わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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オークの混血児 3

はぁ、勇者のバカを探しに町に戻るか。ん、誰か来るな。あれは町の子供達だな。ポーキーも一緒だ。どういう事だ。勇者と一緒じゃ無かったのか?

 

子供A「あっ、賢者様いた!」

矢内「どうした?お前ら。」

子供B「大変なんだよ!俺達の仲間が人攫いに攫われたんだよ!それで」

矢内「ちょっと落ち着いて順序よく話せ。まず何でポーキーがお前らと一緒に居る?勇者の奴はどうした?」

子供A「えっと、僕達は原っぱの方で遊んでたんだ。そしたらキール達に会ってポーキーを新しい仲間だって紹介されたんだ。」

子供B「そう、俺達始めは驚いたけどこうして話してみるとキールの言う通り種族が違うだけで俺達と変わりは無いって事が分かって俺達はポーキーに今までの事を謝ったんだ。」

矢内「それはお前らキールに言われたから謝ったのか?」

ポーキー「賢者様、わたしは」

矢内「ポーキー、これは大事な事だ。お前は優しい子だからコイツらを許してるかもしれないが、言われて謝るのと心から謝るのは全然違うんだ。」

子供A「言われたからとかじゃ無いよ!これからポーキーと仲良くしたいから謝ったんだよ!」

子供B「そうだ!この皮っ被り!種族が違う事よりお前の方が差別される存在じゃないか!」

 

このガキ!顔以外全て痣が出来るまでぶん殴ってやろうか!

 

ポーキー「わたしと仲良くしたいって言ってくれて本当に嬉しい!これも賢者様のおかげだね。ありがとう。」

 

殴るタイミングを失った。クソッ!

 

矢内「まぁ、お前達は心から反省している事は分かった。事の続きを聞かせてくれ。」

子供A「僕達三人だったけど一人の子は納得してくれなくて大人達に僕達がポーキーと仲良くする事を言いつけるって言って行っちゃったんだ。」

子供B「アイツが一人になった所を人攫いに狙われて洞窟の方に連れて行かれたんだ。」

ポーキー「それでキールは人攫いを追いかけるって言って勇者と一緒に洞窟の方に行ったんだ。」

矢内「分かった。お前達は町の大人達に知らせてくれ。俺は勇者達を追いかける!」

子供AB「分かったよ。賢者様気をつけてね。」タッタッタッタッ

ポーキー「賢者様、わたしも勇者の所に連れて行って。お願いします。」

矢内「ダメだ!洞窟には魔物が居るって聞いた。危険だ。」

ポーキー「でも、勇者やキールが危ない目にあってるかも知れないのにわたしだけお家に居るのはやだよ。」

 

これは言っても聞きそうにないな。

 

矢内「分かった。そこまで言うのなら連れて行ってやる。何があっても自己責任だぞ。」

ポーキー「うん。ありがとう賢者様。」

矢内「さぁ、急ごう。」

ポーキー「勇者達、大丈夫かなぁ…攫われた子達無事だといいんだけど。」

矢内「ポーキー、そういうネガティブな気持ちになっちゃいけない。足取りが重くなる。そうだ!子供達を無事に助けたらみんなでパーティーをしよう!」

ポーキー「パーティー?パーティーって何をするの?」

矢内「パーティーは楽しいぞ。みんなで飯食ってわいわい騒いで、とにかく楽しい!」

ポーキー「ご飯ならお昼に4人でたべたけどアレもパーティーなの?」

矢内「違う違う、もっとそうだなぁ、町の子供達とオークの村の子供達みんな呼んで仲良くやるお祭りみたいな感じだ。楽しみだろう?」

ポーキー「そうなんだ、でもわたしみんなと仲良くなれるのかなぁ…」

矢内「なれるさ。心配しなくても大丈夫、ポーキーは今日だけで勇者やキール達と友達になれたんだ。そうだろ?」

ポーキー「うん…そうかな?」

矢内「そうさ、さぁ早く俺達も人攫いを追わないと子供達がどこかに遠くに連れて行かれたらパーティー所じゃ無くなるからな。」

ポーキー「分かったよ。洞窟はこっちだよ。」

 

そうして俺は少し元気を取り戻したポーキーと共に勇者を追って洞窟の方に向かった。やっぱり子供は元気なのが一番だ。上手く行くとポーキーはもうイジメられたりしないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

