遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ   作:柏田 雪貴

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三連休で時間に余裕ができたので、投稿。

デュエル回です。


神の力の一端

「次は俺だ」

 

 日向と遊兎のデュエルが終わったため、星河が出番かと腰を上げる。

 

 だが、それを制する者がいた。

 

「ちょっと待った。いや、かなり待った」

 

 残された三羽烏の一人、孝之だ。

 

「どうした」

 

「どうしたもこうしたもあーしたもそうしたもないぜ。オレが最後とか、マジで勘弁してくれ」

 

 本当に困った顔で言う孝之に、星河は驚く。

 

「お前はそんなことで弱気になるような奴ではないだろう」

 

「いーや、解ってねぇなぁ」

 

 ヤレヤレと首を振り、肩を竦める孝之。星河の額に青筋が浮かぶ。

 

「いいか、星河。こういうので最後になるのは、大体一番強い奴なんだよ」

 

「それで?」

 

 はっきりしない物言いに苛立ちながらも、星河は話を促す。

 

「ここにいる三年生の中で、オレが一番弱い! だから、大鳥はヤダ!」

 

 ドン! と胸を張って言い切る孝之。星河は怒りを通り越して呆れた。

 

「・・・・・・それだけか?」

 

「まぁ待てよ。まだ理由はあるぜ」

 

 孝之は指を立てながら説明する。

 

「まず、日向とお前の実力は五分と五分。対して、オレがお前らに勝ったのなんて、まだ二桁だ。三羽烏だなんだと言われちゃいるが、オレはあくまで一般人。特別なことなんて何一つない。当然、オレと月見くんのデュエルは接戦になる。白熱した戦いになればいいけど、もしそこでオレが負ければ月見くんのオレに対する心象は『弱い先輩』になっちまう。それは避けt「「デュエル!」」ってうおい、待てい!」

 

 そして、孝之を無視してデュエルが始まった。

 

月見遊兎

LP8000

 

銀星河

LP8000

 

(オレ)の先攻! まずはレスキューラビットを召喚!」

 

レスキューラビット ☆4 攻撃力300

 

 いつもの通り、遊兎のフィールドに現れるヘルメットを被ったウサギ。早速助けを求める。

 

「レスキューラビットの効果で、デッキからメガロスマッシャーXを特殊召喚!」

 

メガロスマッシャーX ☆4 攻撃力2000

 

「同じレベルのモンスターが二体・・・・・・来るぞ、遊馬!」

 

 無視されたと泣く孝之を放置し、息吹が茶々を入れる。

 

「馬じゃねぇ、兎だ! (オレ)はメガロスマッシャーX二体でオーバーレイ! エクシーズ召喚! フレシアの蠱惑魔」

 

フレシアの蠱惑魔 ★4 守備力2500

 

 蠱惑魔達が集結し、一つのモンスターとなる。 ※除くセラの蠱惑魔

 

(オレ)はカードを伏せて、ターンエンド!」

 

月見遊兎

LP8000 手札3

場 エクストラ:フレシアの蠱惑魔 魔法・罠:伏せカード

 

「俺のターン、ドロー」

 

 引いたカードは封印されしエクゾディア。

 

『星河、オレを活躍させてくれ』

 

(どうかしたのか?)

 

 突然のエクゾディアの発言に星河が訊くと、彼はいたって真面目な顔で言った。

 

『オレの新カードが出たからだ』

 

「は?」

 

 思わず肉声で返事をしてしまう。遊兎が視線を向けてくるが、星河は目でなんでもないと伝えた。孝之は部屋の隅でいじけている。

 

『新カードが出たんだ。イメージアップしておけば、使われるかもしれない』

 

(・・・・・・まぁ、いいだろう)

 

 意味がわからなかったが、星河は一応了承した。

 

「待たせた。俺は手札抹殺を発動!」

 

『今のオレの話聞いてたか!?』

 

 墓地へ送られ、叫び声を上げるエクゾディア。しかし、これは星河の戦術の内だ。

 

「魔法カード、予想GUY。デッキより、封印されし者の右腕を特殊召喚する」

 

封印されし者の右腕 ☆2 守備力300

 

 フィールドに置かれる、中二心を刺激されるネーミングの腕。腕単体のため、本当にただ置かれるだけだ。

 

「そして、リリース。出でよ、召喚神エクゾディア!」

 

召喚神エクゾディア ☆10 攻撃力?→2000

 

 右腕、右足、左腕、左足、そして本体。全てが合わさり、金色の闇を放つ巨神となる。

 

「な、何だこのモンスター!? 見たことねぇ!」

 

『モンスターではない! 神だ!』

 

 そのオーラに圧倒される遊兎。エクゾディアは得意気に胸を張る。

 

「さらに通常召喚。来い右足」

 

