遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ 作:柏田 雪貴
カクリヨノチザクラ、買いに行かなければ。
デュエル回です。
(ヌルフフフフフ、この擬人化混沌帝龍のパンチラ写真、『オネストの翼をひらめかせ、ミニスカで襲撃をかましながらパンチラしている動画』と『ミニスカートの中から零距離黒パンツ』写真・・・・・・どうしてくれようか♪ ・・・・・・というか花血マジで大丈夫だろうか)
そんなことを考えながら暗殺教室な笑みを浮かべて歩く息吹と、彼から離れ、他人のふりをする春樹とディペ。オッドアイズは早々に春樹が手鞠の元へと行かせた。
「グフフフ、う~ふ~ふ~ふ~」
前半に気味の悪い笑みを、後半に青タヌキの笑いをしながら、息吹は歩く。周囲はドン引きだ。
「おかーさん、あの人キモい顔でキモい笑い方してるよー。きっとキモい人なんだよー」
「しっ、世の中には事実でも言っていいことと悪いことがあるのよ!」
という幼い少女と母親の心にクるやりとりでハッとなり、イメージを払拭しようとおもむろにエイサイハラマスコ踊りを始めた。
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
言わずもがな、周囲はさらに引いた。引きすぎて屋台の中に入るような猛者もいたほどだ。
「いや、永野さん。流石に屋台の人に迷惑だよ?」
「あ、ごめんなさい」
屋台のオジサンに頭を下げつつも、出てくる様子はない辺り、戦のいじりも無意味ではなかったと言えよう。
「えぇい、やってられるかぁ! オレはブレイクダンスの方が得意なんだよ♪」
唐突にエイサイハラマスコイ踊りからブレイクダンスへと切り替え、かと思えば道の真ん中に焚き火を置いて「ゾンビのお兄様及びブルームくんあざっした! 感謝の舞!」とマイムマイムし始め、それにも飽きると精人の力を活かしてシライ3を繰り出し、周りから拍手を貰う。
『「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」』
春樹とディペは、終始「何でこんな奴が部長やってる部活の副部長なんかやってるんだろうな・・・・・・」という目で見ていた。
ーーーーーーーーーー
虹花がいないので特にすることのない遊羽は、目的もなく屋台の並んだ通りを歩いていた。
途中、黒髪で精霊を複数連れている男性がぼろ雑巾のようになった擬人化至上主義者を引き摺って歩いているように見えたが、気のせいだろう。ギャグ要員だから死ぬことはあるまい。
「あ、遊羽じゃないッスか」
「響先輩」
偶然息吹から避難してきた響に遭遇し、声をかけられた。
「珍しいッスね、一人ッスか?」
「ああ、虹花はちょっと今生徒会でな」
そう答える遊羽に、それなら、と響は提案する。
「自分と一緒に回るのはどうッスか? 仕事が午後からなんで、大分ヒマなんスよ」
そう言いながら、響は遊羽に並んで歩く。
「そうだな。よろしく頼むぜ、先輩」
「こちらこそ、よろしくッスよ!」
響はにっこりと遊羽に笑いかける。
買い食いなどをしながら暫く歩くと、二人の目に人だかりが見えてきた。
「何スかね? 行ってみるッスか?」
「あー、そうだな。行ってみるか」
虹花がいないためか、どこか上の空でオウム返ししながら、人だかりに近づいていく。
そこにいたのは、黒髪にメガネとヘアピンを付けた、中学生ほどの少年だった。
「ダイレクトアタック。これでトドメだね」
ニッコリと笑ってトドメを刺すと、周りから歓声があがった。
「何とこれで9連勝! 次で十人抜きです!」
見れば『十人抜きチャレンジ! 達成すれば豪華賞品!』と書かれた旗が立っており、彼は挑戦者のようだ。
(にしても、あの笑顔、どっかで見た気がするな・・・・・・)
どこか既視感を覚えた遊羽と、少年の目が合う。
「あ・・・・・・! ねぇ、次の相手はあの人にお願いしていいかな?」
「ん、俺か? まあいいけどな」
突然指名された遊羽は驚きながらも前へ出、ディスクを構える。
「俺は如月遊羽。お前は?」
「僕は戦騎。名字は気にしないで欲しいな」
ニッコリと笑って告げる彼に何か引っ掛かるものを覚えながらも、デュエルは始まる。
「「デュエル!」」
戦騎
LP8000
如月遊羽
LP8000
「僕のターン。まずはヴァイオンを召喚して、効果でディアボリックガイを墓地に送るね。そして除外して、アナザーワンを特殊召喚。二体をリンクマーカーにセット、リンク召喚! 聖騎士の追想イゾルデ」
聖騎士の追想 イゾルデ link2 攻撃力1600
ヴァイオンか終末の騎士から始まるこの盤面に、遊羽は少し辟易とする。
「イゾルデの効果でデッキからカオス・ソルジャー-開闢の使者-を手札に加えるよ。第二の効果でデッキから最強の盾を墓地に送って、アタック・ゲイナーを特殊召喚」
アタック・ゲイナー ☆1 チューナー 守備力0
これでハリファイバーを出す準備は整った。
「リンク召喚。水晶機巧-ハリファイバー効果でデッキからアーケイン・ファイロを特殊召喚するよ。それと、墓地のディアボリックガイを除外してラストワンを特殊召喚」
水晶機巧-ハリファイバー link2 攻撃力1500
アーケイン・ファイロ ☆2 チューナー 守備力400
D-HEROディアボリックガイ ☆6 守備力800
「チューナーとそれ以外のモンスター・・・・・・来るぞ遊馬!」
「あ、やっぱりやるんだ、それ・・・・・・アーケイン・ファイロでディアボリックガイをチューニング!」
2+6=8
