戸山香澄になっちゃった!?   作:カルチホ

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お待たせしました。
話的にはそこまで進みませんが、それなりにキャラは出てきます。


5話:CiRCLEに来ちゃった!

有咲との約束の日から数日。あの後蔵練習は一旦解散になり、各自帰路についた。あれ以降有咲はいつもと変わりなく香澄に接するようになり、他のメンバーも、そしておたえさえも何かを追及してくる事は無くなった。有咲は香澄との約束を信じてくれたのだろうし、他のメンバーは分からないが、三人揃って明らかに変化がある辺り、有咲とのやり取りを聞いていたのかもしれない。そうだとしたら、彼女達は優しいからこそその約束が果たされるまで待ってくれるのだろう。そうさせてる事に罪悪感はあるのだが、あの場ではああする事しか俺には思い付かなかった。状況は好転したようで、悪化している。なぜなら俺はこの約束を果たす気が無いから。果たしてしまえばどうなるのかは分からないが、良い方向に動くビジョンは見えない。最悪香澄という芯柱が無くなったと分かったポピパは崩壊に向かってしまうのではという懸念があった。なるべく危ない橋は渡りたくないからこそ、この選択をせざるを得なかった。何かもっと良い方法があれば良かったのだが…

 

 

「はぁ…」

 

 

思わず溜息をつく。バンド練習もあの状態でやる訳にも行かず、暫く俺もとい香澄は不参加という形になっている。ポピパの皆は特に追及せずに納得してくれた。これもあの約束を信じているからだろう。良心がかなり傷付くが、今はこの状況を利用するしかなかった。ちなみに、ギターの練習を個人的に始めた。が、やはり体で覚えている部分以外は本当に駄目だ。始めて数日でそう上達する物では無いとは思いつつもやはり状況が状況なだけに焦ってしまう。一刻も早く練習に復帰できるようにしなければ、香澄の居場所を守らねばという気持ちが焦りに繋がるのだった。

 

 

「…ここか…」

 

 

と、うだうだ長ったらしい思考をしてしまったが、今日はとある場所を訪れていた。建物に付いている看板には『CiRCLE』という文字が。そう、今日俺が訪れたのは、ゲームでの舞台になっているライブハウスCiRCLEである。ゲームではここに新人のスタッフとして配属され、スタッフの月島まりなというキャラクターと共に、バンドリのキャラクター達に色々と関わっていくというメインストーリーがある。と言ってもこういうゲームのお約束というか、割とよくある事なのだが、ストーリーの途中から新人スタッフがいるんだかいないんだか分からなくなってたりする。一応他に出番はあるのだが、これ以上話しても長くなるのでここは割愛させていただこう。

 

 

「え〜と…あった。」

 

 

今日のライブプロジェクトを確認する。そこにはRoseliaの文字が。今日の目的は、ここでRoseliaのライブを観賞し、あわよくばRoseliaと接触する事。理由はAfterglowの蘭に対して聞いたのと同じだ。まあRoseliaのライブを見たいとかもあるんだけどね、うん。

 

 

(大丈夫かな…)

 

 

建物の窓ガラスで自身の身なりを確認する。今着ているのは私服なのだが、実は私服で行動するのは初めてで、結構そわそわしている。制服にはもう結構慣れたし、スカートのスースーした感じにも(不覚にも)慣れたが、私服姿の香澄はなんかドキドキする。私服は自室にあった物をゲームで見た秋仕様の服になんとなーく合わせた物だが、それでも我ながらかなり可愛く出来たと言える。というかもう素材がいいですね、うん。20歳ちょっとの男性が女子高生着せ替えして楽しんでるって字面にするとなかなかにやばいが、状況が状況なので許してほしい。せっかくなら可愛くしたかったんです!!それと、タイツと言うものを初めて履いたが、あれって履くの結構面倒くさいね。でもなかなか暖かくていい感じではある。タイツを履いてる感覚自体には慣れないが、もうこの際こういう部分は楽しもうと吹っ切れたいのである。ネガティブな事ばかり考えると疲れるし、何より自分で言うのもなんだがこの姿になってから色々と頑張ってるし、多少の見返りを求めてもいいだろう。俺は聖人君子という訳では無いのだ。

 

 

(よし!)

