戸山香澄になっちゃった!?   作:カルチホ

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お待たせしました。第3話となります。

予約投稿を使っているのですが、特に何時にとかは決めてないです。なんとなく切りのいい時間にしてます。
今のところ3日前後ぐらいで次話投稿できてますが、ずっとそうとは限らないので悪しからず。


3話:商店街に行っちゃった!

戸山香澄を取り戻す。そう決意した翌日。俺は放課後に商店街へとやってきていた。

 

 

「おぉ…」

 

 

やはりアニメで見た事のある光景だ。こうして自分目線で見るのは初めてだが。まあ本当はこの身体は自分のでは無いという事は一旦置いておく。

 

 

(しかし悪い事しちゃったな…)

 

 

実は今日、バンドの練習があったのだ。これがあるのにギターが出来るのか確認しておかなかったのは完全に俺のミスなのだが、それが確認出来てない状態で練習に向かう訳にもいかない。ちなみに俺は元の通りならギターなんぞ弾けないはずだが、今の状態ならもしかしたら出来るのかもしれない。が、それに賭けていくのは流石にマズイ。本来やろうと思っていた事もあり、俺は申し訳無さを感じつつもまだ調子が悪い事にして、練習を休んだのだ。

 

 

「あ、山吹ベーカリーだ…」

 

 

俺は山吹ベーカリーの場所を確認し、近づかないようにする。体調不良を理由にしてるのでポピパのメンバーに見つからないようにしなければならない。ついでにはぐみとイヴも同じクラスなので、話が漏れる可能性を考えるとなるべく会いたくない。イヴは多分大丈夫だと思うのだが、はぐみは北沢精肉店…はぐみの家で経営しているお店があるのでこちらも避けるべきだろう。

 

 

(と、なると…行けるところ結構限られてくるな…)

 

 

そもそも俺が何故そんな見つかる可能性があるにも関わらず、商店街に来ているのか。これが先程言った、学校の授業中の間も考えていた『本来やろうと思っていた事』なのだが、それは『相違点を調べる』という事だった。相違点とは、複数の物の間での違うところの事を言う…的な事がwikiに書いてあった。なんかちょっと相違点って言い方格好良くない?というのは置いといて、この世界は限りなくバンドリの世界を模しているように見える。描写する程の事でも無い事は置いといても、キャラや色んな場所の風景。学校もうろ覚えではあるが大体合っていたと思う。俺がアニメやゲームで見たものばかりだ。この世界の人達がちゃんと生きていると思っているのは変わらないが、ここまでバンドリというものを模しているのには何か意味があるのではないか?そう考えた。そもそも、世界には既に…いや、ついこの間出来た相違点が一つ確実にあった。

 

 

(…俺、だよな…)

 

 

この世界の戸山香澄は、俺が知ってるバンドリの世界の戸山香澄とは違う。姿はそれでも、蒼山蒼という人物の精神が入っている。これは間違いなく相違点と言っていいだろう。つまり今の俺自身が相違点である訳だが、そんな俺と同じ存在を見つける事が出来れば何か分かる事があるのではないかと考えたのだ。別に人でなくともいい。小さな物でも、何か俺の知ってるバンドリとは確実に違う物が見付けられれば…

 

 

(と、言ってもな…)

 

 

長々と思考したが、この考えは掴み所の無い非常にふわふわした希望的観測であるのも確か。実際違う点が見つかったからと言って、だからなんなのか?戸山香澄を取り戻すヒントなんて何も見つからないかもしれない。しかし、今はこんな希望的観測に縋るしか無いのである。バンドリの世界観は基本的には現実に忠実だ。こんな憑依現象の手掛かりを掴む為に何をしたらいいのかというのはかなり悩んだ。悩んだ末に取りあえず出した結果に過ぎない。だが何もしないよりはマシと信じ、やってやるしかなかった。

 

 

(商店街を見てるだけじゃ相違点かどうかも分からんな…そんな細かい配置まで覚えてないし。)

 

 

キョロキョロと辺りを見回すも、商店街だな〜という感想しか浮かんでこない。仮に相違点があってそれに意味があったとしても、こういううろ覚えな部分であったら詰みなのでは…

 

 

「あら、香澄ちゃんじゃない!」

 

「へ?」

 

 

うっかりちょっと間抜けな声を出し振り返ってみるとそこには…いや誰!?誰このおばちゃん!

