わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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北の国から勇者さま 2

城下町にたどり着いた。雨もすっかりあがって夕日が見える。

 

エリカ「そんなに大きくない街だなぁ。」

サチ「これだと宿も直ぐに見つかるわね…。早く行って着替えましょう。」

矢内「おっ、あれだな。」

 

早速宿を見つけた俺達は部屋を二つ取って濡れた服を着替える事にした。

 

矢内「俺は着替え終わったら少し出かけるからお前達は隣の部屋でゆっくりしていてくれ。」

勇者「あっ、はい、賢者さま。」

 

さて、一人になれた事だし街をいろいろ見て回るとしよう。この通行証のおかげで通行料はかからず宿代まで格安になったから何か買い物をするのも良いかもしれないな。

 

 

 

勇者「賢者さま、行っちゃいましたねぇ…。」

エリカ「なぁ、あたし達も街を見て回ろうよ!」

サチ「そうね。暗くなる前に行きましょうか。」

 

わたし達も街をいろいろ見て回る事にしました。そして、広場に出るといいにおいがしてきました。

 

サチ「あら?いいにおいがするわね…。」

エリカ「あっちからだ!」

勇者「そういえばわたし達、今日何も食べていませんね…。」

エリカ「昨日で賢者のくれた缶詰無くなったもんなぁ…。」

アリマ君「キー…。」

サチ「そうね…。賢者さんが居ない時の食事はいつも悲惨よね…。」

勇者「さっちん、エリカにゃん、行ってみましょう!」

 

わたし達は美味しそうなにおいのする方へ行って見ました。女の人が何かしてます。

 

???「あら?いらっしゃい。ごめんなさい、お店まだなのよ…。」

サチ「お店?」

???「ポーラ!客か?」

 

今度は大きな男の人が出てきました。

 

ポーラ「ええ、可愛らしいお客さんが3人よ♪タイショウ。」

勇者「アリマ君も居るから4人です。」

アリマ君「キー!」

タイショウ「そうか、そうか!直ぐに準備するから少し待って欲しいタイ。」

 

そう言ってタイショウさんはイスとテーブルを用意してくれました。

 

ポーラ「はい、お水どうぞ♪」コト

勇者「ありがとうございます。」

サチ「あ、あの、こ、ここはど、ど、ど、どういうお店なのかしら?」

エリカ「サチ?どうしたんだ?」

サチ「この街で初めて会う人よ、き、緊張するじゃない…。」

ポーラ「ラーメン屋さんよ。タイショウがこの国の勇者に選ばれちゃったからこの屋台で今日から世界中を回る事になっちゃったのよ。」

エリカ「ラーメン?何それ?」

アリマ君「キー?」

勇者「わたしも知りません…。さっちんは知っていますか?」

サチ「いえ、私も知らないわ…って聞く所はそこじゃ無いでしょ!あなた達勇者一行なの?」

タイショウ「そうタイ!明日から橋を渡ってファンタルジニアの城を目指すタイ!そこでラーメンを販売するんじゃあ。」

エリカ「お城に行くの?じゃあ戦士長によろしく言っといて。」

ポーラ「あなた達…この国の人じゃあ無いよね…。」

サチ「ええ、私達はファンタルジニアの城から来た勇者一行よ…。」

勇者「はい!わたしは一国の勇者です。」

ポーラ「あら、そうなの?ラーメンが出来るまで冒険のお話してほしいな♪」

エリカ「うん、いいよ!」

 

わたし達はポーラさんに今までの冒険のお話をしました。

 

ポーラ「フフフ。あなた達、とっても仲良しなのね♪それに賢者様、とっても優しい人なのね♪」

エリカ「賢者は優しくなんか無いぞ。直ぐ怒るんだぞ。」

ポーラ「フフフ。でもいつもあなた達の為に魔法のお料理?作ってくれるのでしょ?」

勇者「はい!毎回違うお料理なんですよ。」

ポーラ「そう、毎回違うお料理を作るってとっても大変なのよ。あなた達の事を心から思っていないと出来ないことよ。」

タイショウ「ラーメン4丁あがったタイ!」

ポーラ「ちょっとゴメンね♪ハーイ♪今行きます♪」

 

ポーラさんはわたし達にラーメンを持って来てくれました。

 

ポーラ「タイショウのラーメンも心からお客さんの事を思って作るから賢者様の魔法のお料理に負けないくらい美味しいわよ♪さあ、麺が伸びないうちに食べて♪」

エリカ「凄いこれ、お肉も入ってるよ!」

アリマ君「キー!キー!(とっても美味しそうだね)」

サチ「真っ白のスープに麺が入った料理なのね…。」

勇者「では、食べましょう!」イタダキマス!

