遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ   作:柏田 雪貴

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やってしまった・・・・・・またストレスでry

デュエル回です。


遊羽の鍛錬

 遊兎と日向がデュエルしている頃。

 

 遊羽は一人、現在使われていない旧校舎で、レヴと相対していた。

 

『いくぞ、遊羽』

 

「実戦じゃ相手は声なんてかけてくれねぇよ。いつでもいいぜ」

 

 レヴの手には大剣が、遊羽の手には武器化したドラグニティ-クーゼが握られている。

 

『シッ!』

 

 先に動いたのは、レヴ。

 手に持つ大剣で、遊羽に切りかかる。

 

 それを、真っ向から受け止める遊羽。そのまま鍔迫り合いに持ち込み、右手一本でクーゼを持つと、何も持っていない左手を大きく振りかぶる。

 

「オラァ!」

 

 そのまま振り下ろした瞬間、左手に武器化したドラグニティ-ブランディストックが出現し、レヴを襲う。

 

『クッ』

 

 バックステップと翼を使ったドリフトで後退するレヴ。その隙を逃さず、遊羽は両手の武器を手放し、レヴとの間合いを詰める。

 

「ハァッ!」

 

 突き出した右手に現れたのは、武器化したドラグニティ-アキュリス。その赤い槍が、レヴの首もとで寸止めされる。

 

『もう、私では相手にならなそうだな』

 

 降参を示すように大剣の実体化を解くレヴ。それを確認し、遊羽もまたドラグニティ達をカードに戻す。

 

「・・・・・・」

 

 遊羽はそのまま壊れた床に寝転がってボサボサの茶髪の後ろで両手を組み、不機嫌そうな顔で天井を睨む。

 

『・・・・・・遊羽』

 

 レヴはそんな彼を気遣い、それ以上声をかけないことにした。

 

 夏休みが明けて、約一週間。遊羽は、放課後をほとんどこうして過ごしていた。

 理由は簡単、夏休み中にリアルファイトで負けたからだ。

 

(このままじゃあ、虹花を守れない)

 

 そう思った遊羽は、レヴを相手に放課後の鍛錬を始めたのだった。

 

(でも、まだ足りない)

 

 恐らく、まだ彼女には勝てないだろう。勝てなくても、せめてもう少し追いつきたい。そんな思いから、彼は槍を振るっている。

 

『ッ、遊羽』

 

「どうした、レヴ」

 

 急に沈黙を破ったレヴに、遊羽が起き上がる。

 レヴが目を向けている旧校舎の入り口を見れば、そこに人影が見えた。

 

「おや? 先客がいましたか」

 

 白い長髪に、高い身長。遊羽の身長は175cmだが、目の前の男は180cmほどはありそうだった。

 

「お前は?」

 

「私は・・・・・・そうですね。ユーザとでも名乗っておきましょうか」

 

 男の少し考える素振りから偽名であることはわかったが、遊羽は特に言及しなかった。

 

「ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ。迷ったのなら出口まで案内するぜ?」

 

「あぁいえ問題ありません。それよりも、何か悩んでいる様子でしたが、私で良ければ話を聞きますよ?」

 

 話題を逸らすためにではなく、これが本題であると直感した遊羽は、訝しむように目を細める。

 

「まるで見ていたかのような口振りだな。セキュリティかDGCにでも訴えるか」

 

「待ちましょう話し合いましょう平和的解決をしましょう?」

 

 焦ったように早口になるユーザに、遊羽の彼を見る目が一層細くなる。

 

「まぁいいか。じゃ、さっさと帰ってくれ。俺はここでやることがあるんでな」

 

 しっしっと追いやるように手を動かす遊羽。しかし、ユーザはそれを断る。

 

「お断りします。それより、私とデュエルしませんか?」

 

 試すような、挑発するような口調に、ドラゴンと虹花が絡まなければ比較的大人しい遊羽もピクリとこめかみを動かす。

 

「俺を、舐めてんのか?」

 

