わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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砂漠の国の大決戦 6

山田「案外エルフの森と砂漠の国は近かったのだな。」

トンヌラ「この地下道を通れば30分もかからなかったですね。」

勇者「わたし達が暑い思いをして歩いたのは何だったんでしょうか…。」

 

わたし達は急いでお城に戻ってきました。通路を抜けて大広間にたどり着きました。

エリカにゃんが兵士の人達と戦っています!無事で本当に良かったです。早く助けにいかないと!

 

勇者「エリカにゃん!大丈夫ですか!」

ライアン「エリカ!助けに来たッス!」

エリカ「あっ!勇者!ライアン!コイツらメチャクチャ弱いからあたしは大丈夫だよ!」

アリマ君「キー!」

「さっき逃げた奴等が戻ってきた。」

「こっちは女一人と魔物一人に大苦戦しているのに…。」

 

外が騒がしくなってきました。誰かがこっちに向かって来ているのでしょうか?

 

「援軍だ!」

「やっときたか!」

「お前達もこの数には勝てまい!」

 

お城の門が開き沢山の人達がなだれ込んで来ました!

 

アレス「行けー!後は国王を倒すだけだー!」

リリー「みんなー!後少しよ!」

「オー!」

畑中「ハッハーww!貴族の兵士を全員捉えるんだ!行けー!」

「オー!」

 

なだれ込んで来た人達の中に屑野郎さんがいます!

 

畑中「ハッハーww!勇者ちゃん!助けに来たぞ!」

山田「畑中!なんだ、この騒ぎは!」

畑中「山田さんか!そっちは上手く行ったみたいだな!」

山田「ああ!無事エルフの娘達は助け出せた。」

畑中「よし、ここは俺達に任せて勇者ちゃん達は先に進むんだ!」

勇者「は、はい!」

エリカ「よし、上に行ってサチと賢者を助けに行こう!」

山田「畑中、ここは任せる。」

畑中「ハッハーww!山田さん、矢内を頼む!」

山田「ああ、分かった!」

リリー「あっ!お姉さん!無事で良かった!」

山田「二人とも、私達に力を貸してくれて感謝する。」

アレス「ああ!姉さんには一宿一飯の恩があるしな!ここは俺達に任せてくれよ!」

山田「よし、我々は矢内の援護をするために上に上がる!誉れあるエルフの戦士達!私と共に来てくれ!」

ライアン「みんなー!客人に続くッスよ!」

「テンアゲマックスで行くっしょ!」

「マジ卍ー!」

 

私達は兵士の人達は屑野郎さんに任せて上にいる賢者さまとさっちんを助けに行きました。

 

畑中「よし、勇者ちゃん達は行ったな…。」

「待て!俺達は降参する!命だけは助けてくれ!」

リリー「駄目よ。あんた達の為にどれだけ国の人達が辛い思いをしてきたと思っているのよ!」

「違う!悪いのは国王とガリアスだ!」

アレス「てめえ等!都合が悪くなると人のせいか!お前達に虐げられてきた人達の無念を思いしれ!」

畑中「よし、コイツらを縛り上げろ!」

「はい!」

 

わたし達は下の兵士さん達は屑野郎さんにお任せして上に向かっています。

 

ライアン「まだ階段があるッス。」

トンヌラ「国王の玉座は4階だ。」

勇者「あっ!誰かが壁にめり込んでいます。」

トンヌラ「こいつはガリアスの用心棒の男だ…。死んでる…。」

 

ドーン!上で何かが壊れる大きな音がしました。賢者さまとさっちんが心配です。

 

山田「先を急ぐぞ。」

勇者「は、はい!」

 

階段を上がり3階に着きました。さっちんがいました。

 

勇者「さっちん!」

サチ「あら?みんな、早かったわね。」

エリカ「サチ、大丈夫だったか?」

サチ「ええ、私は大丈夫よ。魔力は尽きかけているけど。それよりも私に協力してくれたみんなが気絶しているから介抱してもらえるかしら?」

トンヌラ「ああ、って!この二人はガリアスの用心棒の奴じゃないか!」

サチ「ああ、そうね。でもこの二人は賢者さんがお金で買収したから今は私達の仲間よ。」

山田「金で簡単に寝返ったのか。」

サチ「ええ、話してみると根は悪い奴ではなかったわ。」

ライアン「分かったッス!ここの人達の手当ては自分達に任せるッス!」

山田「そうか。ここはライアンに任せて私達は上に行くぞ。」

勇者「はい、ライアンさんお願いします。」

エリカ「待って!」

 

壁が崩れて何かが出てきました!

