わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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冒険の仲間達 2

兵士「こちらです。お進み下さい。」

 

何か城の中も質素だな。

 

矢内「そう言えば、俺が捕まえた人攫いはどうなったんだ?」

兵士「今は、牢屋に居ますが反省していますのでそのうち釈放されると思います。」

矢内「反省なんて猿でも出来るから簡単に出したら駄目だぞ。どうせああいう奴はまた別の所で同じ事を繰り返すだけだ。」

兵士「では賢者様、後で彼と面会をされてはどうでしょうか?」

矢内「そうだな。後で案内してくれ。奴にはいろいろ聞きたい事があったからな。」

兵士「この扉の先に皇帝陛下がお待ちです。賢者様、くれぐれも失礼の無い用にお願いします。」

 

何故俺だけに言うんだ。隣の胡散臭い女に言え!

 

矢内「おいサチ!お前、絶対に失礼な事言うなよ。」

サチ「人の家でゲロを吐くあなただけには言われたくないわ。」

矢内「過ぎた事をグチグチ言うな!!」

サチ「そのせいで私は家を追い出されたのよ。その事に対しての謝罪の1つもしないなんてあなたは反省すらできない猿以下ね。」

矢内「なんだと!テメェ!」

勇者「賢者さまもさっちんもケンカは止めて下さい!」

矢内「勇者、こんな黒魔術とか胡散臭い引きこもりの口の悪い奴とは友達は止めとけ。お前も根暗になるぞ。」

サチ「私の黒魔術を胡散臭いとか言うなんて、あなたこそ、口先だけで賢者とは程遠い屑人間ね。」

勇者「二人ともいい加減にして下さい!この先に皇帝陛下が居るのですからもうケンカしないで下さい!もう扉を開けますよ。」

 

バカの勇者に説教されてしまった。少し熱く成りすぎてしまった。こんな時はこの愛のスコールブルーソーダを飲んで落ち着こう。

 

矢内「サチ、少し言い過ぎた。」

サチ「…………。」

 

この女!俺が謝ってやったのに無視しやがった!なんて奴だ!

 

サチ「………。あなたが私に言った事、大体は合っていたわ…。後、少し考え事をしていただけで無視した訳ではないわ。」

矢内「そ、そうか。」

勇者「では扉を開けますよ。」

 

勇者の奴が扉を開けた。皇帝陛下か、少しかしこまった方がいいかな。ヤバい、緊張してきた。

 

サチ「………、凄い面白い顔よ。もしかして緊張しているのかしら?」

矢内「だだだだだ大丈夫だぁ〜。」

 

謁見の間に入った。

 

皇帝陛下「勇者よ。良く我が城に来てくれた!」

 

皇帝がこっちに近づいて来た。気持ち悪い顔だな。来るな!

 

矢内「サチ、疑って悪かった。予想以上にキモイ奴だった。」ヒソヒソ

サチ「しっ、聞こえたらめんどくさいから黙って。」ヒソヒソ

勇者「えーい!」ブン!

 

勇者の奴がいきなり斧で皇帝を攻撃しやがった!

 

皇帝陛下「いきなり何をするか!」ヒョイ

サチ「ちょっと!ゆうりん!」

勇者「あっよけられました。賢者さま、さっちん!化け物です。戦いましょう!」

矢内「気持ちは分かるがそいつが皇帝だ。落ち着け。」

サチ「そうよゆうりん、最初に吐く程気持ち悪い顔をしてるって説明したわ。」

勇者「先手必勝です。ター!」ブン!ブン!

 

駄目だ。聞こえていない。

 

皇帝陛下「助けてくれ!キサラギ!」

勇者「次こそ当てます。ター!」ブーン!