 

 

「あらあら髪下ろしたのね〜、前の髪型も良かったけど、それも大人っぽくて素敵ね〜」

 

 

どうも向こうはこちらを知っているようだ…、知り合いみたいだが、いわゆるモブ的なキャラなのかもしれない。ゲームとかで台詞はあるけど声も無いし姿も作られてないやつね。

 

 

「そ、そうですか?えへへ…」

 

 

取りあえず照れくさそうにしてみる。初めて学校に行った時も思ったが、モブの名前は分からないのか?香澄が覚えてる事はふわっと分かると思ってるのだが、どうもその他大勢的な人達の名前は分からない。ちょっと失礼か?

 

 

「あ〜そうそう、それでね〜…」

 

 

あ、まだなんか続くんですか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「それじゃあね〜」

 

「は、はーい」

 

 

なんとか頑張って作り笑いをしながらおばちゃんに手を降る。つ、疲れた…マシンガントークって程では無いが話す内容が途切れない途切れない。香澄にも大変な知り合いがいたもんだ。いや、戸山香澄本人ならさっきのおばちゃんともノリノリで楽しく会話するのかもな…

 

 

「は〜ぁ…」

 

 

ガクッとその場で項垂れる。もう帰っちゃおっかな…精神的疲労がね…ちょっとね…?

 

 

「あれ……もしかして、香澄…?」

 

「……へ?」

 

 

またしても声をかけられた。さっきと違う、どう考えても聞いたことのある声だ。疲れなんてまるで無かったかのように後ろを振り返る。

 

 

「ホントに香澄だ…髪、下ろしたの?」

 

「あ………蘭、ちゃん」

 

 

そこには、メインキャラクターの1人、ショートの黒髪に赤色のメッシュを垂れ下げた髪型をしているクールそうな女の子、Afterglowのギターボーカル、『美竹蘭』が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「へえ、イメチェンしたんだ。悪くないね。」

 

 

蘭と一緒に商店街を歩く俺。話を聞くと、蘭は江戸川楽器店という楽器屋に用があるみたいだった。今は、折角なので彼女に付いていっている。

 

 

「皆最初に髪の事言ってくるんだよ〜、実はちょっと疲れちゃった〜なんて。」

 

「そう?香澄の性格だと嬉々として周りに言って回りそうだと思ったけど。」

 

 

うっ、そうなんだろうか。言われてみるとそうかもしれない。

 

 

「それに、そりゃ皆気にするよ。だってずっとあの猫耳…じゃなくて星型だっけ?あの髪型にしてたんだし。一瞬誰かと思った。」

 

 

もうこれは会う人会う人に聞かれるのはしょうがないのか。くっ、こうなったら星型ヘアーの練習でもするか?

 

 

「ま、まあまあいいじゃん!ほら、私衣装の時とかは時々下ろしてるよ?」

 

「それは衣装じゃん…」

 

 

衣装だと何がいけないんだおい。

 

 

「あ、着いたね。」

 

 

江戸川楽器店へと到着。店内へと足を運ぶ。

 

 

(おお…楽器店とか初めて入った…)

 

 

アニメの影響で楽器始めました!とかは無かったので、この手のお店へは初入店である。なかなかどうして、見てるだけでも結構楽しいかもしれない。

 

 

「香澄どうかした?」

 

 

はっ、よく考えたら香澄だってこのお店はもう慣れ親しんだ店のはずだ。あまりキョロキョロしすぎるのはよくないか。

 

 

「な、なんでもないよ〜あはは…。ねえ、蘭ちゃんは何か買いに来たの?」

 

 

適当に誤魔化して蘭に話題を振る。楽器店に行くとは聞いたが、何をしにいくのは聞いていなかったので丁度よかった。

 

 

「ん、ちょっとピックをね。」

 

 

