わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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エルフの森の山田さん 3

朝がきた。

ピピピピピピ!6時半の携帯のアラームが鳴り響く。7時まで二度寝しよう。

 

勇者「賢者さま、起きてください。」

矢内「ううーん…。」

エリカ「賢者ー!起きろー!」

アリマ君「キー(任せて!)」ドス!

矢内「ぐはっ!」

 

アリマ君のボディブローで目が覚めた。

 

矢内「クソッ…。優しく起こせよ…。サチはどうした?」

勇者「さっちんはまだ寝てます…。」

矢内「1つ目、サチにもボディブローをかましてやれ。」

エリカ「サチは直ぐに起きるよ。勇者、お願い。」

勇者「さっちーん!もうすぐご飯ですよ~!」

 

サチが直ぐ様2階から降りてきた。意地汚い奴だ。

 

サチ「賢者さん、まだかしら?」

矢内「起きていきなりそれか。寝癖を直してちょっと待ってろ!」

 

フライパンに火をとうしてホットケーキを人数分作った。

 

矢内「出来たぞ。」

勇者「美味しそうです。」

矢内「ライアンも食べてくれ。」

ライアン「えっ?いいんッスか?」

矢内「ああ。世話になっているからな。これぐらいの事はしないとバチが当たる。食べてくれ。」

畑中「遠慮するな。」

 

お前が言うな。

 

矢内「それはそうと山田はどうした?」

勇者「山田さんは鏡の前で何かしていました。」

矢内「ああ、三十過ぎの年増だからな。するだけ無駄の化粧に時間がかかっているのだろう。じゃあ、先に食うか。」

山田「矢内、口を慎め。お前も三十過ぎだろうが。」

 

山田が降りてきたのでみんな揃って軽めの朝食をとった。

 

山田「そうだ矢内、これから国王の所に挨拶に行く。お前達もついてこい。」

矢内「アイツは色々と信用できないからお前一人で行けよ。」

山田「何を言い出すのだお前は、お前達は散々迷惑かけているだろ!いいからこい。」

ライアン「自分もついて行くッス!」

 

こうして俺達は山田の言う通りに国王のもとに向かった。

 

山田「国王陛下、これより私はこの矢内 孝太郎と共に砂漠の国に向かいます。今までおもてなしていただき誠にありがとうございました。」

国王「客人よ、旅立たれるのか?もう少しここに居ても良いのだぞ。」

山田「いえ、私もいつまでもやっかいになるわけにはいきません。」

国王「しかし、もう少し居ても…。」

矢内「おい、なんか山田がここに居ないと都合が悪いのか?」

国王「無礼者め!わしに対してなんて口の聞き方だ!」

矢内「話を誤魔化すなよ。」

山田「矢内!口を慎め!」

矢内「山田、黙っててくれ。なあ、国王様よ。俺はなんで山田がここに居ないと都合が悪いのかを聞いているんだよ。質問に答えろよ。」

国王「貴様!何者だ!名を名乗れ!」

矢内「俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ。」

勇者「わたしは一国の勇者です!」

エリカ「あたしはエリカ!よろしくな!」

国王「お前達には聞いてないわ!貴様が賢者か、わしに対しての数々の無礼、ただですむと、」

矢内「俺はお前の問いに答えたんだ。今度はお前が俺の質問に答えろよ。」

山田「矢内、止めろ!国王陛下、我々はこれで失礼します!」

国王「賢者とか言ったな。貴様、このまま帰れると思っているのか?」

矢内「ああ、何も問題ないな。エルフは人間を見ると見境なしに攻撃してくる種族と聞いていた。しかし、実際はこの国のエルフの人達はみんな気さくでいい連中だ。」

国王「貴様等など、わしの一声でどうにでもなるわ!」

矢内「わしの一声ってか?そうやって知識も知恵のないエルフの人達を操っていたのか?」

ライアン「えっ?そうなんッスか?」

矢内「ああ、ライアン。今からみんなに教えてやれ。国王がみんなを都合の良いように利用しているとな。」

国王「ま、待て!分かった!お前達の事は不問にする!良いからとっとと砂漠の国にでも行くがよい!」

矢内「そんな事じゃなくて俺の質問に答えろよ!誤魔化すな!」

畑中「矢内!もう良いだろ!」

サチ「そうよ、賢者さん。」

山田「国王陛下、我々は失礼します!」

矢内「待て、俺の話は終わっていない!放せ!」

山田「矢内、行くぞ!お前達、矢内を取り押さえろ!」

 