「受け取り方は人それぞれでしょう。で、どうしますか? 相手してくださるんですか?」

 

 どこまでも挑発的な態度をとるユーザに、遊羽は鼻で笑う。

 

「ハッ、いいぜ。その挑発、乗ってやる」

 

「ありがとうございます、とでも言っておきましょうか」

 

 お互いにディスクを構え、距離をとって向き合う。

 

「「デュエル!」」

 

如月遊羽

LP8000

 

ユーザ

LP8000

 

「俺の先攻、まずは調和の宝札を発動。手札のドラグニティ-ファランクスをコストに、二枚ドロー。ドラグニティ-ドゥクスを召喚! 効果でファランクスを装備して特殊召喚!」

 

ドラグニティ-ドゥクス ☆4 攻撃力1500→1900

 

ドラグニティ-ファランクス ☆2 チューナー 守備力1100

 

 フィールドに現れる、鳥戦士と小型のドラゴン。遊羽のデッキ(ドラグニティ)の基本的な動きだ。

 

「ファランクスとドゥクスをリンクマーカーにセット、リンク召喚! 来いドラグニティナイト-ロムルス!」

 

ドラグニティナイト-ロムルス link2 攻撃力1200

 

 門から竜騎士がフィールドに姿を現す。中間テストトーナメントの賞品として手に入れ、しばらく出番のなかったカードだ。

 

「ロムルスの効果で、デッキからドラグニティの神槍を手札に加える。ターンエンド」

 

如月遊羽

LP8000 手札5

場 エクストラ:ドラグニティナイト-ロムルス

 

「では私のターンドロー。まずはSRベイゴマックスを特殊召喚し、効果でタケトンボーグを手札に加え、特殊召喚!」

 

SRベイゴマックス ☆3 守備力600

 

SRタケトンボーグ ☆3 守備力1200

 

その二体(独楽と竹蜻蛉)・・・・・・規制前ならインヴォーカー確定だったな。オフリスとダーリングのコンビと同じく)

 

 そんな覇王のモンスター達の闇を感じながら、遊羽は次の展開を予測する。

 

「タケトンボーグの効果。自身をリリースし、デッキよりSR三つ目のダイスを特殊召喚!」

 

SR三つ目のダイス ☆3 チューナー 守備力1500

 

 竹蜻蛉が回転し吹き飛ぶと、デッキから賽子が転がり出る。

 

「開け、古き玩具のサーキット。アローヘッド確認、召喚条件は風属性モンスター二体! 私はベイゴマックスと三つ目のダイスをリンクマーカーにセット、リンク召喚! HSR-GOMガン」

 

HSR-GOMガン link2 攻撃力1000

 

 独楽と賽子が門をくぐると、ゴム銃に組み換わった。

 

「なるほど、そっち(リンク召喚)か!」

 

「ええ。新規が貰えて喜ばしいですね。捕食植物にはなかったようですが。フフッ」

 

 どこか邪悪な笑みを浮かべるユーザ。事情を知らない遊羽は首を傾げるしかない。

 

「GOMガンの効果を発動します。エクストラデッキのHSR-魔剣ダーマを除外し、デッキのSR電々大公とSRベイゴマックスを選択します。さぁ、選んでください?」

 

「同じカード三枚よりはマシだけど、選んだカードによっちゃあ向こうよりも酷いことになるな。右だ」

 

 文句を言いつつも遊羽が選んでしまったのはSRベイゴマックス。遊羽は自身の不運さを嘆いた。

 

「それではGOMガンのもう一つの効果により、手札からSRダブルヨーヨーを召喚します」

 

SRダブルヨーヨー ☆4 攻撃力1400

 

SR三つ目のダイス ☆3 チューナー 守備力1500

 

 ゴム銃のリンク先に二つのヨーヨーが出現すると、それに釣られるように墓地の賽子もフィールドに出た。

 

「チューナーとそれ以外のモンスター、来るぞ遊馬!」

 

「来ませんアストラル、行きます遊星。ダイスでダブルヨーヨーをチューニング!」

 