 

 

意を決し、俺はCiRCLEの扉を開いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(おお…)

 

 

CiRCLEの中にもやはり、見覚えのある景色が広がっていた。見覚えというより、ゲームの中の物が再現されているのを見ている気分というのが近いだろうか。

 

 

「いらっしゃ〜い!って、香澄ちゃん?」

 

 

声を掛けてきたのは、先程話にも出した月島まりなというキャラクターである。大体皆まりなさんって呼んでるし、俺も話に出すときはまりなさんと呼んでいる。

 

 

「香澄ちゃん、その髪型どうしたの?」

 

「イメチェンです!」

 

 

最早予定調和なやり取りである。力強く堂々というと相手も大体すぐ納得してくれる事に気が付いてからは専らこんな感じである。現にまりなさんも「そっか〜」とかいいながらうんうんと頷いてるし。

 

 

「そういえば一人でいるのも珍しいね?」

 

 

うっ、そこを突いてくるか…だが確かに香澄という人を知っていれば、単独行動しているのは珍しいと思うのかもしれない。

 

 

「そ、そんなにいつも誰かと一緒に見えますかね?」

 

「アハハ、まあね。それで?今日はどうしたの?」

 

 

良かった、サラッと流してくれた…助かる…

 

 

「あの、今日のライブを見たいんですけど!」

 

「今日の?もしかしてRoseliaがいる回?」

 

「はい!お願いします!」

 

 

まりなさんに頼み、チケットを用意してもらう。あまり深く考えなかったが、もし当日券が空いてなかったら危なかったな…。まあ空いていたので結果オーライだ。始まる時間より結構前に来たのが幸いしたのかもしれない。

 

 

「それじゃ!時間までまだあるけど楽しんでね!」

 

 

100点満点の笑顔でそう言うまりなさん。いかんいかんうっかり惚れるところだったぜ、という冗談はさておき、お礼を告げて時間潰しにテラスにあるカフェテリアへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ふぅ…」

 

 

席に座り、頼んだホットココアを口に入れる。それなりに冷えてくる時期なのでなかなか美味しい。そもそもココアが好きなので季節はそこまで関係無いのは秘密である。

 

 

「………」

 

 

少しボーッとしながら空を見上げてみる。この体になってからそれなりに時間が経つが、一体いつになったら戻れるのだろうか?明日?明後日?一週間後?一ヶ月後?まさか一年後?それとも…

 

 

(…なんて、考えても意味無いよな…)

 

 

両肘をつき、手に顔を乗せる。中からチラッと見てたまりなさんに後から言われた事なのだが、この時の俺、もとい香澄はいい意味で普段の香澄らしくなく美少女感が凄かったらしい。憂いを帯びた表情がとても良かったとかなんとか。言われてみれば、香澄になりきるだけではなく、女の子になりきる事にも慣れたのかもしれない。男で両肘ついて手に顔乗せるのはちょっとアレだが今は割と自然にやってしまったし、座る時に足を閉じるのも自然に出来ていると思う。香澄になったばかりの時は足をがっつり開いてる時が何回かあって、モブ子やらポピパのメンバーやらにその都度注意された記憶がある。最近はそういった注意は受けてないので上手く出来てるのだろう。といっても別に女の子になりたい訳ではない(ある意味既になっているが)ので複雑な気持ちではあるが。もし自分の体に戻れたとしてこの女の子的な動作をしてしまう癖は抜けてくれるのだろうか?うっかり気持ち悪い事しそうで怖い。ところでいい意味で香澄らしくないとの事だが、この子は一人でいてもはしゃいだりしているのだろうか?なにそれ怖い。

 

 

「Roselia…かぁ…」

 

 

ライブの内容が簡単にまとめられているパンフレットを見ながらそうぼやく。Roseliaに接触するのが目的ではあるのだが、ぶっちゃけめっちゃ緊張している。知っている人は分かると思うが、Roseliaのボーカル、『湊友希那』ギターの『氷川紗夜』。この二人は性格的にかなり取っ付きづらい。勿論バンドリが好きな以上この二人の事も好きだし、キャラとしてもとても魅力的なのは分かっている。だかしかし、実際に接するとなればなかなか難しい性格をしているのも確かだ。二人とも女の子らしい一面もあるとは言え、基本的にはストイックを地で行く性格だ。とても本来の俺が関わる、関わろうとするタイプの人間では無い。それ故上手く話せるかという心配が大きいのだ。ただ、その二人含めRoseliaと香澄は知り合いだし、特に禍根とかも無いはずなのでボロを出さないようにする事が重要だろう。しっかりと香澄を演じきれればある程度は和やかに対応してくれるはずだ。なんとか上手くやらねば。

