わたし達は昨日、賢者様とお買い物してから虎のおっちゃんのご好意でお城でお休みすることになりました。その時にお人形さん使いのアリサさんと砂漠の国の魔法使いのリリーさんと色々お話をして仲良くなりました。
朝、わたしが目を覚ますとなんだかアリサさんが慌ただしくしています。
アリサ「藁助ー!藁助ー!」
勇者「アリサさん、おはようございます。何かあったのですか?」
アリサ「あっ、勇者ちゃんおはよう。朝から藁助が何処にも居ないの…。今までこんな事無かったのに…。」
勇者「藁助さんも昨日わたし達と一緒にお休みしていたのに何処に行ったのでしょうか。」
エリカ「アリサに勇者、おはよう。」
アリマ君「キー!」
リリー「みんな、おはよう。」
勇者「あっ、エリカにゃん達、おはようございます。実は藁助さんが朝から何処にも居ないのです。」
アリサ「藁助…。」
エリカ「そうなんだ。みんなで探したら直ぐに見つかるよ。」
山田「朝から騒がしいが何があった。」
勇者「山田さん、おはようございます。実は…。」
わたしは山田さんに藁助さんの事を相談しました。
山田「そうか、城の中には居なかったのだな?」
アリサ「はい…。でも、藁助が居なくなるなんて…。私、どうしたら…。」
山田「じゃあ外だな。外を探せばいい。あれだけ大きい藁人形だ。人に聞けば直ぐに見つかるはずだ。矢内の娘、パーティーは10時からだ。遅れない様にしろよ。」
勇者「えっ?山田さんは一緒に手伝ってはくれないのですか?」
山田「ああ、私は今からエルフの民を迎えに行くからな。手伝う事は出来ない、すまないな。」
エリカ「エルフのみんなも来るんだ。」
山田「エルフの民達だけではない。各国から招待されているみたいだぞ?」
リリー「なんか凄い事になっているわね。」
山田「今は9時を過ぎているからそろそろ他の国の者達も来るから急げよ。」
勇者「は、はい。」
アリサ「藁助…。」
エリカ「急いで探そう。」
勇者「それでは外に行きましょう。」
リリー「待って、もしかしたら私達が外に出て入れ違いになったら大変だよ。」
山田「仮にそうなったら私が伝えておこう。」
アリサ「あの…。」
山田「構わん、時間が無いから急いで探せよ。」
勇者「山田さん、ありがとうございます。急いで行きましょう。」
アリマ君「キー!」
わたし達はお城の外に出ました。
アリサ「なんでみんな私達に優しくしてくれるの?私はあなた達の敵だったのに…。どうして…。」
勇者「お友達が困っていたら助けるのは当たり前の事です。」
エリカ「当たり前じゃんか、藁助を早く探そう。」
アリサ「ありがとう…。」
外に出て少し歩くと大きな家が沢山有った所が無惨に壊されていました。
畑中「よう、勇者ちゃん達!」
勇者「屑野郎さん、おはようございます。実は…。」
わたしは屑野郎さんに藁助さんの事をお話しました。
畑中「ああ!あの藁人形か!見たぞ!」
アリサ「えっ!?知ってるの?」
畑中「朝早くから貧民街の方に向かってたな。矢内の所にでも行ったんじゃないか?」
リリー「ペテン師の賢者の所?もしかしたら藁助の事、分からずに戦っているかも…。」
アリサ「そんな…。もし、火の魔法を使われたら…。」
エリカ「不味いよ、賢者の奴直ぐに怒るから戦っているかもしれない。」
リリー「アイツ、短気なの?」
エリカ「そうだよ。あたしと勇者がつまみ食いしようとしたらいつも怒るよ。」
勇者「はい、頭に拳骨くらいます。」
畑中「ハッハーww!つまみ食いするからだろ!」
エリカ「何が可笑しいんだよ!毎日拳骨くらうんだぞ!」
リリー「つまみ食いしなかったらいいだけじゃない…。」
アリサ「うん…。」
勇者「それより時間がありません。藁助さんを探しに貧民街へ急ぎましょう!」
