戸山香澄になっちゃった!?   作:カルチホ

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プロローグしか無いとアレなんで、1話目だけささっと書き上げてしまいました。
そう、ささっとやるつもりだったんだけど…執筆活動は久々ですが、書いてみるとなかなか量多くて疲れましたね…
今後はこんな早い更新はあまり無いと思われます。基本のんびり、モチベがあれば一気にやるかもですが




1話:遅刻しちゃった!

「なんか変な感じ…」

 

 

朝起きたら何故か戸山香澄になっていた俺こと蒼川 蒼。早歩きで最寄りの駅に歩を進めていたが…

 

 

「はぁ〜…」

 

 

もう違和感が凄い。声が出る度にこの身体は自分のものでは無いのだと改めて認識してしまう。ゆらゆらと揺れるスカートも非常に慣れない。慣れないというかなんか目覚めてはいけないものに目覚めてしまいそうであまりよろしくない。『朝起きたら美少女になっていた』というのはオタクなら一度は想像した事のある人の方がきっと多いだろう。かく言う俺も想像ぐらいならした事はある。だが、本当にそうなってしまうと話は別だった。

 

 

「ん〜…」

 

 

生まれてこの方女の子とは残念ながら縁が無かったり、この身体が好きなキャラの身体と言う事もあり、興奮しないと言えば嘘になる。しかし、それ以上にこの超常現象に頭がついていかない。上手くやっていけるのか、元の生活に戻れるのか、そして何より、元々いたはずの戸山香澄はどうなってしまったのか…

 

 

 

「そうだ」

 

 

今はいったい何月何日なのか?気になったのでスマホを開いて見てみる。

 

 

「10月5日…微妙に寒いなとは思ったけど」

 

 

何だかなんとも言えない時期だ。秋は好きだが、こういうのって大体春から始まるものでは無いのだろうか?今はアニメとかゲームで言うとどの辺りなのだろうか?そもそも世界がそれっぽいだけで別物と考えるべき?

 

 

「はぁ〜」

 

 

乗り込んだ電車の中で、今日何回目か分からない溜め息をつく。そう、乗り込んだ電車の中で…

 

 

「…あれ?」

 

 

おかしい。何故自分は乗るべき電車が分かった?まるで知っているかのようにICカードを取り出して…いや、そもそもどうしてここまでの道が分かったのか?何故かは分からないが、この道が正しい事を確信している自分がいた。

 

 

「…なんか気持ち悪いな…」

 

 

知らない何かに自分が動かされているようで、そんな事を独り言ちる。戸山香澄本人が覚えている事はふわっと覚えているのか?記憶にあるとは言えないのだが、体が覚えていると言うべきか…

 

 

「そういえば…」

 

 

ふと思い立ち、スマホを取り出す。そう、この戸山香澄はPoppin'Partyというバンドで、ギターボーカルをやっているはずだ。自分の知っている状況になっているならだが。

 

 

「というか、ロックぐらい掛けないのあの子…」

 

 

まあ助かったが。或いは掛かっていても謎の体が覚えてる現象でなんとかなるのかもしれない。

スケジュールに何か入っていないだろうかと確認する。

 

 

「ああ、やっぱりちょこちょこあるな…」

 

 

『れんしゅう!!』と書かれた日に、ギターと星のスタンプが誂えられてる。今日は幸い無いみたいだが…

 

 

「好都合ではあるな…学校さえうまくやり過ごせば…あ、でもこの子の事だから友達と遊ぶ約束とかしてるかなぁ…何かあったら急用が出来たって断るか…」

 

 

と、ブツブツと呟いていたら周りからチラチラ見られている事に気付く。いかんいかん、考え事して口に出るのは悪い癖だ…

 

 

「おっ…」

 

 

ちょっと周りからの視線が痛いな〜なんて思った頃に丁度目的の駅まで着いたようだ。何故ここが目的と分かるのかという気持ち悪さは一旦置いておき、電車を降りるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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「これ絶対遅刻だよね…」

 

 

時刻は8時40分。戸山香澄が通う『花咲川女子学園』の始業時間は分からないが、通学路なのに周りに全然生徒がいない辺りまあ遅刻なのだろう。色々考えたり着替えで手間取ったりして、間に合わない時間になってしまっていたようだ。

 

 

「嫌だな〜…」

 

 