 

 

「戸山さん…?」

 

「へ?」

 

 

そんな事を考えてたら声を掛けられた。顔を向けるとその先には…

 

 

「友希那…さん。」

 

 

ついさっきまで話題に出していた、Roseliaのボーカルその人、湊友希那がこちらを見て立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「正直一瞬誰かと思ったわ。雰囲気が違ったし。」

 

「そ、そうですかね〜?やっぱり髪型変えたからかな〜?」

 

 

なんとか平静を装いつつ返答する。湊友希那。羽丘女子学園に通う高校2年生であり、Roseliaのボーカルである。よく孤高の歌姫なんて言われてたかな確か。ストイックな性格で、歌への拘り、信念の強さはバンドリキャラの中でもトップかトップクラスだろう。ロングの銀髪がとても綺麗だ。まさかライブ前にエンカウントするとは…つーかバンドリキャラに会うときこのパターン多過ぎじゃないか?なかなかこっちから会えんぞ?ところで今友希那さんって呼んじゃった気がするけど、確か香澄は友希那先輩って呼んでたよな?まあこのくらいならセーフか。向こうもどうやら気にしてないみたいだし。

 

 

「髪型もあるのだけれど…貴女自身少し雰囲気が違うような気がするわね…」

 

 

…鋭いな…そりゃ中の人が違うんだから雰囲気も変わるわな…

 

 

「え〜そうかなぁ?どの辺が違いますか?」

 

「…そうね…分からないわ。」

 

 

ガクッ、と思わずずっこけてしまう。こういうところあるよねこの人。可愛い。

 

 

「まあいいわ。戸山さんはここで何を?」

 

 

まあいいで済ましちゃうのかよ…助かるけども。

 

 

「Roseliaのライブを見に来ました!!」

 

「そうなの?それならば最高のものを見せなくてはならないわね。」

 

 

そう言いフフッと笑う友希那。しばらく話してみた感じ、香澄との仲はわりかし良好なようだ。まあゲームでも仲が悪い雰囲気は無かったので予想通りと言えば予想通りだ。むしろそうでなくては困る。まあ香澄との仲が良好じゃないキャラなんて思いつかないのだが。

 

 

「友希那先輩はもう準備に入るんですか?」

 

「ええ。ライブの時は早めに来て自分のコンディションの確認をしたいから。他のメンバーも多分もうすぐ来ると思うわ。」

 

 

なるほど…やっぱライブの時は早めに入ってるのか…他のメンバーももうすぐ来るという事は、このままここにいると鉢合わせる事になるがどうするか…

 

 

「そういう事でしたら私に構わず中入っちゃって下さい!ライブ楽しみにしてますね!」

 

「そうね、そうさせてもらうわ。じゃあまた。」

 

 

そう言って友希那は銀髪をなびかせ、CiRCLEの中へと入っていった。なんというCOOL…

 

 

「思ったより話しやすかったなしかし…やはり香澄だと思われてるのが大きいか。」

 

 

あの人香澄にはなんか甘い気がするしな。香澄本来の人懐っこさと、Roseliaのメンバーでは無いから特に厳しく接する必要も無いというのもあるのかもしれない。なんにせよ助かった。これなら情報収集もなんとかなりそうだ。それはそれとして…

 

 

(どうするか…このままここにいると他のRoseliaメンバーと接触する事になりそうだが…)

 

 

ライブ後の接触の難易度を下げる為にも、始まる前に話しておけるなら話しておいたほうがいいかもしれないな。残るメンバーは先程話に出した氷川紗夜の他に、『今井リサ』『宇田川あこ』『白金燐子』がいる。紗夜は恐らく友希那と同じような感じでいけば何とかなると今なら思えるし、他三人は燐子が人見知りなだけで、基本的に友好的だ。なおかつ今の俺は香澄なので、まず友好的にならない理由が無い。燐子の人見知りも香澄相手なら既に知っているからそこまでだろう。よし、行けるはずだ。