アリサ「そ、そうね…。」
畑中「勇者ちゃん、先に中央広場へ行け!矢内に一度聞いた方が早い!」
勇者「賢者さまに?賢者さま、中央広場に居るのですか?」
畑中「パーティーの準備をしている、それより良いのか?矢内の手伝いに行かなくて。」
勇者「あっ…。」
エリカ「あっ…。賢者、怒っているかも…。」
勇者「い、急ぎましょう!屑野郎さん、ありがとうございます!」
畑中「ハッハーww!」
わたしは屑野郎さんにお礼を言って賢者さまの所に急ぎました。
アリサ「あっ!藁助、いた!」
わたし達が中央広場に向かっていますと子供達に囲まれている藁助さんがいました。
アリサ「藁助!何処に行っていたのよ、心配したのよ。」
「…。」
「おねえちゃんだれ?わらすけのことしっているの?」
アリサ「えっと…。その…。」
勇者「藁助さんはわたし達のお友達です。」
「あっ!ゆうしゃのおねえちゃんたち!わたしたち、いまわらすけとあそんでいたんだよ。」
藁助さんはどうやら貧民街の子供達と遊んでいたみたいです。
リリー「まあ、見つかって良かったわ。」
アリサ「みんな、ありがとう。ほら、藁助も。」
「…。」
藁助さんはわたし達にお辞儀をしてくれました。
「あっ!アレじゃない?藁助っての!」
中央広場の方から新たに子供達が集まって来ました。ポーキー達、ファンタルジニアの子供達です!
ポーキー「あっ!勇者!」
勇者「ポーキー達もパーティーに来てくれたのですか?」
キール「ああ、朝早くから神様の使いの僧侶の姉ちゃんがお城のゲートから連れて来てくれたんだ。」
リリー「神様の使いの僧侶って…まさか…。」
マナ「呼んだかしら?平民の魔法使い。」
リリー「や、やっぱり…。マナ、あんただったのね。」
マナ「わたくしの仕える神様、ロキ様のご指示です。賢者が今まで交流してきた町や村の者を全員招待せよと、それとそんな楽しそうなパーティーに参加せずに朝早くから城を出ようとしたアホのアレスはわたくしがボコボコにして捕らえましたのよ。」
よく見るとマナさんの下に鎖で繋がれて倒れているアレスさんが横たわっていました。
アレス「マナ!俺は遊んでいる暇は無いんだ!少しでも強くなって…。」
マナ「黙りなさい!」
マナさんが喋ろうとするアレスの頭を踏みつけて喋るのを遮りました。
リリー「ちょ!ちょっと!マナ!何をするのよ!」
マナ「全てはアホのアレスがいけないのです!パーティーに参加しないアホは神の意向により死刑です!」
キール「滅茶苦茶な神様だ…。」
エース「ああ…。砂漠の国の勇者があんな目にあうなんて…。」
ポーキー「賢者様のお友達って変わった人が多いね…。」
アレス「あー!パーティーでも何でも参加するから鎖を外してくれ。」
マナ「始めからそう言えばよいのですわ。さあ、もうすぐパーティーは始まりますわ。皆さん、中央広場へ向かうのです!わたくしの後に続きなさい!」
マナさんはそう言うと近くの人達を連れて広場に向かって行きました。
勇者「アレスさん、大丈夫ですか?」
アレス「ああ…。平気だ。」
リリー「アレス、何処に行くつもりだったの?」
アレス「俺はこの戦いで何も出来なかった。それに世界の事も何も分からない。だから、まずはファンタルジニアの皇帝陛下の所に剣術を教わりたい。それから世界を周りたい。」
エリカ「童帝って毎日椅子に座っているだけだよ。戦士長にお願いしなよ。」
アリサ「今日は色々な国の人達が来ているんだよね。だったらその皇帝陛下も来ているかも知れないよ。広場に急ごう。私も賢者様に話があるし…。許して貰えるかは分からないけど…。」
エリカ「賢者、あたし達が手伝わないから怒っているかも…。急ごう。」