わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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蹴鞠の勇者さま 2

俺達はヒコマロを追って山をかけ登って行った。この先か!

 

ヒコマロ「麻呂は東の島国から来た勇者、ヒコマロ!オナゴを襲う山賊どもめ!麻呂が成敗するでおじゃる!」

「何を訳の分からん事を!俺達が返り討ちにしてやる!」ジャキン!

 

山賊達が剣を抜いた。ヒコマロが蹴り技で次々に撃退していく。が、多数に無勢だ。急がないと!

 

「つ、強い!せっかく俺達は国の悪政から自由になったのに負けてたまるか!」

 

マズイ!ヒコマロがやられる!大声を出してこっちに気を向かせるか。

 

矢内「ヒコマロ-!助けに来たぞ-!」

「クソっ!今度は何者だ!」

 

やっとヒコマロの元にたどり着いた。

 

矢内「何者?ああ、俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ!」

ヒコマロ「………いと おかし。」

 

助けに来てやったのに馬鹿にしているのか、お前は!

 

「賢者様?」

「本当に賢者様?俺達の国の王を倒した、あの賢者様?」

「おお!やはり賢者様だ!私です!あの国で兵士長をしていた!」

矢内「あっ!お前達か!あの時みんな国を逃げ出していてびっくりしたんだぞ!あの国、大臣一人になったんだぞ!」

ヒコマロ「矢内 孝太郎、知り合いでおじゃるか?」

矢内「ああ、勇者の兜をいただいた国の兵士達だ。悪い奴らじゃない。お前達も剣を納めてくれ。ヒコマロは俺達の友人なんだ。」

「分かりました。」

 

元兵士達は剣を納めていった。

 

ヒコマロ「あのオナゴはそち達を山賊と言ってたでおじゃる。」

「あのオナゴ?もしかしてついさっき逃げた元王女の事か?」

矢内「あの女、あの国の王女だったのか…。お前達、あの時殺さなかったんだな。」

「ええ、あの時は強姦はしましたが流石に殺すほどではと思いまして…。連れて行ったのです。」

矢内「それで隙をつかれて逃げられたのか…。」

「はい、我々がキノコ鍋を食べた時に…みんな体の調子が悪くなって、その隙に逃げられました…。」

エリカ「このキノコ?」

「あっ、それです。」

エリカ「へー、これ食べれるんだ。」パク

 

馬鹿!生で食うな!

 

ヒコマロ「それは毒キノコでおじゃる!食べてはいけないでおじゃる!」

エリカ「えっ?飲み込んじゃったよ。ハハハハハハ!なんか楽しいな!ハハハハハハ!ハハハハハハ!」

ヒコマロ「ワライタケでおじゃる…。」

 

この馬鹿、戦闘は役にたつと思って連れて来たのに…。

 

エリカ「アリマ君も食べなよ、美味しいよ。ハハハハハハ!」

 

馬鹿がアリマ君の口の中にワライタケを押し込んだ。

 

アリマ君「キー!キー!キー!」

矢内「どうするんだよ…。この状況…。」

ヒコマロ「一時間近くはこのままでおじゃる…。」

エリカ「賢者!賢者も食べなよ!」

アリマ君「キー!キー!」

 

コイツら、俺にもワライタケを生で食わそうとしている!やめろ!

 

「賢者様、彼女達はしばらく木に縛りつけて置きましょう。」

矢内「ああ、すまん。そうしてくれ…。」

 

 

 

 

一方その頃………

 

 

わたし達は山賊に襲われたっていう人からお話を聞く事にしました。

 

「まずは紅茶をいただけるかしら?」

サチ「態度がでかい女ね…。」

「早くしてもらえるかしら?すっとろい連中ね。」

サチ「ゆうりん、畑中、この女は崖から突き落として初めから居なかった事にしましょう。」

畑中「かー!さっちゃん、落ち着けよ。紅茶だな、これで良いだろ。午後の紅茶だ。」

 

屑野郎さんが女の人にペットボトルっていう入れ物に入った紅茶を差しだしました。

 

「本当に品の無い愚民ね。」ゴク

 

女の人が紅茶を一口飲みました。

 

サチ「話を聞かせてもらえるかしら?」

「その前に、モジャモジャの髪の醜男。こちらに来なさい。」

畑中「なんだ?」

「入れ直しなさい。」バシャ!

