夜が明けた…。
矢内「よし、行くぞ。」
勇者「はい、賢者さま。」
兵士の鎧兜を着て砂漠の城に向かう。動きにくい…。なかが蒸れて暑苦しい…。
矢内「よくこんなの着てられるな。」
「兜まできっちり被っているからですよ。慣れたらそうでもないですよ。」
サチ「そんなものかしら?」
山田「中に入るまでの辛抱だ。さっさと行くぞ。」
エリカ「アリマ君は?」
矢内「俺の異次元袋の中だ。いつでも出れるように待機している。」
そうこうしている内に砂漠の城にたどり着けた。そのまま中に入る。門番も俺達の味方だから素通りだ。
「賢者様、ご武運を。」
矢内「ああ、任せておけ。明日はパーティーだ。派手に楽しもうぜ。」
「ハッ!」
兵士が俺に敬礼して門を開けてくれた。
勇者「賢者さま、明日はパーティーなのですね。」
エリカ「楽しみだな!」
矢内「ああ、その為に今日は絶対に勝とう。」
サチ「そうね。」
山田「お喋りはそれまでだ。行くぞ。」
矢内「そうだな。」
中に入ると兵士達が並ばされている。俺達も同じように並ぶ。上の階から誰か降りてきた。ガリアスと大臣だ。
ガリアス「お前達!国王陛下のお言葉だ!心して聞け!」
くそ弱い雑魚が何を偉そうにしている。上からまた誰か降りてきた。派手な服に指には宝石がちりばめた指輪をたくさんしている。
国王「異世界の賢者、及び裏切り者の勇者アレスは見つかったのか!貴様等!昨日1日何をしていた!さっさと探しに行け、役立たず共が!」
「ハッ!」
ほとんどの兵士達が城の外に出ていった。残った兵士は俺達を除くと10人位だ。俺達以外は全員貴族の出身の奴等だな。
ガリアス「貴様等!何をしている!とっとと行かんか!」
もう良いだろう。この鎧兜も暑苦しいし脱いでしまおう。
矢内「お前達、もうこれ脱いで良いぞ。おい、貴族の糞餓鬼。前に俺は次に俺の仲間に偉そうにしたら魔法で焼き殺すと言ったよな!覚悟はいいな!」
国王「なんだ?ガリアス、貴様部下の躾が出来ていないようだな。」
ガリアス「へ、陛下。申し訳ありません。貴様、この国の兵士ではないな。何者だ!」
俺達は鎧兜を脱ぎ捨てた。
矢内「ああ、俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ!」
山田「ダサいポーズを決めてダサい台詞を吐くな。三十路過ぎの男が恥ずかしいと思わないのか。」
国王「賢者だと!我が神に逆らう愚か者め!ソイツ等を絶対に捕らえろ!抵抗したら殺しても構わん!殺れ!」
ガリアス「誰か!先程出ていった兵を呼び戻せ!俺は陛下を安全な場所にお連れする!」
「ハッ!」
兵士の一人が外に出ていった。ここからは短期決戦だ。
山田「矢内、私達は牢に向かう。あの小僧は私が躾をする。残して置けよ。」
矢内「だったら急いで行くのだな。でないと俺達が先にやっつけてしまうぞ?」
山田「口の減らない男だ、相変わらずだな。矢内の娘、行くぞ!」
勇者「は、はい!賢者さま、行ってきます!」
「賢者様、ご武運を!」
矢内「ああ、しっかり頼むぞ!」
「はい!」
山田達は作戦どうり牢に居るであろうエルフ達を助けに行った。
「何人か逃げたぞ!」
「放っておけ!先に賢者を倒すぞ!」
サチ「賢者さん、囲まれたわよ。」
矢内「強行突破だ。サチ、エリカ着いてこい!行くぞ!必殺!『ヤナイフレイム!』」ゴォォォォォ!
俺は前方に炎の魔法を出した。
「うわっ!魔法だ!」
「不味い!」
前方の兵士達が驚いて尻餅をついた。今のうちに階段をかけ上がる。
矢内「行くぞ!一気にかけ上がる!」
サチ「ええ!」
エリカ「…。」
階段を上がった所でエリカが立ち止まった。
サチ「エリカさん!止まらないで!」
エリカ「賢者!サチ!ここの兵士達はあたしが食い止めるよ!」
矢内「馬鹿野郎!何を言い出す!」
エリカ「賢者!あたしはこんな奴等に負けないよ!だから行って!賢者達が作戦を立てられるようにあたしが前に出て戦うんだ!」
サチ「分かったわ…。賢者さん、行きましょう!エリカさん、明日のパーティー精一杯楽しみましょう!だから、死なないで…。」
エリカ「分かった!あたしはファンタルジニアの戦士 エリカ!お前達の相手はあたしがしてやる!何処からでもかかってこい!」
矢内「…エリカ、すまない。1つ目、早くなってしまったが出番だ。エリカを守ってくれ。」
俺は異次元袋を開けてアリマ君を外に出した。
アリマ君「キー!(任せてよ!)」
エリカ「アリマ君!」
「またあの魔物だ!」
「かかれー!賢者の仲間は全員倒せ!」
兵士達がエリカに襲いかかる!
エリカ「行くぞぉ!」
アリマ君「キー!」
サチ「賢者さん、行くわよ!」
矢内「ああ!」
俺とサチは階段を昇りきり2階に上がった。