俺は山田達に取り押さえられ国王の屋敷をあとにした。

 

サチ「賢者さん、どうしたのよ。」

畑中「矢内お前、いまだに偉い奴に逆らったらカッコいいって思っているのか?中二病の悪い癖だぞ。」

矢内「違うわ!」

山田「変わらんな、お前は。」

矢内「だからそうじゃなくてだな…。」

 

俺達が話し混んでいると何人かのエルフが話しかけてきた。

 

「あの…。賢者様…。」

矢内「なんだ?」

「あの…助けて下さい。実は昨日から私達の娘が行方不明なのです…。」

山田「何!」

矢内「詳しく話してくれ!」

「はい…。実は、少し前から若い娘が行方不明になることがありまして…。」

矢内「まさか?何者かに拐われたのか?少し前からと言ったな?」

「はい…。国王様にもお願いしているのですが…。賢者様達ならもしかして何か知っているかもと思いまして…。」

山田「良いだろう。」

「私達の娘を探してもらえるのですか?」

山田「ああ。」

矢内「待て山田!」

山田「なんだ。」

矢内「勝手に返事をするな!」

山田「エルフの娘が拐われたのだぞ!」

矢内「分かっている。でも情報が無さすぎる。このままじゃどうしようもない。」

「そ…そんな…。」

矢内「探さないとは言ってない。俺達はこれから砂漠の国に行く。そこでエルフが居ないか探してやる。見つかる可能性は低いがやれるだけの事はやるから希望を捨てるな。」

「はい…。」

矢内「俺達の国、ファンタルジニアの皇帝にも探してもらえるように話しておく。」

「お願いします、賢者様。」

 

エルフ達は俺達に会釈をして立ち去った。

 

矢内「直ぐに出発しよう。」

勇者「はい、賢者さま。」

矢内「ライアン、外への案内を頼む。」

ライアン「分かったッス!」

 

俺達はライアンの案内で森の外に出た。

 

矢内「ライアン、無事に外に出れた。助かった。」

ライアン「礼にはおよばないッス!またいつでも来て欲しいッス!」

矢内「ああ!」

エリカ「ライアン、ありがとう!」

アリマ君「キー!」

ライアン「エリカもアリマ君も久しぶりに会えて嬉しかったッス!」

矢内「ライアン、俺は国王に目をつけられているから森に戻れ。後、国王は絶対信用するなよ。」

ライアン「分かったッス!」

 

ライアンは森に戻って行った。

 

矢内「一度ファンタルジニアの城に帰るぞ。」

山田「何を悠長な事を言ってる。」

勇者「賢者さま、何でですか?」

矢内「この先は砂漠だ。色々と準備がいる。急ぐぞ。」

 

俺はゲートストーンを使いファンタルジニアの城に戻った。

 

 

 

 

 

 

矢内「よう、童帝!賢者様のご帰還だぞ!」

皇帝陛下「うわっ!いきなり我の前に出てくるな!で、何の用だ。」

 

謁見の間にゲートを置くからだろ。

 

エリカ「よう、童帝!」

皇帝陛下「お前は我の国の戦士だよな。矢内は無礼なのは今に始まった事じゃないがお前は駄目だろ!」

エリカ「なんだよ、いいじゃんか。」

キサラギ「陛下、何事ですか?」

皇帝陛下「ああ、矢内達が帰って来た。」

エリカ「あっ!戦士長!あたし達はそこの童帝に用事があって来たんだよ。」

キサラギ「おお!エリカ!無事に戻って来てなによりだ!怪我はないか?みんなとは仲良くしているか?」

矢内「相変わらずだな戦士長。」

キサラギ「矢内殿か、戻って来たって事は旅先で何かあったのですか?」

矢内「ああ、エルフの森でちょっとな。」

皇帝陛下「エルフの森…。矢内よ、どうせお前が余計な事を言ってエルフに弓で射たれて戻って来たのだろう。」

サチ「だいたい合ってる…。」

畑中「矢内お前、遂に賢者って呼ばれなくなったな。」

皇帝陛下「こんな無礼な男は矢内でいい。賢者など厚かましいわ。」

 

矢内は俺の名字であって悪口ではない。

 