畑中「何するんだ!びしょびしょじゃねぇか。」

 

どうやら気に入らなかったみたいです。

 

サチ「あなたは一体何様のつもりなのかしら?」

「…そこの小さい娘。」

勇者「わたしですか?」

「あなたの武器を貸してもらえるかしら?」

勇者「どうぞ。」

 

わたしは女の人に言われるまま手斧を渡しました。そして、いきなり女の人がさっちんに襲いかかりました。

 

サチ「いきなり何をするの!」

「ちっ、避けたわね。王女であるこの私(わたくし)に対して数々の暴言を許せない!私自ら死刑にして差し上げますわ!死になさい!」ブン

 

女の人がさっちんに対して斧を振り回しています。

 

サチ「とりあえず逃げるわよ!」

 

 

 

 

 

それから小一時間後

 

俺たちはエリカの馬鹿がワライタケの毒が抜けるのを待ち村へと戻る事にした。

 

矢内「お前達も一緒に来てくれ。」

「分かりました賢者様。しかし、我々の事を山賊扱いするとは…。」

ヒコマロ「あのオナゴ…。麻呂を騙すとはいと 許しまじ。」

矢内「まあ、相手は調子こいてる王族の女だ。サチの奴に見張らせているし大丈夫だろう。」

「賢者様、油断は禁物です。王女は我々より強い武人です。武器を持つと我々では刃が立ちません。」

ヒコマロ「先ほど麻呂が相手したがそち達が弱いだけでおじゃる。そち達に囲まれても麻呂は負ける気はしなかったでおじゃるよ。」

「なんと…我々は本気で迫ったというのに手を抜かれていたとは…。」

矢内「どうせ痩せ我慢だろう。」

エリカ「賢者、ヒコマロは強いぞ!さっき戦ってるのを見たけど全然本気じゃなかったよ。」

矢内「まあ、ヒコマロの強さは分かった。とりあえず村へ急ぐぞ。」

エリカ「アリマ君、早く行こう!」

アリマ君「キー!」

 

お前らがワライタケを食ったから村へ戻るのが遅くなったのだろうが。しかし、ワライタケか。いいアイテムが手に入ったな。

 

俺達は急いで村に戻って来た。

 

「フフフ、貴方達は皆殺しよ!フフフフフ。まずは態度が大きい貴方からよ。」

 

元王女が手斧を振り回しながらサチを追いかけている!他の奴は無事か?

 

勇者「賢者さま!」

矢内「勇者!無事だったか?一体何があった?」

勇者「それが…。あの人がわたしの手斧を貸して欲しいと言われて渡したらいきなりさっちんを襲いかかって…。」

 

簡単に自分の武器を渡すな!

 

矢内「畑中!」

畑中「矢内!遅いぞ、何をしていた!」

矢内「何がどうなっている!?」

畑中「さっちゃんの言動が原因であの女が暴れ出した!止めにかかった村人が何人か怪我している!」

矢内「そうか…。よし、お前ら!あの女を叩き切れ!」

「賢者様!王女は武器を持ってます!我々では太刀打ちできません。」

 

情けない元兵士達だ。そんな事だからあんなクソ女に虫けらのような扱いを受けるんだ。

 

「フフフ。死になさい。」

 

まずい、サチが殺られる!なんとかしなくては…。

 

矢内「こっちだ!クソ女!」ヒュン

俺は落ちてる石を拾って元王女に投げつけた。よし、顔面に当たった。顔をおさえてる。動きが止まった。

 

