再びみんなが集まっている所に戻る。
クロノス「賢者、もう良いの?」
矢内「あ、ああ。やってくれ。」
クロノス「じゃあ、帰りの歌を始めるね。みんなー!お別れの時間だよー!」
コローニャ「また遊ぼうにゃ!」
クロノス「か~えりたくな~い♪」
コローニャ「か~えりたくな~い♪か~えりたくないけど~♪」
クロノス「さよならマーチ♪」
ゲートが開かれた。こんなことでゲートが開くとは…。
クロノス「さあみんな!このゲートを通ったらお家に帰れるよ!」
矢内「いやいや、1つの地域の人達がまとまって行かないと…。」
コローニャ「大丈夫にゃ、それぞれのお家に繋がっているから問題ないにゃ。」
クロノス「さ~らバイバイさ~らバイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪」
コローニャ「さ~らバイバイさ~らバイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪」
みんな半信半疑でゲートに入っていく。
クロノス「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~らバ~イ♪エルフの女王様もパチンカスも一緒に歌って。」
山田「なっ!」
コローニャ「早く歌うにゃ!」
矢内「早くやれよ、じゃじゃ丸にピッコロ。」
畑中「誰がじゃじゃ丸ピッコロだ。」
コローニャ「パチンカスは基本的に役に立たないからたまにはちゃんとやるにゃ!」
クロノス「そうだよパチンカス。」
畑中「俺にだけ失礼だな。」
クロノス「ろくにはたらいてもいない奴に敬意は持てないよ。良いから一緒に歌うよ。さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪」
コローニャ「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪お前達も続くにゃ!」
畑中「あー!やれば良いんだろやれば!さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪」
コローニャ「足踏みがちゃんと出来てない!ちゃんとやれにゃ!」
畑中「うるせえ!」
クロノス「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪ほら、女王様も早く!」
山田「なっ!私にもさせるのか!」
矢内「良いからやれよ!ゲートが閉まってしまうだろ!」
クロノス「そうだよ!早く!」
山田「何故私に言う!?矢内!お前がやれ!お前が!」
クロノス「賢者は病み上がりで魔力を使わせたくないの!だから早く!一緒にこういう感じで、さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~らバ~イ♪」
矢内「そうだ!やれ!」
山田「くっ…。矢内、後で覚えていろよ?さ~らバイバイ♪さ~らバイ♪元気にさ~らバ~イ♪」
面白いから動画を撮っておこう。そうこうしている内に次々にみんなゲートに入っていく。
「賢者様ー!ありがとー!昨日は楽しかったよー!」
矢内「ああ!来てくれてありがとうな!またやろう!」
「次も呼んで下さいねー!」
矢内「ああ!次もみんなで盛り上がろうぜ!」
みんな、感謝の言葉を言ってゲートに入っていく。
山田「矢内め…。何もしてない癖に…。」
クロノス「ほら、女王様!足踏み止まっているよ!ちゃんとやって!」
山田「くっ…。やっているだろうが!さ~らバイバイ♪さ~らバイ♪元気にさ~らバ~イ♪(恥ずかしい…。消えてしまいたい…。)」
畑中「さ~らバイバイ!さ~ら~バイ!元気にさ~ら~バ~イ!」
矢内「ダハハハ!おい、じゃじゃ丸!ちゃんとやれー!」
畑中「誰がじゃじゃ丸だ!お前もやれ!」
矢内「そこまで言うなら見本を見せてやる。さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪」
クロノス「賢者はしないで!」
止められてしまった。なんで俺だけ…。
コローニャ「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪パチンカス、あの子達を見習ってちゃんとやれにゃ!」
