わたしの賢者さま   作:ジャックオニール

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冒険の仲間達 3

俺達は再び皇帝陛下の所に戻った。げっ!あの戦士長も居るな。ここはおだてて金を巻き上げる作戦でいこう。

 

皇帝陛下「戻って来たな。お前達。何か情報は掴めたのか?」

勇者「気持ち悪い顔ですねぇ。」

矢内「コラ!勇者よ、皇帝陛下に失礼じゃないか。」

サチ「さっきまで賢者さんが一番失礼な事を言っていたのに何を今更言っているのかしら…。」

矢内「いいか、これはあの童貞陛下をおだてて金をむしり取る作戦だ。お前達、童貞を褒め称えるんだ。」ヒソヒソ

サチ「無理よ、良いところがないもの。」ヒソヒソ

皇帝陛下「何をヒソヒソ話しておる、軍資金なら僅かではあるが用意している。」

 

どういう風の吹き回しだ?

 

皇帝陛下「しかし賢者よ、気になっていたがその荷物の量はなんだ。旅に出るのに不便だろう。この異次元袋を与えよう。これで旅もコンパクトに出来よう。」

矢内「なんだ?異次元袋って。」

皇帝陛下「なんだ、そんな事も知らんのか。この袋は手に持てる物は何でも無限に入れる事が出来て袋の中の物は全く重みを感じないと言う旅には欠かせない物だ。」

 

ドラクエでパーティーの一番下欄の袋か!命名士の所に行ってこの袋の名前をマンコに変えて『ヤナイはひのきのぼうをマンコの中に入れた』って出来る奴か!

 

矢内「おい、童貞!お前こんな良い物をくれるか!ハハハ!今度福原のソープランドに連れて行ってやるよ!ハハハハハハ!それでお前も童貞卒業だ!ハハハハハハ!」

皇帝陛下「ま、まあ喜んでくれて何よりだ…。(これ誰でも持っているんだが…)」

勇者「あの、賢者さま。その袋、わたしも持っていますよ…。」

矢内「は?」

 

こいつ今何て言った?持っているだと?俺は前回も今回もクソ暑い中両手に食材やらシンナーの入った缶やら持って歩いていたんだぞ。

 

矢内「最初に言えよー!俺はクソ重い荷物を持って運んでいたんだぞ!何で言わなかった!」

勇者「えっと、賢者さまは力持ちだなぁって。」

 

死ね!一輪車にひかれて死ね!クソ!

 

キサラギ「あー賢者殿?そろそろよろしいか?」

矢内「なんだ?」

キサラギ「そなた達だけでは心許ないと思うので我が国の者を一人同行させようと思う。」

 

頼むからマトモな奴が来てくれ!バカの勇者と胡散臭い黒魔術士じゃ精神的に疲れる。

 

キサラギ「では紹介する。エリカ入って来なさい。」

エリカ「戦士長ー、何ー?」

 

戦士長に呼ばれて一人の女が入って来た。

 

皇帝陛下「おー、エリカよ。良く来てくれた!」

エリカ「お前、相変わらず気持ち悪い顔だなぁ。」

キサラギ「コレ、エリカ!口を慎め!」

皇帝陛下「キサラギよ別に構わん。エリカよ、来てもらったのは他でもない!そこに居る勇者達と一緒に魔王の調査に向かってもらいたい!」

エリカ「えっ何で?お前が行けよー。お前普段何にもしてないじゃん。」

 

この女言動が酷いな。多分何も考えていない。

 

キサラギ「陛下、申し訳ございません!自分の教育が行き届いていないばかりに……。」

皇帝陛下「あー構わん。人には得意不得意がある。こんなだがエリカは剣の腕は良いのだろう。」

キサラギ「それは自分が保証します。」

 

童貞陛下って顔のわりに器がデカいな。もし俺が下っ端の奴にあんな事言われたら即死刑にしてるぞ。

 

キサラギ「エリカよ、勇者達と調査に行くのは年の近いお前が適任なんだ。行ってくれるな?」

エリカ「分かった。行って来るよ。戦士長ー、勇者ってあのちんちくりん?」

キサラギ「失礼な事を言うな。そうだ。その隣の男性が賢者殿でもう一人の女の子が黒魔術士のサチ殿だ。仲良くするんだぞ!」

エリカ「分かったー。挨拶してくる。」

 

そう言ってエリカとか言う女はこっちに近づいて来た。

 

エリカ「お前が勇者?」

勇者「あっはい。」

エリカ「そっちが賢者にサチだな!」

サチ「え、ええ。」

エリカ「あたし、エリカ。お前らと一緒に旅に行くからよろしくな!」

勇者「あっはい。よろしくお願いします。」

矢内「戦士長!チェンジだ!他にいないのか?」

エリカ「勇者ー、よろしくなー!賢者、お前失礼だな!戦士長ー、こいつ斬っていいー?」

キサラギ「コラ!止めんか!賢者殿、少しよろしいでしょうか?こちらへ。」

矢内「なんだ?」

キサラギ「実はエリカの事ですが…剣の腕は自分には劣りますが一流です。しかしそれ以外の事は……。この旅でエリカにはいろいろな事を体験出来たらと思いまして、同世代の女の子もいることだしエリカを連れて行ってもらえたらと……。」