遅刻は無駄に緊張するのだ。皆さんも経験があるのでは無いだろうか?遅刻して教室に入る時に、全員の視線がバッ!と集まってくる感覚。もう縁の無いものだと思っていたが、今からまたそれに晒されなくてはならない。しかも香澄の演技をしなくちゃいけないというオマケ付きだ。あの子遅刻した時どういう感じなの?俺の予想では、リア充の権化であるあの子に遅刻時の視線への恐怖は無いだろうし、また周りもいい感じに面白い感じに収めてくれるとは思う。アニメ見てて思ったけども、クラスメイトの子ら良い子だらけだったよね?アレと変わってなければ大丈夫なはず…。問題は俺が演技できるかどうかだ…

 

 

「これか…」

 

 

何故かどれだか分かる靴箱から自分の…香澄の上履きを取り出し履き換え、そして何故か分かる教室への道を進む。途中で先生とかに会ったらどうしようかと思ったけど、意外と会わなかった。

 

 

「っ…ふぅ〜………」

 

 

教室の前に辿り着く。やっばいめちゃめちゃ緊張するぅ〜。

 

 

「どれどれ…」

 

 

時間的にSHR(ショートホームルーム)か…?担任あんな感じだっけ?流石に記憶に無いな…

眼鏡を掛けてるロングヘアーの穏やかそうな人だ。グレーのスーツがいい感じに決まっている

 

 

「行くか…」

 

 

そうして俺は、意を決して後ろの扉を開けた

 

 

 

 

 

 

 

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「おはよー!…ございますぅ…」

 

 

香澄らしく元気良く行こうとしたが、遅刻した時特有の視線に晒され尻すぼみになってしまった…

 

 

「おはようございます、戸山さん。今日はどうしたのですか?珍しいですね?」

 

 

優しく微笑み掛けてくる先生。なんて優しいんだ先生。こういうのに寛容なタイプで助かった…

 

 

「あ、えーっと、寝坊しちゃいまして…アハハ…」

 

 

てへへ…みたいな顔して頭を掻いて誤魔化す。男の俺がやればなかなかキモい動作だが(美男子とかならともかく)、今の俺は戸山香澄という美少女!この世界的にどのぐらいの可愛さなのか分からんが、少なくとも可愛く無い事は無いはず!

 

 

「あー!だから髪セットしてないの?」

 

「猫耳ヘアーねー」

 

 

わいやわいやとモブ子達が騒ぎ出す。というかモブ子達の名前が分からんっ!香澄が覚えてる事はふわっと覚えているんじゃないのか…?何か法則でもあるのか…

 

 

「やー、これはちょっとイメチェン的なね?」

 

 

「イメチェン!?香澄が!?」

 

 

なんだその反応は失礼じゃないか。香澄だって女の子なんだからイメチェンぐらいするだろ…余程この猫耳ヘアー、もとい星型ヘアーに執着あると思われてたのか。でも実際それぐらい執着は凄そうかも。まあなんやかんや和やかな空気になったのはありがたい。

 

 

「取りあえず戸山さん?寝坊は今後気を付けて下さいね?」

 

「あっ、ハイ…」

 

 

それじゃ席に着いてねと言う先生に従い、自分の席に着く。席に関しては自分以外皆座ってたので覚えてるも何も関係無くすぐ分かった。アニメで見たど真ん中辺りとは違い、窓際の真ん中の席のようだ。席替えでもきっとしたのだろう。

 

 

「……」

 

 

自分の席に着くまでの途中、自身にあてられている視線に気が付いた。Poppin'Partyのメンバー、牛込りみ、花園たえ、山吹沙綾、この3人からだった。その視線の意味は分からなかったが…もなんだか怪訝そうにしているのは分かった。

 

 

(凄いな…)

 

 

先程の3人の他に、よく見知った顔がいた。といってもこれまた画面の外から一方的にだが。

一人は『北沢はぐみ』。バンドリのゲームアプリに出てくるキャラクターの一人で、バンド『ハロー、ハッピーワールド!』の一員だ。オレンジ色のショートカットに、元気いっぱいの笑顔が特徴的だ。

先程のやり取りの中では特に発言はしなかったが、モブ子達が騒いでいた際に一緒に笑っていたのは確認した。SHRが終わったら話すべきか?