 

「藁助!大丈夫?無理しないで。」

サチ「まさか?フルパワーで放った黒魔術を喰らって立ち上がるなんて…。」

「何あれ?ボロボロじゃね?ウケるww!」

山田「なんだ?あの藁人形は?」

サチ「みんな!油断しないで!アイツ1体にみんながやられたのよ!」

山田「所詮は藁人形だ。エルフの戦士達よ。火矢だ。全員藁人形に向けて一斉掃射!」

「アゲポヨ~!」

 

エルフの人達が山田さんの指示でボロボロになった藁のお人形に火矢を放とうとしています。

 

「止めてー!藁助を殺さないでー!」

 

わたしと同じくらいの年の女の子が藁でできたお人形さんの前に庇うように立ち塞がりました。

 

サチ「みんな、遠慮は無用よ。射って!今倒さないと後が厄介よ。」

山田「射て!」

 

エルフの人達が放った火矢が女の子と藁のお人形さんに襲いかかります。

 

エリカ「ソイツを倒したらダメだよ!」

 

エリカにゃんがお二人の前に出てレイピアで火矢を全て弾き飛ばしました。

 

サチ「エリカさん!何をしてるのよ!弱っている今ソイツを倒さないと!」

エリカ「ダメだよ!この子はあたしと同じだ。その藁のでかい奴はこの子の大事な友達なんだよ!」

サチ「敵なのよ!分かるでしょ!」

エリカ「でも…。悪い奴じゃないよ。悪い奴だったら友達の為に盾になったりしないよ。お前ら、大丈夫か?」

「な、なんで…。」

エリカ「なんで?だって大事な友達が酷い目にあったら嫌じゃん!」

 

エリカにゃんは笑顔で女の子に答えました。

 

「敵なのに…。どうして…。」

エリカ「だったらあたしと友達になろうよ!そうしたら敵じゃなくなるじゃん。お前、名前は?」

「アリサ…。」

エリカ「そっちのデカイ奴は?」

アリサ「藁助…。」

エリカ「そっか!アリサと藁助だな!あたしはエリカ!それでこっちのアリマ君はあたしの一番の友達なんだよ、よろしくな!」

アリマ君「キー!」

山田「この娘はキサラギ殿の娘に任せて我々は上に行こう。」

サチ「ちょっと!山田まで!敵だった奴をほったらかしにしていいの?」

山田「そこに気絶している男二人も外で寝返った兵士達も元は敵だったじゃないか。今更だな。」

サチ「確かにそうだけど…。」

山田「なんだ?お前、頭はキレるのに柔軟性が無いのだな。矢内と共に行動しているのに。」

サチ「何も考えないエリカさんの行動なんて読める訳ないじゃない。」

エリカ「難しい事はサチが考えてくれるから大丈夫だよ!あたしや勇者は何も考えてなくても!」

勇者「そうですね。さっちんならその子達の事も考えてくれますよ。」

サチ「ちょっと!結局私に丸投げじゃない!呆れて何も言えないわ。」

エリカ「良いじゃん!今度、あたしのご飯のおかずを1つあげるから。」

勇者「さっちん、わたしも今度晩御飯のおかずを1つあげますのでお願いします。」

サチ「ちょっと二人とも!私をなんだと思っているのよ!」

エリカ「えっ?サチは食いしん坊じゃんか。」

山田「ハハハ!おしゃべりはそれまでだ。矢内が待っている。先を急ぐぞ。矢内の娘、トンヌラ。行こうか。」

勇者「はい!行きましょう!」

トンヌラ「あ、ああ。」

サチ「私も行くわ。」

山田「お前は、ライアン達とここに居る者達の介抱してからだ。畑中が来るまでここの指示を頼む。」

サチ「分かったわ。私も魔力が余り残っていないから今は戦力にならないものね。山田、賢者さんを、私達のリーダーをお願いするわ。」

山田「ああ。任せておけ!」

勇者「さっちん!行ってきます!」

 

わたしと山田さんとトンヌラさんで上にいる賢者さまのもとに向かいました。

4階にたどり着きました。あっ!あれは愛の戦士スコールマンです!誰かと戦っています。賢者さまはどこでしょうか?

 

「援軍が来たか。」

スコールマン「君達、悪の根元である国王は奥の扉にいる。ここは私に任せて行くがよい!」

「何人足りともここは通さない!王は私が守り通す!」

勇者「あれは…。もしかして…。虎のおっちゃんでは…。」

山田「先を急ぐぞ。我々は目的は国王を倒す事だ。」

トンヌラ「まさか…。虎のおっちゃんがどうして国王を…。」

スコールマン「この国の未来は君達にかかっている!国王が援軍を呼ぶ前に行くんだ!」

山田「ここはアイツに任せて行くぞ。」

勇者「でも、ここに居るはずの賢者が何処にもいません…。」

スコールマン「彼なら道中で負傷したので私が代わりにやって来た。行きたまえ!勝利はもう目の前だ!」

「行かせない!誰もこの先には行かせない!」

スコールマン「君の相手はこの愛の戦士 スコールマンだ!彼女達の邪魔はさせない!」

山田「今のうちだ!突っ切るぞ!」

勇者「は、はい!」

トンヌラ「あれ…。賢者様…だよな…。」

山田「トンヌラ!ボーっとするな!」

トンヌラ「あ、ああ…。」

 

わたし達はスコールマンのおかげで玉座の奥の扉にたどり着くことができました。

 

「ま、待て!」

スコールマン「君の相手はこの私だと言ったはずだ。よそ見をするとは余裕だな。私の必殺技を受けてもらおうか。これが私のデンマークバックブリーカーだ!」

 

スコールマンが虎のおっちゃんのせなかに頭つけてを持ち上げて体を弓のようにしならせています。わたしが見たことない凄い技です!

 

山田「ただのアルゼンチンバックブリーカーじゃないか…。」

 

 


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