キールと一緒に人攫いを追うと洞窟の前までたどり着きました。ん、洞窟の前に誰か居ますね。オークの子供ですね。こっちにやってきました。

 

オークの子供「お前達!攫った俺の仲間を返せ!」

キール「何言ってるんだ!お前こそここに居るってことはあの人攫いの仲間だろう!」

オークの子供「何だと!俺は今この洞窟を見つけ出したんだ。お前達こそ何でここに居るんだ。」

勇者「わたし達はキールの友達を連れて行く人攫いを追いかけて此処に着いたのです。」

オークの子供「こっちに人攫いが来たのか?俺はそっちの方向から来たんだが見なかったぞ。」

キール「じゃあ、この洞窟に入って行ったんだよ。行こうぜ。お前も来いよ。」

勇者「お前も友達を助ける為に来たのですよね。わたし達と一緒に行きましょう!」

オークの子供「何言ってるんだ。お前達は人間で俺はオークだぞ。」

勇者「えっ、それが何か関係あるのですか?」

キール「下らねえこと気にしてるんじゃねぇよ。仲間を助けようとする思いは一緒じゃないか。俺はキール、町の子供達のリーダーだ。よろしくな。」

オークの子供「俺はエースだ。一応、村の子供達のリーダーやってる。」

勇者「エースですね。わたしは一国の勇者です。では一緒に子供達を助けに行きましょう!」

エース「分かった。お前達、変わってるよな。ん、向こうから誰か来るぞ。」

勇者「あっ、賢者さま!賢者さまが来ました!」

キール「ホントだ。アイツ何でポーキーも連れて来たんだ!」

エース「賢者って誰だ?」

勇者「今こっちに来てる方が賢者さまです。隣に居るがポーキーです。」

キール「賢者は大人の癖に未だにチンコの皮が被っているかわいそうな奴なんだ。それに比べたら種族が違う事なんて下らない事だろ?」

エース「ハハハ、確かにそうだな。それを聞いたら町の人間といがみ合っているのが下らないな。アイツが賢者か。」

マテ、ユウシャ、カッテニイクナ!ボケー!

 

 

 

 

 

 

やっと洞窟にたどり着いたな。勇者達が中に入ろうとしている。中には魔物が居るって話だ。急いで止めないと!

 

矢内「待て、勇者!勝手に行くな!ボケー!」

勇者「あっ、賢者さま〜!ポーキー!」ブンブン

 

おっ、こっちに気がついたみたいだ。勇者が手を振っている。一人知らない奴がいるな。オークのガキか?

 

キール「オイ、皮っ被り!何でポーキーを連れて来たんだ!ポーキーは女の子だぞ!」

矢内「黙れーーー!!」ボカ!

 

先手必勝で頭を殴ってやったぜ。大人を舐めるからだ。

 

キール「いって〜!クソッ!殴ることないだろ!」

エース「なぁ、キール。コイツが本当に賢者なのか。賢そうには見えないぞ。」ヒソヒソ

矢内「所でお前は何物だ?人攫いから逃げて来たのか?」

勇者「エースは村の友達を助ける為にここまで来たのです。わたし達と一緒に子供達を助ける仲間ですよ。」

矢内「そうか、おい!エースコックの豚!キールのように殴られたくなかったらあまり俺に無礼な口の聞き方はしないことだな!」

エース「なんだコイツ。いきなり何でそんな言われ方されなきゃならないんだ!この皮っ被りめ!」

勇者「エース、ダメですよ。賢者さまはチンコの皮が被っていても凄い人なんですからそんな言い方してはいけません。」

 

ボカ!ボカ!ボカ!

 

勇者「痛いです。」

エース「クソッ本当に殴ってきやがった!」

キール「俺は今何も言ってないだろ!」

ポーキー「賢者様、もう止めて。みんな悪気がある訳じゃないよ。賢者様が居なくて少し心細かったから悪態をついただけだと思うな。」

矢内「そうかそうか、俺が居なくて寂しかったのか。やっぱり俺が居ないと何にも出来ないガキ共だからな、お前達は。ハハハハハハ!」

キール「そうそう、やっぱり賢者様だよな!(相変わらずおだてに弱い)」

矢内「そうだろう!そうだろう!ハハハハハハ!」

勇者「では、気を取り直して、洞窟の中に入って行きましょう!」

エース「大丈夫かよ。不安だ。」

矢内「何か言ったか?エースコックの豚!」

エース「いや、よく見ると賢者様は格好いいなぁって。」

矢内「お前なかなか分かっているじゃないか!ハハハハハハ!」

エース キール「チョロいな。この人。」

 

