幻想野球異変   作:紗夜絶狼

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先にお詫びを、前回の話で試合の描写を書くのを忘れておりました...m(_ _)m
しかし今回こそは大丈夫です!あとダイジェスト風に書いていきます。


第7話 神戸ブルーウェーブVS大阪バファローズ

DJのアナウンスを受け左の打席に入るのは、いてまえ打線の核弾頭、大木直之選手だ。するとレフトスタンドのファンと応援団から、大村選手に向けて大きな掛け声をする。

 

「かっ飛ばせ〜かっ飛ばせ〜大木!!」

 

「かっ飛ばせ〜かっ飛ばせ〜大木!かっ飛ばせ〜大木!」

 

掛け声が終わると、選手固有の応援歌を、応援団が吹くトランペットによって流れだす。

 

「磨きあげられたその足で〜踏み出せ核弾頭〜駆け抜けろ速く〜勝利への道を〜スピード上げて走り出せ〜ホームベース目指して〜!!」

 

「かっ飛ばせ〜大木!!神戸を倒せ〜お〜!!」

 

「駆け抜けろ速く〜...」

 

と、このような感じで選手を応援していくのが、日本のプロ野球独自の文化なのである。ちなみに、掛け声のかっ飛ばせ〜○○の部分は、球団によって違うのだ。

 

「スタンドからの凄い威圧感だ...投手はたまったもんじゃいよな...」

 

「ふむふむ、なるほどね〜」

 

俺の横にいる紫は、応援団に関心を持ったのか、一人でゆっくりと頷いていた。

 

大木に対するのは左投手の味臺晟。味臺晟が振りかぶって、キャッチャーの構えた所に投げ込む。それにタイミングを合わせ、大村が初球から鋭くバットを振り抜く、すると味臺晟が投げた球は、大木のバットから逃げるように変化し、空振りを取った。

 

「なんだ!?あのキレのある外に逃げるスライダーは...」

 

「確かにあれは凄そうね」

 

空振りをした大木は足場を鳴らし再び構え直す。マウンドの味臺晟も、キャッチャーとのサイン交換を終え、ゆっくりと振りかぶり投げた。すると球場に鈍い音が響く。

 

「バキッ!!!」

 

何か木製の物が折れた音のようだった。ふと大木のバットに視線を移すと、木製のバットが真っ二つに折れて転がっていた。一方の大木はというと、ボテボテのファーストゴロだった。

 

「多分味臺晟投手、クロスファイアーのストレートでねじ伏せたな」

 

「そのクロスファイアーってなんなの?」

 

どうやら紫は聞いたことが無かったみたいだった。クロスファイアーとは、左投手が左打者に向かってインコース、つまり内側に投げ込む投球術のこと。それを捉えようと大木選手が出したバットの根本に、ストレートが食い込みバットに亀裂が入り折れたのだ。

 

「なるほどね、色んな単語があるのね」

 

俺は紫に説明してるうちに、球場DJが次の打者のアナウンスをする。

 

「2番セカンド 水谷栄二 背番号10」

 

「次はいぶし銀の水谷選手だ」

 

その水谷は、2ストライク2ボールからの、5球目放られたストレートに詰まり、ショートゴロに終わる。

 

「さていよいよだぞ、いてまえ打線の怖い打者の登場だ」

 

「3番レフト ルー・ローズ 背番号20」

 

「ついに来たか...ローズ選手」

 

ローズは左打席に入るといつもの様に、約1kgはあるプロの木製バットを、顔よりも高くあげ、まるでボールを誘いこむかのようにバットを振る。その様子はまるで巨人だ。

しかし味臺晟はそれにも動じず強気にインコースを速球で押し込む。

 

「カウントはフルカウント、ここまでローズ選手に対して決め球のスライダーは使っていない、むしろストレートが多い」

 

「多分次に味臺晟が投げるのはスローカーブね」

 

「えっ?何故分かるんですか?」

 

「まぁ見れば分かるわ」

 

紫は配球を読んだかの如く、俺に味臺晟が次に投げる球種を教えた。そしてマウンドの味臺晟は振りかぶり投げた。俺は驚いた...球筋を見るとスローカーブだった。しかしいくらローズでも、あの速球を続けられたあとだ。緩急をつけたスローカーブは打てないだろうと思った、しかし俺は目の前の出来事に驚愕する。