そしてもう一人は『若宮イヴ』。こちらも同じくキャラクターの一人で、アイドルバンド『Pastel*Palettes』の一員である。銀髪の綺麗な髪を三つ編みにして下ろしている。やはり特に先程発言は無かったが、天使のような微笑みでこちらを見ていた。イヴちゃんマジ天使。

 

 

「それではこれでSHRを終わります」

 

 

そんなこんな考えているうちに、先生がSHRの終わりを告げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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「香澄、おはよう」

 

 

まずそう声を掛けてきたのは、先程怪訝そうにしていた山吹沙綾である。茶髪をポニーテールにした髪型で、柔らかな笑顔がめっちゃ天使。あれ?天使しか言ってない?どうでもいいけど沙綾の髪は茶色なのかピンクなのかって問題あるよね。問題って程では無いけど。まあ可愛いから良くね?的なね

 

 

「うん、おはよー」

 

「ホント珍しいよね〜、毎日欠かさず有咲と一緒に登校してたのに」

 

「アハハー…皆に言われてるよ〜、しっかりしなきゃね」

 

 

 

そう言うと、沙綾はきょとんとした表情になる。アレ、なんか変な事言った?殊勝過ぎた?

 

 

「香澄ちゃん、おはよう」

 

 

次に話しかけてきたのは、りみりんこと牛込りみだ。彼女も天使である()

ショートって程短くは無い黒髪を左右でちょんって感じに跳ねさせてる。…この髪型何ていうの?誰か教えて詳しい人。

 

 

「おはよーりみりん」

 

「香澄ちゃん、もしかしてちょっと元気無い?寝起きだからかな?」

 

「えっ、あーえーと、多分そう」

 

 

なるほど怪訝そうに見られていた理由が分かったかもしれん。結構テンション高めでいたつもりだが、香澄のテンションには届いてなかったらしい。元々ローテンションな人間なので、香澄レベルのテンションを演じるのはなかなか厳しいのか…

 

 

「………保健室行く?」

 

「えっ!?」

 

 

そう突然声を掛けてきたのはおたえこと花園たえ。何を考えているのかなかなか読めない不思議ちゃんだが、そんなところも魅力である。また思った事を結構ズバッと言う事も。

 

 

「だって、絶対変だよ」

 

 

そう言い切るたえ。いやまあ確かにその主張はごもっともというか何も間違って無いんだが…あまり変な事で保健室に連れて行かれるのもちょっと、というか保健室に行ったところでどうにかなる話でも無いし…保健室で時間を潰すにも、香澄の場合その行為自体が目立ちそうだ。ある程度目立たなくては香澄らしくないかもしれないが、でもなるべく目立ちたくは無い。

 

 

「だ、だいじょぶだよ〜!!元気元気!!ほら〜!!」

 

 

とか言いつつ腕をブンブン振り回す謎のジェスチャーをする俺。

 

 

「うーん…」

 

 

あまり納得してなさそうだが、このまま引き下がってくれないかな〜

 

 

「かーくん!おはよう!」

「香澄さん!おはようございます!」

 

 

おう、このタイミングで話し掛けてくれたのは正直助かった…

先程の北沢はぐみに若宮イヴだ。

 

 

「おはよう!はぐにイヴちゃん!」

 

 

呼び方これで合ってたよな?

 

 

「香澄さんどうしたんですか?腕を振り回して…」

 

「え?ほら、私は元気だぞーって教えてたの!」

 

「なるほど!元気だと伝えるのは大事な事ですね!」

 

 

純粋か!!やはり天使だ

 

 

「えーじゃあじゃあはぐみも回す〜!!」

 

 

えっ、回すの?

 

 

「あはは、二人とも元気なのはいいけど、そろそろ授業始まっちゃうよ?」

 

 

そう言って俺とはぐみを窘める沙綾。や、まあ俺はそろそろテンションに限界を感じてた頃だったのでありがたい。

 

 

「ホントだ!」

 

「1限目は数学だったよね?」

 

 

うーん、首を傾げるりみりんマジホントマジ

 

 

「それじゃ席戻ろっか。また後でね」

 

 

そう言って手を振る沙綾はやたら様になっていた。うーん、お姉ちゃんに欲しい

 

 

「香澄、具合悪かったらちゃんと言ってね?」

 

「うん、だいじょぶだよ。おたえありがとう!」

 

 