矢内「断る!!チェンジだ!」

 

勇者も大概だがコイツは酷過ぎる。キッパリと断った方がいい。

 

キサラギ「知的で聡明な賢者殿ならばエリカもいろいろと得るものは多いと思われます。」

 

この戦士長なかなか分かっているじゃないか。

 

キサラギ「賢者殿だけが頼りです!どうかエリカを連れて行って下さい!お願いします!」

矢内「ハハハ!戦士長、この知的で聡明な賢者様に任せておけ!ハハハハハハ!エリカって言ったな。これからはこの賢者様に任せておけ!ハハハハハハ!」

エリカ「なんだか良く分からないけどよろしくな!賢者ー!」

キサラギ(おだてに弱いと言う噂は本当だったようだ……。)

皇帝陛下「今日はもうすぐ日が暮れるので城の客間で1日過ごすがよい。明日から魔王の調査に出てもらおう。誰か!勇者達を客間に案内してやってくれ。」

兵士「それではこちらになります。」

 

そして俺達は先ほどの兵士の案内で客間に向かった。

兵士「こちらが客間でございます。たいしたおもてなしはできませんが今日はこちらでお休み下さい。」

勇者「兵士さん、ありがとうございます。」

 

俺達は客間の中に入った。ん?中に何か居る。一つ目の黄色い頭に手足と羽が付いている。

 

矢内「あれ、魔物だよなぁ。」

サチ「ええ、アーリマンね…。」

 

俺はドラクエ派だ、畜生!初めはスライムとか出て来いよ!そいつも終盤の敵じゃないか!

 

矢内「よし、仕方ない戦うぞ!」

勇者「はい!賢者さま。いきますよ、えーい!」ブン

 

ガキーン! 勇者の一撃が何者かに受け止められた。

 

エリカ「お前ら!アリマ君に何をするんだ!アリマ君はあたしの友達だぞ!」

勇者「ごめんなさい…。」

矢内「いきなり魔物がいたらそうなるだろ!先に言っとけ!」

エリカ「アリマ君はあたしの友達でお前らの旅に一緒に来てくれるんだぞ!次酷い事したら許さないからな!」

矢内「あー、分かった分かった。」

勇者「アリマ君ですね。わたしは一国の勇者です。よろしくお願いします。」

アリマ君「キー、キー!(よろしくね。)」

矢内「それで何でコイツはここに居るんだ?」

アリマ君「キー、キー、キー。(一緒に旅に出るからみんなに挨拶しようと思って…。)」

 

何言ってるか分からねーよ!

 

矢内「おい、エリカ!コイツ何を言ってるか分かるか?」

エリカ「んー、分からない。」

 

コイツ、パネェ!想像以上にヤバい!何言ってるか分からねー奴と友達って!何考えて生きているんだ?バカか!

 

サチ「エ、エ、エ、エリカさん?あ、あ、あなたはど、ど、どうして此処に?」

矢内「お前、何テンパっているんだ?」

サチ「は、初めて外に出て会う人よ。き、き、緊張するのは当たり前じゃない!」

矢内「俺や童貞陛下には思いっ切りキツい事言っていたよな、お前。」

サチ「………。」

 

無視かよ!そういえばこの女、引きこもりだったな。

 

矢内「エリカよ、サチも気にしていたがお前は何しに来たのだ?」

エリカ「あっ!そうだった!お前らに晩御飯持って来たんだ。せっかくだから一緒に食べよう!」

矢内「そうか!ありがたい!」

エリカ「はい!お前ら二個ずつだぞ。アリマ君も、一緒に食べよう!」

アリマ君「キー。」

 

そう言ってエリカはコッペパンを二つずつ手渡した。晩飯がこれだけか?絶対足りないだろ!

 

勇者「エリカにゃん、わざわざありがとうございます。」

エリカ「エリカにゃん?何それー?」

勇者「あだ名です。せっかく一緒に来てくれるので今考えてました。」

エリカ「ふーん。まぁいいや!仲良くしような。勇者!」

 

バカ同士すぐに打ち解けたようだ。

 

サチ「エ、エ、エリカさん?晩御飯はこれだけなのですか?」

エリカ「そうだよ。お城のみんなも同じだよ。」

 

は?兵士も全員これだけか?

 

サチ「ふざけているのかしら?仕方ないわね。私の黒魔術を使いましょう…。」

 

何?黒魔術だと!何をするつもりだ。

 

サチ「…………。はあああああ!」

 

何だ?いきなりサチの前にドアが出て来た!なにが起きるんだ?俺の知っている黒魔術と全然違う。

 

サチ「………。」ガン!ガン!

 

 

ガチャ。サチが先ほど現れたドアを開けると2食分の料理が出て来た!