洞窟の中に入った。携帯電話のライトを照らしながら奥に進む。

 

矢内「洞窟の中は魔物が居るって話だ。お前ら、気を付けて行けよ。」

勇者「賢者さま、魔物ってあれですか?」

 

勇者が指を指す方向には狼が一匹いた。今にも襲いかかって来そうだ。

 

矢内「よし、エースコックの豚を生贄にあの魔物に差し出してここは通して貰おう。」

エース「何言い出すんだ、コイツ。ふざけるな!」

ポーキー「あっ!待って、あれ前に雨宿りにここに来た時に折り紙で作ったやつだ。魔物じゃないよ。」

キール「あれが折り紙?まるで生きてるみたいだ。」

矢内「ハハハ、なんだお前ら、こんな紙切れにビビってたのか、情けない奴らだ。ハハハハハハ!」

エース「お前が一番ビビっていたじゃないか!」

勇者「この折り紙を作ったって事はポーキーはここの洞窟に入った事があるのですね。奥はどうなっているか分かるのですか?」

ポーキー「この先はしばらく行くと行き止まりで何もないよ。」

 

行き止まりか、そこに子供達が捕まっているな。多分、人攫いも居るだろう。

 

矢内「なぁ、ポーキー。折り紙で今何か作れるか?」

ポーキー「うん、折り紙はいつも持っているから何でも出来るよ。」

矢内「じゃあ、洞窟を塞ぐぐらいのデッカいドラゴンなんか出来るか?」

キール「何言ってるんだ。出来る訳ないだろ、バカじゃねぇの!」

ポーキー「少し時間かかるけど出来るよ。」

矢内「今から作ってくれるか?」

ポーキー「分かった。でもこんなの何か役に立つの?」

矢内「あぁ、ポーキーが作っている間に俺達は先に行こうか。あとキール、次俺の事バカにしたら承知しないぞ!」

エース「人の事は散々言うのに…」ヒソヒソ

キール「勇者は何でこんなのと一緒にいるんだろう?」ヒソヒソ

矢内「まあいい、相手は一人とは限らない。気をつけて行くぞ。忍び足で。」

勇者「分かりました賢者さま!」

矢内「声が大きい、ボケー!」ガン

勇者「頭叩かないでください、痛いです…」

 

洞窟に入って結構たつな。そろそろ行き止まりに差し掛かる。気を引き締めて行かないとな。少し明るくなってきた。この先に居るな。

 

矢内「よし、この先に人攫いは居る。あそこの岩に隠れて様子を見るぞ。」

 

明かりの方を見るとロープで縛られた人間の子供が三人、オークの子供が三人、数はさっき攫われた奴合わせてとあっている。口元も喋れないようにされてる。相手は一人か。

 

キール「アイツが人攫いだ。仲間が捕まっている。」

矢内「待て、今飛び出すな。俺達がアイツの気を引きつける。お前とエースで隙を見て子供達のロープを外すんだ。出来るな?」

エース「分かった。賢者も気をつけろよ。」

キール「危険じゃねぇのか?」

矢内「危険だから大人の俺がやるんだ。もしかしたらそのまま勝てるかもしれないしな。」

エース「もしかしたらとか言うなよ。不安になるじゃないか。」

矢内「よし、今か…」

勇者「あなたですね!子供達に酷いことをするのは!」

 

何勝手に出て行ってやがる!作戦立ててる途中だろうが!

 

人攫い「誰だ!お前達はさっきのガキ共だな。わざわざ来るとはバカな奴らめ!お前達も捕まえてくれるわ!」

勇者「わたしは勇者です!あなた様な人には負けません!」

人攫い「おいガキ!その斧でどうする気だ?こっちには人質が居るのだぞ?」

 

コイツ、子供達にナイフを突き付けてやがる。あのナイフをなんとかしないと。

 

矢内「なぁ、あんたいいナイフ持っているな。ちょっと見せてくれよ。」

人攫い「おっ、お前見る目あるな。ちょっとだけなら見せてやるよ。」

 

コイツ、バカだ!自分の武器を敵に渡すなんて!

