お正月に小説版フィルムZを買って読んだんですが、アインの一人称が「私」ではなく「わたし」だったことが判明したので修正しました。映画は劇場で見たけど、そんな違いまでわからないよ。
あと次の投稿はリアルの都合で1か月後くらいになるかもしれないです。
半分程出来てるので、時間があれば1話だけ投稿出来るかもしれませんが、少し厳しいですね……。
海軍本部のある部屋。
「んっ、ロゼ、もうちょっと優しくして、強すぎよっ」
「充分セーブしている、耐えてくれ」
「そうかもしれないけど、まだなの……?」
「もっと強くすれば早く出来ると思うんだけど」
「ダメっ、これ以上は耐えられないっ」
アインはオレに体を刺激され、ビクビクと体を震わせ、気を失いそうになりながら、未知の感覚に目覚めようとしている。
「だがこのままだと、まだかかりそうなんだが……?」
「しょうがないでしょ、体が、もたないんだからっ」
「あまり大きな声を出さないでくれ」
「そんなこと言ったって、えっ……? なんなの……この感覚は……?」
「きたか。それじゃあこのまま」
「ちょっと貴方達、子供が何をしているのっ!? それもこんな場所で……!(ロゼ君に至ってはまだ10歳にもなっていないのに……!)」
何やら焦った声を上げて、扉の向こうで聞き耳を立てていたヒナさんが、慌てて部屋のドアを開けて入室してきた。この人はもっとクールな人だと思っていたんだが。
彼女は今年から海軍に入った新兵で、ピンクの髪を後ろで纏めている。
そして悪魔の実の能力者。
最初は敬語で話していたんだが、
他の新兵や海兵にも言われたな。あと呼び捨てで呼ばれることも多くなった。馴染んだ証拠だろうか。
未だに名前ですら呼ばず、〝小僧〟と呼ぶ人もいるが。いっそのこと、オレも〝赤犬〟もしくは〝おっさん〟って呼んでやろうか? ……焼かれそうだな。
「ヒナさん、どうかしたのか?」
「どうかしているのはあなたたちよっ。まだ12歳と8歳なのにっ」
オレと、オレの横で目を閉じたまま座っているアインを指さしながらそう言ってくる。
「たしかに早いかもしれないが、どうかしているってことはないだろう? ゼファーさんの許可も得ているし、オレも今年に入ってからもう何度もやっている」
「…………!?(ヒナ絶句……)」
何故かヒナさんが白目をむいている。覇王色で威圧した覚えはないんだが……。
「う~ん、ヒナさんが驚愕しているのを感じるような……気のせいかしら?」
「いや、それが覇気だ。気のせいなんかじゃない。目で見たり、耳で聞くのと同じように、出来て当然と思うんだ。覇気は意志の力、お前の心が揺らげば、覇気にも影響する」
「はっ! ……ちょっと待って、あなたたちは何をしていたの?」
「聞いていたんじゃないのか? アインの覇気を目覚めさせていた」
白目から復帰したヒナさんに聞かれたので教える。
先日父さんに聞いたが、覇王色を気絶させない程度に加減して他者に当て続けると、その者の覇気の覚醒を促すことが出来るらしい。
なるほど、妙なことを頼まれるようになったと思ったら、そういう理由だったか。納得だ。目覚めるまでの時間には個人差がある。それに強く当てた方が早く覚醒する気もするな。まあ強く放てばその分相手に覚悟がないと気絶するんだが。
今度から敵にはあまり使わず、使う時も全力で使って一気に意識を刈り取るようにしよう。そいつの覇気を目覚めさせないように。
アインはちょっと時間がかかっている。前にビンズにやった時はもっと早く終わったんだがな。ヒナさんが言うようにまだ早いからか?