 

サチ「賢者さん、散々私の事胡散臭いって言ったわよね。これが私の黒魔術、『ドア、ガン!』よ。驚いたかしら?はい、こっちはゆうりんの分よ。」

勇者「さっちん、ありがとうございます。」

エリカ「すげー!サチすげー!」

矢内「確かにすげぇ、この料理はどういう仕組みで出て来るんだ?」

サチ「仕方ないわね。説明するわ。これは私が召喚したドアを蹴り飛ばすと何処からともなくお母さんが料理を持って来てくれる黒魔術よ。」

 

確かにすげぇ。引きこもりの発想がすげぇ!自分達の分だけしかないのがすげぇ!

 

矢内「で、俺の分は?」

サチ「仕方ないわね。もう一度やるわ。ただし、ドアを蹴るは賢者さんよ。それで賢者さんの親しい人が料理を持って来てくれるわ」

矢内「ああ、分かった。」

サチ「…………。はああああ!」

 

ドアが出て来た!これを蹴れば良いのだな。ガン!

 

ガチャ。俺はドアを開けたが料理がない!

 

矢内「サチ!何も無いぞ!」

サチ「そんなはずないわ。あれ?紙ね。何か書いてあるわね…。えっと、冷蔵庫にお好み焼きが入っています。母よりwwwwwww」

矢内「ちくしょうーーー!」

 

この女!何笑っていやがる!!見てろ!このコッペパンをアレンジしてギャフンと言わせてやる!!

 

エリカ「賢者、なんかお前可哀想だな。」

サチ「大丈夫よwww冷蔵庫にwwwお好み焼きが入っているからwwwそれを賢者さんはwww食べwwwwもうダメwwwお腹痛いwwww」

矢内「笑うな!クソっ!ところでエリカ、城の兵士達もパン二つだけなんだな?」

エリカ「うん、いつもそうだよ。」

矢内「兵士達はもう食べ終わっているのか?」

エリカ「まだ、でもみんなもう少ししたら食堂に集まって食べると思うよ。」

矢内「まだなんだな?よし、エリカ。みんなが食堂に入る前に止めてまだ食べるなって言ってくれ。」

エリカ「えっ何でー?みんなお腹空いてるじゃん?」

矢内「いいから早く行ってくれ!」

エリカ「分かった。行ってくる。行こう、アリマ君!」

アリマ君「キー!」

矢内「いや、一人で行け!!アリマ君は俺を食堂に連れて行ってくれ。」

アリマ君「キー、キー!(こっちだよ。)」

 

俺はアリマ君の案内で食堂に向かった。この魔物、絶対エリカより賢いと思う。

 

勇者「さっちん、賢者さま達行っちゃいました。わたし達も行きましょう。」

サチ「ゆうりん、私達はちゃんとしたご飯があるから食べましょう。」

勇者「さっちん、みんなで食べた方が絶対おいしいですよ。行きましょうよ。」

サチ「分かったわ。あの賢者さんが何しでかすか分からないしね。めんどくさいけど行きましょうか。」

勇者「賢者さまー!待って下さーい!」

矢内「何だ?お前達も来るのか?自分の分があるだろ?」

勇者「だってみんなで食べた方がご飯は美味しいです。」

 

こいつらはちゃんとしたご飯があるから兵士達にひんしゅくかうから来て欲しくなかったが……。

 

アリマ君「キー!キー!(この奥が食堂だよ。)」

 

そして俺達は食堂にたどり着いた。兵士達はまだ来ていないな。よし、やるか。引きこもりめ!自分だけまともな物を食おうとした事を後悔させてやる!

前回、火をおこすのに苦労したからな。カセットコンロを3つ持って来た。異次元袋便利だな。物を運ぶのが凄く楽だ。

 

一つ目のコンロで鍋にお湯を沸かしてまずはスープだな。その間に買って来た食材で………よし、決めた。キャベツを千切りにして炒める。そして、塩、胡椒、カレーパウダーで味付けする。

 

矢内「アリマ君!エリカは何処だ?探して連れて来てくれ!城の兵士達も一緒にな!」

アリマ君「キー!(分かったよ。呼んで来るよ。)」

 

まさかあの魔物が一番まともな奴だったなんてな。

 

サチ「ゆうりん、賢者さんは一体何をしているのかしら?」

勇者「あれは、きっと魔法の料理です。」

矢内「お前達、そこに立たれると邪魔だから隅で体育座りしてろ。」

サチ「そっちのテーブルに行くわ…。」

アリマ君「キー、キー!(みんな連れて来たよ!)」

兵士「あれ?賢者様達、どうして此処に?」

矢内「エリカ、全員で何人居る?」

エリカ「えーと、1、2、たくさん!」

 

たくさんって何だ!ちゃんと数えろ!