「その拳には執念を、その身体には闘志を。The strongest fist!"Round 1" Rock & Fire! シンクロ召喚! ギガンテック・ファイター!」
ギガンテック・ファイター ☆8 攻撃力2800
とあるサンドノックにやられた戦士が、戦騎の前に立つ。
「アーケイン・ファイロの効果で、デッキからバスター・モードを手札に加えるよ。カードを二枚伏せて、ターンエンド」
戦騎
LP8000 手札4
場 エクストラ:水晶機巧-ハリファイバー メイン:ギガンテック・ファイター 魔法・罠:伏せカード×2
「俺のターン、ドロー」
「トラップカード、バスター・モード! 熱き拳、強さ。厚き鎧、硬さ。アーマータイム! ギガンテック・ファイター/バスター!」
ギガンテック・ファイター/バスター ☆10 攻撃力3300
『バスター・モード』のカードから光が降り注ぎ、ギガンテック・ファイターの鎧となった。
「ギガンテック・ファイター/バスターの効果発動。デッキからドローガイとサウザンド・ブレードを墓地へ送るよ」
自分のターンにも関わらず動かれたことに多少の不満感を覚えながらも、遊羽はディスクにカードを置く。
「ドラゴン・目覚めの旋律、発動。デッキから青眼の白龍と青眼の亜白龍を手札に加え、オルタを特殊召喚!」
青眼の亜白龍 ☆8 攻撃力3000
ギガンテック・ファイターを睨むように立ちはだかるオルタに、戦騎は声を漏らす。
「ドラグニティじゃなくてカオスドラゴンの方か・・・・・・でも、ギガンテック・ファイター/バスターの効果で、攻撃力は700下がるよ」
青眼の亜白龍 攻撃力3000→2300
「問題ねぇな。オルタの効果発動! ギガンテック・ファイターを破壊する!」
オルタのブレスがギガンテック・ファイターを襲う。
「くっ。でも、ギガンテック・ファイターはキャストオフされるよ!」
ギガンテック・ファイター ☆8 攻撃力2800→3500
青眼の亜白龍 攻撃力2300→3000
「トレード・インで青眼を切って二枚ドロー、更に調和の宝札で伝説の白石を墓地へ送って二枚ドロー。デッキから青眼の白龍を手札に加えるぜ」
この辺りで、戦騎は「ん?」と違和感を覚えた。
(このデッキ、カオスドラゴンじゃない?)
同様に響も怪訝そうに眉を顰めている。
「おろかな重葬を発動。エクストラデッキから虹光の宣告者を墓地へ送り、効果で高等儀式術を手札に加える! そして発動! デッキのラビー・ドラゴンを生け贄に、来い、ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン!」
「嘘っ!?」
ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ☆8 攻撃力4000
如月遊羽
LP8000→4000
鋭利な白龍の隣に、混沌を体現した竜が並ぶ。
「遊羽、いつものデッキはどうしたんスか?」
「ん? ああ、今日は学園祭だから、普段使ってねぇデッキも使ってみようと思ってな。後、知り合いのドラゴン好きが使ってるの見て使いたくなった」
後半部分を気にしないようにしながら、なるほどと納得し響は観戦モードに戻る。
余談だが、その知り合いたちとのドラゴン談議において、翼についての話では鳥のような羽毛のある翼とコウモリのような翼で意見が対立し、遊羽が「レヴはどっちもあるぜ。つまり優勝だ」と暴論でねじ伏せたりしていた。
閑話休題。
「更に、カオス・フォームを発動! 手札の青眼の白龍で儀式召喚! 来い、青眼の混沌龍!」
青眼の混沌龍 ☆8 攻撃力3000
更に並んだ殺意溢れる龍たちに、戦騎は冷や汗を流す。
(ハリファイバー使うべきかな・・・・・・? いや、守備力80貫通ダメージ二倍あるし死んじゃうって。それに混沌龍いるし・・・・・・あれ? これ結構詰んでない?)
改めて状況を確認すると、かなり追い込まれていることに気付き焦る戦騎。
「バトル! 混沌龍でハリファイバーを攻撃! 効果で守備表示&ステータス0になってもらうぜ!」
ギガンテック・ファイター 攻撃力3500→守備力0
戦騎は焦って効果を発動すべきか判断できず、そのまま攻撃を食らってしまう。
「うぐっ」
戦騎
LP8000→6500
「続けて、カオス・MAXで攻撃! カオスマキシマムバースト!」
カオス・MAXのブレスにより、ギガンテック・ファイターが吹き飛ぶ。
「うわああぁ!」
戦騎
LP6500→0
デュエルが終わり、遊羽は戦騎に近づく。
「ハリファイバーの効果、何で使わなかったんだ?」
疑問に思った遊羽が訊くと、戦騎はあははと力なく笑い、
「どうしても、不測の事態に弱いみたいなんです、僕。父さんにもよく注意されてるんですけど、中々直らなくって」
そう告げる彼の態度は、初対面のそれではなく、まるで知り合いに話しているように遊羽は感じた。
「・・・・・・なあ、俺とお前って、前に会ったことあるか?」
「へ? あーといや、えーと、な、ないと思います」
急に挙動不審になった戦騎に遊羽は驚くが、そろそろ生徒会の仕事が終わる時間だと気づくと、響の気にしないことにした。
響と共に生徒会室へと向かう遊羽の後ろ姿を見ながら、戦騎はホッと一息ついた。
(危ない・・・・・・バレたのかと思った・・・・・・)
そして、自分と共に
(大丈夫かな、白羽)
彼の名前は遊民 戦騎。未来からの、来訪者である。
まだ中盤にも差し掛かっていない作品の、続編を考えている作者がいるらしい・・・・・・
私だ。
続かなかった場合はすいません。