 

勇者の大振りの一撃が皇帝を直撃する。

 

 

ガキーン!何者かが勇者の一撃を防いだ。

 

「いきなり皇帝陛下に刃を向けるとは何事か!」

皇帝陛下「おぉ、キサラギ!良く我を助けてくれた!」

キサラギ「皇帝陛下、ご無事で何よりです。お怪我はごさいませんか?」

皇帝陛下「あぁ、大丈夫だ。しかし、勇者よ何故我を攻撃してきた!」

勇者「あの人化け物を庇いましたよ。」

キサラギ「化け物ではない!我が国の皇帝陛下だ!」

 

あの戦士めっちゃキレてる…。

 

矢内「まぁ、勇者ジョークってやつだ。ハハハハハハ!もし初めに俺に近づいて来たら安全靴でチンコを蹴り飛ばした所だからなぁ。ハハハハハハ!」

 

笑って誤魔化そう。

 

サチ(何さり気なく蹴り飛ばすとか言っているのかしら?この男は…)

キサラギ「冗談でそなた達は人を攻撃するのか!武器は無闇に人を傷つける物ではない!」

 

こいつ頭固いな…。

 

勇者「皇帝陛下さんごめんなさい…。」

皇帝陛下「まぁ良い。ジョークだったのだろう。キサラギもそう怒るな。このキサラギはこの国一の戦士でな。我の身辺警護や兵士達の訓練をしてる者だ。」

キサラギ「私の名はキサラギ、城の兵士達や町の住人達からは戦士長と呼ばれている。そこの男、くれぐれも皇帝陛下に失礼な事を言うでないぞ!」

 

だから何故俺だけに言うんだ!クソ!

 

皇帝陛下「キサラギはああ言っているがそんなにかしこまらなくても良いぞ。それでは本題に入ろう。」

 

皇帝陛下「今、この世界のどこかに魔王という者が居るらしい!そこで各国からそれぞれの勇者達が討伐に出ている!」

 

これははした金と安物の剣しか貰えないパターンのやつだ。マズいぞ。なんとかしなくては。

 

皇帝陛下「そこで、我が国は勇者に魔王がどの様な者か調査をしてもらいたい!」

矢内「調査ですか?討伐では無くて?」

皇帝陛下「あぁ、調査だ。もし、魔王がムチムチ美女だったら我の妃にしたい!」

 

コイツは一体何を言っている?そこに座っているだけのお前にまおゆうの用な展開に成るわけ無いだろ!コイツ、絶対に童貞だ。女に夢を見過ぎてる。

 

矢内「童貞陛下、陛下は鏡でご自分の姿を見た事が有りますか?」

皇帝陛下「何?」

矢内「仮に魔王がムチムチのエロい女だったとしたら陛下の用なキモイ奴とは死んでも結婚したくは無いと思いますが?基本的に女はイケメンにしか近寄らないクソ共です。よって陛下は死ぬまで童貞でしょう。間違いありません!」

サチ「賢者さん、お願いだから口を慎んで…。」

皇帝陛下「かしこまらなくても良いぞって言ったがさっきからなんだ!無礼者め、名を名乗れ!」

矢内「やれやれ、俺か?俺はみんなが大好き賢者様だ!」

 

決まった!痺れる程に決まった!

 

サチ「それ、カッコイイと思っているのかしら?」

キサラギ「そなたが噂の賢者殿…。(先ほどの発言と言い今のポーズといい、少し頭がおかしい人のようだ。)」

皇帝陛下「そうであったか。そなたが噂の賢者であったか。子供達を救ってくれたようで礼を言う。所で、その隣の美人の娘は誰だ?我の妃になりたい者か?」

サチ「冗談はその醜い顔だけにしてもらいたいわね、童貞陛下。」

皇帝陛下「無礼者!名を名乗れ!そして我の妻になれ!」

サチ「………」バチン!

 

いきなり童貞陛下に平手打ちしやがった、コイツ!