矢内「よし、全員で四方八方から石を投げつけろ!」

「分かりました!」

 

俺の号令で元兵士達が元王女に石を投げつけだした。その隙にサチが間一髪で助かった。

 

サチ「賢者さん、助かったわ…。まさか、ゆうりんが手斧を渡すとは思わなくて…」

畑中「さっちゃん、今回はさっちゃんにも非があるぞ。」

矢内「サチ、畑中、今は誰が悪いかはいい。あいつを倒すのが先だ。サチ、俺が囮になるから黒魔術であいつの動きを止めるんだ。」

サチ「分かったわ。少し時間がかかるわよ。」

矢内「畑中、お前は勇者とエリカ達と一緒に村人達を避難させてくれ。」

エリカ「賢者、あたしは戦えるぞ!」

矢内「お前とアリマ君は毒キノコ食って本調子じゃないだろ!」

エリカ「でもアイツ、斧を持ってるから危険だよ。」

矢内「危険だから大人の俺が囮になるんだ。作戦は立ててある。畑中、コイツ等を頼む!」

畑中「ハッハー!任せろ!仮にお前が死んでも次回からは『わたしの畑中さま』になるから、お前は安心して死んでいいからな!」

 

黙れ、お前が主役に成れるか!

 

 

元兵士達が懸命に元王女に石を投げているが全て手斧で受け流されている。

 

矢内「お前達!ちゃんと相手が嫌がる足元や顔面を狙え!」

「しかし賢者様!投げつける石がもうありません!」

 

役に立たない連中だ。よく今まで生きてこれたな…。

 

矢内「サチ、まだか!」

サチ「賢者さん、アイツに追いかけられてたから息があがって…。もう少し待ってもらえるかしら。」

 

ちっ、俺が戦うしかないか…。ワンパターンだが、これを使うか。俺は異次元袋から一斗缶に入ったラッカーシンナーを取り出した。

 

「フフフ、もうおしまいのようね。そこの指揮官の貴方、名を名乗りなさい。厄介な貴方から殺してあげるわ。」

矢内「ああ、俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ!」

 

決まった!

 

サチ「相変わらずダサいわね…。」ボソ

「お前が賢者!お前のせいで!父上は殺され、わたくしはこの虫けら共に恥ずかしめを受け!」

矢内「黙れ、クソ女!生きてるだけでもそこの兵士達に感謝しろ!」

「わたくしに向かってなんて言い種!許さない!許さない!」

 

元王女のクソ女が俺に向かって突っ込んで来た。先ずはこいつを喰らえ!

 

矢内「喰らえ!ティロッ フィナーレ-!!」

 

俺は一斗缶のラッカーシンナーを元王女に向かってぶっかけた。

 

「フフフ。そんなのは当たらないわ。」

 

ちっ、ミスった。突っ込んで来たと思わせバックステップで距離をとられラッカーシンナーは避けられてしまった。

 

矢内「クソ!」ブン!

 

俺は空の一斗缶を投げつけた。その間に異次元袋の中から鉄パイプを取り出した。

 

「フフフ。無駄よ。」ブン!

 

一斗缶は斧で一刀両断された。

 

矢内「まだだ!」ブン!

 

すかさず鉄パイプで殴りかかった。

 

「無駄なのが分からないのかしら?」ガキン!

 

斧で受け止められた。不味いな…。

 

「フフフ。どうやら戦いは素人のようね。父上の敵、死になさい!」

 

元王女が手斧を振りかざした!ますい、殺られる!その時、何かが元王女をめがけて飛んできた!

