遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
内容も薄いです。
Side戦
如月くんとデュエルした翌日。
何かが劇的に変わるようなこともなく、僕はいじめられていた。
「よぉ、戦ちゃぁん?」
「いつ聞いても戦って名前、似合ってねぇよなぁ!」
「生意気だなぁ。身の程ってもんを教えてやるよ!」
という次第で。
「まぁ、変わったのは僕自身の意識かな」
「あぁん!?」
僕は特に気負うこともなく、いじめっ子達を眺める。
「ねぇ、僕とデュエルしようよ」
「あぁ? デュエルだぁ?」
「何のつもりだ、テメェ」
「今までオレ達に勝ったことないのを、忘れちまったのかぁ!?」
僕が勝てなかったのは、僕の心が弱かったせいだ。スターダスト・ドラゴンを始めとする、多くのモンスターが力を貸してくれなかった。
でも、昨日のデュエルでスターダストは力を貸してくれた。それだけで、充分。
「今日のデュエル授業。君達を倒すよ」
「ハッ! 上等だ!」
同じ鼻で笑うのでも、如月くんとは大違いな、人を馬鹿にした笑い方。
「そんなのに負けたら、僕は『弱いもの』だね」
あぁ、早く授業が始まらないかなぁ。
ーーーーーーーーーー
「「デュエル!」」
男子生徒A LP8000
遊民戦 LP8000
待ちにまったデュエル授業。
僕の『弱くない』証明のためのデュエル、開始だ!
「オレの先攻! ゴブリンドバーグを召喚! 効果でゴブリン突撃部隊を特殊召喚! ゴブリンドバーグは守備表示になるぜ」
ゴブリンドバーグ ☆4 攻撃力1400→守備力0
ゴブリン突撃部隊 ☆4 攻撃力2300
出た、いじめっ子Aくんのゴブリンデッキ。いじめっ子くんの名前? 聞いてないけど。
いじめっ子はA、B、Cでいいでしょ。
「カードを二枚伏せてターン終了だぜ!」
いじめっ子A
LP8000 手札1
場 メイン:ゴブリンドバーグ ゴブリン突撃部隊 伏せカード:二枚
「僕のターン。ドロー」
あ、ワンキルできる。
「僕は調律を発動。デッキからジャンク・シンクロンを手札に加えて、デッキトップを墓地へ」
落ちたのはドッペル・ウォリアー。
勝ったな。
「僕はジャンク・シンクロンを召喚。効果でドッペル・ウォーリアーを特殊召喚」
ジャンク・シンクロン ☆3 チューナー 攻撃力1300
ドッペル・ウォリアー ☆2 守備力800
「いつも通りの弱小モンスターか。飽きたぜ」
「・・・・・・僕のモンスターは、弱くない」
証明開始だ。
「僕はジャンク・シンクロンでドッペル・ウォリアーをチューニング!」
3+2=5
「集いし星が、鋼に打ち勝つ戦士となる! シンクロ召喚! 力を貸してくれ、ジャンク・ウォリアー!」
弱きを助け、強きを挫く戦士が、僕の相棒だ。
ジャンク・ウォリアー ☆5攻撃力2300
「ドッペル・ウォリアーの効果! シンクロ素材となったとき、場にドッペル・トークン二体を特殊召喚する。来い、トークン達!」
ドッペル・トークン ☆1 攻撃力400
「そしてジャンク・ウォリアーの効果! シンクロ召喚成功時、僕の場のレベル2以下のモンスターの攻撃力分、ジャンク・ウォリアーの攻撃力を上げる!」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力2300→3100
「こ、攻撃力3100だと!」
? 何を驚いているんだろう? 僕は昨日攻撃力10000を見たよ?
「ジャンク・ウォリアーでゴブリンドバーグに攻撃!」
「だ、だが! ゴブリンドバーグは守備表示! ダメージは受けないぜ!」
わかってるよ、そんなこと。だからッ!
「速攻魔法、スクラップ・フィスト! ジャンク・ウォリアーに5つの効果を与える!」
「5つだと!」
「面倒だから詳細は省くけど、戦闘ダメージ倍化と守備貫通がある!」
「なんだと!」
これでトドメだ!
