決戦前日…
酒呑童子「皇帝殿ー!おるかー!」
「酒呑童子殿!いったいどうしました?陛下は城の中です。」
酒呑童子「そうか!早く通してくれ!ワシは賢者殿から伝言を預かっておるんじゃー!」
「賢者様から?分かりました!直ぐにお通しします!」
酒呑童子は矢内の伝言を伝えるべくあのあと直ぐにファンタルジニア城に出向いていた。城の戦士に案内され謁見の間にたどり着いた。
「この奥に陛下が居ます。」
酒呑童子「皇帝殿ー!」バン!
酒呑童子は勢いよく扉を開ける。
皇帝陛下「おお!酒呑童子よ、よく来てくれた!」
キサラギ「珍しいな。そなたが一人で来るとは。」
酒呑童子「悠長な事を言ってる場合じゃないぞ!ワシは賢者殿からお主達に伝言を預かって来たんじゃあ!」
酒呑童子は矢内達が砂漠の国で起こった出来事を洗いざらい説明した。
キサラギ「矢内殿は、砂漠の国の王を倒すつもりなのか…。」
酒呑童子「そうなんじゃ!ワシは…賢者殿の力になりたいんじゃが…。」
皇帝陛下「そうか…。酒呑童子よ、よく知らせてくれた。礼を言う。」
酒呑童子「礼など不要じゃ!それより賢者殿は…。」
キサラギ「こんな事になるとは…。」
皇帝陛下「心配は要らん!」
キサラギ「陛下?」
酒呑童子「皇帝殿?」
皇帝陛下「お前達、戦いは矢内に任せろ、我らがするべき事をすれば良いだけだ!」
酒呑童子「するべき事じゃと?」
皇帝陛下「矢内が勝った後にする事と言えばなんだ?」
酒呑童子「宴…。宴会じゃ!」
皇帝陛下「我らが先に準備をしないとじゃな。」
キサラギ「陛下、お言葉ですが…。」
皇帝陛下「なんだ?キサラギ、お前は矢内を信じていないのか?」
キサラギ「矢内殿は万が一負けた時の為に我々に伝言をなされたのでは…。」
皇帝陛下「矢内は絶対に勝つ。我は矢内を信じておる!」
酒呑童子「そうじゃ!賢者殿は絶対に負けん!じゃからワシは宴会の準備を進めるぞ!」
皇帝陛下「酒呑童子よ。頼むぞ!我も国の者や兵達に声をかけて砂漠の国に向かう!」
???「ハハハハハハ!この俺達を差し置いてお前達、面白そうな事を企んでいるな!」
キサラギ「何者だ!陛下!お気をつけ下さい!」
謁見の間にあるゲートが急に光だし何者かが出てきた!
ロキ「矢内の奴、また俺達に黙って面白そうな事を企んでいるな!」
マナ「私達も勿論パーティーに参加致しますわ!」
皇帝陛下「誰だ?そなた達は?」
キサラギ「あっ!そなたは!」
ロキ「おお!お前は酒呑童子の村で会ったな!しばらくだな、あの時の宴会は楽しかったよな!」
皇帝陛下「宴会?どう言うことだ?」
キサラギ「いえ、あの…。それは…。まあ、その様な事はさておき、ロキ様、どうしてここに?」
ロキ「ああ、お前達に協力してやろうと思ってな!」
マナ「そうですわ。神様であるロキ様がお力をお貸しするのです。有りがたく思いなさい。」
酒呑童子「ロキ様、そのおなごはいったい何者じゃ?」
ロキ「ああ、知らん!矢内が勝手に連れて来た。この女、なかなか面白いから俺のしもべにした。」
キサラギ「その女性は僧侶のようですが…。どう言うことなのか?」
マナ「神は面白い者の味方ですわ。貴方の様な生真面目そうな男には教えはしませんわ!」
皇帝陛下「これ、そう言わずに教えてはくれぬか?」
マナ「貴方は顔が醜悪で面白いから特別に教えて差し上げましょう。」
皇帝陛下「顔が醜悪…。」