 

ヒコマロ「矢内 孝太郎!助太刀するでおじゃる!」

 

ヒコマロが蹴った蹴鞠が元王女の手斧を直撃した。手斧は元王女の手元を離れ飛んでいった。

 

矢内「ヒコマロか!今まで何処にいたんだ!?」

ヒコマロ「麻呂はその者に傷つけられた者達を秘術で怪我を治していたでおじゃる。」

矢内「そうか、来てくれて助かった!」

ヒコマロ「そち、何ゆえ麻呂を騙し、罪なき村人を傷つけた!」

「王女であるこのわたくしは何をしても許されるのよ。愚民が傷つけようが殺そうがわたくしの自由でしてよ!オーホホホ!」

 

クズの娘はクズって事か…。

 

ヒコマロ「いと 許すまし。おなご!その腐った心をこの勇者ヒコマロが成敗するでおじゃる!」

「武器が欲しいわね。貸しなさい!」

元王女が近くいた兵士から剣を奪い取った。

 

ヒコマロ「秘術、蹴鞠弾!」

 

ヒコマロが手から光の鞠を出し蹴鞠の要領で元王女めがけて鞠を蹴った。

 

「くっ!」ガキン!

 

しかし、元王女も光の鞠を剣で受け流す。ヒコマロが放つ光の鞠がどんどん元王女をめがけて飛んでくる。

 

「軌道は読めましたわ!賢者に味方する者は全員死になさい!」

 

元王女が鞠を受け流しながらヒコマロに近づいている。

 

サチ「お待たせ、賢者さん。ヒコマロ。黒魔術『カーズ マリオネット!』」

「か、体が動かない!」

 

勝負あったな。

 

矢内「サチ!ナイスだ、よし、みんなでこのクソ女を縛りあげるぞ!」

 

そして、俺達は元王女を縄で動けないように縛りあげた。

 

勇者「賢者さまー!大丈夫ですかー!」

 

勇者達が俺達のもとに駆けつけて来た。

 

畑中「矢内!死んでなかったのか!」

エリカ「みんな無事で良かったよ!」

矢内「ああ、心配かけたな。」

サチ「賢者さん、この女はどうするのかしら?」

ヒコマロ「そち達、いくら悪さをしたとはいえ相手はおなご。乱暴はいけないでおじゃるよ。」

「おのれ、王女であるこのわたくしにこのような仕打ちを…。」

矢内「あのなぁ、いいか?まずお前の国はもう無いんだよ。だからお前は王女でも何でも無いんだよ!」

「わたくしに対してこのような事、神々が黙ってる訳無いわ!」

サチ「まだ自分が特別な人間だと思っているのね…。滑稽だわ。」

矢内「そうだ!俺はコイツの言う神を連れて来る。お前ら、今度こそこの女をちゃんと見張っいろよ。勇者、エリカ!お前らこの女が何を言っても縄を解くなよ!」

エリカ「えっ何で?」

 

何でじゃねぇよ!

 

畑中「そうだ!勇者ちゃん、エリカちゃん、向こうでヒコマロに競技蹴鞠を教えてもらいなよ!」

 

馬鹿二人を向こうに追いやる作戦か、考えたな。

 

勇者「そうですね。ヒコマロ!わたし達に教えてください!」

エリカ「面白そうだな!ヒコマロ!教えてよ!」

ヒコマロ「分かったでおじゃる!」

 

ヒコマロは嬉しそうに馬鹿二人を向こうに連れて行った。

そして、俺はゲートストーンを使ってロキのもとに向かった。

 

矢内「待たせたな、クソ女!お前の言う元、お前の国の神様のロキだ。」

ロキ「矢内、お前また俺を差し置いてまた楽しい事をしてるな。」

「神様!王女であるわたくしにこのような仕打ちをするこの者達に裁きを!」

ロキ「何だ?この女は何者だ?」

矢内「ああ、お前が勇者にした王様の娘だ。」

ロキ「ああ!アイツが死ぬ所面白かったよな。ハハハハハ!何回思い出しても面白い!で、この女は何で縛ってあるんだ?」

矢内「いろいろあってコイツが俺達を殺そうとしたので縛りつけたんだ。」

サチ「だいぶ省略したわね…。」

畑中「矢内、気になっていたけどそいつは誰だよ?前の村にもいたよな。」

ロキ「ああ、言ってなかったな。俺様は邪神ロキ様だ。」

サチ「じゃ、邪神!?」

畑中「かー!矢内、お前って奴は…。そんな変な奴連れて来るなよ!ハッハー!」

矢内「何で連れて来たってこのクソ女が神様がどうとか言うからだなぁ。」

サチ「いやいや、神様って!そんな自由に現れていいものなの?賢者さん…また中二病を患わせてるだけじゃ無いの?」

 