 

 

「ん…?あれは…」

 

 

心の準備を固めたところに丁度目的の人物が来た。しかも二人だ。

 

 

「よし…おーい!!紗夜せんぱーい!リサせんぱーい!」

 

 

意を決して二人を呼ぶ。声に気付いた二人はこちらに近付いて来た。

 

 

「やっほー☆」

 

「こんにちは。」

 

 

リサ、紗夜から挨拶を受ける。なんというか性格がよく出ている挨拶だ。今井リサ。先程の友希那の同級生であり幼馴染。Roseliaのベース担当。一見するとギャルのようななかなか派手な髪型、格好をしているが、とても友達想いでバンドにもとても真剣に臨んでいる。あとコミュ力おばけである。そして氷川紗夜。こちらは先程少し触れたが、やはりストイックな性格の持ち主。花咲川女子学園の2年生であり風紀委員に所属している。Roseliaのギター担当だ。水色のような、エメラルドグリーンのような髪の色をしているがどっちが正しいのだろう?双子の妹がいるが、今はそれは置いておこう。

 

 

「香澄どうしたのー?っていうか髪型!下ろしてるの珍し〜!」

 

「確かにそうですね。あの髪型をとても気に入っていたように思っていましたが。」

 

「イメチェンです!」

 

 

まずはお決まりのやり取り。聞かれるのは慣れたが、聞かれる度に香澄の髪型のイメージの強さを実感する。

 

 

「イメチェンか〜そっか〜。」

 

「それはそうと戸山さん、今日はどうしたんですか?」

 

「Roseliaのライブを見に来ました!」

 

 

これも友希那さんとしたやり取りだ。今更だが、バンド名の後ろにさん付けとかしてなかったよな?友希那さんは何も言ってこなかったし多分大丈夫だろう。と言ってもこれに何か言ってくるのもどうかとは思うが。

 

 

「そうなんだ〜!それなら、最高のライブにしないとねっ☆」

 

 

ウィンクが眩しいよこの人!ここまで自然にウィンクが決まる人もそうはいないだろうなぁ。

 

 

「今井さん、戸山さんが見るかどうかに関わらず、ライブは常に最高のものにしなければなりません。」

 

「分かってるって、言葉の綾だから☆」

 

「はぁ…まあ大丈夫だとは思ってはいますが…」

 

 

なんというか紗夜さん、苦労してそうだなぁ…心なしか楽しそうにも見えなくはないけども。リサはわざわざ考えるまでもなく、紗夜さんとのやり取りを楽しんでそうだ。この様子だとRoseliaも2章ぐらいまでは終わってそうだな。この後調べたらハッキリする事ではあるが。

 

 

「それよりお二人共!ライブの準備しに来たんですよね?私に構わず行っちゃってください!Roseliaのライブ楽しみにしてます!」

 

 

なんというか同じ会話繰り返してる気分だがまあ変な事してボロを出すよりいいだろう。

 

 

「そうですね、早く来た意味が無くなってしまいますし。」

 

「だね。それじゃ香澄、また後でね〜。」

 

「はーい!」

 

 

…ん?また後でねって言ってたか?ライブの後また会ってくれるという意味だろうか?そういえば友希那さんもじゃあまたとか言っていた気がする。これは終わった後の接触は容易そうだな。さて、あと二人な訳だが…

 

 

「かーすみー!!!!」

 

「えっ?わっ!!」

 

 

後ろから思いっきり抱き着かれた!?この声は…!