ピックを買いに来たのか?ぶっちゃけ俺はギターの事、というか楽器の事に関しては全然詳しくない。素人と言ってもいい。バンドリの中で出てくる楽器に関連する話は流しめに聞いていた記憶がある。楽器自体にはそこまで興味無かったからかもしれない。

 

 

「あ…」

 

 

暫く悩んでから、気になるものを見つけたようで手に取る蘭。色々回したりして見ているが、やがてそれを元の置いてあった場所に戻したのだった。

 

 

「いいの?」

 

「うん。いいかなと思ったんだけど、近くで見るとそこまでしっくり来なかったから。」

 

「へぇ…」

 

 

しっくりとか全然分からんが…まあギターをやってる人には分かる何かがあるのだろう。

 

 

「やっぱり買うのはやめるよ。私は帰るけど、香澄は?」

 

「え?あ!待って!蘭ちゃんこの後暇?」

 

 

まだ帰らないでくれ頼むから。わざわざ蘭についてきたのは目的があるのだ。

 

 

「へ…?いや、まあ暇だけど…」

 

「よ、良かったらちょっとどこかでお茶しよーよ!蘭ちゃんともうちょっとお話したいし!」

 

 

香澄の演技も少しは板についてきたかもしれない。今のところ蘭に香澄の振る舞いで疑問に思わせているところは殆ど無いだろう。

 

 

「もうそれなりの時間だと思うけど?」

 

「お願い!ちょっとだけちょっとだけ!」

 

 

もうこれでもかとぐらい頼み込む。まあ最悪駄目でもいいのだが、折角会えたのだから今目的を果たせるならそれに超したことは無い。

 

 

「…分かった。ならどこ行こっか?」

 

 

よ、良かった。こっちの態度に折れてくれたようだ。

 

 

「あっ…えーっと…蘭ちゃんに任せます!」

 

 

ここでドヤ顔!おお、予想通り過ぎるほど蘭が「ええ…」という反応を見せている…。まあぶっちゃけ話が出来れば良かったので場所とかは考えてなかった。

 

 

「香澄から言い出したのに…じゃあつぐみん家でいっか。」

 

 

つぐみん家…羽沢珈琲店か?いいかもしれない。つぐみももしいれば情報収集が更に捗るかも。つぐみとは、蘭の幼馴染の一人であり、Afterglowのキーボードを担当するメンバーである。

 

 

「了解であります!それじゃ行こ!」

 

「はいはい…」

 

 

そうと決まればレッツゴーだぜ!…そういえば、ここってグリグリ(Glitter*Green)のどなたかがいなかったっけ…たまたまいなかっただけか?一応今度調べといた方がいいか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺は何か大事な事を忘れている気がする…何か…大事な…

 

 

(待てよ!?ここってイヴちゃんバイトしてなかったか!?)

 

「いらっしゃいませ…って蘭ちゃんに香澄ちゃん!」

 

 

もう蘭さん入ってるううう!ちょっと待って大丈夫なのか!?

 

 

「つぐみ、今日は手伝いの日なんだ?」

 

「うん、そうだよ。蘭ちゃんは香澄ちゃんと一緒に何かしてたの?」

 

「さっきたまたま会ってね」

 

 

こ、これが生つぐみか…ふわっとした茶髪のショートカットが可愛らしい。茶色だよね?それはともかく感心してる場合では無いのだが…

 

 

「ど、ども〜。」

 

 

ひらひらと手を振ってみると、満面の笑みで「こんにちは〜。」と手を振り返してくれた。この世界天使多すぎか?

 

 

「香澄ちゃん、髪型変えたの?」

 

「あ、うん。ちょっとイメチェン的なね。」

 

 

もはやお決まりとなった返しをする。今のところ香澄の知り合いや友達には皆聞かれているが、本気で星型ヘアーを練習するべきだろうか。いや、でも俺がそれをやろうとしてもエセ星型ヘアーどころかそれすら完成しないだろう…

 

 

「え〜っと…」

 

 

辺りを見回す。見たところイヴはいないようだが…

 

 

「どうかしたの?」

 

「あ、今日はイヴちゃんいないのかな〜って。」

 

「イヴちゃんは今日はシフト入ってないよ?何か用事でもあったの?」

 

「あ、いや〜なんとなく気になっただけ!うん!」

 