 

サチ「私は黒魔術士の三神サチ、次にふざけた事を言うとぶん殴るわよ。」

皇帝陛下「もう我を叩いているではないか!キサラギ、なんとかしてくれ!」

キサラギ「今のは陛下に非があります。それにしても勇者、賢者、魔法使い?の3人か……。武器で戦うのが勇者だけとはな。そうだな、一人我が国の戦士を同行させよう。陛下、よろしいでしょうか?」

皇帝陛下「あぁ、構わん。こんな無礼者達に誰が同行させようというのか?キサラギよ。」

キサラギ「勇者達と年の近いと思うエリカを同行させようと思います。それでは私はエリカを連れて来ます。」

 

そう言って戦士長は謁見の間を出て行った。

 

矢内「童貞陛下、我々は魔王の調査に行くにあたっての軍資金を頂いたいのですが……。」

 

行かないとは言えない感じなので資金ぐらい取れるだけ取ってやろう。

 

皇帝陛下「散々我に無礼をはたらいておいて更に金を寄越せだと!ふざけるのもいい加減にしろ!」

矢内「勇者よ。やはりコイツは皇帝陛下の名を語った化け物のようだ。斧で頭をかち割ってあげなさい。」

勇者「はい、分かりました!化け物!覚悟して下さい!」

 

あの戦士長が居ない今がチャンスだ!コイツを脅してふんだくってやろう。

 

皇帝陛下「待て!待たぬか!この国の金は国民の為に使う物だ。我一人の判断でお前達に渡す訳にはいかん。キサラギや他の者達と相談するから少し待て!」

矢内「少しってどれくらいだ?」

皇帝陛下「そういえばお前達、牢屋に居る人攫いと面会したいと言っていたな。」

矢内「会えるのか?あのバカに。」

皇帝陛下「ああ、構わん。その間に軍資金などの事は決めておこう。しかし、あの者に何の用事があるのだ?」

矢内「人攫いなんて単独ではできないからな。他に仲間がいたらまた子供達が攫われるかもしれない。俺と勇者はあの町の子供達とオーク達の村の子供達とは友達だからな。そんなことにはならない為にもアイツからいろいろ聞きだそうと思うんだ。」

サチ「け、け、賢者さんがまともな事を言ってる!」

 

失礼な奴だな……。

 

勇者「賢者さま?また子供達が攫われたりするのですか?」

矢内「そういう事にならない為にもアイツから話を聞き出すのだ。お前も友達になったポーキーやキール達が攫われたりしたら嫌だろ?」

勇者「そんなの絶対嫌です…。」

皇帝陛下「ウム、分かった。そういう事なら我が国の兵士達に毎日あの町とオーク達の村の警備にあたって貰う様にしよう。」

矢内「そうして貰えると子供達は安心だが良いのか?」

皇帝陛下「構わん!民は国のかけがえのない財産だ。」

 

コイツ、不細工なのに良いこと言うなぁ。

 

矢内「じゃあ、俺達は一度牢屋の方に行ってくる。」

 

そう言って俺達は扉の入口に居た兵士に牢屋まで案内して貰う事にした。

 

兵士「賢者様、あまり皇帝陛下に失礼な事を言わない様にって言いましたよね?次は無礼な事は控えて下さい。お願いします。」

 

童貞陛下に攻撃したこいつらに言えよ!クソッタレ!

 

俺達は城の兵士に案内されて人攫いが居る牢屋までやってきた。

 

矢内「おい!お前に聞きたい事がある!」

人攫い「お前は俺に酷い事をした奴!」

矢内「お前が子供達を攫ったりしたから牢屋にいるんだろが!反省しやがれ!おら!」バシャ

 

俺はあらかじめ持ってきてたラッカーシンナーを奴の顔にかけてやった。

 

人攫い「何をするんだよ!ああああ!目に入った!ああああ!」

 

目に入って悶絶してやがるwwwザマァミロ!

 

兵士「賢者様!なんて酷い事をするのですか!」

矢内「コイツ、全然反省してないだろ!そのまま失明してしまえ!」

サチ「まるでチンピラね…。これじゃどっちが犯罪者か分からないわ…。」

兵士「我が国では拷問は禁じられています!賢者様!お止め下さい!」

人攫い「目がー!目がー!」

兵士「おい、この水で目を洗うんだ!」

人攫い「すまねえ。優しい兵士さん。この国の人達はみんないい人たちだ。」

 

こいつ俺への当て付けか?