3+4=7

 

「加速、高速、超高速! 神速の翼、今羽ばたけ! シンクロ召喚! クリアウィング・ファスト・ドラゴン!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ☆7 攻撃力2500

 

 賽子とヨーヨーが加速し、遊羽の持つ竜とは異なるクリアウィングがフィールドを駆ける。

 

「何だそのドラゴン! かっけぇ!」

 

「流石はドラゴン馬鹿、ぶれずにその反応ですか」

 

 見たことのないドラゴンにテンションの上がる遊羽と、それに呆れるユーザ。

 

「ファストの効果です。ロムルスの効果を無効にし、攻撃力を0にします」

 

ドラグニティナイト-ロムルス 攻撃力1200→0

 

 ファストが咆哮すると、ロムルスの騎士の方がビビって転げ落ち、竜単体となる。

 

「「・・・・・・」」

 

 その様子をなんとも言えない表情で見つめる二人。ユーザは気を取り直して、バトルフェイズに入った。

 

「ファストでロムルスを攻撃! ソニックムーヴ!」

 

 ファストが羽ばたくと、それによって破裂音が響き、驚いたロムルス(竜単体)が破壊される。死因はショック死。

 

如月遊羽

LP8000→5500

 

「「・・・・・・」」

 

 再び二人の間に気まずい空気が流れた後、GOMガンが続けて輪ゴムを射撃、遊羽にダメージを与える。どうやらゴム銃よりも輪ゴム鉄砲寄りだったらしい。

 

如月遊羽LP5500→4500

 

「では、カードを一枚伏せ、ターン終了」

 

ユーザ

LP8000 手札4

場 エクストラ:HSR-GOMガン メイン:クリアウィング・ファスト・ドラゴン 魔法・罠:伏せカード

 

「(あの盤面で手札四枚かよ)俺のターン、ドロー。まずはWW-アイス・ベルの効果発動! デッキのグラス・ベルと共に特殊召喚!」

 

WW-アイス・ベル ☆3 守備力1000

 

WW-グラス・ベル ☆4 チューナー 守備力1500

 

 フィールドに舞い降りた魔女達をちらりと確認した後、伏せカードに目を向ける。

 

「気にしても仕方ねぇな。アイス・ベルがチェーン1、グラス・ベルがチェーン2だ。デッキから二枚目のスノウ・ベルを手札に加え、500ダメージを食らってもらうぜ」

 

「地味に痛いですね」

 

ユーザ

LP8000→7500

 

 アイス・ベルがステッキでユーザを殴る。これをあと16回繰り返せば勝利となるほどの微々たるダメージだ。

 

「効果でスノウ・ベルを特殊召喚、アイスとスノウの二体をリリースし、アドバンス召喚! 轟雷帝ザボルグ!」

 

轟雷帝ザボルグ ☆8 攻撃力2800

 

 現れた自害専用モンスターにユーザが呟く。

 

「なるほど、つまり自爆テロですか」

 

「イエースザッツライト。相手と自分のエクストラデッキを巻き込んだテロだな」

 

 テロリストという不名誉な名称を付けられたらザボルグが『ええーい、何時ものことじゃあ!』と半ばヤケになりながら自身を雷で打つ。

 

「墓地に送ったヌトス三枚の効果発動だ。おっと丁度三枚だな、全部破壊だ」

 

 テロに巻き込まれたオバサンが怒り心頭でファスト、GOMガン、伏せカードを破壊し、ついでにザボルグの頭も殴る。ザボルグも『俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!』と抗議したが聞いてもらえなかった。

 

「酷い・・・・・・」

 

「その言葉のシチュエーションには少し足りねぇな。まぁ合わせるか、ミラクルシンクロフュージョンを発動! 墓地のスターダスト・チャージ・ウォリアーとドラグニティナイト-トライデントで融合!」

 

 合わせる、という言葉に冷や汗を流しながらも、展開用のカードばかりの手札では止めることができず、どうしようもないユーザ。

 