マナ「良いかしら?わたくしは砂漠の国の教会で僧侶をしていましたの。それで砂漠の国の勇者の仲間になったのですが…。勇者の兜を手に入れるために賢者の仲間に戦いを挑んで負けてしまって…一人取り残されたわたくしは賢者にロキ様のもとに連れて来られて今に至りますわ。今はロキ様のしもべとして行動を共にしていますのよ。」
キサラギ「砂漠の国の勇者…。そなた以外の者はどうなったのだ?」
マナ「…。」
キサラギ(無視された…。)
皇帝陛下「そなたの仲間はどうなったのだ?教えてくれぬか?」
マナ「プッ。面白い顔ww!」
キサラギ「陛下を愚弄するな!」
マナ「つまらない男…。口を聞く気にもなりませんわ。」
キサラギ(腹立つ…。)
皇帝陛下「そなたの仲間の行方は知らぬのか?」
マナ「見れば見るほど面白い顔ですわ。良いでしょう。お答えいたしますわ。」
マナ「わたくしは神の世界で砂漠の国の様子を見ていましたから何でも知っていますわ。まずは、戦士のガリアスは国王と一緒に居ますわ。この男は金持ちの貴族の息子で自分の権力を得る事しか考えていないとるに足らないつまらない男ですの。勇者のアレス達も死刑にして手柄を自分の物にしようとしている屑ですわ。」
酒呑童子「その勇者達はどうなったのじゃ?賢者殿達と敵対してるのか?」
マナ「ああ、アレスね。プッww!あっ失礼いたしましたわ。少し思い出し笑いをしてしまって…。」
キサラギ「その勇者アレスはどうなったのだ?」
マナ「…。」
キサラギ(また無視された…。なぜ自分だけ…。)
皇帝陛下「で、他の仲間は?」
マナ「後、魔法使いのリリーと勇者アレスは一緒に行動してますわ。それで勇者のアレスなんだけどwwアイツ、なけなしのお金を全て使って町外れの娼婦を買いに行ったのだけどwwガチガチに緊張してね、何もしないままお金だけ取られてリリーに説教されていたのよww。ね、可笑しいでしょ?」
ロキ「アイツ、出てきたとき座り込んで泣きそうになってたもんな!ハハハ、あれは傑作だったよな!」
皇帝陛下(人の不幸を笑っている…。本当に神様なのかこの男は?)
マナ「フフフ。アイツ、出てきて言った一言が『ちくしょう…。金返せよ…。』って呟いていたのよ!半泣きでww可笑しいったらありゃしないわww。」
ロキ「『金返せよ…。』ってダハハハハハ!面白れー!今は何をしてんだそいつは?」
マナ「今日はリリーと一緒に国の兵士達に追いかけられて貧民街に逃げ込んでいましたわ!」
酒呑童子「貧民街じゃと?賢者殿が居る所じゃな。」
キサラギ「その勇者は矢内殿と敵対しているのではないのか?」
ロキ「ああ、たぶん大丈夫だ。そのアレスって奴、アホだからたぶん矢内に言いくるめられる。」
マナ「それよりパーティーの準備ですわ!鬼の貴方と不細工は町の人達を集めて砂漠の国に向かいますわよ!」
酒呑童子「しかしのう…。砂漠の国じゃと距離があるのう。」
ロキ「ハハハ!だからこのゲートを使うから砂漠の国は一瞬だ。」
皇帝陛下「おお!何とありがたい!キサラギ!留守は任せる!」
キサラギ「えっ?陛下?」
マナ「そうですわね。堅物のつまらない男は留守番にするのが一番ですわ。」
キサラギ(何故、自分だけ…。腹立つ…。)
こうしてロキ達の力を借りファンタルジニアの一同は砂漠の国に向かうのであった。
一方その頃…。
矢内「俺は町に出掛けてくる。」