 

兵士「実は賢者様がお前に聞きたい事があるみたいなんだ。話してくれるか?」

矢内「お前の仲間は何処だ!言えー!」

人攫い「うわ!まぶしい!」

 

俺はこっちに来る前に買って置いた懐中電灯で人攫いを顔に思いっきり光を当てた。この刑事ドラマのような展開、一度やってみたかった。

 

兵士「今言ったばかりですよね!止めて下さい!賢者様の荷物は暫くこっちで預かります!」

 

俺の買って来た荷物が全て取られてしまった。

 

矢内「で、仲間は何処に居る。」

人攫い「そんなの居ない。俺一人でやったことだ…。」

矢内「嘘をつくな!お前のようなバカが人攫いなんて単独で出来る訳無いだろ!」ガン!

 

俺は腹が立ったので奴の居る牢屋の鉄格子を思いっきり蹴ってやった。

 

人攫い「ヒィ!何するんだよ!」

兵士「賢者様、次やると隣の牢屋に入ってもらいます。」

矢内「直接攻撃してないだろ!こいつがちゃんとしゃべらないからだな…。」

兵士「賢者様!」

 

ヤベェこの兵士、目がマジだ。

 

矢内「分かったよ!普通に聞けば良いのだろ!」

勇者「お前は子供達を攫ってどうするつもりだったのですか?」

 

勇者が質問をすると人攫いのやつがぽつりぽつりと話しだした。

人攫い「俺は砂漠の国の青空市場で買い物をしてたら神様の使いの方に子供をたくさん連れて来たらいっぱいお金をくれるって言われたんだ。」

 

さわやかな青空の下で人身売買をするな!

 

矢内「勇者よ、お前の所の神様は最低な奴だな。俺を巻き込んだり子供達を奴隷にしたり俺を巻き込んだり。」

勇者「ゼクス様はそんな酷い事しません!」

 

ゼクス?どこかで聞いた事ある名前だな…。

 

人攫い「ゼクス?俺が聞いた神様の名前はビーナスだぞ。」

矢内「そいつは神の名を語ったクソ野郎だな。」

人攫い(お前が言うなよ……。)

兵士(ビーナスとやらもあなたに言われたく無いでしょうに……。)

サチ「クズの賢者さんが言うことではないのですが……。」

勇者「さっちん、賢者さまになんて事を言うのですか!」

サチ「ゆうりん、私一人じゃなくてここに居る人みんな思っていることよ。」

矢内「まぁ、俺の事は置いといて砂漠の国か…。此処から遠いのか?」

人攫い「(怒らなかった)分からない…。頼まれるなり返事をする間もなくいきなりあの洞窟に出てきたから…。この国がどの辺りかも分かってないんだ。信じてくれ。」

 

いきなり出てきた?いつも俺がこの世界に来るゲートみたいなやつか?いろいろとこの世界はややこしい事が多そうだな…。

もう帰りたくなってきた。

 

矢内「お前はただ巻き込まれただけのようだな。分からないことが増えただけだったがまあいい。一度皇帝陛下のもとに戻るか…。」

兵士「もうよろしいのでしょうか?賢者様。」

矢内「ああ、後は皇帝陛下にいろいろこの世界について聞こうと思う。」

兵士「では賢者様の荷物はお返しします。いつもこんなに持ち歩いているのですか?」

矢内「ああ、食料とか調理道具とかいろいろだ。前回持ってきてない物が結構あったから苦労したんだ。」

兵士「そうですか。しかし凄い量ですね。」

勇者「あっそうだ、人攫いさん、牢屋から出ることになっても子供達を攫ったりしないでくださいね。」

人攫い「絶対しない!俺はもし出ることになったらお世話になったこの国の人達の為にずっと頑張ろうと思うんだ。」

矢内「勇者、何しているんだ?行くぞ!」

勇者「あっはい。今行きます賢者さま。」

 

そして俺達は牢屋を後にした。

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