 

「カーーーーーーーン!!!」

 

乾いた打球音が俺の耳に響く。なんとローズは、タイミングを完璧に崩されながらも、自慢のパワーだけでボールを飛ばした。

 

「ワァーーー!!!」

 

打球は大きな弧を描き、ブルーウェーブファンで染まるライトスタンドに飛び込んだ。スタンド中段に飛び込む大アーチだ。

 

「完璧にタイミングはズラされていたのに...ローズ選手はパワーだけでボールを飛ばしたのか」

 

「ね?言ったでしょ、スローカーブが来るって」

 

ローズのホームランもそうだが、紫の配球読みにも驚いた。ただ何故分かったのか?俺はすぐさま紫に問う。

 

「そういえば、なんで次にスローカーブを投げると思ったんだ?あそこは決め球の高速スライダーかと思ってたんだが」

 

「あ〜、あれはただの勘よ」

 

「勘だって!?確かに読み勝負の世界だが素人が読めるなんて...紫すごいよ」

 

「あら?それは褒めてるのかしらね?」

 

紫は軽く微笑んだ。不敵な笑みに見えたのは気のせいかな?

 

「4番サード 中村秀紀 背番号5」

 

注目の中村秀紀は、味臺晟の前に三球三振を喫した。その後中村秀紀にはヒットが無かった。

 

「次はブルーウェーブだな、注目はやはり谷直樹選手かな」

 

「私ちょっとお手洗いに行ってくるわ。だからしばらくは、偵察および研究よろしくね」

 

「ゆっくりでいいぞ、任せといてよ」

 

紫はそう言うと、球場にあるトイレに向かって歩いて行った。そしてブルーウェーブの攻撃が始まったが塩味に尾上と、岩見の前に2者連続三振と切られ、次の打者は谷直樹だ。

 

「谷選手は一体、どんなバッティングを見せてくれるのかな?」

 

マウンドの岩見は、独特の二段モーションから初球を投げた。球種はストレートで、アウトコースギリギリの所に向かっていく。並の打者なら見送るか、詰まらせての凡打だろう。しかしローズは違った。

 

「カーーーーン!!」

 

またも乾いた打球音が響く。

 

「ワァーーーー!!!」

 

なんと谷は、類い稀なるバットコントロールで、アウトコースギリギリの速球を完璧に捉え、ファンで埋まるライトスタンドに放り込んだ。

 

「バットコントロールが良いのは聞いてたけど、まさかこれ程なんて...普通あそこをホームランにするなんて難しいぞ...」

 

谷直樹のバットコントロールは、俺の想像以上だったみたいだ。

 

「4番レフト サー・ブラウン 背番号23」

 

4番のブラウンは、岩見の前に三振に倒れ、お互いに初回の攻撃を終えた。試合はその後、お互い1対1で迎えた8回の裏に、ブルーウェーブの葛城に、タイムリースリーベースが生まれ勝ち越しに成功し、そのまま神戸が逃げ切った。岩見、味臺晟の両投手は、9回を完投し、試合は神戸の勝利に終わった。

 

「ふぅ〜データ集め終了!そういえば紫があれから帰ってこないな、何してるんだろう?」

 

すると紫が、タイミング良く帰ってきた。

 

「ごめんなさいね、藍から急用で呼ばれて、片付けをしてたらこんな時間に」

 

「そうなのか。それは仕方ないよ、あとデータはちゃんと取っておいたよ」

 

「ありがとうサブローさん、じゃ帰りましょうか?」

 

「そうだな、紫、今日はありがとうな」

 

「いいのよ、気にしないで。これも異変解決に必要なことだからね」

 

こうして俺と紫は、神戸対大阪の試合を観戦し、紫のスキマからマヨヒガに帰った。

 

マヨヒガに移動中...