失礼な奴だな。

 

畑中「矢内、お前はもういい年なんだから現実をしっかりと見ていかないとダメだぞ!そんなだから三十過ぎても今だに独身なんだぞ!」

 

仕事すらしてないお前だけには説教されたくはない!

 

ロキ「矢内!お前の仲間は本当に面白いな!ハハハ!所でこの女だけどな。」

「神様!助けてください!この者達に罰をお与えください!」

ロキ「面白い事を思い付いた。ちょうど縛ってあるから足元にも縄を着けてそこの崖から落とそう!お前の世界でいうバンジージャンプってのをこいつでやろう!」

「何で…。王女であるこのわたくしが!」

ロキ「黙れー!俺様は面白い奴の味方だ!つまらない奴は死ねー!お前の親も死に際以外本当につまらない奴だったな。まあいい。お前も最後ぐらい俺様を笑わせろよ!」

矢内「面白そうだな。それじゃあ、準備をしよう!」

 

そして、俺達は元王女を連れて村の外れの崖まで移動した。

 

矢内「残念だったなぁ!元お前の国の神様に助けてもらえなくて!ハハハハハハ!」

「わたくしが何故こんな目に…。」

サチ「まだそんな事を言ってるのかしら?貴女が私達に戦いを仕掛けて負けたのでしょ?当然の処置だと思うけどね。」

ロキ「さぁ、始めようぜ!」

 

俺達は縛られた元王女のクソ女の足元に縄をくくりつけた。

 

「何をするの!誰か!助けて!」

サチ「貴女のような人を助けにくる人は誰もいないわ。今までの言動を悔い改める事ね。」

矢内「そういう事だ。まぁ、俺達が飽きるまで崖から突き落とし続けてやるから安心しろ。」

「そんな…。誰か!誰か!」ジタバタ

 

俺達の話を聞いて元王女が暴れだした。

 

矢内「ジタバタするな、これを飲んだらスッキリするぞ。」

「ん、ゴホッゴホッ!苦い!何よこれは!」

矢内「それはワライタケをコトコト煮込んで作った煮汁だ。ほら、幻覚作用が出てきて楽しくなってきただろう?」

「な!何を、フフフフフ。フフフ、何か分からないけど愉快ですわ。フフフフフフ。」

 

効果は絶大だ!

 

矢内「よし!いいか?1、2の3で崖から飛び込んだぞ!」

「フフフフフフ。」

矢内「それ、1、2の3!」

「フフフフフフ。」ピョーン!

 

元王女は崖から飛び降りた。

 

矢内「ハハハハハハ!面白れぇ!」

ロキ「ハハハハハハ!笑いながら飛んで行ったぞ!ハハハハハハ!」

サチ「フフフ。可笑しいわね。フフフフフフ。」

畑中「なぁ、矢内…。あの女の足元につけた縄を何処にくくったんだ?」

矢内「あっ…。しまった…。」

 

何処にもくくりつけてなかった…。

 

「フフフフフフ。ハハハハハハ!」グシャ!

 

元王女は遥か下の地面に叩きつけられた。よし、なかった事にしよう!

