「嫌だ!行かないで!」
「凛、これもお母さんのお仕事なのよ」
「お母さん言ったもん!凛の側から離れないって!言ったもん!約束したのに…お母さんの嘘つき!」
「…んっふふふ…すっかり親子ですね!」
「あ、赤城さん先に行ってください」
「はい!お待ちしてますね」
「ヘイ!凛!鳳翔はミーが守るから心配ナッシングネー!凛はしっかりスタディーしてミー達の帰りを待ってるデース!」
「…金剛さん、ほんと?ほんとにお母さん帰ってくる?」
「イエス!この金剛に二言はないネー!」
「…うん、わかった!凛、ちゃんとお勉強して待ってる」
「グッドガールですネー!じゃあ鳳翔、先に行ってるデース」
「はい、金剛さんありがとうございます」
「…お母さん、凛待ってるから……絶対帰ってきてね…」
「ええ!凛の側から離れないって約束したでしょ、ちょっと仕事してくるだけよ!その間ちゃんとみんなの言うこと聞いて、いい子にしてるのよ」
「お母さん…………行ってらっしゃ〜い!」
「行ってきます、凛」
あの頃の私は戦争がどういったものなのか、よくわかっていなかった
ただ、前のように1人ぼっちにまたなってしまうのが怖かった。
この頃から鳳翔さんをお母さんと呼び、普通の子と変わらないいえ…それ以上の愛情を感じながら暮らしていた私は、たまに戦闘に出かける母の後ろ姿を止めたくて、止めたくて仕方がなかった。
でも、母はいつも帰ってきてくれた
そうして、私の日常は過ぎていった。
「ヘーイ!凛、4人ネー!席ありますカー!」
「いらっしゃいませ!金剛さん、比叡さん、榛名さん、霧島さん!こちらへどうぞ」
「凛ちゃん、今日も気合い!入れてお仕事頑張ってますか!」
「はい!気合い入れて!ご注文聞きます!」
「…比叡お姉様!凛ちゃんにそんな口癖移さないでください!」
「あ〜凛ちゃん、まず4人分の日本酒お願い」
「はい!かしこまりました」
「鳳翔!今日はお疲れ様ネー!」
「うふふ、お疲れ様です金剛さん今日は鯵の天ぷらとヒラメの煮付けがオススメですよ」
「オーウ!それ4人分もらうネー!鳳翔もこっちにきて一杯どうデス!」
「まだお客様も来ていないですし!」
「そうね!一杯いただこうかしら」
「さ!鳳翔さんこちらへ」
「…お待たせしました、日本酒です」
「ありがとう凛ちゃん!…それは?」
「金剛さんに凛からサービスです!無事にお母さん帰ってきてくれたので…良かったら…私が作ったロールキャベツです」
「な、なんていい子…」
「ヒ、ヒエ〜」
「榛名大丈夫じゃないです!榛名も凛ちゃんのロールキャベツ食べたいです!」
「ふ〜ん!凛と約束したミーの為に作ってくれたロールキャベツデース!マイシスターには悪いけど私がいただくネ!」
「だ、大丈夫ですよ!皆さんの分もありますから、さっきお母さんに教わって一緒に作ったんです…その美味しく無かったらごめんなさい」
「は、榛名感激です!」
「凛ちゃんと鳳翔さんの合作ロールキャベツ…美味しくないわけないじゃない!」
「今度、私の特製比叡カレーをご馳走します!」
「…お姉様、自重してください」
「…では、どうぞ…」
「いただきま〜す!」
「ベリベリデリシャスネー!凛、よく頑張りましたネー!」
「めちゃくちゃ美味しいですよ!凛ちゃん!」
「榛名、ほっぺた落ちちゃいます〜」
「料理の才能があるわね!」
「あ、ありがとうございます!」
「ふふふ、良かったわね凛」
「…お、お母さんはどお?」
「うん!ちゃんと教えた通りにできてるけど少し薄味ね、もうちょっと下ごしらえのときに味をつけても良かったわね」