ポーラ「フフ、召し上がれ♪」

 

わたし達は夢中でラーメンを食べました。スープはとっても濃厚で麺と絡んで凄く美味しいです。お肉も茹で卵も入っていています。どんぶり一杯にすべてが詰まったご馳走です。

 

勇者「スッゴく美味しかったです!」

サチ「とっても美味しかったわ…。ごちそうさま。」

エリカ「後で賢者に教えてやろうよ。すげぇ美味かったって。それで今度作って貰うんだ!」

勇者「あっ!それいいですね!」

サチ「いいアイデアだわ。」

ポーラ「フフフ、あなた達、賢者様の事が本当に大好きなのね♪」

タイショウ「ポーラ!せっかくファンタルジニアの勇者一行が来たのだから今日は店は閉めるタイ!いろいろと話がしたいタイ!」

アリマ君「キー!」

ポーラ「あら?君、どんぶり片付けくれたの?お利口さんね♪」

アリマ君「キー!」

 

ラーメンを食べ終わったわたし達はタイショウさんも交えてお話をする事にしました。

 

 

 

さて、この世界を一人で行動するのはポーキーの家に行った時以来だな。ここから先は森だな。ん?森の前に人が居る。座りこんで何しているんだ?勇者達と同じ年頃の女の子だな。あの持っているのは肉か?一人でバーベキューか?

 

矢内「お前、一人こんな所で何しているんだ?」

???「わたしは…お前じゃない…。わたしは…シンディ…。あなたは…誰…?」

矢内「俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ!」

 

今の俺のかっこよさにまた一人ファンが出来てしまった。俺も罪な男だ。

 

シンディ「あなたとは…今初めて会った……。だから…好きかどうかは…分からない…。」

矢内「そ、そうか…。で、こんな所で何しているんだ?」

シンディ「ラーメンっていう食べ物に入れる肉を焼くところ…。でも…、火が着かない…。」

矢内「ラーメンだと!食えるのか?」

 

まさかこの世界でラーメンが食えると思わなかった。楽しみだ。

 

シンディ「わたしは…火の魔法は苦手…。だから…練習の意味も込めて勇者タイショウから肉を焼く役割をかってでた…。でも…出来ない…。火が着かない…。」

 

雨上がりでは地面が湿気て火は着かないよな。そうだ、チャーシューだよな。あれを試す良い機会だ。

 

矢内「よし!俺が手伝ってやる。」

シンディ「ホント?」

矢内「ああ!これを使う。」

 

俺は異次元袋からシンナーが入っていた空の一斗缶を取り出して下の一面を切り取った。そして水洗いをして水分を拭き取った。

 

シンディ「何をするの?」

矢内「これでチャーシューを燻製にするんだ。」

シンディ「燻製?タイショウの作り方と…違う…。」

矢内「焼き方は一つじゃないって事だ。まあ見てな。」

 

俺は一斗缶の上の方に棒を通して肉を吊した。乾燥した木のチップに火を付けて一斗缶の中に入れた。

 

矢内「ん?これじゃ、チャーシューの脂が落ちた時に木のチップが燃えてしまうな。少し改良しようか。」

 

俺は一斗缶の下を少し切り、切り取った間から煙が入るように改良した。

 

矢内「これで完璧だ、元々火は通っていたから後は一時間ぐらい待つだけだ。」

シンディ「何で?煙しか出てない…。これじゃ焼けない…。」

矢内「この煙でチャーシューを焼くんだ。煙の味がして凄く美味しくなるんだ。」

シンディ「煙の味?分からない…。」

矢内「出来たら少しだけ食べて見るといい。絶対美味いぞ!」

シンディ「分かった…。そうする…。」

 

 

 

 

 

わたし達はそれからタイショウさん達とお話をしました。タイショウさん達にはもう一人シンディという魔法使いの女の子が居るらしいのです。わたしと同じ年の子だって言ってました。

 

タイショウ「それにしてもシンディの奴はまだ戻ってこんタイ。」

エリカ「なぁタイショウ、シンディってどんな奴だ?」

タイショウ「ああ、あまり喋らない奴タイ。」

ポーラ「そうなの…。私達と旅に出るのあまりよく思って居ないのかなぁ…。私はシンディちゃんと仲良くなりたいのだけど…。」

勇者「そんな事無いですよ、きっと。一緒に冒険していくと仲良くなれますよ!」

アリマ君「キー!」

勇者「アリマ君もそう言ってます。」

サチ「あら?こっちに女の子が近づいて来るわ…。あの子がシンディって子じゃないかしら?」

ポーラ「あら、本当。シンディちゃんだわ。一緒にいる男の人は誰かしら?」

エリカ「あっ!賢者だ!」

タイショウ「おお!シンディの奴が戻ってきおった!隣に居るのがお主達の仲間の賢者殿か。」

 

シンディって子、何で賢者さまと一緒に居るのでしょうか?