山田「何処へ行くつもりだ?」
畑中「ハッハーww!また風俗か?」
矢内「違うわ!城に入るために必要な物を手に入れてくる。」
山田「必要な物?」
矢内「ああ。後で作戦を決める時のお楽しみだ。」
畑中「矢内、気を付けろよ!」
矢内「ああ、所でアイツ等はどうした?」
山田「スケットを探す為にあのゴスロリ娘が奥で何かしている。」
矢内「ああ、例のコックリさんで探しだすつもりか。」
奥からサチが出てきた。
サチ「賢者さん、私の黒魔術『フォクシーくん』よ。」
矢内「一緒だろうが…。まあいい。サチ、お前達は面が割れてるからあまり彷徨くなよ。」
サチ「分かっているわ。」
町の至る所に兵士がいる。俺達を探しているのだろう。なるべくしたっぱの弱そうな兵士に話しかけるか。俺が近づくと向こうからは話かけてきた。
「あんた、見慣れない顔だな。何処から来た?」
矢内「世界中を旅しているので何処からと言われましても…。答えにくいですね。話すと長くなりますので…。それよりこの国は兵隊さんばかりで物騒ですな。何かあったのですか?」
「ええ、前日に捕らえた異世界から来た賢者の仲間達が公開処刑の時に逃げ出されまして…。こうやって捜索をしているのであります。」
よし、俺の面は割れていない!何とかなりそうだ。
矢内「異世界の賢者?そう言えば…。」
「何か知っているのか?」
矢内「いや、もしかしたら…。」
「何でもいい!教えてくれ!今日中に捕まえないと我々が処刑されてしまう!」
矢内「ここじゃあ人目がつきますのであちらの方でお話しましょう。」
「わ、分かった!」
よし、上手く一人だけ貧民街に誘き出せた!貧民街の奥に入っていった。今はみんな働かされに行ってるから人はいない。ここら辺でいいだろう。
「おい、何処まで行くつもりだ?貧民街に入ってしまっている。」
矢内「ああ、ここら辺で良いだろう。その異世界の賢者ってのは俺だ。」
「なっ!」
兵士が剣を構えようとする。
矢内「まあ、落ち着けよ。お前、兵士でもかなりしたっぱだろ。」
「それがどうした!」
矢内「大声を出すなよ。そんなしたっぱのお前に良い話があるんだ。その剣を抜くのは話を聞いてからでも良いだろ?」
「話?」
矢内「ああ、お前は絶対に損はしないから。単刀直入に言う。俺は明日、国王や貴族を倒しにいく。だからお前は国を裏切れ。」
「なっ!何を言い出す!そんな事出来るわけ無いだろ!」
矢内「いいか?よく聞いて考えろ。まずお前の着ている鎧一式を金貨15枚で売ってくれ。」
「金貨15枚だと?そんな大金!本当か?」
やはり、金貨10枚で俺達の世界で30万円位の価値だから末端の兵士なら絶対に乗ってくると思った。
「しかし、自分には家族が居るから…。」
矢内「その辺も大丈夫だ。もし、お前が裏切ってくれたら仮に俺達が負けたとしても他国に亡命出来る手配は出来ている。もちろん、家族も一緒にだ。」
「しかし…。」
矢内「嫌なら嫌で良いけどな。俺が勝っても負けても金貨15枚だぞ。俺が勝てばお前は国を救った英雄の仲間、俺が負けても今より断然に待遇の良い国に行ける。俺に味方した方が絶対に良いだろ?他の末端の兵士にも声をかけるけど金貨15枚も貰えるのはお前だけだぞ?きっとな。」
「分かった!確かに今のままだと自分も食べる物も食べられない状態だからな。自分はあんたにかけるよ。」
上手くいった!
