だ。あと半年で卒業し、その先の進路も決めなくてはならない彼らにとって、このテストは大切なものだ。
(《ウェザー・レポート》の効果かー。前にデュエルしたプロで使ってる人がいてよかったー、確かリバース効果で、《光の護封剣》を破壊してバトルフェイズを二回おこなえる、だったような)
プロで得た知識を生かし、難問を解いていく日向。プロの名前は、伊達じゃない!(ガンダム風)
その隣では、星河が少し考えながら答案用紙に答えを書いている。
(自分の好きなカード、それとその理由について書きなさい、か)
考えたのは一瞬で、星河は《銀河眼の光子竜》と書き込んだ。
『・・・・・・』
無言でガッツポーズを作るフォトン、そして悔しがるタキオン、それを見て呆れる星態龍の姿が、そこにはあった。
星河とは方向の、日向の隣。そこでは、孝之が頭を抱えながら唸っていた。
(《オネスト》の効果、確か光属性モンスターの攻撃力アップと、もう一つ、何だっけ・・・・・・?)
彼の後ろでも、イヴ、アウラム、ニンギルスが主を心配そうに見つめている。しかし、彼がそれに気付くことはなかった。
一番テストに集中できなかったのは、二年生の響だ。
(兄さんは大丈夫ッスかね・・・・・・遊羽達も、デッキを作るときに勉強を見てあげた方が良かったかもしれないッス・・・・・・)
兄と後輩達が心配で、どうしてもそちらに気がいってしまう。
情けない兄を持つ妹は辛いと、響は心の中でさめざめと泣いた。
ーーーーーーーーーー
筆記試験の後は、実技試験である。
「バトル! マシンナーズ・フォートレスでダイレクトアタック! 速攻魔法、リミッター解除!」
「う、うわあぁ!」
月見遊兎
LP3000→0
「クソ、また負けた・・・・・・」
今回の実技試験は、生徒同士でデュエルを数回行い、その結果に応じた詰めデュエルをする、というものだ。
言うまでもなく、遊兎に不利である。
「これでフィニッシュ♪ ガンドラXの効果で、フィールドのモンスターを全破壊!」
「お前のフィールドにしかモンスターはいないけどな」
「黙らっしゃい! アークロード・パラディオンの攻撃力分のダメージだ♪」
ガンドラXの身体から放たれたレーザーによって、息吹のフィールドは壊滅。にも関わらず、デュエルは息吹の勝利である。
その後、息吹は出題された『黄昏トライワイトゾーン』という副題付きの詰めデュエルをクリア。
彩葉は相手のモンスターをパクって《交血鬼ヴァンパイア・シェリダン》をエクシーズ召喚、効果で相手のモンスターを破壊し更に自身のフィールドに特殊召喚した後、《RUM幻影騎士団ラウンチ》を使って《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》にランクアップしてフィールドを焼き払って二回攻撃と、かなりえげつないコンボを繰り出していた。
続く詰めデュエルもクリアし、息吹まではいかないにしても、かなりの好成績を収めた。
そして、遊兎は。
全五デュエル中一勝四敗。しかも勝因は相手の手札事故。詰めデュエルも解けずじまいと、あまり芳しくない結果となった。
(ダメだ・・・・・・こんなんじゃダメだ。これじゃあ、彩葉を守れない!)
彼が修行に出た理由。強くなりたい理由。
それは、ただただ好きな女の子を守りたいというだけだ。
遠巻きに遊兎を眺めていた息吹は、彼の様子から心情を察し、近づいて話しかけた。
「何うなだれてんの? まだ次があるでしょ♪」
「・・・・・・息吹」
遊兎が息吹に向けたのは、少し妬ましそうな視線。それを笑って受け流した息吹は、遊兎に約束を取り付ける。
「強くなりたいなら、実戦あるのみ♪ 今日の昼休みと放課後の部活の時間、またデュエルだ」
「・・・・・・わかってる」
遊兎だって、息吹を妬むことがお門違いであると理解しているし、その上で自分のために動いてくれていることもわかってる。
彼はただ、自分の弱さが、堪らなく不甲斐なかった。
まぁそんな
息吹が遊兎が強くなるために色々している理由は、ただ一つ。
(いやー、今日は何回負けるかなー♪)
ただ、自分が楽しみたいだけだ。
(そもそも、花園さんは守ってもらうほど弱くないのにねー♪ 自分よりも強い女の子を、どうやって守るんだか)
彼はウキウキしながら、昼休みのデュエル相手に連絡を入れた。
学級閉鎖で休みになったので、時間ができました。学級閉鎖最高!
冗談はさて置き、皆さんも体調などにはお気をつけください。