 

シンディ「タイショウ…。遅くなった…。でも…とても美味しいチャーシューが出来た…。」

ポーラ「シンディちゃん、遅いから心配したのよ…。」

タイショウ「まあ、戻って来て何よりタイ!」

シンディ「タイショウ…ポーラ…チャーシューの味を見て欲しい…。」

 

戻って来たシンディって子はタイショウさんとポーラさんにお肉を差し出しました。

 

ポーラ「シンディちゃん、凄く美味しいわ♪」

タイショウ「ワシの作るチャーシューとは違う!こうばしくて美味いタイ!どうやって作ったんじゃ?」

シンディ「実は…矢内 孝太郎と一緒に作った…。」

矢内「あんたがタイショウにポーラか。実はそのチャーシューは燻製にしたんだ。湿気で火が着きにくくてな。」

勇者「賢者さま!なんでその女と一緒に居たのですか?」

矢内「お前ら部屋に居たのじゃ無いのか?まあいいや、それより今日はラーメンが食えるんだ!喜べ!」

エリカ「あー、もうみんな食べたよ。」

アリマ君「キー!キー!(とっても美味しかったよ!)」

 

クソー!先に食ってるんじゃねぇよ…。お前らに教えてやろうとテンション上がってたのに…。

 

シンディ「タイショウ…このチャーシューで矢内 孝太郎にラーメン…作って欲しい…。」

タイショウ「任せるタイ!賢者殿、少し待っててくれ。」

矢内「ああ、すまんな。」

 

 

 

 

 

ポーラ「はい、どうぞ♪」コト

矢内「ああ、わるいな。」

 

ポーラが水を持って来てくれた。

 

勇者「賢者さま、あの子と何をしていたのですか?」

矢内「ああ、ラーメンのチャーシュー、肉を作っていたんだ。シンディは大人しいが素直な奴だ。お前ら年が近いから仲良くしろよ。」

エリカ「分かった!」

アリマ君「キー!」

 

そうこうしている内にラーメンが出来た。ポーラが持って来てくれた。シンディも一緒にやって来た。

 

ポーラ「賢者様、お待たせしました♪」コト

矢内「ああ、すまんな。おお!スープは豚骨か!チャーシューが7枚も入っている!旨そうだ!」

勇者「あー!賢者さまのだけ七枚もお肉が入っています!」

サチ「私達のラーメンは二枚しか入っていなかったわ…。どういう事かしら?」

シンディ「矢内 孝太郎は特別…。いっぱい食べて欲しい…。」

エリカ「賢者だけズルいぞ!」

アリマ君「キー!キー!」

 

意地汚い奴らだ。

 

サチ「『カーズ マリオネット!』」

 

クソッ!動けない!

 

サチ「さぁ、今のうちに賢者さんのどんぶりからお肉を一枚ずつ頂くわよ!これでみんな三枚ずつよ。」

エリカ「よし、もーらい!」

アリマ君「キー!」

勇者「賢者さま、いただきます!」

 

こいつら、俺のチャーシュー取りやがった!

 

矢内「やっと動ける…。さぁ、食うか!」

 

まずは麺からいただくか。

 

勇者「賢者さま、美味しいですか?」

矢内「まだ食ってねぇよ!」

エリカ「美味いだろう?」

矢内「まだ食ってねぇよ!」

 

麺をすすった。

 

シンディ「矢内 孝太郎…。美味しい?」

矢内「ああ、美味い、最高だ!」

勇者「賢者さま!何でその女には答えるのですか!」

シンディ「私は…矢内 孝太郎が食べてから聞いた…。あなたは食べる前に聞いた…。それだけ…。」

勇者「むぅ!」

 

何を突っかかってるんだ。燻製のチャーシューもスープにあう。本当に美味い!

 

矢内「あー美味かった!ご馳走さま!」

ポーラ「お水のおかわり入れましょうか?」

矢内「俺の食後の飲み物はスコールなんだ。」

ポーラ「そうですか…。」

 

なんかすまんな…。しかしこれだけは譲れないんだ。

 

???「タイショウ殿!こんな所に…探しましたぞ!」

 

誰か来た。

タイショウ「お主は城の兵士じゃな。」

兵士「明日は国境を越えるので早くお休みいただかないと。」

タイショウ「しかし、わし等は今ファンタルジニアの勇者達と話をしている所タイ。」

ポーラ「そうですわ。今、賢者様も来た所ですのに…。」

シンディ「城に帰れ…。」

兵士「シンディ!帰れは無いだろう!帰れは!一応、幼なじみだよな!」

ポーラ「あの、用が無ければ帰ってくれますか?」

兵士「用が無ければじゃないでしょう!ポーラさん!」

ポーラ「どうして私の名前知っているのかしら…。怖いわ…。」

兵士「怖いわ…。じゃないでしょう!そこのシンディと一緒にあなた達と旅に出る事になったカインですよ!」

タイショウ「お主は結構タイ…。」

カイン「結構じゃありませんよ!」

タイショウ「冗談タイ!」

シンディ「夜になった…。大声で喚かれると近所迷惑…。」

カイン「あなた達のせいでしょう!宿で待機するように言ったじゃないですか…。どれだけ探したと思っているのですか?」

タイショウ「ハハハ!お主の頭はバリかたタイ。」

シンディ「むしろ…ハリガネ…。」

ポーラ「いいえ、コナオトシですわ。」

カイン「人の頭を替え玉で表現しないで下さい!」

 