矢内「1つ教えてくれ。お前と同じように末端の兵士は後、どれくらいはいるんだ?」
「数は分かりませんが一部の貴族出身の兵士以外はだいたいはみんな似たり寄ったりです。今日、外で捜索している者はみんな自分と同じ末端の兵士です。」
矢内「そうか。約束の金貨だ。受け取ってくれ。」
「ありがとうございます。鎧一式をお渡しします。」
矢内「お前は今日一日ここに隠れているといい。ここだとまず見つからないだろうから。」
「そうですね。まさか、貧民街の奥に異世界の賢者が居るって思わないですものね。これには気づきませんでしたよ。」
続けて兵士に声をかけていくか。二人組か。一人は子供位の背丈だ。向こうからは近づいて来た、好都合だ。
「あんた、ここで何をしている?」
矢内「ああ、旅の途中でな。それよりもここは兵隊ばかりで物騒だな。」
「そりゃそうさ。今、この国は異世界から来た賢者って悪党が現れてな。そいつの捜索をしているのさ。」
矢内「異世界の賢者?」
「ああ、国王の勅命で今日中に捕まえないと俺達が死刑にされちまうんだ。息子も今年に兵士になったので一緒に死刑にされちまう。」
矢内「ああ…。酷い話だな。」
「おっちゃん、国王の悪口なんかを言ったら余所の国の人でも死刑になっちゃうから気を付けないとダメだよ。」
そんな簡単に人を殺すのか。絶対に許してはいけない。
矢内「…。」
「なんだ?急に黙って。」
矢内「ああ、異世界の賢者だったか…。なんか昨日怪しい奴を見たような…。」
「本当か?何処でだ?」
矢内「たしか…あっちだったかな?近くまで案内するよ。」
「おっちゃん、連れてってくれ。」
矢内「ああ、たぶんこっちだ。」
よし、かかった!他の兵士に見つからないように親子の兵士を貧民街の中に誘導した。
「おっちゃん、ここは貧民街じゃないか!」
矢内「ああ、ここなら人目につかないからな。」
「どう言うことだ?」
矢内「ああ、俺がその偉大なる賢者様だからな。」
「何!?」
「おっちゃんが…賢者?」
「なぁ…。俺達はあんたの冗談に付き合ってる暇は無いんだよ。」
「そうだよ。」
矢内「証拠を見せてやるよ。」
俺は魔法で手のひらに火の玉をだした。
「うわっ!魔法だ!」
「まさか…。本当に賢者?」
矢内「ああ、そうだ。」
兵士の親子がすかさず武器を構えようとする。
矢内「まぁ、落ち着けよ。お前達に相談がある。単刀直入に言う。俺は国王をやっつける。国を裏切って俺達に協力しろ。」
「何?そんな事、出来る訳ないだろ!」
矢内「お前達、俺を捕まえたら褒美は貰えるのか?」
「褒美?俺達はただ捕まえろとしか…。」
矢内「タダ働きか。よくやるな。」
「やらなきゃ俺達が殺されちゃうじゃんか!しょうがないだろ!」
矢内「俺に協力したら一人金貨15枚ずつやるぞ。」
「金貨15枚!本当かよ!」
子供の方が食い付いてきた。
「馬鹿野郎!俺達が国を裏切ったら母ちゃんはどうなる!」
矢内「ああ、お前達の母ちゃんは砂漠の国から避難させるから問題ない。」
「避難?国を抜けるには関所を通らないといけないじゃないか!どうするんだよ!」
矢内「小僧よく見ておけ。こうするんだ。空間転移魔法だ。」
ゲートストーンを使って誤魔化しただけだ。魔法でも何でもない。
「父ちゃん、これなら大丈夫だよ!」
「確かにこれなら…。しかし…。他の兵士の同胞と戦うのは…。」
矢内「誰が戦えって言った。お前達が着ている鎧一式を金貨15枚で売って欲しいだけだ。」
「しかし…。俺達が味方してもしあんたが負けてしまったら貴族の兵士や国王に俺達家族は処刑にされてしまう…。」
矢内「ああ、俺が負けてもお前達の亡命先は用意している。勝ったらお前達は英雄の仲間だ。」
「鎧を渡すだけで金貨15枚も…。」
「父ちゃん、協力しようよ!」
「しかし…。」
矢内「まだ迷う事があるのか?今のままだとお前達は死ぬまで理不尽に虐げられて生きていくだけだぞ。」
「…。分かった。協力する!」
矢内「ほら、金貨だ。」
「本物だ…。こんな大金…。」
「でも、子供の俺の鎧なんか要るのか?誰も着れないんじゃないのか?」
矢内「いや、むしろお前の鎧が一番欲しかったんだ。」
よし、後二つだ。俺が貧民街の外に出ると4、5人の荒くれ者の兵士が待ち構えていた。
「よう!お前が賢者だな?」
不味いバレてる!