勇者「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪さっちんもエリカにゃんも一緒にやりましょう!」
エリカ「さ~らバイバイ♪さ~ら~バイ♪元気にさ~ら~バ~イ♪なんか楽しいな。サチもやろうよ。」
サチ「嫌よ、だって恥ずかしいもの。」
矢内「良いかサチ、恥ずかしがらずにこんな感じでな。さ~らバイバイ♪さ~らバイ♪」
クロノス「だから賢者はしないで!」
なんで俺だけ…。みんな順番にゲートに入って行って来客者はみんな帰った様だ。
クロノス「最後はみんなで歌うよ!」
「あしたのあし~たに~♪また遊ぼう~♪にっこり笑ってまた~ね~♪やくそくマーチ~♪」
ゲートは閉じた。
クロノス「これでみんな元の国に帰ったよ。それじゃあ賢者、過去の世界に行こっか?」
矢内「行くのは良いが、どれくらいの期間行くんだ?」
クロノス「うーん、期間は分からないけど行って帰って来るタイムラグで戻って来るのは一週間後ぐらいかな?」
矢内「一週間後か、分かった。今のうちにこれから先の工程を決めるか。畑中、いろんな人達に貸したデジカメ回収しているか?」
畑中「ああ、お前がぐうたら寝ていた時に回収はしている。この数を写真屋に持って行くのか?だいぶ金がかかるぞ?」
矢内「まずは会社のコピーで現像する。写真屋に持って行くのはそれからになるな。」
畑中から渡していたデジカメを受け取った。
矢内「勇者、お前達は俺が帰って来るまで畑中と一緒にこの国の復興を手伝ってやれ。」
勇者「分かりました。」
畑中「ちょっとまて、勝手に俺を巻き込むな!」
矢内「勝手にこの国の人達を戦いに巻き込んで何を言っている。最後まで責任を取れ。」
畑中「ちっ、お前と関わるとろくなことにならない。」
矢内「山田、畑中、俺は1度会社に戻るから後の事は頼む。」
山田「ああ、学校の建設はお前に任せる。各国の代表者達との話し合いは私がやろう。畑中、この国の内政を補助してやってくれ。」
畑中「いやいや、山田さんまで何を言い出すんだよ!」
山田「矢内と関わったらろくなことにならない。諦めてやれ。」
矢内「ハハハ!そう言う事だ。頼りにしている。では、行ってくる。」
「待てよ!」
俺はゲートを開こうとゲートストーンを手にかざそうとしたら誰かに止められた。
アレス「待てよ、ペテン師野郎。」
矢内「アレスか。」
アレス「いいかペテン師野郎!お前はまだお前を認めた訳じゃねえ。」
リリー「アレス、ちょっと!何ケンカ腰で言っているのよ!」
アレス「俺は必ず強くなってやる。そして世界を旅してお前がどういう奴か見定めてやる。もし、お前が悪党だったら俺がこの手で倒してやるから覚えていろよ!」
アレスはそう言い残して去っていった。
リリー「ちょっとアレス!待ってよ!」
リリーはアレスを追って去っていった。
山田「やはり寝首を取られる事になりそうだな。」
矢内「…。」
勇者「アレスさん達、行っちゃいましたね。」
サチ「きっとまた会えるわよ。もしかしたら今度は本当に敵になるかも知れないけど…。」
エリカ「えっ、あいつ等良い奴だからあたし戦いたくないよ。」
サチ「そうね、そうならないようにしっかりして行かないとね。」
矢内「ああ、そうだな。とりあえず俺は会社に戻る。」
クロノス「ヤー、また何処かに行くの?」
矢内「俺は毎日遊んでいるわけじゃないんだよ。」
俺はゲートストーンをかざして会社に戻る。
クロノス「コローニャ、賢者に着いて行くよ。」
コローニャ「分かったにゃ!」
俺は社長室に入って打ち合わせの報告をする。
矢内「社長、ゼクス商会との打ち合わせ終わりました。」
社長「そうか。で、何時から工事始まるねん?」
矢内「本格的に始まるのは一週間後です。現場の人員の確保や細かい作業の調整をしますので俺は明日から現場に付きっきりで行きます。」
社長「そうか。」
矢内「で、作業が始まり出したら現地で指示を出す人間を二人貸して欲しいのですが…。」
社長「分かった、用意しといたるわ。」
矢内「ありがとうございます。では…。」
社長「所で矢内、お前隣におる女は誰やねん。」
クロノス「ヤー、神様だよ。」
社長「お前、何が神様やねん!髪の毛ない俺に対して当て付けか!」
コローニャ「このハゲ頭、クロノス様に失礼にゃ!」
ややこしくなるから喋るな!