 

ロキ「ハハハ!面白れぇ!グシャ!っていってる!ハハハハハハ!笑いながら死んだぞ!ハハハ!腹痛ぇ!」

畑中「コイツ、本当に神様なのか?」

サチ「まぁ、何だっていいわ。面白い余興が見れたから。」

矢内「よし、村に戻るか!」

 

 

 

勇者「あっ賢者さま!何処に行ってたのですか?」

矢内「ああ、ちょっとな。」

エリカ「あれ?縛っていた奴がいないぞ。何処に行ったんだ?」

矢内「エリカ、お前まだワライタケの毒で幻覚を見ていたのか?そんな奴は初めからいないぞ。」

勇者「あれ?そういえば女の人が居ませんねぇ。何処に行ったのですか?」

矢内「そんな奴は初めからいない!!」

 

俺は大声で逆ギレして誤魔化した。

 

勇者「気のせいだったのですかねぇ。」

エリカ「うーん、まぁいいや。きっと初めからいなかったんだよ。」

 

バカで良かった。

 

矢内「それはそうと、ヒコマロはどうしたんだ?」

勇者「それが…初めはわたし達と蹴鞠をしていたのですが、村の子供達がヒコマロと蹴鞠をしています。」

エリカ「ヒコマロ、凄い楽しそうにしてるからあたしらは抜けてきたんだ。」

矢内「そうか。ヒコマロの所に案内してくれ。」

アリマ君「キー!(こっちだよ!)」

 

村の広場にヒコマロはいた。子供達に蹴鞠を教えている。

 

矢内「ヒコマロ!」

ヒコマロ「おお!そち達でおじゃるか。今、麻呂はワッパ達に蹴鞠を教えている所でおじゃる。」

矢内「サチ、あれを。」

サチ「分かったわ。」

 

俺はサチから勇者の兜を受け取った。

 

矢内「ヒコマロ、受け取れ!」

ヒコマロ「これは勇者の兜!どうして麻呂に?」

矢内「もし装備出来たらお前にやるよ!」

ヒコマロ「しかし、これはそち達が苦労して手にいれた物…。どうして…。」

矢内「お前は俺達の友人だからさ。」

勇者「そうです。ヒコマロはわたし達の友達です。」

サチ「そうね。私達を助けてくれたしね。」

ヒコマロ「友…。蹴鞠以外に初めて出来たでおじゃる!」

矢内「いいから被ってみろよ。」

ヒコマロ「矢内 孝太郎…。分かったでおじゃる!」

 

ヒコマロが勇者の兜を被った。ズドン!しかし、ヒコマロの頭が地面を擦り付けた。

 

ヒコマロ「いと 重し…。」

矢内「ヒコマロも駄目だったか…。」

 

俺は勇者の兜をヒコマロから外した。

 

ヒコマロ「麻呂は勇者ではないのでおじゃるか…。」

矢内「いや、気にしなくていい。実は俺達も駄目だった、それにノートルランドの勇者も駄目だったんだよ。」

畑中「ヒコマロって言ったか。そんな物を被れなくてもお前は立派な勇者だと思うぞ。現に村の人々や別に助けなくてもいい矢内まで助けたじゃないか。」

サチ「そうね…。」

ヒコマロ「麻呂が立派でおじゃるか?」

矢内「ああ。立派な勇者だ。」pipipipipi♪

勇者「賢者さま、ズボンから何か鳴ってますよ。」

 

俺の携帯が鳴っている。すかさず携帯に出た。

 

矢内「もしもし?」

社長『矢内!お前、今何処に居るねん!』

 

ハゲからだ。出るんじゃなかった…。

 

矢内「あー、社長…。今、出張でファンタルジニアです。」

 

正確にはファンタルジニアじゃないがいいだろう…。

 

社長『お前、何を言ってんねん!用事あるからさっさと帰ってこい!』ガチャ!