この兵士、かね童子と似た扱いだな…。

 

矢内「なかなかいいパーティーじゃないか。」

カイン「あなた達は一体?」

シンディ「この人は矢内 孝太郎…。賢者様…。後、仲間のA、B、Cそれとペット…。」

勇者「A、B、Cじゃありません!わたしは一国の勇者です!」

シンディ「私はあなた達の名前は知らない…。一国の勇者…。あなたは覚えた…。後の2人も名前…教えて欲しい…。」

サチ「そういえば私達、自己紹介していなかったわね…。私は三神 サチ…黒魔術師よ。サチでいいわ。」

エリカ「あたしはエリカ!ファンタルジニアの戦士なんだ。そして、アリマ君はあたしの友達なんだよ。」

アリマ君「キー!キー!(よろしくね!)」

シンディ「そう…。私は…シンディ…。ノートルランドの魔法使い…。氷の魔法が得意…。チャーシューを担当している…。」

ポーラ「あっ!そういえば私達、自己紹介していなかったわね。改めて、私はポーラ♪この国の僧侶をしていたの♪今はタイショウと一緒にこのラーメン屋さんをしているわ♪接客を担当しているの、よろしくね♪」

 

とても明るく優しそうな人だな。

 

タイショウ「わしはタイショウ!ラーメン屋の店主をしているタイ。ポーラは今までも店を手伝ってもらってたタイ。シンディとは一昨日に城から紹介されたタイ。」

矢内「3人ともよろしくな。」

カイン「俺を忘れないで下さいよ!俺はカイン。この国の戦士だ。魔王討伐の為この旅に参加した。」

アリマ君「キー!(よろしくね。)」

カイン「ま、魔物!街に入ってくるとは!おのれ!俺が叩き切ってやる!」ジャキン!

 

カインが剣を取り出すがエリカに軽く弾き飛ばされた。

 

エリカ「アリマ君はあたしの友達なんだよ!何するんだ!」

矢内「そうだぞ!アリマ君は俺達の仲間で一番役に立つんだ!」

カイン「しかし…魔物は本来、魔王の手下で悪の手先なのですよ!今倒して置かないと大変な事になります!」

矢内「アリマ君?お前、魔王の手先なのか?」

アリマ君「キー!キー!(違うよ。)」フルフル

矢内「違うって言ってるだろうが!嘘つくな!」ドカッ!

 

俺はカインの腹を安全靴で蹴り飛ばした。つま先に鉄の入っている安全靴は凶器になるからな。こういう自分の考えを押し付ける奴は一度痛い目に遭えばいい。

 

カイン「ぐわっ!アバラが折れてる…。ポーラさん、回復魔法をお願いします。」

タイショウ「キック一発で大袈裟な奴タイ…。」

ポーラ「アリマ君はとっても良い子よ。それをいきなり攻撃しようとした罰ですわ!神様もお怒りよ。」

シンディ「矢内 孝太郎…。アイツを…後三発ほど…蹴り飛ばして欲しい…。」

カイン「みんな俺に酷い…。」

エリカ「お前、弱いからもう旅に出るの止めておけよ…。普段戦わない賢者なんかに負けてたら誰にも勝てないぞ。」

カイン「俺は剣術を城で習ったんだ。」

エリカ「さっきので分かったけどお前の太刀、遅いから誰でも見切れるよ。」

カイン「そんな…。二年も訓練したのに…。」

エリカ「何が二年もだよ!武器は簡単に抜いていいものじゃ無いんだぞ!」

矢内「エリカ、それぐらいにしてやれ。一度宿に戻ろう。カイン、いきなり蹴り飛ばして悪かったな。でも、アリマ君は俺達の仲間だ。悪い奴じゃ無い。分かってくれ。」

 

 

 

 

俺達は宿に戻った。俺は男同士で暫く話をする事にした。

 