 

兵士「今日、此処で食事をとるのは12人になります。」

矢内「あの人攫いは?」

兵士「後で、自分が食事を運ぶ事になっています。」

矢内「今日だけ特別にここで食わしてやる事できるか?頼む…。」

兵士「戦士長に確認して連れて来ます。」

矢内「すまんな。無理を言って…。」

 

俺達を入れて16だな。よし、3つ目のカセットコンロでソーセージを焼く。その間に鍋のお湯が沸いてきたので、鶏ガラスープの元に醤油を少々、ワカメを入れて、溶き卵をさっと入れて火を止めお玉でかき混ぜる。後は、ツナ缶を開けて細かくして、油を切ってオニオンスライスとマヨネーズで和える。完成だ!スープを入れる器は、あった。これでバッチリだ!

 

矢内「みんな!食事の時間を待たしてすまないな。最後にみんなのパンを真ん中を少しこんな感じに割って俺の所に並んで持って来てくれ!」ナンダ、ナンダ?トリアエズナラボウ!

 

俺は一つのパンにはカレーキャベツを真ん中の切目に入れその上にソーセージを乗せ、もう一つのパンにはツナマヨをそして、卵スープを兵士達に配っていった。

 

サチ「賢者さん、こっちもお願い…。」

矢内「お前、横入りしてんじゃねえよ!それに、自分の飯あるだろ、それ食ってろ!」

 

兵士達がサチを白い目で見ている。当たり前だ。

 

矢内「よし、これで全員に渡ったな。」

サチ「私とゆうりんはまだよ…。」

矢内「それ食ってろって言っただろ!」

兵士「賢者様、戦士長の許可が出ましたので連れて来ました。しかし、これはいったい?」

矢内「城を守るお前達がこんなパン二つだけだといざってときに力が出ないだろ!だから今日はお前達の食事をアレンジした。」

兵士「しかし、我々がこんな贅沢をしては民に示しがつかないと戦士長の教えでして。」

矢内「やはりな。じゃあ、その戦士長を連れて来い!ぶっ飛ばしてやる!」

キサラギ「誰をぶっ飛ばすと?賢者殿?そしてどういうことか説明して頂けますかな?」

 

なんて凄いプレッシャーだ!怯むな。この国の為だ。

 

矢内「来たな。諸悪の原因。座れ。」

キサラギ「自分は国の為にこの命を捧げている。それを」

矢内「いいから座れー!」

矢内「エリカが俺達に持って来たパンはお前のだな!後、二人は誰の分だ!」

キサラギ「………。」

兵士「そんな、戦士長!では自分のパンをお食べ下さい。」

 

城の兵士達がみんな戦士長にパンを渡そうとしている。やはり人望のある奴だったな。だからこそ分からせないと。

 

人攫い「いや、俺は囚人だから1日なくてもいい。賢者、俺のを戦士長に渡してくれ!」

矢内「お前達はそれを食えばいいんだ。でもな、戦士長の飯が無い訳じゃないぞ。で、戦士長よ。自分のパンを俺達に渡したのはお前と童貞陛下と後は誰だ!もう言えよ。」

キサラギ「………余りだ。」

矢内「何?」

 

いきなり戦士長が立ち上がり兵士達に頭を下げた。

 

キサラギ「皆、済まない!」ナンダ?ナンデセンシチョウガアヤマルンダ? ザワザワ ザワザワ

キサラギ「実は昨日パンが二つ余った分を自分と陛下で食べてしまった!」

 

いや、俺はそれ知らないし、そこを責めていないし。

 

キサラギ「そして今日も余っていたのを食べようとしてしまった。賢者殿達が来なかったら自分は同じ過ちをしていただろう。それを自分は賢者殿達に渡してなかった事にしようとした。自分はどんな罰でも受け入れる!しかし陛下だけは許して欲しい!自分がそそのかしたのだ。」

 

そう言って戦士長は兵士達に頭を下げた。どんだけ真面目な奴なんだ。

 

兵士「誰もそんな事で怒っていませんよ、戦士長。」ナンダ、ソンナコトカ。ハハハハハハ!

 

いや、違うんだが……。俺が言いたいのは、そうじゃないんだ。

待てよ。戦士長の奴どんな罰でも受け入れるって言ったな。これでいこう。

 

矢内「そうだな、戦士長と皇帝陛下には罰を与えないとな。」

キサラギ「罰なら自分一人で受ける!だから」

矢内「ダメだ。お前と皇帝陛下は俺のスペシャリテを味わって貰う!」

エリカ「おい、賢者!戦士長に何するつもりだよ!止めろよ!あたしが許さないぞ!」

矢内「エリカ、落ち着け。スペシャリテって言うのはな得意料理の事だ。お前もたまには戦士長に良い物を食べて欲しいだろ?」

エリカ「あたし達に作ってくれた奴より美味しい奴?」

矢内「そうだ。味は保証できる。お前も自分のを先に食べろ。」

エリカ「分かった!賢者、戦士長に美味しい奴作ってくれよ。」

矢内「って訳だ、戦士長。今から童貞陛下を呼んで来てくれ。お前達が戻るまでにスペシャリテを完成させる。」

キサラギ「しかし、自分だけ特別な物を食べるなんて…。」

矢内「まだ、俺の言いたい事が分からないのか。お前達はみんなのトップなんだ。たまには贅沢しないと下の奴らが遠慮するんだよ。」

キサラギ「たまには贅沢か……。皇帝陛下を呼んで来る。賢者殿。スペシャリテ、期待している。」

 

