遊戯王 デュエリスト・ストーリーズ   作:柏田 雪貴

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前回、何故かラブコメに書いた気がしますが、これは遊戯王のSSです。

デュエル回です。


星河と結希

 日向と響がイチャコラしているのと、同時刻。

 

「あ、見つけたわよ星河」

 

 息吹への制裁を終わらせ、「? ・・・・・・なんだ? 倒した奴の気配が・・・・・・まあいいか」などと屋上で座り込みくつろぎながら呟いていた星河に、声がかけられる。

 

「結希か。どうかしたのか?」

 

 声の方向に顔を上げると、そこには腰に手を当てた出で立ちの結希がいた。

 

「どうしたもこうしたもないわよ。探してたのよ」

 

 プンスカという擬音が似合いそうな様子で怒る結希に、星河は疑問符を浮かべる。

 

「俺をか? 何か起きたのか」

 

「違うわよ。私が個人的に探してただけ」

 

 星河の横に腰を下ろし、感慨に耽りながら結希は続ける。

 

「私たちも、そろそろ卒業でしょ? だから、今のうちにデュエルしたかったのよ」

 

 後、まだ私一回もデュエルしてないから、と続いたメタ発言に苦笑しながらも、星河は肯く。

 

「いいだろう。受けて立つ」

 

 立ち上がり、距離を取るべく離れる星河。お互いにディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

銀星河

LP8000

 

望月結希

LP8000

 

「俺のターン。手札の銀河眼の光子竜をコストにトレード・イン発動。フィールドにモンスターがいないことで、フォトン・スラッシャーを特殊召喚。更に、フィールドにフォトンモンスターがいることで、フォトン・バニッシャーを特殊召喚。効果でデッキから銀河眼の光子竜を手札に加える」

 

フォトン・スラッシャー ☆4 攻撃力2100

 

フォトン・バニッシャー ☆4 攻撃力2000

 

 光子の輝きを身体に持つ戦士たちがフィールドに降り立つ。

 

「更に魔法カード、フォトン・サンクチュアリを発動。フィールドにフォトン・トークンを特殊召喚。そしてその二体をリンクマーカーにセット。リンク召喚。銀河眼の煌星竜。効果で銀河眼の光子竜を回収」

 

銀河眼の煌星竜 link2 攻撃力2000

 

 光子の球体が門に取り込まれ、星の煌めきを持つ竜へと爆発する。

 

「フォトン・バニッシャーとフォトン・スラッシャーでオーバーレイ。輝く銀河よ、光子の奔流によって、光の竜へと昇華せよ! 輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン!」

 

輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン ★4 攻撃力1800

 

 二体の戦士が黒い銀河へと流れ込み、銀河は竜へと姿を変える。

 

「フォトン・ブラスト・ドラゴン? 見たことないモンスターね」

 

「今まで使うことが少ないかったからな」

 

 星河はどちらかというとギャラクシオンを使うことが多い。ソルフレアのコストのために、銀河眼の光子竜は手札よりもデッキから特殊召喚したいからだ。

 

「ブラストの効果、手札からフォトンモンスターを特殊召喚する。逆巻く銀河よ、我が魂の竜に宿りて、その輝きを解放せよ! 銀河眼の光子竜!」

 

銀河眼の光子竜 ☆8 攻撃力3000

 

 星河のデッキの過労死枠にして、エース。【青眼エクゾ】でもない限り、青眼の白龍でもここまで働かない。

 

「カードを二枚伏せる。これでターンエンドだ」

 

銀星河

LP8000 手札1

場 エクストラ:銀河眼の煌星竜 メイン:輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン 銀河眼の光子竜 魔法・罠:伏せカード×2

 

「私のターン、ドロー」

 

 星河の残り一枚の手札は銀河眼の光子竜。ソルフレアで一度破壊されることは確定したようなものだ。

 

「召喚僧サモン・プリーストを召喚」

 

「ソルフレアの効果だ。手札のフォトンをコスト破壊する」

 

 僧侶の格好をしたおじいちゃんがぎっくり腰で守備表示になると、間髪入れずにフォトンの力受けたソルフレアが踏みつける。

 

「あら、容赦ないわね」

 

「通せば魔法カードを墓地に送られ、その上レベル4を二体並べられるとわかっているからな」

 

 そうね、と軽く笑いながら結希は手札のカードをディスクに置く。

 

「おろかな副葬を発動よ。デッキから錬成融合を墓地へ送るわ」

 

「ならそれにチェーンしてブラストの効果発動だ。オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、墓地か除外から銀河眼の光子竜を特殊召喚する」

 

銀河眼の光子竜 ☆8 攻撃力3000

 

 フォトンが左右に高速移動すると、影がぶれ、姿が二つへと分かれた。

 

「分身の術かしら? その巨体で器用なものね」

 

『いや、ただの演出なんだが・・・・・・』

 

 申し訳なさそうに告げるフォトンに結希は顔を赤くしながら必死にデュエルへ意識を戻す。

 

「シャッフル・リボーンを発動するわ。墓地のサモン・プリーストを特殊召喚」

 

召喚僧サモン・プリースト ☆4 守備力1600

 

 牢屋の孫に未練でもあったのか蘇るおじいちゃん。

 

「サモン・プリーストの効果で手札のモンスターゲートをコストにデッキから終末の騎士を特殊召喚よ」

 

終末の騎士 ☆4 守備力1000

 

 現れた騎士が無言でデッキからBF-精鋭のゼピュロスを墓地へ叩き込む。

 

「レベル4が二体、来るぞ遊馬!」

 

「焦らないで欲しいわ。まずはリンク召喚よ。来なさい、アーミライル!」

 

星導竜アーミライル link2 攻撃力1400

 