カイン「賢者様達はこれからどちらに向かう予定ですか?」

矢内「俺達は明日から砂漠の国に向かう予定だ。ファンタルジニアの国の近くの町でちょっとした事件があってな。その事件の黒幕が居るらしい。まずはそいつを捜す。」

タイショウ「わし等は商売をしながら南に向かって行くタイ。南の港町から船に乗って北西に行くタイ。上手く行くと砂漠の国でまた会えるかもしれんタイ。」

矢内「そのルートで砂漠の国にはどれくらいで着くのだ?」

タイショウ「商売をしながらじゃからのう…。だいたい3ヶ月くらいになるタイ。」

矢内「そうか…。では3ヶ月後に砂漠の国でまた会おう。その時にお互い情報交換をしないか?」

カイン「我々は魔王討伐の為に旅に出るのです!そんなのんびりしていると!」

矢内「ところで…まず、魔王討伐って言ってるけど具体的にお前たちは魔王にどんな被害を受けたんだ?」

タイショウ「それはわしも気になっていたタイ。」

カイン「いや…魔王ですよ!魔物ですよ!我々人間に被害が出るに決まっているじゃないですか!」

矢内「人間じゃない他の種類はみんな敵なのか?」

カイン「当たり前でしょう!魔物ですよ!」

タイショウ「アリマ君は良い奴タイ!」

矢内「カイン、お前自身は魔物に何かされたのか?」

カイン「いえ…。俺は何も…しかし…」

矢内「俺はファンタルジニアの国を旅して来た。初めにオークと人間の混血児の女の子と友達になった。別の村では鬼の頭と村人達と一緒に酒を飲んだ。アリマ君だって食事の前に食器並べてくれたりエリカの面倒見たりとても良い奴だ。」

カイン「そんな事…凶悪な鬼やオークと友達になっただなんて、信じられません。」

矢内「その魔王だってどんな奴か分からないのに討伐したらお前はただの侵略者だぞ。」

カイン「しかし!」

タイショウ「魔王は今はどうでも良いとして賢者殿よ、そのファンタルジニアで会った鬼やオークはわし等のラーメン食ってくれるかのう?」

 

オークが豚肉食うのか?まあいいや。

 

矢内「ああ、是非作ってやって欲しい!俺や勇者の友人だって言ったらみんな警戒しないだろう。」

タイショウ「そうか!今から楽しみタイ!」

カイン「何を言ってるのですか!タイショウ殿!我々の目的は商売じゃありませんよ!」

タイショウ「お主、嫌なら城に帰ってくれるかのう?ハッキリ言って商売手伝わないなら迷惑タイ!」

矢内「いや、タイショウ。カインは連れて行ってやってくれ。カインよ、ファンタルジニアの国に行って鬼やオークが本当に悪い奴らかどうかその目で一度会ってこい。」

タイショウ「賢者殿がそう言うなら…。これからはラーメンのどんぶりを洗うなら連れて行ってやっていいタイ。」

カイン「分かりました。皿洗いでも何でもします。」

矢内「なぁカインよ、少し聞いていいか?」

カイン「なんでしょうか。」

矢内「まず勇者ってのはどうやって選ばれるんだ?」

カイン「神様の天啓を受けた者が勇者となります。」

タイショウ「わしも店でラーメンを作っている時にいきなり天啓を受けたタイ。身体がいきなり光りだして店の客もポーラもびっくりしていたタイ。」

矢内「そうか…。この世界には神様って何人居るんだ?」

カイン「各国に一人は居るとしか言えません…。」

矢内「お前達の国の神様はどんな奴だ?」

カイン「食の神ノーマ様です。」

 

食の神か…。それでタイショウが選ばれたんだな。魂のこもった美味いラーメンだったもんな。

 

矢内「ビーナスって奴はどこの国の神だ?」

カイン「他の国の事までは…。すみません…。」

矢内「地道に国を回って行くしかないか…。」

カイン「そのビーナスって神様に何かあるのですか?」

矢内「ああ、ちょっとな…。いずれ見つけてぶっ飛ばす予定だ。」

タイショウ「ハハハハハ!賢者殿は面白い男タイ!」

カイン「神様に喧嘩を売るつもりですかあなたは!」

矢内「喧嘩を売られたのはこっちだ。」

カイン「しかし!」

矢内「じゃあ、お前は相手が神様だったら自分の家族、友人が訳も分からず酷い目にあっても笑って許して居られるか?」

カイン「それは…。」

矢内「神様も良い奴もいたら自分勝手な糞もいる。人間も同じだ。カインよ、神様は正しいとか人間以外の種族は悪い奴とかいう固定観念は捨てる事だ。でないと何時か痛い目を見る事になる。俺自身が学んだ事だ。」

タイショウ「そうタイ。自分の目で確かめる事が大事タイ。賢者殿は良い事を言うタイ。」

カイン「そうですか…。」

 

カインはまだどこか納得していないようだ…。クソ真面目な性格なんだろう。旅でいろいろ学んで行けばいいさ。

 

矢内「まあ、堅い話はもうなしにして明日の門出を祝って酒でも飲もう。」

 

俺はタイショウ達に頂き物の焼酎を振る舞った。

 

 

 

 

一方その頃

 

 

賢者さまはタイショウさん達とお話があるみたいなのでわたし達はポーラさん達とお話をする事にしました。

 

サチ「賢者さんの荷物からいろいろくすねて来たわ…。ポーラさん達も一緒にいかがかしら?」

 

さっちんはそう言ってスコールを取り出しました。

 