 

 

「わっ!ちょっ!まっ!」

 

「ん〜?香澄?」

 

 

振り返るときょとんとした顔でこちらを見上げる人物…彼女こそが宇田川あこ、羽丘女子学園中等部の3年生で、Roseliaのドラム担当。紫色の髪をロールにしてツインテールにしている。人懐っこさは香澄に負けず劣らずで、小柄な身長も相まってとても愛らしい子だ。愛らしい子なのだが…

 

 

「ちょっ、あの、あこちゃん!?」

 

「香澄?顔がまっかっかだよ?」

 

 

自分が女の子になってるからって女の子に抱き着かれて照れないなんて事は無いよ!?不意打ちなのも相まってちょっと冷静でいられない。

 

 

「あこちゃん…!戸山さん、困ってるから…」

 

「えっ!そうなの!ごめんね香澄〜…」

 

 

後ろから現れたのは白金燐子。花咲川女子学園の2年生でRoseliaのキーボード担当。綺麗な黒髪ストレートの大人しい子だ。あとどことは言わないけどでかい。

 

 

(た、助かった…)

 

 

燐子の言葉を聞き申し訳無さそうに俺(香澄)から離れるあこ。助かったとは思ったが、名残惜しいとも思ったのは秘密だ。男心は複雑なんだゾ☆うん、キモいね。

 

 

「でも香澄どうかしたのー?普段は香澄もぎゅーってしてくれるのに〜?」

 

「確かに…凄い、慌てようだったね…何か…あったの…?」

 

 

しまった…香澄なら確かに普通に抱きしめ返しそうだな…いやでも突然あの状況で無理だろそれは…どうにか誤魔化さなくては…

 

 

「やー、あはは…びっくりしちゃって…」

 

「びっくりしちゃったならしょうがないね!」

 

 

えへへと笑うあこ。いや、それでいいのか君は…

 

 

「戸山さん…あの…髪型…いつもと違うね…?」

 

「イメチェンです!」

 

 

このくだりもう良くね?とか思わないで下さい大事なんです大事でもないけども。

 

 

「イメチェン…うん…いいと思う…」

 

 

フフッと笑う燐子。改めて思うけどバンドリのキャラクターどいつもこいつも顔面偏差値高すぎる…いや、当たり前か。

 

 

「イメチェンかぁ〜…あこも何かやってみようかな?こう…バーンっと格好いいやつ!」

 

 

ドヤ顔でそう言うあこ。相変わらず語彙力が無いな。しかしそんな所が可愛い。何を隠そう宇田川あこはいわゆる厨ニ病である。のだが、語彙力が無い為肝心なところが思い付かない事が多い。近くにいると燐子がフォローしてくれたりするが。

 

 

「今度、何かやってみようか…?」

 

「うん!りんりんと一緒にやってみたい!」

 

「え…!?わ、私も…!?」

 

 

燐子的には多分あこの髪型をアレンジしてあげるつもりだったようだが、一緒にやろうという意味に取られたらしい。ただ、びっくりはしているが満更でも無さそうではある。

 

 

「えーっと、それはそうと二人共ライブの準備に来たのでは?」

 

 

そう二人に告げてみる。どうでもいいけど年下と年上に同時に話しかける時って言い方に困るよね。

 

 

「あ!そうだった!」

 

「…あれ?戸山さん…どうして知ってるの…?」

 

「Roseliaのライブを見に来たからです!」

 

 

最早恒例の流れだが、これ以外に答えようが無いのでしょうがないだろう。見に来たのは本当だし。

 

 

「ホントー!?やったー!!見ててね!あこたちのライブ!」

 

「頑張ります…!」

 

 

二人とも嬉しそうで良かった。やはり自分達のライブを見に来てもらう事はとても嬉しいことなのだろうか。自分はまあ当たり前だがライブなんて客側でしか行った事が無いので厳密にはその感覚は分からない。きっと嬉しいだろうなとは思うが。

 

 

「じゃあ行ってくるね!また後でねー!!!」

 

「それでは…」

 

 

手をぶんぶんと振りにっこにこの笑顔なあこに、綺麗にお辞儀をしてから去っていく燐子。二人は仲良しだが、性格はかなり正反対だなとは思う。そんな二人だからこそ親友足りえるのかもしれないが。さて、これでRoseliaは全員ライブハウス入りした訳だ。時間もあと45分と1時間を切った。どんなライブが見れるのかを楽しみにしつつ、俺はその時を待つのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued…




まりなさんとRoselia初登場会でした。

ライブハウスのチケットの事だとか細かい事は実は分からないのでふわっとした表現になってます。あと、あこちゃんに厨ニ台詞を言わせたいのですが考えるのが難しく、一旦こんな感じにしました。今後はなんとか言わせたいですね。

以上です。それではまた次回。

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