「蒼き竜騎士よ、星屑の戦士よ。その魂交わりて、新たな鼓動を刻め! 融合召喚! 波動竜騎士 ドラゴエクィテス!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ☆10 攻撃力3200

 

 竜達の住まう渓谷に降り立つ竜人。最近、とあるプロも使っていたらしい。

 

「ドラゴエクィテスの効果発動! 墓地のヴァジュランダを除外し、その名前と効果を得る! そして装備魔法、ドラグニティの神槍!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃力3200→4200

 

「合わせる、ということは・・・・・・」

 

「お察しの通り。ドラグニティの神槍の効果で、デッキからドラグニティ-ブランディストックを装備!」

 

 元の槍ではなく、ドラグニティの神槍と武器化したドラグニティ-ブランディストックを両手に持ったドラゴエクィテス。中々絵になるその姿に、遊羽は一人満足した。

 

「バトルだ。ドラゴエクィテスでダイレクトアタック!」

 

「墓地の三つ目のダイスの効果発動! 除外し、攻撃を無効とします!」

 

 墓地から三つ目のダイスが転がり、バリアーを張る、かと思いきやドラゴエクィテスに突撃し足止めする。中々アクティブな賽子だ。

 

「ブランディストックを装備しているため、ドラゴエクィテスは二回攻撃できる! 行け、ドラゴエクィテス! ニレンダァ!」

 

ライフで受ける(シーン再現ありがとうございます)!」

 

ユーザ

LP7500→3300

 

 ドラゴエクィテスが槍でユーザを貫いた。ブレスでないことが唯一の反省点か。

 

「これでターンエンドだ」

 

如月遊羽

LP4500 手札3

場 エクストラ:波動竜騎士 ドラゴエクィテス メイン:WW-グラス・ベル

 

「では私のターン、ドロー」

 

 遊羽の手札は中身がドラグニティ-アキュリスとWW-アイス・ベルだと露見しているため、手札誘発を恐れる必要はない。つまり、ユーザは思う存分展開(ソリティア)できる、ということだ。

 

「スタンバイフェイズ、墓地のキメラフレシアの効果で、デッキからミラクルシンクロフュージョンを手札に加えるぜ」

 

「問題ありません。SRベイゴマックスを特殊召喚し、効果でデッキより再びタケトンボーグを手札に加え、特殊召喚します」

 

SRベイゴマックス ☆3 守備力600

 

SRタケトンボーグ ☆3 守備力1200

 

「タケトンボーグの効果により、デッキからSR赤目のダイスを特殊召喚します」

 

SR赤目のダイス ☆1 チューナー 守備力100

 

「なるほど、レベルを合わせてエクシーズか」

 

「何故そうもエクシーズ召喚を推すんですか? 赤目のダイスの効果により、ベイゴマックスのレベルを6とします」

 

SRベイゴマックス ☆3→6

 

「私はレベル1、SR赤目のダイスで、レベル6となったベイゴマックスをチューニング!」

 

1+6=7

 

「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て! シンクロ召喚! 現れろ、レベル7! クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ☆7 攻撃力2500

 

「やっぱ来たか、クリアウィング」

 

 言いながら、自分のエクストラデッキのクリアウィングを確認する遊羽。そこには、キチンと彼のクリアウィングがいた。

 

「墓地のSR電々大公の効果発動! 墓地から除外し、赤目のダイスを特殊召喚!」

 

SR赤目のダイス ☆1 チューナー 守備力100

 

 墓地の電々大公が自身のでんでん太鼓を鳴らすと、フィールドに賽子が転がった。

 

「つーことは・・・・・・」

 

「お察しの通り、と返すのが適切でしょうか。SR赤目のダイスで、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンをチューニング!」

 

1+7=8

 

「神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て! シンクロ召喚! いでよ! レベル8! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ☆8 攻撃力3000

 

「ッ、クリスタルウィング・・・・・・」

 

