見切り発車感凄いですがどうぞ。
prolog:戸山香澄になっちゃった!?
「んん…」
いつもと変わらない朝だった。
いつものように起床し、いつものように寝起きでスマホのゲーム、起きたばかりで食欲が無い状態での朝食。そして今日も仕事かぁ、いやだなぁ…なんて思いながら準備をして家を出発する。
そう…なんてこと無い朝の筈だったのだが…
「んん…?」
まず最初に気になったのは、普段ならまず感じないであろう謎のいい香り。男の部屋では基本的にしないであろう匂いを感じ取ったのだ。
「…?」
寝起きでそこまで細かく考えてた訳では無いが、後から考えればそんな印象だった。
そんな匂いに疑問を抱き、次に違和感を感じたのは目を開いた時に視界に入ってきた知らない天井。
「…あ?」
匂いという抽象的な物の時点ではそこまでだったが、見知らぬ天井というハッキリとした情報は俺の意識の強い覚醒を促した。
「…え?」
そんな意識の覚醒と共にまた1つ強烈な違和感。今自分が発した筈の声が明らかに高いのだ。慣れ親しんだ筈の低い声とはかけ離れていた。
「どうなって…」
喉の調子でも悪いのか、そう思って右手を喉元に当ててみる。するとあまりにも細い、そして柔い。
「……」
立て続けに起こる違和感に、堪らずガバッ!と俺はベッドから上半身を起こす。
「……」
その身を包むのは見た事の無い、というか見た事のある気がするパジャマ。ただし、画面の中で。
「……えっと……」
自分の物の筈の身体をペタペタと触ってみる。有り得ない、有り得ないと思うも、触る度にその有り得ない想像は確信へと変わっていった。
「……」
フラフラと立ち上がる。鏡を見れば分かるはず。部屋に置いてあった鏡を見る為に歩を進める。
「なんだこれ…」
そこには紛れも無い、アニメやゲームで何度も見た女の子、推しと言うくらいには大好きなキャラクター
「……」
戸山香澄が立っていた。
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「おいおいおい…どうなっちゃってんのこれ…いやホントにどうなっちゃってんの…」
俺は日本東京都に住む「蒼川 蒼(あおかわ そう)」という男の筈だ…、間違ってもこんな美少女、というか戸山香澄な筈は無い…社畜として○○企業で働いてる筈で…
「おねーちゃああん?いつまで寝てんのー?遅刻するよー」
「!?」
今のは…
「お姉ちゃーん、ホントいつまで…」
ガチャ、と扉が開く。そこには見知ってるが知り合いではない筈の、というか…
「なんだ、起きてるじゃん」
戸山香澄の妹、戸山明日香がいらっしゃった。
「…?なにその顔、なんか顔に付いてる?」
「え、いや、別に…」
この姿になってからの初めての会話だった。いやこれ会話と言ってもいいんだろうか。
「というか珍しいね。有咲さんのとこ行くようになってからは寝坊なんて殆どしなかったのに」
そうか…香澄っていつも朝に有咲の家いってから、一緒に登校してるんだっけ…?
「あー…えっと、そういう時もあるよ、うん…」
凄く苦し紛れの回答をする俺に、怪訝な顔をする明日香だが
「ふーん……変なの。というかそろそろ準備しないと学校遅刻するよ?」
「あっ、えーっと、うん。今から準備するよ」
取りあえず納得はしてくれたようだ。こちらもなるべく当たり障り無く返す。っていうか学校?マジ?この状況で?
「私もう行くからね。じゃ」
バタン、と扉を閉めて出ていく明日香。展開に付いて行けずに唖然としていたが、どうやら学校に行かなくちゃいけないようだ。というか始業時間いつなの?俺の学校いつだったっけ…
「ん…?」
ふと、ベッドの上に放置されたスマホに目線が行く。LINEの通知らしきものが来てるようだが…
「うわっ、有咲から5件…?」
開いて見ると、どうやら有咲の家に朝行かなかった事への文句やら心配やらのようだ。有咲とは、内容的にもバンドリのキャラクターの一人、『市ヶ谷有咲』と考えていいだろう。香澄の友達で、一言で言うとツンデレ少女である。
「どうするか…取りあえず過去の履歴見てなるべく香澄っぽく返すか…」
寝坊しちゃったごめーんという内容をなるべく香澄っぽく返すと、速攻で既読が付く。どんだけ心配してたんだよ可愛いなオイ。
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有咲:先行くからな
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シンプルっ!!!というか今まで待ってたのか…多分ガックリしつつかなり安心したんだろうな…
というか今更だが、有咲ってLINEの名前そのまんまなのか…
香澄は…
☆かすみ☆
うん…まあ可愛いからいっか
「あっ、やべ」
学校があるんだった…色々考えたいが取りあえず今日をやり過ごそう…
そうと決まればまず制服に…
「……」
制服は壁に付いているハンガーに掛かっている…
これに着替えるという事はつまり…
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すまん、香澄。俺のせいじゃない。俺は悪くない。悪くない…筈なんだが…罪悪感が半端じゃない…いや、だって俺男の筈だしね?見ないでとか色んな意味で無理ですようん。
というかこれトイレとか風呂とか…やめよう考えるのは後にしよう。
髪型とかどうやるのか分かんなかったから普通に下ろしてあるだけだけど、まあイメチェンとか言えばなんとかなるよな…?なるか…?この子星に対しての執着というか拘りというかが凄いからな…まあなんとか押し通すしか無いか…
「スカートこれスースーするな…なんか変態行為をしてる気分だ…」
今の姿的におかしくは無い筈なんだが…ま、まあこれも俺は悪くないよね?しょうがないしょうがない。
「鞄はこれか…アニメとかで見たのと一緒か?あんまり細かくは覚えてないけど…」
香澄の物らしき鞄を手に取り、部屋から出る。階段を降りると
「香澄ー!?ご飯はー?」
香澄のお母さんか…えっと、
「今日はいらなーーい!!」
なるべく元気に返す。取りあえず元気に立ち回ればある程度は香澄っぽいだろう、多分。まったくもう…、なんてボヤく母親の声が聞こえる。すまん…
「行ってきまーす!!」
そう言い逃げるように家から飛び出したのだった。
はぁ…これ俺どうなんの…?
to be continued…
という訳でプロローグでした。
主人公の名前ですが、凡庸な感じにするのも考えたのですが、見てる人と被ったらアレかなと思い、まず現実では無いだろうという名前に設定しました。
前書きでも言いましたが、結構な見切り発車です。今後の展開もふわっと考えてある程度ですし、飽きたらやめたらいいかな程度の気持ちで書いたので完結まで行けるかは怪しいと言ってもいいです。
設定等もアニメやアプリから取ってますが、おそらく詰めが甘い部分があるかと思われます。
それでも読んで下さる方がいればありがとうございます。
趣味レベルの拙い作品ですがよろしくお願いします。