わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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時を越えて 1

昨日はみんな夜遅くまでパーティーが盛り上がりました。朝になったけど賢者さまはまだ目を覚ましていません。もうすぐお昼になろうとしています。

 

サチ「賢者さんはまだ寝てるの?」

勇者「はい…。揺すっても全然目が覚めないです…。」

エリカ「賢者を起こさないとみんな帰れないよ…。」

 

各地のゲートを開けるのは賢者さまだけなのでみんな帰れなくて困っています。

 

???「ヤー!賢者いるー?」

 

誰か来たようです。

 

勇者「あの…。どちら様ですか?」

???「賢者が居るか聞いてるのー!居る?居ないの?どっち?」

山田「またお前か、で、矢内に何のようだ。」

???「女!我が神様、クロノス様に対してその口の聞き方!無礼であるぞ!」

 

女の人の隣に居るネコさんの獣人の方が代わりに答えています。

 

畑中「クロノス!?ビーナスの使いって奴の!?」

クロノス「で?賢者は居るの?」

山田「ビーナスの使いか、まさか手ぶらでのこのこ現れるとはな。」

 

山田さんはクロノスって方に近づいていきいきなり見たこともない関節技を極めました。

 

クロノス「ちょ!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!」

「女!クロノス様に何をするにゃ!」

サチ「私、ネコは嫌いなのよ。何処か遠くに消えてもらえるかしら。黒魔術『カーズ マリオネット!』」

「にゃ!動けないにゃ!」

サチ「この世から消えなさい。」

「にゃーー!」

 

ネコさんがさっちんの黒魔術でお城の窓から外に飛ばされてしまいました。

 

クロノス「痛い!痛い!痛い!痛い!死ぬ!助けて!誰か!」

山田「自分勝手に民を苦しめたお前達に神を名乗る資格などない!」

クロノス「苦しい…。死ぬ…。助けて…。」

山田「貴様の様な連中は苦しんで死ねば良い!」

ライアン「女王陛下のヤマダlockが完璧に決まっているッス…。」

「ウケるww!」

 

騒ぎを聞き付けてエルフの人々や他の人々が集まって来ました。

 

虎王「何事ですか?」

山田「この国を苦しめていた元凶の女がのこのこ現れたので退治している。あのビーナスの使いだ。」

クロノス「助けて…。死ぬ…。」

皇帝陛下「山田殿、待ってもらえるか!我はその者に聞く事がある。誰か!ジークを呼んできてくれ!」

「ハッ!陛下!」

 

皇帝陛下さんの指示で戦士の方がジークさんを呼びに行きました。

その間に他の方々が山田さんを止めに入ります。

 

クロノス「ヤー…。死ぬかと思ったよ。いきなり何をするのさ!」

山田「黙れ、お前の様な者は死ねば良い。」

畑中「山田さん、落ち着けよ。」

クロノス「酷いよ…。私は賢者に会いに来ただけなのにさ…。」

畑中「矢内の奴はまだ寝ている。全く起きようとしないから会っても話は出来ないぞ。」

クロノス「いつから寝てるの?」

畑中「昨日の昼過ぎ、だいたい3時くらいからだな。」

クロノス「案内して!それ、もしかしてヤバいかも知れないよ。」

エリカ「賢者が寝坊助なのはいつもの事だよ。」

クロノス「賢者、そのまま死んじゃうかも知れないから急いで!死なれたら困るの!」

勇者「この奥のお部屋です!」

 

わたしはクロノスさんを賢者さまが寝ているお部屋に案内しました。

 

矢内「zzz…。」

クロノス「これ、魔力を使い果たしてからも無茶したんだね。このままじゃそのまま眠ったまま死んじゃうね…。」

サチ「えっ?魔力なんて食べて寝たら回復するわよ?」

畑中「いや、そう言えば矢内は一昨日から多分ろくに寝てもないし食ってもいない。」

山田「そう言えば休みもしないで戦いの準備やパーティーの準備をずっとしていたな…。」

エリカ「賢者…。死んじゃうの?」

 

エリカにゃんの一言でみんながざわつき出しました。

 