ポーラ「あら?いいの?シンディちゃん、せっかくだからお呼ばれしましょうか。」

シンディ「それ…。矢内 孝太郎が飲んでた…。飲んでみたい…。」

サチ「決まりね…。お酒じゃないけど乾杯しましょうか。」

エリカ「いいな!」

アリマ君「キー!」

シンディ「その前に…この飲み物について教えて欲しい…」

勇者「フフン、お前はそんな事も知らないのですね!この飲み物はスコールって言って賢者さまの住む世界で『乾杯』って意味をもつとっても美味しい飲み物なんです。」

シンディ「そう…。矢内 孝太郎が飲んでた飲み物…。早く飲みたい…。」

エリカ「でも賢者、勝手に持ち出したら怒るよな。」

サチ「前回はお酒を飲んで大声で騒いだからバレたのよ。今回は大丈夫よ。」

 

さっちんが言うなら大丈夫なのでしょう。

 

勇者「では、乾杯しましょう!スコール!」

ポーラ「フフ♪乾杯♪」

勇者「ポーラさん、ダメですよ。ちゃんとスコールって言わないと!」

ポーラ「フフフ♪ゴメンナサイ♪はい、スコール♪」チン!

サチ「では、黄桃の缶詰めを開けるわね。」

勇者「さっちん…これ…4つしか入ってないやつですよ。」

サチ「大丈夫よ。3缶あるから一人2つずつよ。」

 

さっちんが缶詰めを開けました。

 

ポーラ「凄い!鉄の塊から果物が出てきた!」

シンディ「凄い魔法…。初めて見た…。」

エリカ「初めはみんな驚くよなぁ。」

勇者「さぁ、食べましょう!」

ポーラ「桃なんて高級品、初めて食べるわ!」

シンディ「甘い…。とても美味しい…。」

エリカ「この汁が甘くて美味しいだよな。」ペロペロ

勇者「そうですねぇ。」ペロペロ

サチ「二人とも、お行儀が悪いわよ。」

 

この皿に残った汁を舐めるのが良いのにさっちんはいったい何を言ってるのでしょうか?

 

サチ「ご免なさい…。お行儀の悪い仲間で…。」

ポーラ「えっ?」ペロペロ

シンディ「何…?」ペロペロ

サチ「………なんでもないわ…。」

ポーラ「所で…あなた達は今後、どっちに向かう予定なの?」

サチ「ここから更に西の砂漠の国よ。」

ポーラ「西にはエルフの森があるわ…。危険よ。」

シンディ「エルフは人を見ると見境なく攻撃してくる…。とても危険…。」

サチ「エルフ…。賢者さんが余計な事を言わなきゃ良いけど…不安ね。」

勇者「さっちん、心配なんて入りませんよ。エルフの人達ともきっと仲良くなれますよ。」

シンディ「そんな事ない…。エルフは…近づかない方がいい…。危険…。」

勇者「それはお前が仲良くしようとしないだけです。わたし達は大丈夫です!」

シンディ「そう…。じゃあ、忠告を聞かない一国の勇者は一回エルフの矢で蜂の巣になればいい…。」

勇者「お前こそ!一度、鬼の拳骨を喰らったらいいのです!」

シンディ「………なんで?」

勇者「お前がわたしが蜂の巣になったらいいとかいうです!」

シンディ「それは…あなたが忠告を聞かないから…。それに何もしていない私が暴力を受けるは理不尽…。」

勇者「なんですか!」

シンディ「なに。」

サチ「ゆうりん、落ち着いて!」

エリカ「ケンカするなよ、賢者も仲良くしろって言ってただろ!」

ポーラ「シンディちゃんも落ち着いて!」

 

こいつは賢者さまが優しくしてくれるからっていい気になってます。

 

勇者「わたし達はエルフの人達と絶対仲良くなってみせます!」

シンディ「……無理よ。絶対…。」

サチ「ゆうりん、私達を巻き込まないで…。」

勇者「さっちん、大丈夫です!わたし達にはこいつと違って賢者さまがついてます!」

シンディ「もし…、出来なかったら矢内 孝太郎は私達の仲間になってもらう…。代わりにカインをやる…。」

勇者「そんなのダメです!」

シンディ「あなたが言い出した事…。もし出来たらいつでもラーメンをタダで振る舞う…。」

ポーラ「シンディちゃん!勝手な事言っちゃダメよ!」

シンディ「ポーラ…。大丈夫、どうせ無理だから…」

勇者「言いましたね!わたしが勝ったら『生意気言ってご免なさい。勇者さま!』って言ってもらいましょう。」

シンディ「分かった…。どうせ私が勝つからそれまで矢内 孝太郎と最後の旅をすればいい…。」

エリカ「アリマ君、賢者呼んで来て。」

アリマ君「キー!」

 

 

 

 

アリマ君「キー!(連れてきたよ!)」

矢内「何があった!」

ポーラ「賢者様、タイショウ、お話の途中で連れて来てご免なさい…。実はシンディちゃんと勇者ちゃんが…。」

矢内「シンディが?丁度良い、シンディに用があるんだ。」

シンディ「矢内 孝太郎…何?」

勇者「賢者さま!なんでそんな奴に用があるのですか!」

シンディ「矢内 孝太郎は私に用がある…。一国の勇者は黙って欲しい…。」

 