「はい!また教えてください!」
「こんばんは〜!」
「いらっしゃいませ!それではみなさん失礼します」
「いらっしゃいませ高雄さん愛宕さん2名さまですか?」
「ええ!2人テーブル空いてたらお願い ぱんぱかぱ〜ん!」
「ぱんぱかぱ〜ん!ではこちらへ!」
「ぶふーっ!あ、あれなんですカー!」
「凛ちゃん、すごく明るくなりましたね」
「ふふふ、ほんとに…みんなのおかげね…」
「鳳翔さんの育て方じゃないですか?」
「私なんていつも、凛に寂しい思いをさせてばかりで…」
「そんなことないネー!鳳翔が凛のお母さんだからあんなに明るくいい子に育ってるネー!大丈夫、鳳翔なら」
「…金剛さん……ありがとうございます!じゃあ!私もお仕事に戻りますね!」
「ありがとうございましたー!」
「ふう!今日もご苦労様、凛」
「うん!お母さんも二つもお仕事ご苦労様です!」
「あ、でねお母さん…」
「どうしたの凛」
「私のお給料、全部お母さんに預かってもらいたいなって…私まだお金の使い道とかわからないし使う気もないから」
「ええ!いいわよ、でもその前に今度のお休みに一緒に服を買いに行きましょう、凛も背が伸びてきたし女の子なんだからそれくらいの楽しみがないとね!」
「う、うんお母さんがそう言うなら…」
「凛!この服とっても似合ってるわよ」
「そ、そうかな…」
「凛は今まで和服だけだったから、こうゆう可愛い洋服もあったらいいんじゃないかしら!」
「すごく可愛い…けど私、似合うかな…」
「大丈夫!凛はとっても可愛いから似合うわよ!…あら、こっちのもいいわね!試着してみましょう!」
「…ど、どうかな?」
「とっても素敵よ!やっぱり凛には可愛い服が似合うわね!」
「…どっちがいいかな?」
「両方買っちゃいましょう!すみません、今着てるのとこれください」
「ええ!でもお金…」
「何言ってるの!娘の服を買うのはお母さんの責任です!」
「…お母さん…っ!…ありがとう、お母さん!ずっと大切にするね!」
「うふふ、そうだ!帰りにたい焼きたべていきましょう」
「うん!」
「たい焼きおいしい!」
「うふふ、そうね…あら凛、ほっぺにあんこついてるわよ」
「え!どこどこ」
「ああ、動かないで今ハンカチで拭いてあげるから」
「ふふ、うふふふふ…」
「えへへへへへ…」
あの日は本当に楽しかった、私の宝物
街には前に伊良湖さんに連れて行ってもらって映画も見てきた
初めて大画面で見る動く写真には本当におどろいたな。
でもお母さんと一緒に休日を過ごすのは何もしなくても幸せだと思う、なのに服も買ってもらっておいしいものも一緒にたべて。
辛い過去を忘れてしまうくらい私は幸せだったわね
お母さん、いまでもあの淡いブルーと優しいピンクのワンピース大切にしまってあるの、色はちょっと落ちちゃってるけどね。
「間宮さん、4番さんに抹茶パフェ2つお願いします」
「はーい!」
「間宮さん…ちょっといいですか」
「…ええ、どうしたの?凛ちゃん」
「間宮さんは、お母さんの…鳳翔さんのお誕生日をご存知ですか?」
「ふふ、いいのよ?お母さんで!そうね〜ごめんなさい…私はしらないけど金剛さんならきっと知ってるわ!」
「凛ちゃ〜ん!注文なのです〜!」
「はーい!間宮さんありがとうございます!」
「うふふ…」
「あ、いた!金剛さ〜ん!」
「オーウ!凛、どうしたのですカ?」
「金剛さんはお母さんの誕生日ご存知ですか?間宮さんに聞いたら金剛さんなら知ってるって」
「イエス!鳳翔の誕生日は11月13日デス!だからあと1カ月くらい先ですネー!」