酒呑童子「賢者殿ー!死ぬなんて許さぬぞー!ワシとの勝負は終わっておらんじゃろうがー!酒じゃ!飲み交わすぞ!」

茨木童子「酒呑童子様!落ち着いて下さい!」

酒呑童子「茨木童子!放せ!お前は賢者殿がこのまま死んでも良いのかー!」

茨木童子「落ち着いて下さい!皆!酒呑童子様を取り押さえろ!」

 

鬼の方々が暴れるシュテちゃんを取り押さえています。

 

虎王「賢者殿…。何とかならんのか、我が国の恩人を助けてくれ…。」

クロノス「エルフの女王様!エルフの秘薬ある?」

山田「エルフの秘薬?何だそれは?」

クロノス「あー!何で知らないのよ!エルフの人!誰でも良いからエルフの秘薬を持ってきて!」

ライアン「秘薬?」

クロノス「エルフの森の地下水よ!無いの?」

ライアン「えっ?この飲み水、そんな凄い物ッスか?」

クロノス「何でエルフのあんた達が知らなかったのよ!貸して!」

ライアン「わ、分かったッス。」

 

クロノスって女の人はライアンさんが持っているお水が入った水入れをぶんどりました。

 

クロノス「これを飲ませたら…。魔力が回復するはず…。」

 

クロノスさんは賢者さまの口を開けて受け取ったお水を飲ませています。

 

クロノス「これで起きるはず…。」

酒呑童子「おお!賢者殿!股間だけが立ち上がったぞ!」

畑中「勃起してんじゃねえよ!ハッハーww!」

サチ「はぁ…。とりあえず死ぬ事は無さそうね。」

皇帝陛下「そうか…。その内に目が覚めるのか…。」

クロノス「それだけじゃ駄目だよ。目を覚まさせないとエルフの秘薬の効果はちゃんと発揮しない。そうだ、私の使い魔は?」

サチ「ああ、あのネコね。私、ネコは大嫌いだからそこの窓から黒魔術で吹き飛ばしたわよ。」

クロノス「ちょ、ちょっと、なんて事をするのよ!」

 

リリーさんが先程のネコさんを連れて来ました。

 

リリー「誰よ!この子をいじめたのは!窓から突き飛ばされて可哀想に…。」

「にゃー、あたし、何も悪い事をしてないのにいきなりあの女が…。」

 

ネコさんがさっちんを指差して訴えています。

 

リリー「ちょっとあんた、この子がいったい何をしたのよ!」

サチ「ビーナスの使いの手下だから先手必勝で攻撃するのが普通よ。」

クロノス「ビーナスの使い?何を言ってるのよ。何で私達がアイツの手下になるわけよ。」

サチ「えっ?この国の神様はビーナスの使いのクロノスだって…。」

クロノス「だからそれが違うの。まあそれは賢者が起きてから話をした方が良いね。みんな、今から目覚めの歌を歌って賢者を起こすから静かにしててね。」

「にゃー。クロノス様に酷い事をした奴等の仲間なんて助けなくて良いにゃ。賢者なんて死んだら良いにゃ。」

畑中「ああ、そうなったら次は俺が主役になるからそうしろよ、ハッハーww!」

クロノス「ヤー、お前なんかが主役になったら毎回パチスロ行ってる話になっちゃうよ。」

畑中「何で異世界のお前がパチスロ知っているんだよ。」

クロノス「何でって…。そっちの世界に遊びに行ったりしてたからだよ。」

 

クロノスさんが目覚めの歌を歌いだしました。

 

クロノス「あなたとわ~たし♪出逢った日~から♪ふたりで歩くこの町~♪」

山田「お、おはよう朝日だ…。」

クロノス「ジャンボ・ジェットが♪輝く空へ♪今日も飛び立つ朝に~♪

goodmorning♪おはよう朝日~♪

故郷の空♪探します~♪

幼いあの日の思い出と~♪

生まれた子供の明日に~♪」

「おはよう朝日です!ただいま7時51分、正木さんのお天気です!」

矢内「しまったー!寝過ごしたー!」ガバッ

 

あっ、賢者さまが目を覚ましました。


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