 星河のモンスターたちに導かれるようにして結希のフィールドへ舞い降りた竜に、星河は細めた目を向ける。

 

「だが、場に他のレベル4モンスターは、ッ!」

 

 何かを察したように星河は自分の墓地を確認し、己の失態を呪う。

 

「先程ブラストの効果で取り除いたのは、フォトン・バニッシャー・・・・・・」

 

「あら気付いたのね。閃刀機-シャーク・キャノン発動よ。墓地に魔法カードが三枚あることで、貴方のフォトン・バニッシャーを特殊召喚!」

 

フォトン・バニッシャー ☆4 攻撃力2000

 

「アーミライルの効果で手札からアステル・ドローンを特殊召喚、そしてお待ちかねのエクシーズ召喚よ。お願い、ホープ・ダブル! 一枚ドローよ」

 

No.39希望皇ホープ・ダブル ★4 守備力2500

 

 霊体となって顕現する希望の皇に星河は渋い顔をし、そして少し戸惑う。

 

「・・・・・・フォトン・バニッシャーはフィールドから素材になった時しか効果を発動しない、つまりエクシーズチェンジしても効果は得られないぞ?」

 

「・・・・・・えっ」

 

 自信満々な顔を崩し、慌てて効果を確認する結希。このドジっ子属性はなんなんだ、と星河は額に手を当てる。

 

「し、知ってたわよ! それに、貴方も動揺してたじゃない!」

 

「俺はランク4を出されることに焦っただけだ。決してたった今効果を思い出したなんてことはない」

 

 真顔で断言する星河にどうかしら、と結希は疑いの目を向ける。

 

「まあいいわ。ダブルの効果発動よ。デッキからダブル・アップ・チャンスを手札に加えて、ホープにエクシーズチェンジするわ」

 

 言いながら腕を己の目線の先へと向け、詠唱する。

 

「暗き闇に輝く希望の光よ、その金色の剣で悪を斬り裂け! エクシーズ召喚! 希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ ★4 攻撃力2500→5000

 

 霊体から実体化し、力を増す希望の皇。素で大正義と互角となった。

 

「バトルよ! ホープでブラストに攻撃、そしてホープの効果を発動するわ。攻撃は中止、そして速攻魔法、ダブル・アップ・チャンス発動よ! ホープの攻撃力を二倍にして、もう一度攻撃可能とする!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力5000→10000

 

 攻撃を止められたことにいじけ、パチンコをしていたホープの目にジャックポット7の柄が三つ映り、攻撃力を倍にするほど喜ぶ。

 

「ホープでもう一度攻撃! ホープ剣・ダブル・スラッシュ!」

 

 星河の手札は0、オネストを警戒する必要がない結希は、勝負を決めるべくブラストを狙う。

 

 しかし、星河の口元には、笑みが浮かんでいた。

 

「最初は完璧に事故ったと思ったが、まさかこうなるとはな! リバースカード、反射光子流、これを二枚!」

 

「・・・・・・え?」

 

輝星竜フォトン・ブラスト・ドラゴン 攻撃力1800→11800→21800

 

 ブラストが二枚のカードの光を受け、一層激しく輝く。

 

「え? え?」

 

 突然のことに思考が追いつかない結希。困惑の声をあげる他ない。

 

「反撃だ、ブラスト。フォトン・ブラスト・ストリィィィィィィィィイイイム!」

 

望月結希

LP8000→0

 

「えええええ!?」

 

 ようやく脳が追い付いた様子の結希。最後に驚愕の叫びをあげる。

 

「ふう。決着だな」

 

「納得できないわよ! 今日こそ勝って告白しようと思っていたのに!」

 

 何で二枚も入れているのか、オネストかせめて光子化にしなさいなどと結希が続けようと詰め寄ると、彼女の顔の前に星河が右手を出し、止める。

 

「何よ」

 

「いや、今・・・・・・告白、と」

 

 あ、と呆然とし、口をポカンと開ける結希。顔の下から徐々に赤くなっていき、最後にはボンと湯気が出た。

 

「ま、待ちなさい! 今のはそうね、言葉の綾というかそれにほら、愛の告白と決まったわけでもないし「結希」・・・・・・」

 

 まくし立てるように言い訳をする結希だが、途中で星河に遮られる。

 

「・・・・・・結希。俺は、君のことが好きだ。付き合って欲しい」

 

「・・・・・・ふぇ?」

 

 再び唖然とし、脳が理解するに連れて更に赤くなっていく結希。羞恥心や嬉しさやその他様々な感情が混ざり合い、どうしていいかわからず思わずその場から逃げ出す。

 

 が、その手を星河は掴む。

 

「せめて、返事くらいはしていけ」

 

 自らも顔を朱に染め、顔を逸らしながら、それでもと結希に答えを催促する星河。

 

「・・・・・・い、イエスよ」

 

 絞り出すように言った結希の答えに、星河は安心して手を離す。

 

「・・・・・・そうか。良かった」

 

 噛み締めるように呟かれた星河の言葉に我に返った結希は、

 

「・・・・・・ぷしゅぅ」

 

「!? おい、結希!?」

 

 気絶した。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 こうして、デュエルスクール『アベシ』校に、また一つカップルが生まれた。

 

 幸か不幸か、例のバカは異世界帰りでバトル中のため写真も撮られておらず、周りに人影もないため、そのことを知っているのは当事者のみである。




あるぇ? 今回もラブコメチックな話に・・・・・・。

本編では星河や結希についてあまり触れていませんが、四章終了後に外伝として三羽烏たちの話を数話書く予定なので、そこで出せればなと思います。

テストまであと一週間なのに、私は何をやっているのだろうか・・・・・・いや、テスト勉強のストレスで(ry
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