封印されし者の右足 ☆1 守備力300

 

 場に本体がいるのに右足が出るはずもなく、エクゾディアが自らの右足を外してフィールドに置く。脱着自由のようだ。

 

「そして、馬の骨の代価。右足をリリースし、カードを二枚ドロー」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力2000→3000

 

 エクゾディアが先程外した右足を取り付ける。シュールだ。

 

(くっそ・・・・・・エクゾディアは攻撃力が低いから落とし穴が使えねぇ)

 

 エクゾディアは召喚した時は攻撃力?、つまり0なので落とし穴関連は使えず、狡猾な落とし穴はモンスターを二体対象に取らなければならない。しかし、エクゾディアは効果を受けないため、右足を出した後でも発動できない。

 

「復活の福音。来いフォトン」

 

銀河眼の光子竜 ☆8 攻撃力3000

 

「フレシアの蠱惑魔の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから奈落の落とし穴を墓地に送って、その効果を使うぜ!」

 

「墓地の復活の福音を除外し、フォトンの破壊を防ぐ」

 

 フォトンが出落ちすることなく、フィールドに光臨する。

 

『今回の主役はエクゾディアか。ならば、私はそれを支えよう』

 

『おう、ありがとうよ』

 

 これで、攻撃力3000が二体。

 

「バトルだ。フォトンでフレシアを攻撃! 破滅のフォトン・ストリィィィィィィィイイイム!」

 

 絶叫のような攻撃宣言を受け、フォトンがフレシアを破壊する。

 

「お前もだ、エクゾディア! エグゾースト・ストライク!」

 

『フハハハハハ! 粉砕☆玉砕☆大喝采!』

 

 遊兎に向かって拳を振り下ろすエクゾディア。かなりノリノリだ。ちなみに、エグゾーストの意味は排出、排ガスなのだが、エクゾディアは格好いいので気に入っている。

 

「うああああぁ!」

 

月見遊兎

LP8000→5000

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンド。このタイミングで、エクゾディアの効果発動。墓地の封印されしエクゾディアを手札に戻す」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力3000→2000

 

銀星河

LP8000 手札2

場 メイン:召喚神エクゾディア 銀河眼の光子竜 魔法・罠:伏せカード

 

「っ、(オレ)のターン! 緊急救命レスキューを発動! デッキのレスキューラビット二枚とレスキューキャットを選択! さぁ、選べ!」

 

 このカードは珍しく、相手にサーチ対象を依存するカードだ。ランダムに選ぶのではなく、完全に相手が選択する。

 

「レスキューラビットだ」

 

「なら、そのまま召喚! 効果で、デッキから機界戦士アヴラムを特殊召喚!」

 

機界戦士アヴラム ☆4 攻撃力2000

 

 今回ウサギの呼びかけに応えたのは、勇者の風格を漂わせる剣士。

 

「アヴラム二体をリンクマーカーにセット! リンク召喚! 来てくれ、銀河眼の煌星竜!」

 

銀河眼の煌星竜 link2 攻撃力2000

 

 剣士達が門を潜ると、恒星の輝きを持つ竜がフィールドに舞い降りる。

 

「ソルフレアの効果発動! 墓地の銀河眼の光子竜を手札に加えるぜ! 更に、思い出のブランコ、そして死者蘇生! アヴラムとメガロスマッシャーXを特殊召喚!」

 

機界戦士アヴラム ☆4 攻撃力2000

 

メガロスマッシャーX ☆4 攻撃力2000

 

「アヴラムとメガロスマッシャーXでオーバーレイ! エクシーズ召喚! 鳥銃士カステル!」

 

鳥銃士カステル ★4 攻撃力2000

 

 剣士とサメが黒い渦に入り、鳥の銃士が銃を構える。

 

「カステルの効果発動! オーバーレイユニットを二つ使って、銀河眼の光子竜をデッキに戻す!」

 

 カステルがスコープをフォトンに向け、『引き金は二度引かねえ! 一発が全てだ!』と打ち抜く。

 

「くっ、許せフォトン」

 

「バトルだ! カステルでエクゾディアを攻撃!」

 

 今度はエクゾディアに銃を向け、二度目の発砲を目論む。言葉と行動が違う。

 

『う、撃たれるぅ!?』

 

 エクゾディアが両腕で頭を抱え込む。

 

「リバースカード発動。永続罠、闇の増産工場。効果により、手札のモンスターを墓地へ送ることで、デッキからカードを一枚引く」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力2000→3000

 

『なーんて思ったか? 神による敵討ちだ!』

 

 攻撃力が上回ったことで、破壊されるのはカステル。エクゾディアのパンチがカステルをふっ飛ばす。

 

月見遊兎

LP5000→4000

 

