わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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砂漠の国の大決戦 4

「この扉の奥が牢屋になります。」

山田「そうか。中の兵士に見付からないように行くぞ。」

勇者「分かりました。」

「俺が前に行きます。」

山田「そう言えばお前、名前を聞いていなかったな。」

「…。と、」

勇者「と?」

「トンヌラです。あー!だから言いたくなかったんだよ!」

山田「トンヌラか。私達と共に来てくれて感謝する。」

トンヌラ「あんた…。俺の名前を聞いて笑わないのだな。」

山田「笑うものか。お前の親がつけてくれた名だ。もっと誇りを持て!良い名ではないか。」

勇者「トンヌラさんですね。わたしは一国の勇者です。一緒に来てくれてありがとうございます。」

トンヌラ「ああ、お嬢ちゃん!よろしくな!」

 

わたし達は扉を開けて中に入っていきました。狭い通路を歩いて牢屋に出てきました。エルフの女の人達が中に入れられています。小さい子もいます。

 

トンヌラ「見張りが二人いますね…。」

山田「ああ、隙をついて一人ずつ倒して行くか。どちらかが動くまでじっとまって…」

勇者「あなた達!どうしてエルフの人達を閉じ込めるのですか!出してあげてください!」

トンヌラ「お嬢ちゃん!勝手に出て行っちゃ駄目だろうがー!」

「なっ!なんだ貴様ら!どうやって入って来た!何者だ!」

勇者「わたしは一国の勇者です!エルフの人達を出してあげてください!」

「勇者?まさか?異世界の賢者の仲間?何故ここに?」

山田「矢内の娘、お前のお陰で正面から戦う羽目になった。」

勇者「わたしのお陰ですか?」

トンヌラ「褒めてるんじゃねえ!」

山田「まあいい。私はエルフの民を助けに来た。武器を置いて立ち去ればお前達は助けてやってもいい。」

「武器を置いてだと?笑わせるな!エルフの女で楽しもうと思っていたがこれはラッキーだぜ!お尋ね者のお前達を国王に差し出したら俺達は大出世だ!」

山田「残念だ。トンヌラ、右側の奴は任せる。」

 

山田さんが素早く左側の兵士の人の腕を押さえ込みました。

 

「ぎゃぁぁぁぁ!腕が!」

山田「ふん!」ゴキ!

「ぎゃぁぁぁぁ!」

山田「右腕の関節を外させてもらった。武器を持たれたら面倒なのでな。」

「この女!」

トンヌラ「甘い!」ガキーン!

 

剣を抜いた兵士の人をトンヌラさんが受け流して兵士の人を押さえつけました。

 

トンヌラ「賢者様の言った通りだ。貴族の連中は大したことない!」

山田「剣を握れないようにソイツの腕の関節も外させてもらおう。」ゴキ!

「ぎゃぁぁぁぁ!腕がー!」

山田「よし、この二人は空いてる牢屋に閉じ込めておけ。」

勇者「分かりました。」

トンヌラ「あ、ああ…。(美人なのにおっかねぇ…。)」

 

兵士の人達を牢屋に入れてエルフの人達を無事に助けることができました。

 

「あ、ありがとうございます!」

「助けてくれてマジ感謝!」

「おねぇちゃん達、ありがとう!」

山田「礼はいい。私はエルフの民達に恩がある。これぐらいの事は当然だ。」

「あれ?ライアン所にいる客人じゃね?ウケるww。」

「あっ!本当だ!」

「ウケるww。」

山田「…。イベサーのエルフか…。まあいい。お前達、砂漠を歩かされて辛い思いをさせてしまったな…。」

「はぁ?ウチ等は砂漠なんて歩いてねぇし!客人、マジウケるww!」

「王様に連れられて地下を歩いて来たんだよ!」

山田「地下を?どういうことだ?」

「ウチ等、なんも知らねえし!マジでウケるww!」

山田「…。お前は黙ってくれ。」

「ジワるww」

「地下を歩いて来たらここについていきなり牢屋に入れられたの。凄く怖かった…。おかあさんの所に帰りたい…。」

トンヌラ「どうやら隠し通路があるみたいですね。この二人に聞いてみましょう。」

山田「ああ。」

勇者「あっ!なんかここ出っぱっています!押してみましょう!」

 

わたしが壁の出っぱりを押すと通路が出てきました。

 