 

良かった…今日はいないらしい。これなら安心して目的を果たせる。

 

 

「あっ、席案内するね。二名様ご案内で〜すっ。」

 

 

そう言ってつぐみは俺達を二人席へと案内する。窓側じゃなかったのはたまたまだが、結構助かるな。ここで話してる途中に外から誰かに見つかるのはごめんだ。

 

 

「それで?なんか話したい事あったんだよね?」

 

「えっ?やーそんな何か決めてた訳じゃないけど〜単に蘭ちゃんとお話したかっただけだよー。」

 

 

嘘だ、俺には明確な目的がある。ただこれを大っぴらに言ってしまうと「なぜ?」と思われる事間違い無しなので、あくまでもなんとなく尋ねるかんじにしなくては…

 

 

「まったく、変なの。それなら香澄からなんか話してよ。私そういうのあんまり得意じゃないからさ。」

 

「あ、うん。え〜っとさ、今日学校でね〜…」

 

 

とにかくその流れにもっていく為、蘭との雑談を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「そういえばAfterglowって今曲どのくらいあるの?」

 

 

つ、疲れた…。やっと俺は望んでた流れに持ってこれたのだ。そう、俺の目的は、Afterglowの楽曲がどうなってるのか知る事だった。バンドリのゲームでは、バンドのイベント毎にオリジナル楽曲を配布しており、これを知ってイベントの話がどのぐらい済んでいるのか把握するのが狙いだった。ホントは香澄本人が所属するポピパからやるのがいいし、実際やろうと思っていたのだが、ポピパでそれを探るのは蔵練習の時とかがいいだろう。ここで蘭に偶然会えたのもあって、取りあえず先にAfterglowを調べる事にしたのだ。

 

 

「えっと、どのぐらいだったかな…10までは行ってないぐらいだったと思うけど…ちょっと待って。」

 

 

そう言って蘭はスマホを取り出す。もしかしてスマホに入ってるのか?

 

 

「データ入れてるの?」

 

「うん、一応ね。」

 

 

暫くスマホを操作し、蘭は口を開く。

 

 

「……8曲…だね。」

 

「見せて見せて!」

 

「ん。」

 

 

蘭からスマホを受け取り画面を見る。そこにはデータ保存してある楽曲一覧があった。

 

 

・That Is How I Roll!

・True color

・Scarlet Sky

・Hay-day狂騒曲(カプリチオ)

・Y.O.L.O!!!!!

・Jamboree!journey!

・COMIC PANIC!!!

・ツナグ、ソラモヨウ

 

 

…ふむ、多分知ってる曲は全部あるな。知らない曲は一個もない…つまり、大体俺が知ってるところ辺りまで進んでいるのか?

 

 

「ありがと!」

 

 

お礼を言い、スマホを蘭に返す。楽曲に相違点があるかもしれないとも思ったのだが、Afterglowはシロっぽいな…まああるとしたら1番ありそうなのは我らがポピパだとは思っているが…

 

 

「というか曲数ならポピパの方が多いんじゃないの?」

 

「あ〜、まあね〜、私達も結構もう経ったのかなぁ?」

 

 

いや、知らんけどね。そもそもサ○エさん時空なのかそうでもないのか分からんバンドリは、どのぐらい経ったとかの話はキャラにはあまりさせてなかった気がする。今いる世界がまさかサ○エさん時空になってるとは流石に思えんが…。あ、ちなみにサ○エさん時空というのは最早説明不要なような気がするが、一応説明しておくと歳はとらないのに時間は進んでいくような現象の事だ。厳密に説明するならもうちょっとあるのだが。某アニメから名前が取られた。

 

 

「…香澄、そろそろ私帰るよ。時間も時間だし。」

 

「え?あ!もうこんな時間?」

 

 

時刻は夕方、というかもう夜というべきか、18:00になっていた。曲数の話題に持っていくのに時間をかなり使ったようだ…。まあ時間掛かってもちゃんと持っていけたのでいいだろう。

 

 

「そうだね、そろそろ帰ろっか。」

 

 

席を二人で立ち上がり会計に向かう。

 

 