「どうです、このふつくしいドラゴン。属性は異なりますが、青眼の白龍や銀河眼の光子竜に並ぶステータス、そしてそれらを超える効果!」

 

「確かにふつくしい・・・・・・自分で使うのも有りだが、こうして向き合ってみると、改めて気付くこともあるな」

 

 お互いに感動した空気に包まれる。ツッコミどころ満載だが、レヴは遊羽の後ろでデュエルを見守り、遊羽の邪魔はするまいと黙っていた。

 

「っと、デュエルを再開しましょう。クリスタルウィングで攻撃! 烈風のクリスタロス・エッジ!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃力3000→7400

 

 クリスタルウィングが羽ばたき、その翼でドラゴエクィテスを切り裂く。

 

如月遊羽

LP4500→1500

 

「おや、かなりライフが少なくなりましたね」

 

「0以外なら問題ねぇ」

 

 異世界で出会ったドラゴン好きの言葉だが、遊羽も似たような考えだ。例え残りライフ1になろうと、負けなければ安い。

 

「そうですか。では速攻魔法、アクションマジック-ダブル・バンキングを発動します! クリスタルウィングでもう一度攻撃!」

 

 クリスタルウィングが羽ばたき、グラス・ベルが破壊される。

 

「ターンエンドです」

 

ユーザ

LP3300 手札3

場 エクストラ:クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン

 

「俺のターン、ドロー」

 

 引いたカードを見るなり、口角を上げる遊羽。

 

「ミラクルシンクロフュージョンを発動! 墓地のWW-アイス・ベルとWW-ウィンター・ベルで融合!」

 

「墓地のモンスターで融合ですか」

 

「冬の鈴の音、氷の音! 今交わりて、凍てつく結晶となれ! 融合召喚! WW-クリスタル・ベル!」

 

WW-クリスタル・ベル ☆8 攻撃力2800

 

「クリスタル・ベルの効果発動! 墓地の覇王眷竜スターヴ・ヴェノムを除外し、その効果を得る!」

 

「ッ、クリスタルウィングの効果発動です! その効果を無効とし、破壊します!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃力3000→5800

 

「アイス・ベルを特殊召喚! 効果でグラス・ベルを特殊召喚!」

 

WW-アイス・ベル ☆3 守備力1000

 

WW-グラス・ベル ☆4 チューナー 守備力1500

 

「効果はわかってるよな? グラス・ベルの効果でスノウ・ベルを手札に加え、アイス・ベルの効果で500ダメージだ」

 

「仕方ありませんね」

 

ユーザ

LP3300→2800

 

「手札に加えたスノウ・ベルの効果発動だ。特殊召喚」

 

WW-スノウ・ベル ☆1 チューナー 守備力500

 

「行くぜ。グラス・ベルでアイス・ベルをチューニング!」

 

4+3=7

 

「重なれ、輝きの翼! 舞え、白き竜! シンクロ召喚! クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ☆7 攻撃力2500

 

 ユーザが呼んだものと同じドラゴン。しかし、纏う雰囲気が少し異なる。遊羽のクリアウィングの方、主に似てが殺気立っている。

 

「さーて。それじゃ、ミラーマッチと行くか! スノウ・ベルで、クリアウィングをチューニング!」

 

1+7=8

 

「重なり合え、水晶の翼! 舞い踊れ、白銀の竜! シンクロ召喚! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ☆8 攻撃力3000

 

「バトル! クリスタルウィングで攻撃!」

 

 遊羽のクリスタルウィングが羽ばたき、己と同じ姿の竜に咆哮する。同族嫌悪かもしれない。

 

「「クリスタルウィングの効果発動!」」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃力5800→8800

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃力3000→11800

 

 チェーンの優先権は、ターンプレイヤーにある。そのため、ユーザのクリスタルウィングでは、遊羽のクリスタルウィングに勝てない。

 

「これでトドメだ!」

 

ユーザ

LP2800→0

 

「ふう、負けてしまいましたか」

 