 

矢内「おおう、これはよく研いでいるいいナイフだ。」ポーイ

人攫い「あっちに投げるな!それ1つしか持ってないのだぞ!返せよ!」

勇者「はいどうぞ。お返しします。」

 

何拾って来てるんだコイツ。返してるんじゃねぇよ!

 

矢内「いやぁ、スマン、スマン。ウッカリ手が滑ってよく見れなかった。もう一度見せてくれないか?」

人攫い「しょうがないな。もう一度だけだぞ。」

エース「アイツ、またナイフ渡してるぞ。」ヒソヒソ

キール「また捨てられるだけなのにバカだよな。」ヒソヒソ

矢内「すまんな。こいつは素材も素晴らしい!本当にいい物だ。」ポーイ

人攫い「何でそっちに投げるのだよ!一本しか持ってないって言ってるだろうが!取って来いよ!」

勇者「ちょっと待って下さいね。」タッタッタッ

 

何でまた取りに行くんだ。せっかくのチャンスを無駄にしやがって。

 

勇者「あっ、ポーキー、そのあたりにナイフ落ちていませんでした?」

ポーキー「さっき飛んできたこれ?勇者のもの?」

勇者「いえ、人攫いの物を賢者さまが投げたのです。返せって言われたので取りに来たのです。」

ポーキー(返したらダメだよね、そうだ!)

ポーキー「そうなんだ。ちょっと待って、うーん、出来た!はい。これを渡して。」

勇者「ありがとうございます。今から返して来ます。」タッタッタッタッ

勇者「お待たせしました。お返しします。」

 

だから返すな!

 

矢内「なぁ、スマンがもう一度だけで良いから見せてくれないか?」

人攫い「お前またあっちに投げるつもりだろうが!二度と渡すか!」

キール「やっぱり3度目はなかったか。」

ポーキー「キール、エース、これでみんなのロープを切ってあげて。」ヒソヒソ

エース「これ、アイツのナイフじゃないか。どうして?」ヒソヒソ

ポーキー「人攫いが今持っているのは折り紙で作った偽物なの。」ヒソヒソ

人攫い「お前ら!何ヒソヒソ喋ってやがる!この俺をバカにしやがって!このナイフで切り刻んでやるから覚悟しろ!見ろ!このナイフ捌き!」シュシュシュシュ

キール「アイツもしかして、今得意げに折り紙振り回しているの?バカ過ぎる。」ヒソヒソ

矢内「クソッ、俺がアイツを引きつける!お前達は下がれ!」

矢内「ポーキー良くやった。後、キールにエース、バレるから絶対笑うなよ。堪えろ。俺も我慢してるんだwww」ヒソヒソ

エース「いやいや、絶対無理だろ。アイツ、バカ過ぎるだろwww」ヒソヒソ

人攫い「何がそんなに可笑しい!お前から切り刻んでやる!」

 

向かってきやがった!折り紙のナイフを持ってww当たっても痛いも無いが精一杯よけるか。

 

矢内「オワ!危ねぇ!」

人攫い「良く今の一撃がかわせたな、だが、ちゅぎはどうかな?」シュシュシュシュ

 

カッコつけながら噛みやがったww折り紙を振り回しながら。クソッ、笑いを堪えろww

 

エース「今のうちだ。みんなを助けるぞ!キール。」

キール「クスクス、分かった、行こう。」

エース「笑ったらダメだろ。ww」タッタッタッ

キール「いや、無理だろ。あそこで噛むかww」タッタッタッタッ

 

よし、キール達がやっと捕まっているガキ共を助けに行った。さて、このバカな人攫いをどうしようか。

 

人攫い「テメエ、よそ見しているじゃねぇ!」シュ

勇者「賢者さま、大丈夫ですか?」

 

しまった!顔に当たってしまった。ナイフが偽物だってばれるがもういいや。ヤケクソだ。

 

矢内「俺の顔が、俺の顔が、…………

切れてナーイ!」

人攫い「どういうことだ、オイ!俺のナイフで切れないなんて。」

 

良かった。ばれてナーイ。このまま騙し続けていける。

 