この数年でアインのオレに対する態度は少し柔らかくなった。自分の倒すべき相手は海賊であってオレではないからだそうだ。まあとりあえずの手近な目標になっているが。
どうやらゼファーさんが覇気を習得して問題なしと判断した者だけ、オレに頼んで覇気を目覚めさせているらしい。下手に力を付けると鍛錬を怠ったり慢心に繋がりかえって危ないからだろう。あとあまり言いたくないが、海賊がスパイとして潜りこんでいる例もある。オレが勝手に目覚めさせるのはマズイ。
まだ入隊してもいないビンズとアインに許可を出したのは……やはり16年前のように、家族を海賊に殺されるのを恐れてのことだろうな……海軍本部があるマリンフォードにいるからといって、絶対に安全というわけではない。8年前にも〝金獅子〟が攻めて来て、町が半壊している。
「アイン、覇気を使えるようになったのは良かったが、加減してとか色々とうるさい。ただでさえ制御して弱く当てるのに神経を使っているのに、気が散ってしょうがなかったんだが」
「だって体がビリビリして変な感覚なんだもの。気を抜くと気絶しそうになるし」
「……そう、そうだったの……ただの勘違い……」
「勘違いって、何がだ?」
「わたくしは何も言ってなどいないわ、ヒナ沈黙」
いや、確実に呟いていたんだが……。
「ヒナさんが焦っているような……」
「わたくしは冷静だから気のせいよっ」
「いや、気のせいじゃない、それが覇気」
「そんなことよりっ!」
強引に話を変えようとする。やはり焦っているじゃないか。
「科学班の人があなたを探していたわよ? Dr.ベガパンクが呼んでいるって」
「ああ、今日はあの人が来ているみたいだからな。わかった、ありがとう」
「じゃあついて来て」
そう言って、ひょいっとオレのコートの襟を掴んで持ち上げた。
「えっ? 1人で行けるんだが……」
というか、これではついて行くのではなく、持って行かれる形になるんだが……。
「連れて来てくれって頼まれてるのよ」
「こんな犬猫拾うみたいな扱いは嫌なんだが……ロゼ不満」
「……それはわたくしの真似のつもりなのかしら? ふざけているの?」
「ヒナさんの怒りを感じる……ってちょっと待って! まだわたし、ロゼに最後までしてもらってないっ。もう少しでいけそうなのにっ」
どうやら見聞色は少し使えるようになったようだが、武装色がまだ出来ないようだ。
アインはオレと同様見聞色寄りか。
「すまない、また後でな。とりあえず1人でやっててくれ」
「そんなっ、あと少しって所でお預けなんて……ひどいっ。ちゃんと手取り足取り教えてくれるって言ったのにっ」
「後で最後まで付き合」
ガシャン……!
「んんっ!?
いきなり喋っていたオレの口元にヒナさんの手が通り、口枷のように鉄の錠がかけられた。
「わたくしの体を通り過ぎる全ての物は……【
「
「何を言っているのか、わたくしにはわからないわね。ヒナ不明」
じゃあこれを外せばいいだけじゃないか。
「じゃあアインちゃん、ちょっとロゼ君借りていくわね」
「後でちゃんと返してね~」
「
ヒナさんに襟を掴んで持ち上げられたまま、部屋から持って行かれた。
☆☆☆☆☆
口枷みたいにかけられた錠を武装硬化した歯で噛み砕き、近くのごみ箱に捨て、犬猫みたいな扱いも止めてもらい、ヒナさんの横を歩いて行く。
ようやく武装硬化が出来るようになった。一応全身を武装硬化で覆うことも出来るが、部分的に武装硬化で覆って攻撃や防御を行った方が、覇気の消耗を抑えられて燃費がいい。今回みたいに歯だけにするとか。ゼファーさんも腕だけ武装硬化していたから、〝黒腕〟と呼ばれていたわけだし、歯だけ武装硬化して戦えば〝お歯黒〟って異名が付くかもしれない……シンプルに嫌だ。
「わたくしの錠は鉄製なのだけど……」
「オレの歯だって鉄製に出来る。後は噛む力で壊せばいい」
「そんな簡単に……まあいいわ。それで、なんであなた科学班の人に探されてるの? ヒナ疑問(子供相手に『丁重に頼む』って一体どんな用なのかしら?)」
もしかしてそれが知りたかったのか? 別にいいけど。
「オレの能力を研究して、新しい兵器とかを作るつもりみたいだ」
「……あなた、それ大丈夫なの?」
「平気平気。まあ初対面でDr.ベガパンクに、解体させてくれないか? って言われた時は驚いたけど」
「全然大丈夫そうに聞こえないわよ……? 人体実験とか、してないわよね?(この子だったら、『別にいいぞ。ちゃんと元に戻してくれよ?』で許可しそうなところが怖い……)」
「いや解体させてくれって頼まれたの、オレが機械化させた服とかだったから」
最初は、この人頭おかしいのか? と思ったが。どうも言葉足らずになっていただけのようだ。オレの体から離すと元に戻るため、オレが色んな機械に変化させた服を、能力の解けない範囲内で分解して、構造を理解したら組み立て直すという器用なことをやってのけた。
Dr.ベガパンクは〝世界最大の頭脳を持つ男〟と呼ばれる科学者で、その頭脳は500年先を行くと言われているらしい。普段は新世界のどこかの研究所にいるそうだ。
血統因子という物を発見して世界政府に逮捕されたらしい。発見しただけで逮捕されるってどれだけヤバいものなんだ……。
その後所属していた研究チームも買収されたらしいが、あの戦争屋のジェルマの国王も同じ研究チームに所属していたらしく、ジェルマ王国は政府に科学技術の一部を提供する代わりに世界政府加盟国として存続。
どういう経緯があったのかは知らないが、Dr.ベガパンクも釈放され、海軍の科学班のトップになった。
「それでも兵器の研究って、子供に関わらせるものではないと思うのだけど……」
「海軍科学班としては兵器の研究をしているが、あの人個人としては、オレの能力を研究して日常生活に使える機械を作りたいみたいだ。あの人が作った設計図通りにオレが変化して、ちゃんと作動するかとか」
正直、オレの能力の手札を増やすのに参考になる物ばかりだ。こういうのは人体実験に入るのだろうか?