戦士長は皇帝陛下を呼びに食堂を出た。

 

矢内「俺は戦士長と童貞陛下の料理を作る!遅くなって済まないがみんなは先に食べててくれ。」

 

兵士達が食事を始めた。

 

「肉なんて城で出るなんて初めてだ!」

「スープうめぇ!」

エリカ「あたし、こんなご馳走初めてだよ!アリマ君、美味しい?」

アリマ君「キー!キー!(エリカちゃん、とっても美味しいね。)」

兵士「賢者様、我々の為にありがとうございます!」

矢内「堅い!食うときぐらい楽しくしろよ。」

人攫い「俺にまで……。ありがとう…。ありがとう…。」ポロポロ

矢内「お前、牢から出る事になったら子供達にちゃんと謝れよ。」

 

よし、早くスペシャリテ作るか。

 

勇者「やっぱりみんなで食べた方がご飯は美味しいですねぇ。」

サチ「ゆうりん、やっぱりあれ、食べてみたいわ。」

矢内「戦士長は別メニューだからソーセージ、二つ余るのか。勇者!サチ!お前達のパン持って来い!」

勇者「はい、賢者さま。」

 

俺は勇者とサチにもパンに具を挟んでやった。

 

勇者「賢者さま、この前のスモーブロとはまた違うのですね。これもとっても美味しいです!」

サチ「うん、18点ね…。なかなかいけるわね…。」

 

何が18点だ!クソっ!覚えてろ!

そうしている間に俺はスペシャリテを完成させた。おっ!戦士長が戻って来たか。タイミングもバッチリだな。

 

皇帝陛下「皆の者!我は皆に隠れてつまみ食いをしてしまった!本当に済まない!」

矢内「童貞!そんな事誰も聞いていない。料理が冷める、さっさと座れ!」

キサラギ「陛下、賢者殿の言う通り座りましょう。」

皇帝陛下「しかし賢者よ、これはいったいどういう料理なのか?キサラギは知っているか?」

キサラギ「いえ、自分も初めて見ます。賢者殿、この料理はどういう物か教えて頂きたい。」

矢内「これか?これは俺のスペシャリテ、矢内流黄金玉子チャーハンだ!スープはみんなと同じ物だが食ってみてくれ。」オー、イイニオイダ!ウマソー!

 

兵士達の歓喜の声が聞こえる。

 

キサラギ「黄金のように輝いている。頂くとしよう。」

皇帝陛下「我も頂くとしよう。」

 

童貞と戦士長がチャーハンを口の中に入れた。調子こいてスペシャリテとか言ってしまったから嘘でも美味いって言ってくれ!

 

キサラギ「賢者殿、これは米だな。それに鮭の身を細かくしたものが入っている。素晴らしい!」

皇帝陛下「スープもいい!賢者よ、鮭も卵も米も我が国では手に入らない物だ。本当に凄いご馳走だな。」コメダッテヨ!スゲー!オレモクッテミテー!

矢内「口にあってなによりだ。みんな!戦士長達に作った料理食ってみたいか!」

兵士「我々も食べられるのでしょうか?賢者様。」

矢内「ああ、今じゃ無いがな!」

兵士「それはどういうことでしょうか?」

矢内「俺達は明日から魔王の調査に行く!そして無事に帰って来たら国民全員集めてパーティーをしよう!その時はもっと凄いご馳走を用意してやる!酒もだ!」オー!ケンジャサマ!

キサラギ「凄い…。この短期間で兵士達の心を掴むとは…。」

矢内「では、みんな食べ終わった者から自分の職務に戻ってくれ!」

 

兵士達は皆、俺に敬礼して食堂を出て行った。

 

矢内「勇者達も食べ終わったらさっきの部屋に戻って休んでくれ!俺は童貞陛下と戦士長に話がある。」

勇者「分かりました。さっちん、戻りましょう。」

サチ「分かったわ…。」

エリカ「勇者、あたしも行く。おいで、アリマ君!」

アリマ君「キー!」

 

そして食堂には俺と童貞陛下と戦士長の3人になった。

 

矢内「二人とも、食べ終わったら話がある。時間を貰えるか?」

皇帝陛下「我は構わん。」

キサラギ「自分も大丈夫です。」

 

 

 

 

 

皇帝陛下「賢者よ、我はこんなに楽しい食事は初めてだった。感謝する。」

キサラギ「賢者殿、『たまにの贅沢…』今日は勉強になりました。」

矢内「贅沢はまだだぞ。飲もう。」

 

そして俺はブルーベリーの果実酒を取り出した。

 

キサラギ「け、賢者殿!これはお酒ではありませんか!!」

矢内「オークの村での貰い物だ。気にせず飲もう。」

キサラギ「すみません。自分はお酒は苦手でして……」

矢内「じゃあ、これだな。」

 