「あ、蘭ちゃんと香澄ちゃんもうお会計?」

 

「うん、お願い。」

 

 

会計に行くのを察してつぐみが対応してくれる。というかこの子どのぐらい働いてんだろうか…家のお手伝いなはずだが、この時間になってもまだあがりそうな気配は無いな。

 

 

「それじゃあね、つぐみ。」

 

「うん、また明日ね!香澄ちゃんもバイバイ!」

 

「バイバイ!また来るね!」

 

 

二人で店を出たあとぼちぼち蘭とも別れ、ポピパメンバーに見つからないよう気を使いながら帰宅するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ギターギターっと…」

 

 

場所は香澄の部屋、もうご飯は食べ終え風呂も入った後だった。俺は今日バンド練習を断る原因にもなったギターが弾けるかどうかの確認をしようとしていた。

 

 

「おお…これが…」

 

 

置いてあったギターケースを開くと、そこには戸山香澄のギターとしてお馴染みの真っ赤な星型ギター、『ランダムスター』が入っていた。そもそもギター自体なかなか生で見る機会は無いので、思わず感嘆の声が漏れる。

 

 

「さて…」

 

 

ギターを手に取り、慣れたような手つきで構える。…うん、慣れたように出来るという事はもしかして…

 

 

「よし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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結論から言うと、弾けた。ときめきエクスペリエンスを頭の中で思って手を適当に動かしていたのだが、適当にと思っていた手は的確に曲を奏でてくれた。若干ミスしたりするところはあったが、身体が覚えてるのはあくまでふわっとだけなのでまあしょうがないだろう。俺自身ギターの経験なんか無いから、ミスを俺の意思でフォローする事も出来んし。

 

 

「まぁ、これなら練習もやり過ごす事ぐらいなら出来るか…?」

 

 

出ずに済むならそれが一番いいが、香澄じゃないという事を誤魔化すなら出ない訳にもいかない。それこそ怪しまれてしまう。それに楽曲の有無も調べたい。

 

 

「明日、か…」

 

 

スマホのスケジュール表を見る限り、明日はバンド練習がある。今日行かなかった分、ホントに体調不良にでもならない限り明日行かないという選択肢は無いだろう。なんとかやってやるしかない。

ギターをケースにしまい、ベッドに寝転がって今日の事を考える。

 

 

(学校は特に問題無く終わらせられた…商店街を見て回ってもそれ自体だと何も分からなかったけど、蘭とかつぐみに会えて、なおかつAfterglowの状況を調べられたのは良かったな。)

 

 

先程見たAfterglowの楽曲の中に、『ツナグ、ソラモヨウ』というものがあった。あれは、ゲームにおけるAfterglow2章でのテーマだ。詳しい内容は割愛するが、ポピパの2章みたいに色々あったと思ってもらえればいい。

 

 

(あそこまで進んでるなら、他のバンドもかなり話は進んでるのかもな。)

 

 

他バンドの事は追々調べるとして、明日はポピパの事を調べなくては。今のところ人物の方に相違点は見受けられない。あるとすれば分かりやすいのはやはり楽曲だと思うのだが…それとも誰かの家に何かあったり…?まあ相違点なんて物がそもそも存在するのかと言ってしまうと悲しくなるが、まあある物と考えていくしかない。あるのか無いのかなんて考えても香澄をこの身体に戻す事は出来ない。

 

 

(ま、朝起きた時に気が付いたら戻ってるとかがあればな、とは思うが…)

 

 

あまりその可能性は期待出来ない。いやまあなってくれればそれはそれでいいんだけどね。

 

 

「取りあえず寝るか…明日の準備ももう終わらせたし…」

 

 

明日の事は明日の自分に任せるとしよう。バンド練習、上手くできるといいが…。そんな事を思うあたり全然任せられてないのだが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued…




そんな訳で蘭ちゃんとつぐみちゃん(あとなんか商店街のおばちゃん)登場会でした。まあつぐみちゃんはそこまで喋ってませんが、今回は蘭ちゃんとの会話がメインだったのでしょうがないですね。今後また登場予定はあるのでつぐみちゃん成分欲しい人はお待ち下さい。

それではまた次回。

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