「ありがとうございます!金剛さん」
「エニタイム!ですネー」
「どうしたんです?お姉様」
「なんでもないネー!」
「…間宮さんいらっしゃいますか?」
「はーい!あら凛ちゃん」
「あの…一生のお願いです!マフラーの編み方を教えてください!」
「マフラー?ええ、いいわよ!」
「ありがとうございます!」
「ふふ、だから鳳翔さんの誕生日を聞いたのね、それでわかったの?」
「はい!金剛さんが教えてくれました11月13日です」
「あと一カ月ね、わかったわ!勉強が終わったら閉まってるお店に来て一緒にマフラー作りましょう!毛糸はある?」
「はい!この前街に出たとき内緒で買ってきました」
「準備万端ね!まずは針の持ち方と棒針編みから教えていくわよ!」
「お願いします!」
「あ、あれ!凛じゃない!おーい!」
「凛ちゃん!お勉強終わった?」
「みんな!」
「最近一緒に遊んでないから心配してた」
「ごめんね響ちゃん、今勉強終わったら間宮さんのところで編み物教わってるの」
「編み物!電も見に行きたいのです!」
「うん!いいよ!でも内緒にしてね」
「どうして?」
「…その、プレゼントだから…」
「ああ、鳳翔さんにあげるの?」
「うん!」
「素敵!大丈夫よ立派なレディは口が硬いんだから!」
「じゃあみんなで間宮さんのところいこー!」
「まーみやさん!」
「あら!今日はみんな揃ってるのね」
「さっきそこで会ったのです!」
「凛が編み物してるって言ってたから見学!」
「ふふ、どうぞ!」
「おじゃましまーす!」
「さあ、どうぞ」
「わー!最中だーありがとう間宮さん!」
「ハラショー」
「おいしいのです〜」
「間宮さんありがと!」
「じゃあ凛ちゃん、昨日の続きからしましょう」
「はい!お願いします」
「そう、2目裏、2目表、2目裏、6目表…うん!その調子」
「うわーすごい、マフラー作ってたんだ」
「暖かそうなのです!」
「凛て器用だったんだね」
「そんな事ないよ、いっぱい失敗したし間宮さんに教えてもらったんだもん」
「ねえ間宮さん、暁も編み物したい!」
「あ、電もしたいのです!」
「あ、2人ともずるい!雷も編み物したい!」
「ハラショー」
「うふふ、いいわよ!じゃあまずは棒針の持ち方からね」
「間宮さん、凛ちゃんみたいなマフラーはどうやって編むのです?」
「凛の編んでるマフラーはケーブル編みといって難しいものなのよ…だからみんなは簡単な編み方からしましょう!」
「はい!なのです」
「…となった。中大兄皇子は中臣鎌足らと共に645年蘇我入鹿を倒し孝徳天皇を擁立、この一連の出来事を大化改新という…中大兄皇子は668年38代天智天皇として即位…」
「……むにゃむにゃ…」
「………頭に来ました」
「…っ!痛っ!……」
「…凛、私の授業で居眠りをするとは あなたも随分と偉くなったようですね」
「…す、すみません!ごめんなさい!」
「一対一のこの教室で堂々と眠り込んだあなたは今までの授業全てを理解し、これからの授業の予習もしている。それならば居眠りを許可します…で、あなたはそうなんですね?」
「い、いえ…加賀先生すみま」
「言い訳無用!…明日、日本の歴史全てを暗記していて、歴史論理もすでに構築していらっしゃる水神凛様に、恐れ多くもこの私加賀がその素晴らしさはどの程度でいらっしゃるか特別なテストをお作りして受けていただきます。では授業はもう必要ないみたいですので私は失礼させていただきます。」
「…か、加賀先生!………どうしよう…」
「…できました!間宮さん!ほつれがないかみてください!