「さらに、ダメージ計算時、手札からラッシュ・ウォリアーを捨てて効果発動! 攻撃力を二倍にする!」
ジャンク・ウォリアー 攻撃力3200→6400
「全てを砕け! スクラップ・フィスト!」
ジャンク・ウォリアーの拳が、ゴブリンドバーグを打ち砕く。
「グハアァ!」
いじめっ子A
LP8000→0
「僕の、勝ちだ」
ちなみに、残りの手札はワン・フォー・ワンとドッペル・ウォリアー。調律で落ちなくてもワンキルできた。
「馬鹿な・・・・・・。有り得ない・・・・・・!」
いじめっ子Aくんが何か言っているけど、多分僕には関係のない話だよね。
「さてと」
僕は残ったいじめっ子BくんとCくんに目を向ける。
「残り二人・・・・・・」
「ヒィッ!」
「殺さないでぇ!」
あれ? 僕の顔ってそんなに怖い? まぁ、どうでもいいか。
「どっちからデュエルする? かかって来なよ」
ーーーーーーーーーー
放課後。
僕の目の前では、如月くんが笑い転げていた。
「アッハッハッハ! プッ、クハハハハ!」
僕らは今、昨日も来たファミレスにいる。今日はおごってくれないらしいので、フライドポテトは自粛した。仕方がない。
「いや、だってよ。お前三人連続ワンキルとか、もう笑うしかねぇだろ! クッ、アハハハハハ!」
そう、僕はあの後、残りの二人もワンキルした。先攻をとった彼らが悪い。
「しかも全部別の方法って、お前デッキいくつ持ってるんだよ!」
笑いながら如月くんが言う。
「いや、一つだけど」
そう答えた時、彼の笑いがピタリと止まった。
「・・・・・・は?」
「だから、全部同じデッキだって」
「イヤイヤ、ジャンドとあの壊獣アクマグネ、あとサイバー流の三つが?」
「うん」
いやー、よくワンキルのセットで手札に来たよね。普段はもう少しバラけるのに。
「・・・・・・お前マジで一回デッキ見せてくれよ。どうやったらそんなデッキになるんだ?」
「え、別にいいけど・・・・・・」
僕のデッキなんて、見ても参考にならないと思うし。
「・・・・・・」
デッキを手渡すと、如月くんは食い入るように確認した。
「・・・・・・」
黙って、何も言わずにデッキを見る。
・・・・・・暇だなぁ。あ、そうだ。
「ねぇ、君」
僕は彼の背後に佇んでいた竜に話しかけた。
『む? 私か?』
「うんそう。君だよ」
すると、その竜は驚いたように僕を見つめる。
『見えるだけではなく、話すことも出来るのか・・・・・・』
うん? 普通は話せないのかな?
「君ってカードの精霊だよね!」
『あぁ。そうだ』
「話す機会がなかったから、話したいなと思ってさ。暇だし」
格好いいな、この竜。
「僕は遊民戦。君の名前は?」
『私はレヴ。ドラグニティアームズ-レヴァテインだ。よしなにな』
おぉ! 名前まで格好いい。
「レヴが見えるだけじゃなくて、話すこともできるとはな」
「如月くん。デッキはもういいの?」
「あぁ」
? 何か僕を信じられないものを見る目で見てくるんだけど。
「どうしたの、如月くん」
「お前、自分のデッキの状態がわかっているか?」
デッキの状態? 一般的なデッキじゃないことぐらいはわかっているけど・・・・・・。
「その顔だと、わかってないみたいだな」
「何が?」
如月くんは意を決したような顔をして、告げた。
「戦。お前のデッキには、精霊が宿っている」
「? そう」
それで?
「・・・・・・それだけか?」
「え、何が?」
「反応が」
・・・・・・質問の意味がわからない。
「いやほら、『そんなっ!僕のデッキに精霊が!?』とか、色々あるだろ?」
いや、特になにも?
「精霊が宿ってるって言われても、僕には見えないし。話せたら楽しそうだけど」
あれ、なんで如月くん頭抱えてるの? 救急車呼ぼうか!?
「精霊にはな、三種類あるんだ」
お、何か説明始めた。
「レヴみたいなのが高位精霊。精霊を感じられる人には見える。お前のデッキにいるようなのが下位精霊。人が感じるのは難しい。三つ目が悪霊。人の悪意が精霊に宿った姿で、人に害なす存在だ」
へー。
「でも残念だなぁ。つまり、僕のデッキの精霊は見えないってことでしょ」
「そんなことはどうでもいい」
あれ!? 辛辣!?
「お前のデッキのモンスターな、全員が精霊なんだよ」
・・・・・・マジで!?
次回予告
告げられた衝撃の事実。
デッキのモンスター全てが精霊だと、どうなるのか。
次回、『戦のデッキ』 デュエルスタンバイッ!
戦のワンキルですが、一戦目がジャンク・ウォリアーのごり押し、二戦目が壊獣アクマグネ、三戦目では相手がマシンナーズだったのでサイバー・ドラゴンを特殊召喚してキメラテック・フォートレス・ドラゴンに融合してリミッター解除、という方法です。
三戦目は、明らかに相手の責任。