俺は戦士長にはスコールをついだ。

 

皇帝陛下「我はお酒を貰おう。」

 

チン! 俺達は乾杯をした。たまにはこういう飲みも悪くない。

 

矢内「始めに言っておく。俺はこの世界の人間では無い。」

皇帝陛下「この世界?賢者よ、何を言っておる。」

矢内「ああ、勇者の奴に連れられてこのファンタルジニアに来た。賢者って言ってるのもアイツが勝手に思い込んでるだけだ。」

皇帝陛下「賢者って言うのは嘘なのか?しかし何故、我らにその事を話す?」

矢内「それは今日1日で知ったが陛下と戦士長ができた人間だからかな。」

キサラギ「いえ、自分は出来た人間では無い。今日、賢者殿に思い知らされた。」

矢内「だから俺は賢者なんて大層な者じゃ無い。」

皇帝陛下「まあ、いいじゃないか賢者で。お前は我に媚びを売る用な輩よりよっぽど信用出来る。」

矢内「そう言ってもらえると助かる。まずこの世界の事を教えて欲しい。」

皇帝陛下「そうだな、我が知っている限りではあるが我がファンタルジニアの国の他にまだたくさんの国がある。」

矢内「皇帝陛下よ、砂漠の国はここから遠いのか?」

皇帝陛下「ここからだと北にある国を一つ越えてそこからさらに西だ。」

矢内「そうか、まず始めに俺達はそこを目指そうと思う。」

キサラギ「砂漠の国に何かあるのでしょうか?」

矢内「あの人攫いだが、砂漠の国で神の使いに会って一瞬でこの国に来たと言って居たのでな。」

キサラギ「神が何故その様な事を?」

矢内「神でも良い奴もいたら悪い奴もいるって事だろう。まずはその神の使いを探そうと思う。」

キサラギ「この短期間でいろいろ考えていたとは…。感服しました。」

 

俺は二杯目のブルーベリーの果実酒をついだ。夜はまだ長い。

 

 

 

 

 

 

私たちは食事をした後、客間に戻りました。

 

勇者「やっぱりみんなで食べるご飯は美味しかったですねぇ。」

サチ「ええ、久し振りに楽しい食事だったわ。」

エリカ「なー、お前らいつもあんなに美味しい料理食べてるの?」

勇者「賢者さまと会ってからですね。賢者さまの作ってくれるお料理はいつも美味しいです!」

エリカ「あれだけの人数分をすぐに作ったのはすげーよな!」

サチ「私の見たこと無い道具で火を付けていたわ…。」

エリカ「これから楽しみだなー。」

勇者「わたしもみんなで冒険するの楽しみです。」

サチ「でも、外は危険よ。魔物もいるわ。家が一番よ…。」

アリマ君「キー!キー!(魔物が出たら僕が戦うから平気だよ!)」

サチ「………噛んだりしないかしら。この魔物……。」

エリカ「そんな事しないよ。アリマ君はとっても良い子だよ!それに凄く強いんだぞ!魔物なんて平気だよ!」

勇者「さっちん、エリカにゃん、アリマ君もこれからよろしくお願いします。」

エリカ「うん!サチもよろしくな!」

サチ「え、ええ。よよよろしくお願いしします。」

アリマ君「キー!キー!(よろしくね。二人とも。)」

サチ「アアアリマ君もよよろしくね。(私、一度も行くとは言ってないのだけど……。)」

勇者「あっ!みんなでこれ飲みませんか?」

サチ「あら?何かしら?」

勇者「オークの村長さんに頂いた果実酒っていう飲み物です。この前のパーティーの時にわたしが飲もうとしたら賢者さまに止められてしまったのです。」

サチ「きっとそれは賢者さんが独り占めしようしたのよ。賢者さんがいない内にみんなで飲みましょう。(お酒よね…少しくらいなら大丈夫よ…多分。)」

エリカ「賢者、悪い奴だなー!あたし達だけで飲もう!アリマ君も飲もう!」

アリマ君「キー!キー!(ダメだよ!それお酒だよ!)」

勇者「アリマ君も賛成の様ですね。」

エリカ「あたし食堂でグラス取ってくるよ!」

 

エリカにゃんがグラスを取りに行ってくれました。これから楽しいことがいっぱいある良いですねぇ。

 

 

 

 

 

俺は皇帝陛下と戦士長にこの世界の事をいろいろ聞いた。

 

矢内「後、一つ聞いていいか?」

キサラギ「何でしょうか?」

矢内「昼に魔王の調査って言ったよな。何故勇者にさせるのだ?」

皇帝陛下「その事か。実はこの国は我が十年ぐらい前にクーデターを起こした国でな。人材も民もまだ少ない状態だ。」

キサラギ「そこに勇者と名乗る少女の噂を聞いて我が国の兵士が声をかけた所、引き受けてくれた。」

 

アイツ、多分訳も分からず返事したな。

 

