わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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砂漠の国の大決戦 3

2階にかけ上がると大広間になっている。三階に上がる階段が奥にある。階段から3人降りてきた。体格の良い強そうな兵士だ。

 

「コイツらがガリアス様に逆らう連中か!」

「女も居るぜ!あの女、俺の物にする!お前ら手を出すなよ!」

「うるせえ!早い者勝ちだ!」

 

いきなり一人、俺達に突進していた。

 

サチ「人間の屑が相手だと手加減しなくて良いから助かるわ。行くわよ。エン…ト…トライ…スマッシュ!」バチン!

「グワー!」グシャ!

 

突っ込んできた男がサチのビンタを喰らって物凄い勢いで壁にめり込んだ。

 

サチ「次はあなたね。黒魔術『カーズ マリオネット!』」

「なんだ?体が勝手に動く!」

「おい!何をする!止めろ!」

「違う!体が勝手に動くんだ!」

 

サチの黒魔術で二人が同時打ちを始めた。

 

サチ「賢者さん、今がチャンスよ。上の階へ行って!」

矢内「ああ!」

 

俺が上の階へ向かおうとしたとき下の階から2人の兵士が上がって来た。

 

矢内「何?まさか?」

サチ「嘘…。下から来たって事は…。」

 

驚く俺達を無視して兵士が大声を上げる。

 

「伝令!貧民街で反乱が起きました!奴等は勇者アレスの軍と名乗り貴族達を倒してこちらに向かっております!」

「反乱だぁ?兵士は何をしている!逆らう奴は殺してしまえ!この様にな!」

 

サチが操っていた男が剣を貫かれて殺された!

 

サチ「まさか…。味方を簡単に殺すなんて…。」

「女!貴様は絶対に殺す!」

サチ「く、来る。」

「お待ちください!ただいまアレスの軍は味方を次々と増やしており貴族の家は全て破壊して今度は教会を襲う所です!その後はこちらの援護に向かいます!」

 

ん?こちらの援護に向かう?

 

「ガリアスの屋敷は無事か?」

「特にアイツの屋敷は徹底的に破壊しました!金目の物も全て奪いました!」

サチ「賢者さん、まさか?」

矢内「ああ、アレスにそんな事出来る訳ねえ。アレスは上手いこと畑中に担がれたんだな…。アイツ、街の人を巻き込みやがった…。」

「全て奪った?俺の雇い料は払えるのか?アイツは。」

「さぁ?で、そんなことより我々はどちらの援護に向かったら良いでしょうか賢者様?」

サチ「ええ、アイツが邪魔で賢者さんが上に上がれないから私の援護をお願いするわ。」

矢内「お前達、下から来たよな?エリカはどうした?」

「ハッ!エリカ様は下で戦っております。貴族の兵士もほぼ倒されている状態でもうじき方がつきそうです。」

矢内「そうか…。よかった…。」

「貴様等!まさか賢者の味方か?」

矢内「今頃気づいたのか。で、お前達はどうする?どうせその刺された男も死んでいないのだろ?」

「くそっ。バレていたのか。」

矢内「お前達、ガリアスにいくらで雇われた?」

「(多目に言っておくか。)金貨5枚だ!」

矢内「お前達、ガリアスを裏切れ。俺だったら3倍の15枚をやるぞ?」

「本当か?」

「よし!乗った!(本当は金貨2枚だけど…こっちに付いた方が特だ!)」

「よし!あんたに味方するぜ!(今の流れだとどうせこの国は負けるだろうしな!金貨15枚、ラッキー!)」

矢内「よし!上の階へ行こう!」

「オー!」

サチ「また味方が増えた…。」

矢内「そうだ、畑中から何か伝言があるだろ?」

「え、ええ。お前が死んだら次は俺が主役になるから安心して死ねと…。」

矢内「ハハハ!ますます死ぬ訳には行かなくなったな!」

 

仲間を増やして3階にかけ上がって行った!

 

 

 

 

 

畑中「矢内への伝令はそろそろ着いた頃だな。次は教会だ!」

「オー!」

 

アレスの軍は次々に国民を味方につけていき何百人もの大人数になっていた。

 

リリー「どんどん人が増える…。」

アレス「ああ…。」

畑中「アレス!ボーっとするな!指揮官のお前が号令をあげなくてどうする!」

アレス「ああ、そうだった。みんな!次は高い税金を払わすだけ払わして何も助けてくれなかった教会を攻めるぞ!」

「オー!勇者アレスに続けー!」

「教会の連中も許すなー!」

 

アレスが先陣をきって教会のドアを開ける。すると教会の司祭達が我先にと出てきた。

 

「助けてくれ!殺される!」

アレス「なんだ?」

リリー「どういうこと?」

「おお!そなたは勇者アレス!助けてくれ!我らが神の使徒マナが見知らぬ男を連れて来て乱心してしまった。助けてくれ!マナに殺される!」

リリー「マナ?アイツ、生きていたんだ…。」

 

奥からロキと返り血を浴びたマナが血塗れのフレイルを振り回しながら出てきた。

 