サチ「賢者さん、そろそろ本題に入らないと。」

矢内「ああ、そうだった。頼みってのは2つほどあってな、まずは俺が以前捕まえた人拐いがいただろ。アイツを少し貸してくれ。」

キサラギ「ああ、あの者か。」

皇帝陛下「あの者は今は我が国の戦士としてオークの村と隣の町の警備にあたっている。」

矢内「いやいや、何を言ってるんだ。アイツは駄目だろ!そんな事だからお前はいつまでも童帝なんだよ。」

エリカ「そうだぞ、童帝!」

キサラギ「彼は真面目に警備をしています。後、矢内殿。陛下に対して口を慎んでいただきたい。それに酒天童子の村の鬼一人も一緒です。」

勇者「鬼ですか?」

矢内「大丈夫かよ…。」

皇帝陛下「嘘だと思うなら一度行ってみるといい。」

矢内「ああ、そうだな。村の子供達にも久しぶりに会いたいしな。」

皇帝陛下「後はなんだ?」

 

エルフの森での出来事を説明した。

 

皇帝陛下「なんと…。」

キサラギ「人拐いが…。」

矢内「ああ…。だから、町の警備の強化をして欲しいのと、もしここら一帯でエルフ見つけたら保護をして欲しいんだ、頼む。」

 

俺は童帝に頭を下げた。

 

皇帝陛下「分かった。矢内よ、頭を上げんか。出来る限り協力をする。同盟国になったノートルランドにも親書を送っておく。」

矢内「本当か?いつもすまない。」

 

俺は再度頭を下げた。その時、一人の兵士が慌てて謁見の間に入ってきた。

 

「陛下!大変です!実は怪しい男がオークの村の近くの原っぱに現れて…。」

キサラギ「落ち着かんか、何があった?」

「はっ!その男ですが妙な球を持った奇妙な格好をしていて、自分の事を勇者だと言い出しまして…。今は新兵達が対応しています。」

勇者「妙な球?」

エリカ「奇妙な格好?」

サチ「賢者さん、もしかして…。」

矢内「ああ…。多分、ヒコマロだ。」

キサラギ「矢内殿、知っているのか?」

矢内「ああ…。多分、東の島国から来た勇者ヒコマロだ。」

勇者「ヒコマロはわたし達の友達です。」

矢内「原っぱだったな。直ぐに案内してくれ。」

「はい、ここからですと走って20分ぐらいで着きます。」

矢内「すまん、童帝、戦士長。ちょっと行ってくる。」

皇帝陛下「ああ、戻って来ていきなりですまないな。」

矢内「気にするな。直ぐに戻る。」

畑中「矢内、気を付けろよ!」

矢内「お前も来るんだよ!」

 

俺達は直ぐに原っぱまで走って行った。

 

キサラギ「矢内殿は相変わらずですね。本当に面白い男だ。」

皇帝陛下「ああ、アイツが現れてからいい意味で色々と忙しくなった。」

 

 

 

 

 

俺達は急いで原っぱにたどり着いた。何者かが大声を上げている。声が聞こえる方に向かった。

 

「だから磨呂は勇者でおじゃる!」

「嘘つけ!そんな奇妙な格好の勇者がいるか!」

「そうやって子供達に近づいて拐って行くのだろう!他の奴は誤魔化せても俺様は騙されんぞ!」

「何!子供達を?貴様!ビーナスって神の使いか!」

「違うでおじゃる!磨呂は東の島国で神の天啓を受けたれっきとした勇者でおじゃる!磨呂はここの童達に蹴鞠を教えに来たでおじゃる!」

 

ヒコマロと言い争いをしているのはあの時の人拐いとあれは…かね童子か?何でいるんだ?その後ろには子供達がいる。

 

「何か変な球を持ち出した!」

「みんな、下がるんだ!」

「ええい!この俺様が退治してやる!」

「俺も加勢するぞ!」

「僕達に何かしたら賢者様が黙っていないぞ!」

「そうだそうだ!」

ヒコマロ「賢者?そち達、もしかして矢内 孝太郎の知り合いでおじゃるか?磨呂は矢内 孝太郎達の友でおじゃる。」

「賢者の友達?俺は賢者に酷い目にあった!縛られた状態で蝉を食わされた!」

「俺様なんていきなり1つ目の魔物に殴られて牢屋に入れられて屋敷に火をつけられて死にそうになった!」

 

こいつら!自分の行いを棚に上げて!なんて言いぐさだ!