社長「矢内!誰がハゲやねん!」
矢内「俺は何も言ってないし最初に言ったのは社長でしょうが!失礼します。」
俺は急いで社長室を後にした。
矢内「お前ら、ややこしくなるから着いてくるなよ!」
クロノス「ヤー、良いじゃん別に。早く行こうよ。」
矢内「まだだ、部下の西森に用があるんだ。」
事務所に行き部下の西森に話かける。
矢内「西森、ちょっと良いか?」
西森「はひ?矢内さん?しばらく出勤してきてなかったから大変だったのですよ~。聞いて下さい~。」
うだつの上がらないメガネ女がいきなり泣きついてきた。
矢内「何だ?」
西森「実はこの仕事なんですけど~相手先が全然納期をくれなくて~。」
矢内「見せてみろ。」
西森から資料を受け取り確認する。
矢内「お前、これで仕事を受けたのか?」
西森「だって、相手先がどうしてもって言うから…。」
矢内「こう言うのは始めに毅然とした対応を取らないから相手先に舐められるんだよ。一週間は伸ばさないと話にならんぞ。何考えているんだ。」
西森「何でその時居ない人に言われないといけないのですか…。その時に居てくれたら…。直ぐに親戚の子が来て何処かに行く癖に…。」
矢内「何だ、言いたいことがあるならハッキリ言え。」
西森「い、いえ…。」
矢内「とりあえずこの件は俺が1回相手先と話をする。工場の作業はどうなっている?」
西森「3日後に寸法検査です。」
矢内「は?いきさつを教えろ。」
西森から最初の仕事の打ち合わせの話を聞く。
矢内「最初から工程の納期がおかしかった訳だな。よし、俺が相手先に話をするからお前は発注者と役所に相手先が嘘の報告書を出しているってメールしろ。」
西森「はひ?良いのですかそんな事しても?」
矢内「構わん。向こうは俺と話をしたら都合が悪くなるからお前と打ち合わせをしたんだよ。立場の弱そうな奴を狙って仕事をするのがこの会社の担当の特徴だ。俺の名前でメールしたら良い。」
西森「分かりました。メールしときます。」
クロノス「賢者ー!まだー?」
西森「矢内さん、さっきから気になっていたのですがその人は?」
クロノス「ヤー、神様だよ。」
西森「はひ?神様?」
だからややこしくなるから喋るな!
コローニャ「賢者、早く終わらせるにゃ。」
西森「はひ?猫?何で喋っているのですか?私、魔法少女になっちゃったのですか?」
うだつの上がらないモブのお前が魔法少女になんかなれるか!
矢内「お前ら、邪魔だからとりあえず金を渡すから外の自動販売機でスコール飲んでろ。」
クロノス「ヤー、何で私達を追っ払おうとするのさ!」
西森「あの…。矢内さん?この人達は?」
矢内「とりあえず浮遊霊だと思って無視したら良い。」
西森「いや…。はっきり見えて話かけて来るのに無視出来ないですよ。」
矢内「ああ、そうか。お前、浮遊霊見えないんだったな。その辺に結構いるんだけどな。」
西森「怖いこと言わないで下さいよ。」
矢内「まあ、お前のケツ拭きはこれでいいとして、お前に1つ仕事を頼む。」
西森「な、何ですか?」
矢内「このデジカメの中のデータを取り出してパソコンから印刷して1枚ずつラミネートして欲しい。」
俺は西森にデジカメを8台渡す。
西森「はひ?これ、全部ですか?」
西森はデジカメの写真をチェックしている。
西森「これ…。何処の写真ですか?人じゃないのも写っているのですが…。コスプレですか…。」
矢内「ああ、鬼にオークにゴブリンにエルフだ。砂漠の国で撮った写真だ。」
西森「はひ?砂漠?」
クロノス「コローニャ、私達が殆ど写っていないよ。」
コローニャ「本当だにゃ。」
パーティーの写真だから写っている訳無いだろ。
矢内「そう言うことだから来週までにしてくれ、任せたからな。」
西森「ら、来週?ラミネートまでは無理です~。」
矢内「じゃあ印刷まででいい。」
そう言い残し俺は事務所を後にし取引先の電話を終えて人目に付かないゼクスの所にやって来た。
矢内「ゼクス、学校の建設の件、来週からで良いか?」
ゼクス「賢者様、それは構いませんがその方は…。」
クロノス「ヤー、神様だよ。しばらくコローニャが世話になるよ。」
ゼクス「はぁ…。分かりましたよ。ボンビーさんが人の募集を始めてくれてますので一週間後から工事開始にしましょう。」
矢内「よし、じゃあクロノス、行くか。ビーナスをボコボコにしに。」
クロノス「ヤー、今回は体験版だから時の扉を使うよ。」
矢内「時の扉?」
クロノス「うん、時の扉で過去に行くと歴史を大きく変える事は出来ないの。」
矢内「ん?」
どういう事だ。するとクロノスが人が通れる位の扉を召喚した。
クロノス「コローニャ、お願い。」
コローニャ「さあ賢者、時の扉を潜り15年前のファンタルジニアに行きましょう。」
すげえ、シェラザードの世界の再現だ。ファミコンの世界に入ったみたいだ!テンション上がってきた!
矢内「よし、行くか!15年前の世界に!」
クロノス「賢者がノリノリで良かったよ。さあ行こう!」
俺とクロノスは時の扉を潜り過去に行く。
ゼクス「15年前のファンタルジニア…。(ついにこの時が来たのですね…。)」
第16話
時を越えて
END