マナ「あら?アホのアレスじゃありませんこと?」

アレス「誰がアホだ!」

リリー「マナ!あんた今まで何処にいたのよ!それに血塗れになって何をしているのよ!」

マナ「わたくしは今まで神の国であなた達の事を見ていました。そこのアホのアレスが娼婦に金を騙し取られた事も知っています。」

ロキ「お前、出てきて泣きそうになってたもんな!ダハハハハ!」

アレス「止めろよ!」

畑中「ハッハーww!アレス!お前もパフパフ行ってたのかよ!ハッハーww!」

アレス「笑うな!ちくしょう!」

マナ「フフフ、いつ思い出しても本当に可笑しいですわ。出てきて一言『ちくしょう…金返せよ…。』ってww!」

ロキ「ダハハハハ!金返せって!お前が悪いんだろうが!ダハハハハ!」

畑中「ハッハーww!どうせ安いコース選んだんだろ!ハッハーww!」

アレス「ちくしょう!笑うな!全財産だったんだぞ!」

畑中「ハッハーww!パフパフで全財産使うって!どんだけアホなんだよ!ハッハーww!」

アレス「俺の事は良いだろ!お前達は何をしているだよ!」

マナ「そうですね。わたくしのアイデアでこの駄々っ広い教会を取り壊して巨大カジノにするのですが、ここにいる下らない連中がわめき散らすので処刑にするところですのよ。」

リリー「何を言ってるの?コイツ、アホなの?」

アレス「教会をカジノに?頭おかしいのか?」

「あれだけ神の教えに殉じていたマナがおかしくなってしまった。」

マナ「わたくしの神、ロキ様は面白い者の味方です!下らない連中は全員処刑ですわ。」

畑中「ハッハーww!この女、バカじゃねえのか?」

ロキ「なっ!この女面白いだろ!」

畑中「ハッハーww!お前の影響じゃねえか!」

アレス「こんなのと一緒に旅をする所だったのか…。」

リリー「本当に途中でどっかに行ってくれて良かったわ…。」

マナ「所で、あなた達は何をしにここへ来たのですの?」

アレス「ああ、国民を虐げてたお前達教会の連中を倒すためだ!」

「何?」

 

アレスに助けを求めに来た司祭達が困惑の表情を見せる。

 

「勇者よ!そなたは何を言ってるか分かっているのか!」

「そうですぞ!我らが神に対する反逆行為ですぞ!」

リリー「そのあなた達の神様ってはいったい何をしてくれたのよ!その日一日食べる物もない人達からお金をむしりとっていただけじゃない!」

「貴様!ただの平民が神を愚弄するのか!」

リリー「ただの平民がですって!ふざけないで!困っている人達に対して何もしてこなかった人間が偉そうにしないでよ!」

アレス「俺達に神様なんて必要ねえ!虐げられた人々の恨みだ!覚悟しろ!」

マナ「フフフ。あなた達、なかなか面白い事を言いますわね。」

「おお、マナよ。あの者達を…。」

 

グシャ!マナがフレイルを振り回し司祭の頭をかち割った。

 

「マ、マナ!何を…。」グシャ!

 

マナが次々を司祭達の頭をかち割っていく。

 

マナ「コイツで最後ですわね。」グシャ!

アレス「お、おい!」

マナ「良いでしょう。アレス、リリーあなた達に力を貸しましょう。神は面白い者の味方です。下らない事を抜かす司祭達はわたくしが全て処刑にしました!さあ!皆さん!ここにある食糧を全て運び出すのです!」

「オー!」

 

後続でやって来た市民達が奥から食糧を運び出す。

 

「教会の連中、こんなにも食糧を隠し持っていた!」

「なんて奴等だ!」

マナ「あなた達!その食糧は明日の祝勝パーティーで使います!丁重に運ぶのです!」

「はい!」

マナ「残りの者達はアホのアレスと共に城を攻めましょう!」

「オー!」

畑中「アレス!なんかいろいろあって拍子抜けしたが最後だ!城を攻める号令を上げるんだ!」

アレス「そ、そうだった!よし!みんな!最後だ!城を攻め、俺達を虐げた国王を倒すんだ!俺達に続けー!」

「オー!アホのアレスに続けー!」

 

アレスの号令と共に皆城を目指して突き進む!

 

畑中「よし!行けー!」

ロキ「待て、ブ男!」

畑中「おう、ロキか。すまねえな助けてくれて。矢内に変わって礼を言うよ。」

ロキ「早速俺が与えた力を上手く使っているな。」

畑中「なんだ?お前の力って?」

ロキ「ああ、俺がお前に与えた力ってのはお前の魂の叫びで人々の心を突き動かす。」

畑中「は?」

ロキ「お前がこの国の人間達を動かしているんだよ!あのアホのアレス達に人が動く訳ないだろ!」

畑中「マジか?ハッハーww!無敵じゃねえか!」

ロキ「ああ、自分勝手な使い方したらお前、反動で死ぬから気を付けろよ!」

畑中「ハッハーww!死ぬって!」

ロキ「忠告したからな。」

畑中「え?マジ?」

 


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