 

「ただいま〜」

 

「ただいま戻りました。いや〜疲れたよ」

 

「お帰りなさいませ、紫様にサブロー殿」

 

「お帰りなさいです。紫様、サブローさん!」

 

マヨヒガに帰ると、藍と橙が迎えてくれた。

 

「早速藍にデータを渡して頂戴」

 

俺は紫に言われて藍に今日のデータを渡す。

 

「確かに受け取ったぞ、明日の朝には出来るから待っていてくれ」

 

「早いな〜藍は仕事が早いよ」

 

「結界の管理に比べたらこんなこと容易いことさ」

 

「あ〜あとサブローさん?明日から練習を開始するわ。場所は人里にある、幻想入りしてきた練習場を使うわ」

 

「なるほど、とにかく今日は休もうかな」

 

今日の試合は9回に終わったが、試合時間が4時間30分と長かったのだ。

 

「とりあえずサブローさんはお風呂へお入りください、既に湯は沸かしてありますので」

 

「済まないな藍、ありがとう」

 

俺は今日の疲れを癒すために、藍が用意してくれた風呂に入る。湯船に浸かりながら、明日のことについて考えた。どのように練習するか、どうやって指示をするか、風呂でも考えることがいっぱいだったが、身体の疲れは抜けたようだ。

 

「さて、明日も早いって言ってたし頑張るか〜!!」

 

「うるさいわよ〜」

 

「あっ...すいません」

 

ついつい脱衣所で叫んでしまった。さてさて、明日からいよいよ幻想郷ドリームズの始動だが、正直不安もあるが、どうにかなるだろうと思ったサブローであった。




ここまで読んで頂きましてありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+
今回は1回のみのダイジェストで書いてみた。そしてようやく次回から幻想郷ドリームズの始動です!
選手能力は強いが...おっとこれ以上はネタバレなんで教えないです(・ω・)
今回は選手固有の応援歌を貼っておきます。
(ブルーウェーブとバファローズスタメン出場選手のみ)

神戸ブルーウェーブ

塩味真

神戸の夢をかけて 青い空をめがけ
そして狙いは一つだ 星を掴め

尾上公一

気合いで決めるぜ 鋭いバッティング
俊足エンジン前回 塁を奪うぜ

谷直樹

1番
強気で進め 気力で勝ち誇れ
無敵の一撃を 勝利に向けて

2番
鍛えた闘志 黒バット託し
熱く燃えるハートで Vへと導け

サー・ブラウン

切れ味はバツグン 鋭いお前の持ち味
その名を広げろ サー・ブラウン

ホース・オーティズ

期待度はデカいぞ そう海を越えここへ
アスレチックスからロッキーズ ドミニカの星だ

塩川和彦

打つぜ塩川 ここで決めろ
球団一の 渋い男

山田武司

グラウンドに入ると 闘志燃やすぜ武司
打てば柵越え 止まらないぜ

葛城太郎

今この時に 決めてみせるぞ
鋭い打球 鮮やかに

日上剛

パワースイングに 気迫込めて
飛ばせ飛ばせ どこまでも

味臺晟

港町神戸に 嵐を巻き起こせ
勝利を呼ぶ一打 ここでドカンと

カー・リー監督

(情報不足のため現役時代の応援歌が分かりません...)

大阪バファローズ

大木直之

前奏 磨きあげられたその足で踏み出せ核弾頭
駆け抜けろ速く 勝利への道を
スピード上げて走り出せ ホームベース目指して

水谷栄二

気合いを入れて打つぞ(Hey!) 我らの栄二(Hey!)
栄二のバットが火を噴くぞ(Hey!) ホームラン

ルー・ローズ

今進め男ローズ この時に全てかけて
豪快なアーチを 勝利を待つスタンドへ

中村秀紀

我らの期待を そのバットに乗せて
ミラクルアーチを 決めろ秀紀

礒川文一

心熱く燃やせ(今だ〜!) 力込めて飛ばせ
敵を(叩け〜!)強打(かませ〜!) 勝利のために

吉田夕二

秘めたるその闘志 震わせて
今こそ今進め 敵を砕け

川島健史

前奏 ほとばしる激しき稲光
ここで決めたれ一打(オリャー!) 健史の一打
夢と希望を胸に秘め(トリャー!) 沸き立つスタンドへ

ショーン・ボルハート

前奏 〜♪歌詞無し
リストを利かせて 放て怒号の一撃を
敵を撃ち抜く お前のパワーを見せてやれ

的井哲也

鍛えし力で スタンドぶち込め
恐怖の男になれ 根性ど根性

岩見尚紀

ここで一発 大阪の星
アーチ描けよ 打つぞ岩見

梨味昌孝監督

コンニャク打法で ホームラン
エイトマン梨味 それホームラン

長くなりましたがここまで読んでいただき本当にありがとうございます(「`・ω・)「
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