 

一方的に電話を切られた。

 

矢内「そういう事でお前ら、俺は会社に帰るから。」

畑中「矢内、俺も戻るぞ!」

ロキ「俺も行く、キャバクラって所に連れて行け!」

矢内「何でだよ!」

勇者「賢者さま、また明日迎えに行きます。」

矢内「明日じゃねぇ!会社の休みの日にしろ!ヒコマロ、あわただしくなったがまたな!」

ヒコマロ「矢内 孝太郎、またいつか麻呂と蹴鞠をするでおじゃる!」

矢内「ああ!またな!」

 

そうして俺はゲートストーンを使って会社に戻った。

 

ロキ「よし、キャバクラ行こうぜ!」

矢内「遊びに来たんじゃないんだよ!畑中!そいつ連れて行ってくれ!」

畑中「ああ。」

 

畑中はロキを連れて街に向かった。

そして、俺は会社の事務所に向かった。

 

矢内「社長、今、戻りました!これ、出張の請求書です。」

社長「おー、矢内!帰ってきたか!」ビリビリ

 

請求書はすかさず破り捨てられた。

 

社長「いいか。見ろ、この車!買ったんや。ランボルギーニやぞ!」

矢内「はぁ?」

社長「何が、はぁ?や!他の頑張ってる従業員にはベンツ買ってやったんや!凄いやろ!」

矢内「イヤイヤ、社長!そんな車買う金何処にあるんですか!会社の金で無駄使いしたら駄目でしょうが!」

社長「まぁ、矢内。話を聞け、この前の仕事で6億入ったやろ、それにプラスな。なんかしらんけど会社の倉庫の奥で凄い数の金銀財宝が出てきてな。それを全部換金したんや。」

矢内「ちょ!ちょっと!社長!その財宝、この前俺が倉庫の奥に隠してたやつじゃないですか!」

社長「ああ、そうか。」

矢内「そうか、と違いますよ!」

社長「いいか、矢内。よく聞け、お前の手柄は俺の物、俺のミスはお前の責任、それが会社のルールや!」

 

ふざけるな、ハゲ!

 

社長「まぁ、お前の車もちゃんとしといたぞ安心せい。」

矢内「ポルシェですか?フェラーリですか?」

社長「何を言ってんねん。ちゃんと痛車にしといてやったぞ。感謝しろよ!」

矢内「はぁ!?」

 

新車を買ったばかりなのに何してくれるんだ!俺は急いで駐車場まで走った。

 

 

 

駐車場に着くと俺の車はじゃりんこチエのイラストで埋め尽くされていた。

 

矢内「あああああぁ!」

社長「矢内!気に入ったようでなによりや!」

矢内「…しゃ、社長…。何でよりによってこれなんですか?」

 

俺はかすれた声で社長に聞いた。

 

社長「何でって、大阪やったらじゃりんこチエやろ!これ500万したからな、大事にしろよ!」

 

雨が降ってもまた明日ーってやかましいわ!チクショウ!俺の財宝…。

 

 

 

 

 

 

 

第8話

蹴鞠の勇者さま

E N D




矢内が会社に戻ったその頃



「ううぅ…、だ、だれか…。」

崖の遥か下で元王女が倒れている。まだかすかに息をしている。そこに何者かが近づいてきた。

「フフフ、女。助かりたいか?」
「ううぅ…。た、たす…け…て…。」
「妾に忠誠を誓うか?」
「たす…けて…。」
「まぁよい。先に傷を直してやろう。」
「体が動く!傷が直った!どなたか知りませんがありがとうございます!」
「礼はよい。所で女、お前は例の賢者にやられたのじゃな。」
「はい…。」
「賢者を恨んでおるか?」
「はい…。父の敵です。」
「ならば妾に忠誠を誓うがよい!さすれば、お前に神の力を授けよう!」
「神の力?貴女はいったい?」
「妾は神、ビーナスである!あの忌々しき異世界から来た賢者を倒すためにどうじゃ?妾のしもべにならぬか?」
「わたくしは、あの賢者に全てを奪われました。あの男を倒すためなら何だって致します!どうか、わたくしに力をお与えください!」
「フフフ。よき返事じゃ。妾についてくるのじゃ。」
「はい。ビーナス様。」

そして、ビーナスは元王女を連れゲートの中に消えて行った。
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