なんでこんなに仲が悪いんだ。

 

シンディ「それで、矢内 孝太郎…用って何?」

矢内「ああ、シンディにちょっと前に燻製をした道具をやろうと思ってな。」

シンディ「くれるの?嬉しい。」

矢内「後、もう一つこいつだ。」

 

俺はチャッカマンを取り出した。

 

矢内「火の魔法が苦手って言ってたよな。これはボタン一つで簡単に火が付く道具だ。火の魔法に馴れるまでこれを使うといい。」

シンディ「凄い…。魔法の火の杖…。こんな凄いもの…もらって良いの?」

矢内「ああ、俺の住む世界では簡単に手に入る物だからな。」

シンディ「ありがとう…。大事にする…。」

ポーラ「良かったわね♪シンディちゃん♪」

勇者「賢者さまはアイツにだけ優しいです!」

サチ「まぁ、良いじゃない。もう夜も遅いから早く部屋で寝ましょう。(私が賢者さんの荷物をくすねたのがバレる前に部屋に戻らないと…)」

ポーラ「あっ、そうだ♪賢者様、美味しい果物をご馳走になりました。桃なんて高級品初めて食べましたわ♪」

シンディ「とても美味しかった…。」

サチ「くすねてきたのだから言っちゃダメでしょーー!!」

矢内「そうか…。お前、また俺の荷物から捕ったのか。」

サチ「け、賢者さん!捕ったなんて人聞きが悪いわ。みんなの交流の為にちょっと借りただけよ!それにシンディ達も食べてみたいって言っていたわよ。」

シンディ「スコールって飲み物…。とても美味しかった…。」

 

コイツ、スコールもパクったのか!

 

矢内「サチ、言い訳はそれだけか?お前の明日の朝食は抜きだからな。」

サチ「………酷い、あんまりよ!」

 

少しは反省しろ!

 

 

次の日

 

 

タイショウ達は早々に宿を出ていき俺達も出発する準備をしている最中だ。

 

矢内「よし、俺達もそろそろ行こうか。」

勇者「はい、賢者さま!」

 

何か忘れている気がする…。

 

エリカ「なぁ、賢者。今度ラーメン作ってくれよ。」

矢内「作れるか!」

サチ「はぁ?料理が出来ない賢者さんなんて、ただの中二病のキチガイじゃない!」

 

なんて言い草だ!

 

勇者「賢者さま、作れないのですか?」

矢内「いいか?ラーメンはそんな簡単なものじゃない。職人が魂を込めて作っている。勇者、タイショウのラーメンを食べてどう思った?」

勇者「どんぶりの中にいろいろ詰まったご馳走でした。」

矢内「そう、どんぶりの中はファンタジーだ!仮に俺が即席で作ってもおまえ達はガッカリするだけだろう。」

サチ「そう…タイショウ達にまた会わないと食べられないのね…。残念だわ。」

 

ラーメンじゃない…。何か忘れている気がする…。なんだ。思い出せん…。

 

矢内「昨日、3ヶ月後に砂漠の国でタイショウ達と会う約束をしている。心配しなくてもまた食えるさ。俺もまた食えるのが楽しみだ。」

エリカ「そうかぁ。でも、アイツ等大丈夫かなぁ。あの橋でっかいタコが居るからなぁ。」

 

そうだ!クラーケンだ!タイショウ達に言うの忘れていた!

 

サチ「そうね…。あの人達強そうではないから全滅してるかもしれないわ…。」

勇者「わたしはアイツに『生意気言ってご免なさい!勇者様』って言わせないといけないのです!全滅なんてそんなの絶対ダメです!早く助けに行きましょう!」

サチ「フフ。素直に心配だって言えば良いのに。」

矢内「よし!急いで橋まで戻るぞ!」

エリカ「分かった!アリマ君行こう!」

アリマ君「キー!」

勇者「早く行きましょう!」

 

そして俺達は急いで昨日渡った橋まで戻る事にした。戻るとタイショウ達の前にクラーケンが立ち塞がっている!

 

勇者「賢者さま!タイショウさん達が戦っています!」

矢内「急ぐぞ!」

 

あんなのと戦って勝てる訳ない。止めないと…。

 

タイショウ「デッカいタコタイ。」

クラーケン「キシャャァァァアアーーーー!!」

ポーラ「あらあら♪向かって来たわ。」

シンディ「ポーラ…。下がって…。コイツは凍らせる…。喰らえ、アイスワールド。」

 

シンディの氷の魔法でクラーケンを凍りつかせるがダメだ。相手がデカすぎてあまりきいてない。

 

クラーケン「キシャャァァァ!!」

 

クラーケンがポーラに突っ込んでいく。

 

ポーラ「あまりオイタが過ぎるとお仕置きしないといけないわ♪マジカルモーニングスター!」グルグルグルグル

 

ポーラが魔法でモーニングスターを出してハンマー投げの要領で回転し始めた。

 

ポーラ「アアアアアアアアアアーーーーー!!!!!!」ブーン!