心配にして席に戻るたえに、なるべく満面の笑みを作って見せる。おたえは結構鋭いな…危ない危ない

 

 

「よし…」

 

 

数学なんて、というか授業を受けるなんて久々だが、なんとか頑張ろう

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

(お腹空いた…)

 

 

現在俺は空腹にて机に突っ伏していた。そう、実は今日弁当を持ってきていないのだ。朝逃げるように家を出たのが災いしたか…弁当貰うの忘れた…

その事実に3限目ぐらいで気付いてからはもう死にそうだった、うん。

 

 

「香澄〜、ご飯……香澄?」

 

 

沙綾が心配そうに声を掛けてくる。りみやおたえも集まってきた。

 

 

「ど、どうしたの!?香澄ちゃん!」

 

「やっぱり、保健室?」

 

 

いやどんだけ保健室行ってほしいんだよ…心配はしてくれてるんだろうけど

 

 

「お弁当忘れちゃって…」

 

「えっ」

 

「…そっか、もしかして朝急いでたから?」

 

「うん…そう…」

 

 

腹の虫鳴りすぎてヤバイ。華の女子高生が出していい音じゃないよこれ…

 

 

「しょーがないなぁ、私のお弁当分けてあげるからさ」

 

「私も、今日はパン買ってきたから何かあげるね」

 

「あはは、ウチで買っていったやつだね?」

 

 

ウチで…山吹ベーカリーか!

沙綾の実家は山吹ベーカリーというパン屋を経営しており、そのパンはとても美味しいらしい。もちろん食べた事なんて無い訳だが

 

 

「うん♪沙綾ちゃんちのパンとっても美味しいから」

 

「私もお弁当のレタスを分けてあげるね!」

 

 

レタス…?わ、すっごいドヤ顔してるよこの花園さん。なんかレタスを有咲のハンバーグと交換しようとするエピソードあった気がするな…

 

 

「3人ともありがとー…お言葉に甘えて分けてもらっちゃうね〜」

 

 

言い終わってからテンションが低すぎたかと危惧したが、3人ともクスクス笑ってるし、空腹だからこのテンションでも違和感無いようだ。

 

 

「さっ、行こ?有咲も待ってるよ」

 

 

こうして若干フラフラしながらも有咲のいるB組に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「有咲〜お待たせ〜」

 

 

 

B組に辿り着くと、既に有咲は弁当の包みを手に持っており…

 

 

「おせーよ!ちょっと忘れられたかと思っただろ〜!?」

 

「ごめんごめん、ちょっとね?」

 

 

この金髪のツインテールを揺らしプンスカと怒る少女こそ、朝LINEを送って来た張本人、市ヶ谷有咲である(かわいい)。少し話し込んでたせいで待たせてしまったようだ。まあ大方いつもは真っ先に香澄がB組に向かっていって呼び出していたのだろう。あはは、と沙綾が宥める。

 

 

「…?つーか香澄どうした?なんか…」

 

 

言いかけてやめる有咲。まあ元気無くね?的な話だよね。今日だいぶそのやり取りしたからなぁ。だが今の俺には明確に元気の無い理由があるのだ!

 

 

「お弁当忘れちゃってね〜…」

 

「はぁ!?あの香澄がお弁当忘れた!?」

 

「むっ、そんなに驚かなくても〜、私だってお弁当忘れる時くらいあるよ〜?」

 

 

そんなに香澄が弁当を忘れる事は意外なのだろうか。食い意地張ってるキャラって訳じゃ無いよね?

 

 

「しょーがねー奴だな〜…」

 

 

溜め息をついて呆れる有咲。ここはアハハ〜と笑って誤魔化しておこう。

 

 

「って、そーじゃなくてその髪型はどうしたんだよ?」

 

「えっ?」

 

 

そうか、そうだった。もうなんか大体終わった話になってたけど、髪下ろしてるんだった。

 

 

「イメチェンだよイメチェン」

 

「イメチェン…?ふーん…」

 

 

納得してるのかしてないのか微妙な表情だが、これ以上この話を続ける程では無いようだ。その方がこっちも助かる。

 

 

「取りあえず中庭行こーよ。有咲のハンバーグが私を待っている!!」

 

「なんでだよ!!というかそんないつもハンバーグ入ってねーから!!」

 

 

おたえは相変わらず有咲のハンバーグ狙いだな…というかちゃんとレタス分けてくれるんだよね?レタスとはいえ今はめちゃめちゃ欲しいよ?

