藍華幻想録との並行で中々ペースが上がりませんが、新作は投稿していきますよ。
前回は、美鈴が救護室に運ばれたとけろで終わりました。果たして美鈴は大丈夫なのか?
「急いで、状況は一刻を争うわ」
「永琳先生。美鈴は大丈夫なんですか?」
「まだ分からないわ。詳しく見てみないと」
慌ただしい足音と言葉が交わされる球場内の通路、それほど美鈴の容態が良くないことを示していた。美鈴自身の意識はあるが、顔は痛みを我慢していたのか、しばし歯を食いしばっていた。
「さぁ着いたわよ、うどんげにサブローさん。慎重に美鈴をベッドに寝かせてちょうだい」
流石は医者の永琳先生、冷静沈着で適切な指示だ。しかし関心してる場合じゃない、今は美鈴の方が大事だ。
「サブローさん、1、2の3で担架からベッドへゆっくり移動させますよ」
「よし分かった」
「1、2の3!」
無事に美鈴をベッドに移したのを見て、すかさず永琳先生は再度美鈴を詳しく診察し始めた。脈拍に血圧測定、血液採取など脳震とうだけでなく、あらゆる可能性を考えている。
「顔は少し白い気がする...血圧も妖怪にしては低いし」
「師匠、美鈴さんの容態は?」
永琳先生の表情は少し曇っていた。やはり重い症状なのか?数秒おいて永琳先生が口を開いた。
「美鈴さんは大丈夫よ。血圧こそ低いけど軽い脳震とうよ。ただ右脚が少し痺れてるみたいね、妖怪だから2、3日で完全に回復するけど、これじゃ試合には間に合わないし出場するのは難しいわ」
美鈴は一命を取り留めたが、代償として右脚が一時的に麻痺してしまった。なんとかして美鈴を出せないかと永琳に提案したが、永琳は症状を悪くするだけとドクターストップをかけられた。
「サブローさんゴメンなさい。また私ヘマしちゃったみたいです、迷惑ばっかりかけちゃって」
美鈴は俺に迷惑かけてすいませんと、涙を目に溜め声を震わせながら言った。だが俺はこう答えた。
「美鈴、君が迷惑をかけたなんて誰も思ってないよ。なぜならあれは予測の出来ない事故だし、みんな美鈴を心配してるんだ」
「そうよ美鈴。私はチームドクターでもあるんだから迷惑なんてないわよ?私の仕事は医者、貴方を治すことは当たり前なのよ、だから迷惑ではないわ」
「そうですよ!みんな誰一人美鈴さんのことを迷惑だなんて思ってないですからね」
永琳先生と鈴仙も俺に続けて美鈴に声をかけた。やはりみんなの気持ちは同じなようだ。
「永琳先生に鈴仙、しばらく美鈴と二人だけにしてくれませんか?」
「分かったわサブローさん。じゃ鈴仙、みんなのもとへ合流するわよ」
「はい師匠」
永琳はサブローの要望を受け入れると、鈴仙と共に藍達がいるグラウンドに向かっていった。そして美鈴と二人きりになると直ぐに美鈴に問いかけた。
「美鈴、試合に出たいか?」
「私は...もちろん出たいですが、今の右脚じゃ満足にプレーが出来ません。なので...新しくメンバーを探してください」
「えっ?」
サブローは驚いた。試合に出たいか?と聞いて出れないとは分かったが、なんと新しいメンバーを探してと言われて思わず声が出てしまった。
「新しいメンバーだって?」
「はい、既に宛はあります。なので私の代わりにその方に出てもらってください、むちゃくちゃなんですがお願いします」
「美鈴・・・本当にいいのか?」
「はい、これもチームのためです。こればかりは仕方ないんですサブローさん」
俺は数十秒考えてから「...分かった、紫と相談してみる」と返した。
「あとその代わりのメンバーさんなんですが...」
美鈴はサブローにハッキリと情報を伝えた。
「なるほど・・・じゃあ俺からもお願いがある、絶対に脚を直して戻ってきてくれ」
「サブローさん...分かりましたこの紅美鈴必ずや戻ってきます!」
するといきなり救護室のドアが「ガチャ」と開いた。そこには紫がいた。
「話は聞かせてもらったわ美鈴。サブローさん、今日の夜その人物のいる場所に行くわよ」
「分かったよ紫」
「じゃあ練習に戻りましょうか、美鈴は紅魔館に帰りなさい。今小悪魔のこあが向かってるらしいから」
「はい紫さん、ありがとうございます」
「美鈴、絶対約束を守るからな」
美鈴にそう言い残すと、紫と共に救護室をあとにした。だがグラウンドへ向かうサブローの姿はどこか寂しいような雰囲気が漂っていた。
一方救護室では、美鈴が小悪魔の迎えを待っていた。すると救護室のドアがまた「ガチャ」と開き、紫が呼んだ小悪魔のこあが美鈴を迎えに来た。
「美鈴さん、紫さんから連絡を受けてきましたが大丈夫ですか?」
「こあさん、私は大丈夫です。ただ右脚が麻痺してしまっていて...」
「分かりました。では私からパチュリー様に、転送呪文で紅魔館に転送してくださいと伝えますから一緒に帰りますよ」
「ありがとうございます」
「礼は皆さんに言うべきですよ美鈴さん、ほら準備が出来たみたいなんでいきますよ」
「分かりました。こあさん、ちょっと肩を貸してくれませんかね?」
こあの肩を借りようやく美鈴は立ち上がる、そして転送されかける直前に小声で「...これでよかったんですよねサブローさん。やはり私は縁の下の力持ちが似合うのですから」と呟いた。
「美鈴さん、なにか言いましたか?」
こあは気になり、すぐに美鈴に聞くが美鈴は「なんでもないですよ、さぁ帰りましょう紅魔館へ」と言った。
(ふふ、美鈴さんやはり、サブローさんのことを想っているんだろうな〜)
救護室に現れた転送呪文の魔法陣から放たれる眩い光の中、美鈴とこあは紅魔館へ帰って行った。
いかがでしたでしょうか?
まさかの美鈴が離脱となりました、そして美鈴が言った新しいメンバーとは一体誰なのかご期待ください。
ちなみに実際脳震とうはたいへん危険です、軽くても麻痺する場合があるらしいですので早めに病院に行きましょう。
次回はまた遅くなるかもですがお待ちいただけましたら幸いです。