 

矢内「お前ら!自分の事を棚に上げて何を言ってやがる!」

「あっ!お前は!」

「賢者様だ!」

矢内「まず、お前は元々はこの村の子供達を拐おうとした張本人だろ!かね童子!お前は俺達にケンカを売ってアリマ君にぶん殴られだだけだろうが!」

「け、賢者!何でいるんだ!」

矢内「用事で戻って来たんだよ!アリマ君、コイツらをぶん殴れ!」

エリカ「何でアリマ君に言うんだよ。」

アリマ君「キー!(お前がやれよ。)」

勇者「ヒコマロ!久しぶりです!」

ヒコマロ「おお!童(わらべ)勇者に矢内 孝太郎!また会えて嬉しいでおじゃる!」

矢内「ヒコマロ、すまんな。子供達には俺が説明する。」

ヒコマロ「かたじけないでおじゃる…。」

 

俺は子供達にヒコマロを紹介した。

 

「本当に勇者なんだ。」

ヒコマロ「磨呂の事を信じてくれたでおじゃるか?」

「賢者様の友達なの?」

「蹴鞠ってどういう遊びなの?」

 

子供達がヒコマロに質問責めをしている。

 

矢内「さて、お前ら。覚悟はいいか?」

「俺達は子供達を守ろうとしただけで…。悪気は無かったんだ。」

矢内「言い訳はそれだけか?俺の悪口を言った罪は重い。死刑だ。」

「賢者様!ジークのおじさんは悪くないよ!」

矢内「ジーク?」

ジーク「俺の名前ジークフリードだ。」

矢内「ハハハ!お前、バカの癖にそんな格好いい名前なんだな。」

ジーク「笑うな!ちくしょう!」

かね童子「ジークお前、人拐いだったのか?」

ジーク「ビーナスって神に操られたんだよ…。」

矢内「かね童子、お前は何でここにいるんだよ。」

かね童子「ああ、俺様は酒天童子様の命でこの国の兵士になったんだ。」

 

弱い奴が兵士で大丈夫かよ…。

 

畑中「矢内ー!」ゼイゼイハアハア

山田「矢内…。ゆっくり走らんか…。」ゼイゼイハアハア

矢内「お前ら、情けねえな。」

エリカ「何で息切れしているだよ。ちょっと走っただけじゃん。」

山田「お前らと…一緒にするな…」ゼイゼイハアハア

ジーク「誰だ、この二人は?」

勇者「山田さんと屑野郎さんは賢者様のお友達です。」

ジーク「なんだ、屑か。」

かね童子「類は友を呼ぶと言うからな。」

山田「誰が屑だ、矢内と一緒にするな。矢内、誰だコイツ等は?」

矢内「ああ、雑魚だ。」

ジーク「誰が雑魚だ!」

畑中「ハッハーww!」

かね童子「笑うな、ちくしょう!」

矢内「えっと、冗談はこれぐらいにしてジークだったか。今日はお前に用があるんだ。」

ジーク「なんだよ。」

矢内「お前、砂漠の国から来たんだよな。」

ジーク「正確には砂漠の国の先の港町だから砂漠の国については分からないぞ。」

矢内「はぁ?なんだよ、何も知らないのかよ役立たずめ!もういい、どっか行けよ!」

ジーク「いきなり来てなんだよ!ちくしょう!」

矢内「砂漠の国までの道のりとか聞きたかったけど知らないならしょうがないな…。お前ら、しっかり警備を頼むぞ!」

ジーク「毎日ちゃんとやってるよ。」

矢内「今まで以上にだ。エルフの森でも人拐いがあるんだ。」

かね童子「凶暴な種族のエルフまでも…。」

山田「凶暴などではない。皆、気さくで気のいい連中だ。」

ジーク「気さくでって…。そんな訳ないだろ。」

矢内「ああ、実際会ったらいい連中だったぞ。拐われているエルフは若い娘だ。童帝からも話があると思うが今まで以上に警備をしっかり頼むぞ!」

かね童子「若い娘…。」

ジーク「かね童子、お前は可愛い嫁さんがいるから気を付けろよ!」

矢内「かね童子、お前嫁さんなんかいるのかよ。」

 

俺達が話しこんでいると村の方から懐かしい顔ぶれの子供達がこっちに走ってやって来た。

 

「賢者ー!」

「賢者様ー!」

 