 

 

 

 

 

 

 

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「ホントに入ってたよ…」

 

 

有咲が自分の弁当箱を開いて開口一言。そこにはしっかりとしたハンバーグが入っていた。

 

 

「ほらね!」

 

「なんでおたえが誇らしげなんだよ!」

 

 

わいやわいやと騒ぐ二人。ゲームやったりしてる時に思ったけど、この二人のやり取りいいよね、うん。

 

 

「アハハ…あ、香澄ちゃん、はいこれ!」

 

「え…メロンパン!?いいの!?」

 

「うんっ、実は今日ちょっと買い過ぎたかなぁって思ってたから遠慮しなくていいよ?」

 

 

天使だ…大天使りみりんだ…!何かくれるとは言ったがメロンパンをくれるとは…!大きさも大きいし何より美味しい!これを買い過ぎたなんて言ってくれるなんて…

 

 

「りみりんありがとー!!」

 

「えへへ、喜んでもらえたなら良かった♪」

 

 

良心の塊かよこの子…感激しすぎてうっかり香澄よろしく抱きつきたくなったが我慢した。や、絵面的には微笑ましくても中身がね…

 

 

「私はこれ!」

 

「ええっ!?これは…!」

 

 

そう言って差し出したのはなんとからあげとタコさんウインナー!メインディッシュじゃないですかヤダー!

 

 

「こ、これメインのやつじゃないの!?いいの…!?」

 

「いいのいいの♪別にまだあるしね。」

 

 

あぁっ…!この子も天使だ…!天使しかいない…!

 

 

「あ、香澄、はいこれ!」

 

「あっ、うんありがと」

 

 

おたえが差し出したのは予告通りのレタスだった。うっかりちょっと微妙な顔しちゃったよ…まあでもみんななんとも言えない顔してるし大丈夫かな?

 

 

「結構充実してんなー、じゃ、私これな」

 

 

そう言って有咲は俺もとい香澄の弁当箱にサラッとハンバーグを4分の一に箸で割った物を置いてきた

 

 

「ええっ!有咲もくれるの!?」

 

「や、この流れで私だけ何も出さないのはおかしいだろー…」

 

 

そう言って呆れる有咲

 

 

「でもくれるって言ってなかったのに…」

 

「い、いちいち言う程の事でも無いだろ?とっ、友達なんだしこのぐらいふつーだろ…」

 

 

恥ずかしいのか顔を赤くしながら尻すぼみにそう言う有咲。かっ…可愛いっ…!!これがツンデレの威力か…!香澄が有咲によく抱きつきたがるのが改めて分かるっていうか…

 

 

「ありがとう!!有咲!!」

 

「お、おう…」

 

 

そう言って俺は有咲に笑みを向けた。有咲が可愛過ぎて良い子過ぎて自然に出た笑みだが、身体が香澄なおかげで凄い良い笑顔…なような気がする

 

 

「……?」

 

 

が、しかし有咲はなんだか不思議そうな表情をしている。なんだ?

 

 

「有咲?」

 

「へ?」

 

「どうかした?」

 

「あー、いや、なんでもない。出揃ったし弁当食べようぜー」

 

 

そう言っていそいそと自分の弁当に手を付ける有咲。他の皆も疑問に思っていたようだが、特に追及する気はないようで、食事タイムが始まった。

 

 

 

この時気付かなかったのだが、後に気付く事になる。皆が疑問に思っていたのは有咲の様子では無く、俺…香澄が消極的過ぎた事への疑問だったのだと…

 

 

(メロンパンうま…)

 

 

そんな皆の気持ちはいざ知らず、メロンパンを呑気に貪るのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued…

 




という訳で第1話でした。

今更気付いたけどバンドリの2次創作を書くにあたって台詞を考えるのが難しいキャラ結構いますね…
個人的には沙綾がめちゃくちゃ書きやすかったです。

本当は1日終えるまでの話を書いて1話にしようかと思ったのですが、力尽きました←
キリが良いかは微妙ですが取りあえずここまででご容赦下さい。

それではまた次回


※追記(2018/10/27 23:00)
有咲が髪下ろし香澄見た時の反応を入れ忘れていたので場面追加しました。なるべく気を付けますが、こういうミス今後多いかもです(小声)
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