山田「これだ!矢内の娘、よくやった!皆!森に帰るぞ!」

 

 

 

 

わたし達は牢屋で見つけた隠し通路を通っています。助け出したエルフの人達と一緒です。

 

勇者「暗い所ですねぇ。」

トンヌラ「みんなはぐれないようにまとまって動きましょう。」

山田「皆、何が出て来るか分からない。気を付けろよ。」

勇者「あっ!わたし、賢者さまからいただいた頭につける灯りがありました。これを使いましょう。」

山田「簡易の懐中電灯か。」

 

わたしは賢者さまからいただいた灯りをつけました。

 

トンヌラ「なんだそれは!いきなり灯りがついた!」

「チビッ子頭光ってるし、ウケるww。」

勇者「えっ?」

「まぶしっ!こっち見んなし!」

山田「LEDライトか。これなら遠くまで見渡せるな。」

勇者「そうですね。では、気を取り直して行きましょう。」

 

隠し通路を進んで行くと行き止まりです。あっ!壁にまた出っ張りがあります。

 

勇者「また、出っ張りがあります。」

山田「待て、壁の奥から声が聞こえる。少し聞き耳をたてて様子を見てからにしよう。」

 

山田さんの言うとおりに壁に聞き耳をたてました。

 

「聞け!エルフの民達よ!今、異世界から来た賢者が砂漠の国を滅ぼそうとしている!このままでは全ての国は賢者に滅ぼされる!そして!今!砂漠の国の王から我らの民を誘拐した犯人は賢者だとの情報を得た!我らが民を誘拐し他国を滅ぼそうとする賢者を倒す為に皆、出陣せよ!」

「賢者様が?」

「はぁ?ヤナピッピがそんな事絶対にしねえし!」

「お前達はあの賢者に騙されているんだ!わしの言うことは絶対だ!」

「えっ?ヤナピッピが?」

「そうなのか?」

ライアン「みんな!賢者様はそんな事はしないッス!今、賢者様達は拐われた人達を探す為に色々な国に頼みに行ってるッス!」

「貴様!わしの言うことが聞けないのか!」

ライアン「聞けないッス!賢者様は国王の言うことは絶対に聞くなって言ってたッス!」

「貴様ー!コイツを引っ捕らえろ!」

ライアン「放すッス!みんな、客人や賢者様を信じるッス!客人は必ず拐われた人を助けるって約束してくれたッス!」

「暴れるな!大人しくしろ!」

 

何やら壁の向こうでもめています。

 

山田「矢内の娘。急いで壁の出っ張りを押して向こうに出るぞ!ライアンが危ない!」

勇者「は、はい!」

 

わたしは壁の出っ張りを押して隠し通路を開けました。なんと、エルフの国の王さまの所に繋がっていました。

 

山田「国王よ、お前が砂漠の国の王に売り飛ばしたエルフの民は無事に連れて戻ってきたぞ。ライアンを解放しろ!」

「なっ!貴様等は!」

ライアン「客人が帰って来てくれたッス!無事で良かったッス!」

山田「ライアン、よく私達を最後まで信じてくれた。感謝する。」

「えっ?壁が開いた?」

「あっ!帰ってこれた!おかあさーん!どこー!」

「ここ、国王の屋敷だし!ウケるww!」

「あっ!みんな帰ってきた!」

山田「皆!拐われた人達は私達が解放した!全てはエルフの王と砂漠の国の国王が拐った者を生け贄にする為に仕組んだ事だ!」

「女!わしに対する恩を仇で返すのか!何を証拠にわしを愚弄するか!」

山田「この期に及んでまだしらを切るつもりか?ならばここにいる者に聞けばいい!」

「コイツ、ウチ等を騙していたの?マジありえねえし!」

「王は我らを騙していたのか?」

「はぁ?コイツ、マジでねえわ!みんなでコイツをポコパンしようぜ!」

「禿げ同ー!」

 

真相を知ったエルフの人達が王さまをボコボコにしています。

 