「くっ、(オレ)のターンなのに!」

 

 コンバットトリック。バトル中に攻撃力を変化させ、迎撃を行う戦術だ。

 

(オレ)はカードを伏せて、ターンエンドだ!」

 

月見遊兎

LP4000 手札1

場 エクストラ:銀河眼の煌星竜 魔法・罠:伏せカード×2

 

「俺のターン、ドロー。闇の増産工場の効果を発動し、手札のモンスターを墓地へ送ることで、更に一枚ドロー」

 

 この時点で、星河のコンボは完成している。

 

 召喚神エクゾディアの強制効果によってエンドフェイズに戻ってしまうエクゾディアパーツを闇の増産工場で手札交換のコストとすることで、エクゾディアの攻撃力を維持し、更にハンドアドバンテージを稼ぐというものだ。

 エクゾディアは他のカードの効果を受けない上、高い攻撃力となった。突破は困難だ。

 

「おろかな埋葬を発動。デッキから、封印されし者の左腕を墓地に送る」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力3000→4000

 

「バトルだ。エクゾディア! 天界蹂躙拳!」

 

『オラオラオラオラ!』

 

 文字通り、神速で繰り出される拳。蹂躙されるソルフレア。

 

月見遊兎

LP4000→2000

 

『ハハハハハ! 強靭! 無敵! 最強!』

 

 これぞまさしく神。

 

『今ならドラゴネクロに握力で負けないぜ!』

 

 気にしてたのか、それ。

 

「・・・・・・カードを伏せ、ターンエンド」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力4000→3000

 

銀星河

LP8000 手札3

場 メイン:召喚神エクゾディア 魔法・罠:闇の増産工場 伏せカード

 

「お、(オレ)のターン、ドロー」

 

 手札と睨めっこし、打開策を探す遊兎。

 

「ドローフェイズ、闇の増産工場の効果で手札交換を行う」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力3000→4000

 

「・・・・・・まだだ! モンスターをセット! (オレ)はこれでターンエンド!」

 

月見遊兎

LP2000 手札1

場 メイン:伏せモンスター 魔法・罠:伏せカード×2

 

(これで、後一回は耐えられる。今はどうにか耐えねぇと・・・・・・!)

 

 遊兎に現状を突破できる手段はない。

 だから、耐える。逆転する手段が見つかるまでは。

 

「俺のターン。闇の増産工場の効果により、手札交換だ」

 

召喚神エクゾディア 攻撃力4000→5000

 

『フッ・・・・・・この世界の全てを手に入れた気分だ・・・・・・』

 

 攻撃力が最大となり、満ち足りた様子のエクゾディア。

 

「復活の福音! 蘇れ、フォトン!」

 

銀河眼の光子竜 ☆8 攻撃力3000

 

『星河のためならば、私は何度でも蘇る!』

 

 例えトレード・インのコストにされようと、ソルフレアのコストにされようと、増産工場で交換されようと、目覚めの旋律のコストにされようと・・・・・・。

 

「バトルだ。フォトンで伏せモンスターに攻撃!」

 

ライドロン ☆4 守備力0

 

 フォトンのブレスにより、あっけなく破壊されるライドロン。

 

「終わりだ。エクゾディアで攻撃! 千軍一夜物語(エクゾディアンナイト)!」

 

『千の軍勢も、万の敵も、オレにかかれば一夜で終わる、ってなぁ!』

 

 それは、エクゾディアにまつわる伝説。千の軍を、一夜で壊滅させた守護神。

 

「リバースカード、ダメージダイエット! このターン受けるダメージを、半分にする!」

 

「言ったはずだ、終わりだと! リバースカード、神の宣告! 無効にし、破壊する!」

 

銀星河

LP8000→4000

 

『爆・裂! ゴッドフィンガー!!』

 

 エクゾディアが右腕を腰だめに構え、放つ。

 

月見遊兎

LP2000→0

 

「ふう、こんなものか」

 

『いやー、オレ大活躍。満足したぜ』

 

 ソリッドヴィジョンが収束し、エクゾディアとフォトンもまた、カードに戻る。

 

「よし、次だ!」

 

 負けた遊兎もまた、折れずに孝之を見る。

 

「・・・・・・こんなデュエルの後にオレって・・・・・・プレッシャーがヤバいっす。胃が痛い・・・・・・」

 

 うじうじとデュエルしない雰囲気を出す孝之。ちょうどそこで、部活終了のチャイムが鳴る。

 

「じゃ、先輩はまた明日ってことで♪ かいさーん!」

 

 息吹がそう締めて、この日の遊兎の特訓は終わった。




作中のコンボは、実際にやられると、初めの内は問題ないんですが、攻撃力が3000を上回ったあたりから辛いです。

ミス等ありましたら、報告お願いします。
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