「おめでとう!凛ちゃん…どれどれ……………うん!ほつれなし!綺麗なケーブル編みになったわね!フリンジも綺麗だわ」
「間宮さんのおかげです!ありがとうございます」
「うふふ、鳳翔さんきっと喜んでくれるわ!」
「あ、で13日なんですけどお母さんのお店でお誕生日会をするので間宮さんも来てください!編み物教えてもらったお礼もしたいので…」
「ええ、是非参加させてもらうわ!」
「…あ、あの〜」
「あれ!凛ちゃんじゃん!弓道場になんか用事?」
「…あ、あ瑞鶴さん………その〜」
「どうしたの瑞鶴?」
「あ、翔鶴姉…なんか凛ちゃんが来てて」
「あら、どうしたの凛ちゃん」
「…あ、う…翔鶴さん………あの…その…か、加賀先生い、いらっしゃいますか……」
「ああ!加賀さんね!わかったちょっと待ってて」
「あ!あ!ず、瑞鶴さん!」
「何かあったの凛ちゃん…」
「…わ〜!ちょ、ちょっと加賀さん!」
「何か用」
「っ!…………そ、その……さ、さきほどは、大変し」
「用がないなら早く帰りなさい、私は誰かさんのテストを作らないといけないの」
「…凛ちゃん、加賀さんとな」
「五航戦!こっちに並びなさい」
「は、はい!」
…ご、ごめんね凛ちゃん…
「まだそんなところに突っ立ってるの…さっさと帰りなさい、私を怒らせたいの」
……お願い!…今はとりあえず帰って!…凛ちゃん…ごめんだけど…帰って!…じゃないと私達…殺される!!……
「帰りません!加賀先生が私の話を聞いてくれるまで!」
…な、何言ってんの!…やめてー!……
「ずいぶんと自分勝手な話ね、そうなったのは私の授業を聞いていなかったあなたのせいだというのに、自分の話は聞けだなんて」
「明日テストを受けてもいい点数は取れずお叱りを受けるだけです!であれば加賀先生のお時間を削りテストを作っていただくより、今ここでご指導をお受けして加賀先生のお時間をお返ししたいと思いました!」
「そう、甘いわね。私の時間はあなたの授業ですでに削られているのよ、居眠りをするような生徒はいらないわ、これから授業そのものを辞めればもっと時間を増やせると思わない?根本的にあなた、お友達もできてご家族との仲も良くなり浮ついているのではなくて?勉学はあなたの生死に関わると提督経っての案件だったので私も受けましたが、やる気のない生徒に根気よく教える時間は私にはないの、誰か他の方に教え」
「二ヶ月、二ヶ月くださいその間に先生がお出しするテストの範囲を予習して備えます!先生はおっしゃいました、全てを理解し予習もしていれば居眠りを許可すると!二ヶ月でそれを証明します…そしてこれからは居眠りをしません!」
「一ヶ月よ、テスト内容は日本史より理解力を測るため論文形式にするわ。撤回するなら今よ」
「撤回しません!ありがとうございます!」
「凛ちゃんすご…」
「…ええ」
「五航戦!」
「ひいいいい!」
「さあ、今日の特訓を…はじめるわよ」
…凛ちゃん!どうしてくれんのよ〜……………
あのときはやらかしちゃったなー
お母さんの誕生日3日前だっていうのに
でもね、加賀さん言い訳できるならアルバイトに勉強にマフラー作りって結構ハードよ?8歳のスケジュールじゃないでしょ…ふふふ
まあ、加賀さんは戦闘に鍛錬に授業に提督の奥さんもしてたんだからそれは授業寝てたら怒るわよね…ごめんなさい
それで、私はお母さんの誕生日会を控えながら
加賀さんのいじわるーいテスト勉強したのよね…
あ、ICUでコードブルーだ…内臓破裂した状態の山城さんが急変したみたい、今日はここまでにしよう