皇帝陛下「勇者とはいえまだ幼いので仲間を連れて城に来るようにと言ったのだが……。まさか本当に仲間を連れて来るとは思わなかった。」

矢内「それで俺が巻き込まれているんだぞ!まさか本当に来るってどういうことだ!」

皇帝陛下「いや、それはすまん。」

キサラギ「賢者殿、自分達も出来るだけの協力します。」

 

ガチャ。食堂に誰か入ってきた。

 

エリカ「あれ?戦士長まだ居たの?」

キサラギ「エリカ、どうしたこんな時間に。」

エリカ「えっと、勇者が持ってた飲み物をみんなで飲むのにグラスを取りに来たんだよ。」

キサラギ「そうか、ほどほどにして早く寝るのだぞ。」

エリカ「分かったー。」

矢内「エリカ、俺の荷物をついでに持って行ってくれ。俺達はもう少し話す事があるから。」

エリカ「これを持っていったらいいの?分かったー。賢者達も早く寝ろよー。」

 

行ったか。あいつら仲良くやっているみたいだな。

 

皇帝陛下「まあ、なんだ。そういうことなので、旅に出てほとぼり冷めたら帰って来たら良い。魔王とやらも他の者が見つけているかもしれないしな。」

 

そんなので良いのか?元々やる気ないとはいえ、それで良いのか?

 

キサラギ「賢者殿、エリカの事くれぐれもよろしくお願いします!」

 

戦士長が深々と頭を下げた。

 

矢内「ああ、分かった。任せてくれ!おっと、もうこんな時間か。皇帝陛下、最後に一つ約束してくれ。」

皇帝陛下「なんだ?」

矢内「兵士達の食事はもう少し改善してやってくれ。あれではやはり体が持たない。俺達が帰って来た時に国が他の国に滅ぼされたってなったら洒落にならん。」

皇帝陛下「ああ、分かった。少しずつだが改善していこう。」

矢内「そうしてくれると助かる。それでは俺は客間で休むとするか。二人とも長々とすまなかった。」

 

俺はそうして食堂を出た。

 

キサラギ「面白い男ですね…。賢者殿は。」

皇帝陛下「ああ、そうだな。」

 

 

 

 

 

それから少ししてエリカにゃんが帰って来ました。

 

エリカ「みんなー。取って来たよー。」

勇者「エリカにゃん、ありがとうございます。ではみんなの分をつぎますね。」

サチ「エリカさん、それ賢者さんの荷物よね。ちょっと見せて欲しいのですが…。」

エリカ「分かったー。はいこれ。」

 

さっちんがエリカにゃんから荷物を受け取ると中をあさりだしました。

 

勇者「さっちん、何してるのですか?」

サチ「えっと、これとこれとこれね。ゆうりん、これ何かわかるかしら?」

勇者「それは缶詰めっていって蓋を開けるといろいろな食べ物が入っています。」

サチ「そう、では片っ端から開けていきましょう。」

 

そしてわたし達は缶詰めを開けていきました。中にはお魚や果物になんとお肉もありました。

 

サチ「とりあえずこれぐらいでいいかしら?足りなかったらまた開けていきましょう。」

エリカ「うわー!凄いなぁ。」

サチ「それでは景気づけに乾杯をしましょうか。ゆうりん、乾杯の音頭をお願いするわ。」

勇者「えっ何をするのですか?」

サチ「乾杯の前に何か一言いうのよ。」

勇者「あっ!賢者さまがこの前のパーティーでやってたことですね。」

 

上手くできるか分かりませんがやってみましょう。

 

勇者「えっと、明日からのわたし達の冒険の無事を祈って!スコール!」

 

チン!わたし達は乾杯をして果実酒を飲み始めました。

 

サチ「ウフフ、なかなか美味しいお酒ね。何杯でもいけそうね。ウフフフフ。」

勇者「本当に美味しいですねぇ。このお魚の味が濃厚でこの果実酒にぴったりです。」

エリカ「この飲み物苦いよぅ。でもこの缶詰めは美味しいなぁ。」

アリマ君「キー!キー!キー!(ダメだよ!お酒は大人になってからだよ!賢者様に怒られるよぅ。)」

勇者「アリマ君のグラスあんまり減ってないですねぇ。遠慮しなくてもいいのですよ。ウフフフフ。」

サチ「アリマ君、私がついであげるから今入っているグラス飲み干しなさい。ウフフフフ。」

エリカ「アハハハハ!アリマ君もグイッといきなよ!アハハハハ!」

アリマ君「キー!キー!(もういいや、僕は知らない!)」

サチ「アリマ君、良い飲みっぷりね。ウフフフフ。」

 

この果実酒を飲むとフワフワしてとっても楽しいです。みんなも楽しく笑っています。あっわたしももう一杯飲みましょう。ウフフフフ。とっても楽しいです。

 

 

 

 

さて、勇者達の所に戻るか。ん?笑い声が聞こえるな。

 

矢内「お前達、まだ起きて居たのか?」

勇者「あっ賢者さま〜。賢者さまも飲みましょう〜!」

エリカ「アハハハハ!賢者がたくさん居る〜!アハハハハ!」

サチ「(やばいわね…。寝たふりをしましょう。)zzzz」

 

こ、こいつら酒飲んでいやがる!しかも缶詰めも勝手に開けやがって!