 

ポーラの投げたモーニングスターがクラーケンの顔面にクリーンヒットした。

 

ポーラ「フフフ♪まだよ♪バイントチェーン!」

 

ポーラの投げたモーニングスターがクラーケンを縛り付ける。

 

タイショウ「ポーラ、シンディ!良くやった!後は任せるタイ!」

 

タイショウが取り出した鉈包丁でクラーケンの足を切り刻んでいく。見る見るうちにクラーケンの足は細切れになった。

 

エリカ「タイショウ達すげー強いな…。」

勇者「そうですねぇ…。」

 

クラーケンは簡単にタイショウ達にやっつけられた。

 

タイショウ「デカいだけでたいしたことなかったタイ。」

ポーラ「本当ね♪」

シンディ「あっ、矢内 孝太郎達…。」

 

タイショウ達が俺達が来たのに気がつきこっちに来た。

 

タイショウ「賢者殿!わざわざ見送りに来てくれてすまんタイ!」

矢内「あー、実はさっきのクラーケンの事を言うの忘れていてな…。戻って来たんだが…。」

ポーラ「さっきのタコね♪」

矢内「ああ…。まさか倒す思っていなかった…。」

エリカ「お前らすげー強いな!」

アリマ君「キー!」

サチ「ゆうりん、どうやら心配はいらなかったようね。」

勇者「わ、わたしは心配なんてしていませんよ!コイツにわたしが勝った時に謝ってもらう時に死んでしまっていたら困るだけだから来ただけです!」

 

いちいちシンディに突っかかるな。

 

シンディ「そう…。来てくれた礼は言っておく…。でも勝つのは私…。」

勇者「きぃぃ!来て損しました!賢者さま!さっちん!エリカにゃん!もう行きましょう!」

ポーラ「あらあら♪」

サチ「全く…。素直じゃないんだから…。」

タイショウ「ポーラ!シンディ!わしらもそろそろ行こうタイ!」

ポーラ「そうね♪」

シンディ「分かった…。でも少し待って…。」

 

シンディが俺の所に近づいて来た。

 

シンディ「矢内 孝太郎…。また会える?」

矢内「ああ!次は砂漠の国で3ヶ月後に会おう!」

シンディ「分かった…。会えるのを楽しみにしてる…。次会える時までに一人でチャーシューを作れるように頑張る…。」

矢内「ああ!楽しみにしてる。またな!」

勇者「賢者さま!そんな奴相手にしないでわたし達も行きましょう!」

シンディ「一国の勇者…。」

勇者「なんですか!」

シンディ「また会えるのを楽しみにしてる…。」

勇者「……はい。お前も気をつけて旅をするのですよ。」

シンディ「分かった…。タイショウ達が待ってるからもう行く…。」

 

シンディがタイショウ達の所に戻って行った。

 

エリカ「また会おうなー!」

アリマ君「キー!」

ポーラ「みんな、またね♪」

タイショウ「賢者殿!3ヶ月後にまた会おうタイ!」

矢内「ああ!またな!ファンタルジニアの城のみんなによろしく言ってくれ!」

 

タイショウ達は橋を渡ってファンタルジニアの国に向かって行った。

 

カイン「俺を置いて行かないでくれー!」

エリカ「お前、何してるの?」

カイン「クラーケンに投げ飛ばされて海に落ちて今戻って来たのですよ。」

 

良い場面なのにコイツの所為で台無しだ。

 

矢内「早く行けよ!」

カイン「スミマセン!では皆さん!お元気で!」オイテイカナイデクダサーイ!

 

カインも橋を渡って行った…。

 

サチ「賢者さん…。私達、なんかカッコ悪いわね…。」

矢内「ああ…。何してんだかな…。」

サチ「小さいタコを釣って人質にして…。」

矢内「言うな!お前だって死体をけしかけて何してんだよ!」

サチ「…言わないで。フフフ。」

矢内「ハハハ!」

サチ「本当バカみたいね。フフフ。」

勇者「それを言ったらエリカにゃんなんか普通に橋渡ろうとして投げ飛ばされてました。」

エリカ「お前だって投げ飛ばされてただろ!」

矢内「本当バカみたいだよな!ハハハハハハ!」

 

俺達は昨日の事を振り返りバカみたいに笑った。

 

矢内「そろそろ俺達も行こうか。」

サチ「そうね…。」

エリカ「うん!行こう!」

アリマ君「キー!」

勇者「はい!わたし達も行きましょう!」

 

タイショウ、ポーラ、シンディ、また会えるのを楽しみしつつ俺達は次の冒険に向かうのだった。

 

 

 

第5話

北の国から勇者さま

END

 


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