矢内「俺は賢者様だぞ!そんなチンケなナイフが効く訳無いだろ。今だ勇者!そいつを斧でかち割ってやれ!」

勇者「はい、賢者さま。いきますよ!エーイ!」ブン

人攫い「そんな大振りの攻撃が当たるか!」ヒョイ

人攫い「オイ、ガキ!こっちには人質が居るのだぞ!お前は動くな。」

矢内「人質だと。お前、後ろ振り返ってよく見て見ろマヌケ。」

人攫い「後ろだと、あっいつの間にかガキ共を縛っていたロープが解かれている!」

キール「仲間は返して貰ったぜ、バーカ!」

人攫い「貴様、どうやってロープを解いた。ガキには解けないぐらいキツく縛っていたのに!」

エース「お前のナイフでロープを切ったからな。」

人攫い「何でお前らが俺のナイフを持っている?」

ポーキー「まだ気付かないの?おじさんが持っているの私が折り紙で作った偽物だよ。」

人攫い「俺はまだ27歳だ!おじさんじゃねぇ!お前ら俺のナイフで全員切り刻んでやる!」シュシュシュシュ

 

まだ気付いてないwwwwwもうだめだ!笑いを堪えることが出来ねぇwwww

 

キール「アイツ、まだ折り紙振り回しているwwwww」

エース「wwwwあれ、もうわざとやってるだろうwwww」

勇者「あの人、本当にお馬鹿さんですねぇwwwww」

人攫い「クソー!!何が可笑しいお前ら!」

矢内「お前の持っているナイフ良く調べて見ろwwww」

 

ダメだ腹痛え。

 

人攫い「何、なんじゃこりゃあ!」

 

やっと気付いたwww

 

矢内「もう観念しろ。おとなしく捕まれ。」

人攫い「チクショー!」ダッダッダッダッ

 

逃げたか。

 

エース「なんで逃がした!」

キール「なんで捕まえないんだよ!」

矢内「まぁ少し待てって、アイツは馬鹿だから直ぐ捕まえれる。」ウワードラゴンダー!タスケテクレ-!

矢内「ほらな。」

 

矢内「よし、行くぞお前等!」

 

入り口の方に戻ると腰を抜かしている人攫いとデカいドラゴンが居た。

 

人攫い「た、た、た、助けてくれー!」

 

さて、このバカな奴をもう少し驚かしてやるとするか。

 

矢内(低い声で)「我の名はダース ヤナイ ドラゴン!愚かな人間め、我が住処に何しに来た!」

人攫い「ああああああ………」

勇者「賢者さま、何を言っているのですか?」

エース「直ぐに調子に乗るよな。コイツ。」ヒソヒソ

キール「あぁ。どうしようもない大人だな。」ヒソヒソ

矢内「よし、今の内にさっきガキ共を縛っていたロープでアイツを捕らえろ!」

キール「あぁ、そうか。俺がやるよ。」

 

キールの奴がロープで人攫いを縛っていく。亀甲縛りで。どこで覚えた。

 

キール「いつも親父が縛られているのを見ているからな。大体は分かるよ。」

人攫い「…………。」

 

コイツ、気絶している。

 

矢内「ハハハハハハ!俺の力を思い知ったか!!これにて一件落着!」

エース「ほとんどポーキーのおかげでお前何もしてないだろ。」

矢内「ふっ甘いな。メープルシロップのように考えが甘いぞ、エースコックの豚。俺の華麗な知略で勝利したんだ。」

勇者「流石、賢者さまです!」

ポーキー「これでみんな攫われたりしなくなるね。良かった。」

矢内「ハハハ!そうだろう、そうだろう。ハハハハハハ!」

キール「エース、もうそういうことにしようぜ。」

エース「あぁ、仲間が助けれた事だしもうそれでいいや。」

勇者「では、人攫いは捕まえましたので町長さんの所に行きましょう!」

矢内「いや、待て勇者。」

勇者「どうしてですか?賢者さま。」

矢内「キールにエース、捕まっていた子供達に町と村の人達全員を原っぱに集めるように言ってくれ。」

キール「分かったよ。」

ポーキー「私はどうしたらいいの?」

矢内「ポーキーは俺達と一緒に原っぱに来てもらう。エースとキールも一緒だ。」

エース「俺達も町や村に伝えに行った方がいいだろ。何で原っぱなんかに行くんだ?」

矢内「お前等はみんなを救った英雄じゃないか。原っぱでみんなが集まるのを待っていたらいいんだ。さあ、洞窟を出るぞ。」


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