「いたっ!止めんか!た、助けてくれ!わしは王だぞ!」

「はぁ?知らねえし!お前みたいな奴、ポコパンするに決まってるし!」

「禿げ同ー!」

「貴様ら!止めろ!止めてくれ!きゃ、客人よ!助けてくれ!頼む!」

山田「止めるんだ、イベサーチームのエルフ達。」

ライアン「客人!どうして止めるッスか!コイツのせいでみんな辛い思いをしたのに…。」

山田「私は止めろと言ったが許すとは一言も言っていない。誰か!国王を縛り上げ牢に放り込め!たとえ何を言っても絶対に出すなよ!」

「ハッ!客人殿の仰せの通りに!」

「貴様等、ただですむと思うなよ…。」

山田「黙れ、砂漠の国を救ったら次は私利私欲の為に人々を利用していたお前の番だ。逃げられると思うなよ。」

「ッ…人間の女め。国王のワシに対して…」

山田「何が王だ。お前に人々の上にたつ資格はない。連れて行ってくれ。」

「ハッ!客人殿。」

 

エルフの王さまは縛り上げられ牢屋に放り込められました。

 

「客人殿ありがとうございます!」

山田「私は世話になった恩を返したまでだ。礼はいい。」

トンヌラ「この通路がエルフの国に繋がっていたとは…。」

勇者「みんな、助け出せて良かったですねぇ。」

山田「いや、まだだ。助け出せたのは最近連れて行かれた者だけだ。しかし、王は捕らえたから今後エルフの娘が拐われる事は無いだろう。」

「ありがとうございます!」

山田「礼は不要だ。私はあなた達に恩がある。それを返したまでだ。」

トンヌラ「あんたといい賢者様といい、すげえよな。」

山田「何がだ?」

トンヌラ「人を助けるのに恩をきせる訳でもなく当たり前の事の様に振る舞うなんて普通は出来ないぜ。あんたや賢者様のような方が王さまだと誰も辛い思いをしなくてすむのにな。」

山田「フッ…。矢内が王さまなんかになったら毎日祭りで国がメチャクチャになってしまうぞ?」

勇者「毎日お祭り楽しそうですねぇ。」

山田「毎日楽しいだけでは国のリーダーは勤まらない。矢内達はまだ戦っているはずだ。そろそろ私達は戻るか。」

ライアン「客人!自分も一緒に行くッス!」

トンヌラ「遊びじゃないんだぞ!戦いだぞ!」

ライアン「だから自分が客人を守るッスから大丈夫ッス!」

山田「ライアン、心遣いはありがたいが…余所の国の事だ。」

ライアン「自分達は仲間を連れ去られた恨みもあるッス!」

「だったらウチ等もソウルメイトのヤナピッピを助けに行くしょ!ウチ等の仲間を連れ去った奴等はみんなポコパンするっしょ!」

「禿げ同ー!」

山田「いや、気持ちは分かるが…。」

 

山田さんが困っているとエルフの兵士の人が言いました。

 

「客人殿、ご迷惑をかけるかも知れないが彼等だけでも連れて行ってはいただけないでしょうか?共に行きたいみんな同じです。誰もがあなたの力になりたいのです。」

山田「あー、分かった、共に来てくれ。言っても聞きそうにないからな。」

トンヌラ「大丈夫かよ?コイツ等、強そうには見えないが…。」

ライアン「自分達は誇り高きエルフの戦士ッス!お前なんかよりは強いッス!客人は自分が守るからお前は家に帰っていいッスよ!」

トンヌラ「何だと!そんなチャラチャラしたお前が俺より強いだと!」

山田「トンヌラ、止めぬか。ライアン、トンヌラは見た目は荒くれものだが義に厚い男だ。それに私達を助けてくれている。そう邪険に扱うな。」

トンヌラ「分かった、争うのはコイツではなくて砂漠の国の王達だからな。」

ライアン「客人が言うなら少しは信用するッス。でも、もし客人に何かしようとしたら自分がやっつけてやるッスよ!」

トンヌラ「…。(コイツ、この美人の姉さんに惚れているんだな。)ああ、分かった分かった。俺は賢者様に忠誠を誓っている。だから仲間の勇者のお嬢ちゃんと美人の姉さんは命に代えても守りぬくつもりだ。」

ライアン「まあ、いいッス。」

「まあウチ等みんなで今からテンアゲマックスでかち混むっしょ!」

勇者「皆さん、よろしくお願いします。」

山田「すまない!イベサーチームの者達、私と共に来てくれ!砂漠の国の民を助ける為に力を貸してくれ!」

「アゲポヨー!」

 

賢者さま、さっちん、エリカにゃん、わたしが今から助けに行きます!待っていてください!

 

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