矢内「賢者?俺がそんな偉い奴に見えるのか?人違いだよ。」
「誤魔化そうとしてもそうは行かんぞ。俺達はさっきの親子とのやり取りを見ていたんだよ。」
矢内「…。俺を捕まえるのか?」
「ここじゃ目立つ。奥に入っていけ。」
俺は言われた通りに貧民街の奥に入っていった。
「よし、誰か貴族の兵士が来ないように見張っておけ。」
「分かった。」
矢内「何のつもりだ?見張りなんか立てて。」
「お前、本当に国王や貴族を倒すつもりなのか?」
矢内「…。」
どう答える?下手したら殺される…。
「殺されたくなかったら答えろよ、言い方を変える。お前側に就いたら国王や貴族に一泡吹かす事が出来るのか?」
矢内「…。どういうつもりだ?」
「俺達は金なんかいらねえ。あの国王や貴族共を倒せるなら命なんて惜しくねえ。勝てる見込みがあるなら一緒に戦いたい。」
矢内「駄目だ。」
「何!俺達はお前が交渉していた奴等より戦える!命なんて惜しくねえ!」
矢内「命が惜しくないだと?ふざけるな。戦争なんてしたら泣くのは弱い奴等だ。勝っても負けても弱い奴等が泣かない為に俺は作戦を立てているんだ。」
「でも、もう俺達はアイツ等の言いなりになるのはウンザリだ。お願いだ、手伝わせてくれ!」
矢内「分かった。お前達も覚悟を決めて来たんだろう。」
「じゃあ!」
矢内「ああ、協力してもらう。まずは鎧一式が後二ついる。貸してくれ。」
「ああ!」
矢内「それから、中に素通りできるように城の門番を仲間に引き入れたい。」
「それなら大丈夫だ。俺が明日、門番の日だから。」
矢内「よし、それならばっちりだ。中に入れたら後は国王を捕まえるだけだからな。」
「それだけ?他には?」
矢内「貴族の兵士、ガリアスだったか。勇者アレスと一緒にいた。」
「今までも待遇が悪かったがアイツが隊長になってから更に酷くなってな。少しでも気に入らない事があったらすぐに市民や貧民を処刑にしやがる。」
矢内「アイツは雑魚だ。ビックリするぐらい弱い。どうせ国王の勅命だとか言って誰も逆らえないようにしていたのだろう。」
「えっ?アイツ、弱いの?」
矢内「ああ、勇者一向と戦う時に一番始めに倒した。瞬殺だったな。」
「嘘?でも、アイツの周りに用心棒が居るぞ。」
矢内「まあ、貴族なんて国王の後ろ楯が無くなったらすぐに逃げ出すさ。取りあえず貴族共は放って置けばいい。こういうのは戦う数が少ない方が成功するんだよ。」
「そういうものなのか?」
矢内「まあ、夜になったら作戦会議も兼ねてお前達の家族も連れて貧民街に来てくれ。」
「家族も?」
矢内「そうだ。お前達の家族もちゃんと守らないとダメだろ?」
「家族も助けてくれるのか?」
矢内「何を言ってるんだ?当たり前だろうが…。」
「そこまでしてくれるのか…。荒くれ者の俺達に…。賢者様!俺達は今後何があろうとあんたに生涯忠誠を誓います。」
矢内「そう言うのは止めてくれ。夜に必ず来いよ!」
「はい!賢者様!」
荒くれ者の兵士達は俺に敬礼して勤務に戻っていった。そうだ時間もあるし一度自分の世界に戻って食材を揃えておこう。