 収束していくソリッド・ヴィジョンを眺めながら、ユーザが呟く。

 

「なあ。お前、本気出してなかったろ」

 

 遊羽は確信を持ってユーザに訊く。返ってきたのは、薄い笑みだった。

 

「さぁ? どうでしょうかね」

 

 一応、というようにとぼけておきながら、ユーザは続ける。

 

「人生の先輩からのアドバイスです。自分一人で全てを解決しようとするのは独りよがりです。自分の力を過信するのは、愚か者のすることです」

 

「・・・・・・」

 

 遊羽が何も言わずにいると、ユーザはそれでは、と手を振って旧校舎を去った。

 

『遊羽』

 

 レヴが遊羽に声をかける。

 

「・・・・・・」

 

 彼は、少し遠くを見つめていた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「戻りました、我が覇王」

 

 遊羽とのデュエルを終えたユーザ―――白は、覇王から頼まれていたおつかいを済ませ、暗い空間へと戻った。

 手に持つ袋には大量のお菓子。この世界の乱れを調査するためのものだ。

 

「・・・・・・? ッ! 我が覇王!?」

 

 空間に入った白の目に映ったのは、倒れている覇王。

 

「ど、どうなされたのですか、我が覇王!?」

 

 慌てて白が駆け寄ると、覇王はピクピクと痙攣しながら、腹を押さえていた。

 

「わ、我が覇王?」

 

 様子がおかしいことに気付いた白は、少し怪訝な目で覇王を見る。

 

「プッ、クハハハハハハハハ! ダメだ、我慢できねぇw面白すぎて腹痛いわぁwww」

 

 大爆笑しなが床を転げ回る覇王。よく見れば、紫と黒も近くで痙攣している。

 

「じ、『人生の先輩』ってwww白、お前あいつと身体は同い年だろうがww」

 

「し、白さん、あれはないよw僕らを殺すつもりなの?w」

 

 言いたい放題である。

 

 無論、白自身もクサいことを言った自覚はあるし、振り返れば数十分前の自分を殴りたい衝動に駆られるだろうが、それでも後悔はしていない。

 

「あれだけ自信満々にデュエル挑んで負けるとかwww全力を出せないにしても、もーちょいイケただろうにww」

 

「つーか、負けたのに説教とかw何様だよ、お前www」

 

「あれだけ手札あったのに、一枚も手札誘発じゃないって、どういうことww速攻のかかしとメンコートしか入れてないの?w」

 

 それでも、他者から指摘されるのは恥ずかしいし、後悔したくなるものだ。

 

「~~~! 別にそこまで笑う必要はないでしょう!? というか、二色はどうしたのですか!?」

 

「あ、あいつなら映像を保存してDVDに焼くってw」

 

「フ・タ・イ・ロ~!」

 

 鬼の形相で二色を探しに行く白。笑いから復活した三人は、それぞれ彼の持ち帰ったお菓子に手を伸ばす。

 

「あ、森羅万象チョコで姫宮出た」

 

「良かったじゃねぇか王様。この栗棒ダーもうめぇぞ」

 

「新発売の裂栗棒(サクリボー)、結構おいしいよ」

 

 ラスボス達は、今日も平和だ。




息吹と遊兎メインの章のはずなのに、遊羽がデュエルしてる・・・・・・。


白の買ったお菓子↓

栗棒ダー
ボーダー柄のパッケージに入った栗棒。クリーム味。

クリア栗棒
砂糖によって表面が銀色の栗棒。とっても甘い。

裂栗棒(サクリボー)
某チーズのように裂ける栗棒。意外と美味しいらしい。

栗ボーン
骨の形をした栗棒。犬も食べられるという噂がある。

森羅万象チョコ
森羅の姫宮がパッケージされたチョコという名前のウエハース。森羅のモンスター達の描かれたイラストカード一枚付き。たまにナチュルとかインフェルノイドとかクリフォートとかそれに引きずられたクラッキング・ドラゴンとかオシリスの天空竜などが混ざっているらしい。
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