勇者「あっ!キールにエースにポーキーです!」

ポーキー「勇者!帰って来たの?」

勇者「賢者さまと一緒に帰って来ました。」

キール「怪しい奴が来たって聞いたけど何処にいるんだ?」

エース「ジーク、かね童子、怪しい奴が来たら俺達に言わないと駄目だろ。お前ら弱いんだから。」

ジーク「弱くねえよ!」

畑中「ハッハーww!子供までに弱いとか言われるってwwハッハー!」

かね童子「笑うな、ちくしょう!」

ジーク「笑うな、じゃあお前は強いのかよ!」

畑中「平和主義者の俺が戦いなんてするわけないだろ。ハッハー!」

かね童子「ちくしょう、腹立つ。」

キール「なぁ、あんたらは誰だ?」

勇者「山田さんと屑野郎さんは賢者さまのお友達です。」

キール「なんだ、賢者の友達だったらただの屑か。」

エース「類は友を呼ぶっていうからな。」

山田「友達などではない!ただの腐れ縁だ!」

ポーキー「もしかして、賢者様と同じ世界から来たの?」

山田「ああ、私がこっちの世界に来たのは事故だがな。」

畑中「俺は毎回強制的に連れてこられるがな。ハッハー!」

ポーキー「ねぇ、お姉ちゃん達の世界の事を教えてよ。」

畑中「ああ、良いぞ。まずはミリオンゴットっていうのがあってな…。」

山田「子供にギャンブルの話をするな、馬鹿者!」

ポーキー「お姉ちゃん、なんか怒鳴ってばっかりだね。」

矢内「ああ、山田は独身で三十路過ぎの悲しい女だからな。些細な事でイライラするんだ。気にしちゃ駄目だぞ。」

山田「お前達がイライラさせるのだろうが!」

キール「姉ちゃん、賢者は大人の癖にいまだにチンコの皮が被った可哀想な奴だから寛容な心で許してやれよ。」

エース「そうだぞ、姉ちゃん。」

矢内「お前ら、俺はズル剥けだ!いい加減にしろ!」

山田「クククっww!や、矢内、つまらない見栄を張るなww。可哀想な奴ww。」

畑中「ハッハーww!図体大人でチンコは子供ってかハッハーww!腹痛えー!ハッハーww!」

かね童子「散々偉そうにしていて、チンコの皮が被っているって!ハハハ!」

ジーク「腹痛えー!」

 

全員が俺を馬鹿にしている。

 

矢内「笑うな、ちくしょう!畑中、そう言えばサチの奴はどうした?」

畑中「ハッハーww!」

矢内「ティロ フィナーレー!!」バシャン

 

俺は頭に来たので畑中にラッカーシンナーを一斗缶まるまるぶっかけた。

 

畑中「矢内!おま!ああああ!全身痛えー!ああああ!」

 

畑中が悶え苦しんでいる。ざまあみろ!

 

エリカ「あれ、スゲー痛いんだよな…。」

アリマ君「キー…。(あれは酷かった…)」

矢内「畑中!サチの奴はどうした!」

畑中「ああああ!」

 

畑中はまだ悶え苦しんでいる。

 

山田「ああ、あの娘は走るのが面倒臭いって言ってたぞ。」

矢内「舐めてるのかアイツは…。アイツの飯は無しにしよう。」

 

俺達の前にいきなりドアが現れた!何が起こった?

 

ジーク「なんだ、あのドアは!」

 

ドアが開く…。何か来る!

 

矢内「かね童子!ジーク!子供達をしっかり守れよ!」

かね童子「分かってる!」

山田「矢内、来るぞ!」

勇者「あっ。あれは…。」

 

ドアから誰かが出てきた。

 

サチ「賢者さん、私は走るのは面倒臭いと言ったけど来ないとは言っていないわ。」

 

お前かよ!

 

エリカ「やっぱりサチだ。」

サチ「お待たせ、黒魔術で来させてもらったわ。」

矢内「なんだ今のは?」

サチ「今のは私の黒魔術、『ドワープ』よ。」

 

だから何なんだよ、それは!

 

サチ「いいわ、説明すれば良いのでしょ。この黒魔術、『ドワープ』は私が召喚したドアを開けると一瞬で仲間の所にワープできる黒魔術よ。」

畑中「どこでもドアかよ!ハッハーww」

矢内「あーもういい、俺は童帝に報告してくる。勇者、折角だから子供達と遊んでいるといい。」

勇者「はい、分かりました。」

サチ「そんなことより賢者さん、そろそろお昼の時間なのだけど…。」

矢内「…。」

 

お前は飯の事しか頭にないのか。

 

矢内「じゃあ、行ってくる。」

サチ「ちょっと、賢者さん!お昼は?お腹すいているのだけど!」

 

 

 

次は砂漠に入る、今までのようにはいかないだろう。拐われたエルフ達、砂漠の国にいるであろうビーナスって神の使い、気をつけない事がたくさんある。準備は念入りにしないと駄目だろう…。

 

サチ「ちょっと、賢者さん!お昼なのだけど!」

 

うるせー!

 

 

 

 

第10話

エルフの森の山田さん

E N D


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