 

矢内「お前ら!何勝手に酒飲んでいやがる!」

エリカ「賢者〜!怒るなよ〜。お前が果実酒ってやつを独り占めするからだぞ〜。」

勇者「賢者さま〜。もう一本ないですか〜。もっと飲みたいです〜。」

矢内「黙れーーー!!!!!!!」ガン!ガン!

 

俺はバカ2人の頭に拳骨をくらわした。

 

勇者「痛いです。叩かなくても良いじゃないですか。」

エリカ「痛!賢者、暴力は良くないっていつも戦士長が言ってるのだぞ!」

アリマ君「キー!キー!(だから、怒られるって言ったじゃないか。)」

矢内「おい、一つ目!お前も共犯だな。」

アリマ君「キー!キー!(ち、違うよ!僕は止めようとしたよ。)」

矢内「言い訳するなーー!!」ガン!

アリマ君「キー…。(ごめんなさい…。)」

矢内「まぁ、お前達3人?は拳骨一発で許してやる。おい!サチ!」

勇者「さっちん、もう寝ています。」

エリカ「サチ寝るの早いなー。さっきまで一番飲んでいたのに。」

アリマ君「キー…。(寝たふりしてる…。)」

矢内「まあ、寝ているなら仕方ないな。罰として一週間食事抜きにするか。」

サチ「賢者さん!それは理不尽よ!私はみんなを止めたのよ!食事抜きなんてあんまりだわ!」

矢内「やっぱり起きてるじゃねぇか!死ねーーー!!」ガン!

サチ「叩いたわね!」

矢内「黙れ!」ガン!

サチ「二回も叩いた!お母さんにも叩かれたこと無いのに!」

 

黙れ!寝たふりしてるんじゃねぇ!

 

矢内「エリカ、俺の荷物を漁って勝手に缶詰めを開けた奴は誰だ。正直に言え。」

エリカ「サチだよ。足りなかったらもっと開けて食べようって言ってた。」

サチ「ちょっと、エリカさん!」

矢内「勇者よ。俺が果実酒を独り占めしているって言ったのは誰だ。」

勇者「さっちんです。賢者さまがいない間に飲もうって言ってました。」

サチ「ゆうりん、みんなで飲んだよね!」

矢内「サチ、やっぱりお前が主犯じゃねぇか!お前、3日間食事抜きな!よし、もうみんな寝ろ。」

サチ「そんな、酷い!私、叩かれぞんじゃないのよ!」

 

酷いはお前だ!

 

 

 

 

 

次の日の朝、俺達は皇帝の居る玉座まで向かった。

 

皇帝陛下「おお、皆朝早くから呼び出して済まないな!」

エリカ「お前大声出すなよ!頭痛いのだよー。」

勇者「なんか気持ち悪いです〜。」

 

昨日果実酒を3本も開けるからだ!俺の飲む分が無くなっただろうが!

 

皇帝陛下「それでは、魔王の調査に向かう為の軍資金と通行証を渡そう。」

矢内「通行証?」

皇帝陛下「ああ、これを持っていると余所の国に入るのに通行料がかからなくなる。」

矢内「そうか、ありがたく頂くとしよう。」

皇帝陛下「最後にこれだけは言っておく!絶対無理するでないぞ!死ぬでないぞ!」

勇者「頭痛いから大声出さないで下さい〜。」

 

良い事言ってもこいつ等の所為で台無しだな…。

 

矢内「童貞!世話になったな!」

皇帝陛下「賢者!必ず帰ってこいよ!」

矢内「ああ、分かってる!俺達が帰って来たらパーティーをするのだからな!楽しみに待ってろ!じゃあ、行くぞ!」

勇者「皇帝陛下さん、さようなら。」

矢内「サチの奴が居ないな。何処にいる?」

勇者「さっちんならまだ寝てますよ。」

 

俺達はふざけたサチを叩き起こして城を出た。戦士長が兵士達を整列させている。

 

キサラギ「賢者殿達の旅の無事を祈って!全員!敬礼!」

 

兵士達が俺達に敬礼している。なんか恥ずかしいから止めてくれ!

 

矢内「戦士長、世話になった!」

エリカ「戦士長ー!行って来るー!」

キサラギ「エリカ!ちゃんと手紙を書くのだぞ!食事の前は手を洗うのだぞ!早寝早起きをするのだぞ!アリマ君も怪我に気をつけてな。」

エリカ「分かったー!」

アリマ君「キー!」

 

お父さんか、お前は!

 

矢内「よし、そろそろ行くか!」

勇者「はい!賢者さま!」

 

俺達の冒険はここからだ!

 

 

 

第3話

冒険の仲間達

END


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