「対価として報酬も貰っている」
「……いくら貰ってるの?」
「お金じゃなくて物。たとえばこれとか」
そう言ってコートのポケットからケースを1つ取り出し、開けて中身を手に持つ。
相変わらず力が抜けるな……。
「触ってみる?」
「これって……海楼石の手錠?(こんな貴重品を、海軍所属でもない人間、しかも子供に報酬として渡すほどって、とんでもない研究の手伝いをしているんじゃ……)」
「そう。海賊を捕まえるために前から欲しかったんだ。試しに言ってみたら報酬で貰えることになった。手袋や服越しくらいでは、触れたらオレも力が抜けるから、普段は鍵と一緒にケースに入れている。普通の手錠だとオレでも腕力で引きちぎれるから、頑丈な海楼石製は助かる。その辺には売っていないし」
これで埋めるなんて面倒な真似をしなくて済む。
「(この子の関わっている研究には、これ以上触れない方が良いわね……軍の機密に触れそう)そういえばあなた、どうしていつも手袋しているの?」
ああ、この質問をされるのは何回目だろう? 特に新兵にはよくされる。だからこそ受け答えにもなれたものだ。
「悪魔の実の中には、直接触れることで効果を発揮する能力もある。手袋程度で防げるならそれに越したことはない。海楼石の影響もほんの少しはマシになる。海軍にもつけてる人はいるぞ?」
うそではない。最近会わないがロシナンテさんのナギナギの実の【
まあ音を消されたくらいで致命傷にはならないだろうし、サカズキさんの手袋をしている理由なんて知らないが。
「なるほどね、ヒナ納得。でもいつもする必要ないんじゃない?」
「常在戦場という言葉もある。オレがいる場所はどこだろうとオレの戦場だ。いつでも戦える備えをしているだけ」
そんなことを話しながら歩いていると、今年から知り合った2人が歩いて来た。しかし、
「スモーカーさん、その頭どうしたんだ? イメチェン?」
その知り合いの片方、葉巻を吸っている方の頭が丸坊主になっていた。前に見た時は白髪の短髪だったはずだが……。
スモーカーさんはモクモクの実、体を煙に変化できる
よく葉巻を吸っているが、体が煙なのに葉巻を吸う必要はあるのか? 自分の煙じゃダメなのか?
「んなわけあるかァ。それに、髪型のことでお前に言われたかねェよ」
「生まれつきこの髪型なんだから、仕方がないじゃないか」
「その前髪、生まれつきだったのね……ヒナ驚愕……!」
そんなことで驚愕しないでくれ。
前髪だけが金髪で、ちょっと翼っぽい形をしているだけじゃないか。
「それで、イメチェンじゃないならどうしたんだ? その丸坊主」
「上官に口答えした罰だよ、罰。ったく、こいつとペア組んでたってだけで、なんでおれまで連帯責任で掃除させられるんだ?」
そうぼやいているのは、黒髪で口髭と顎髭を生やしているダディさん。ホルスターを腰だけでなく肩にまでつけて、大量の拳銃を持ち歩いている。
オレの友達のパティシエイカ人魚のように腕がたくさん生えていて一度にすべての拳銃を手に持って発砲するわけではなく、腕は普通に2本で、弾丸を装填する手間を省くためにそうしているらしい。リボルバーの装弾数は6発で、再装填に時間がかかるからな。全弾撃ち尽くしたら別のに持ち直して撃っている。
「へえ、そりゃ災難だったな、ダディさん。それで、誰に口答えしたんだ?」
「……サカズキ大将よ」
隣にいるヒナさんが頭を押さえながらそう言った。
「ふふっ、ははははっ! よりによってサカズキさん? スモーカーさん、あんたよく無事だったな」
あの人は軍の規律とか上下関係に人一倍厳しいだろう。
「笑い事じゃないわよ……! あれはもうダメかと思ったわ……ヒナ諦観」
「笑ってるが、お前だってあの人によく噛み付いてるらしいじゃねェか」
「オレからケンカ売ってるみたいに言わないでくれ、人聞きが悪い……オレはそもそも海兵じゃないからあの人に従う義務はない。それなのにあの人は会う度にオレの思想を変えようとするから、こちらも言いたいことを言わせてもらっているだけだ」
オレ自身は敵を殺さずに倒せるように鍛え続けているが、他人にまで同じように敵を殺さずに倒せとは基本的に言わない。情けをかけて自分が命を落とすことだってあり得るから。言うのはオレの思想を変えようとしてくるサカズキさんにくらいだ。
まあそのことをサカズキさんに言ったら、「わしが海賊に殺されるのを恐れて殺しているじゃとォ?」とめっちゃキレられたが。オレが言いたいのはそこじゃない……。
組手してもらっていることには感謝しているが、サカズキさんはオレを大海賊時代を終わらせるために利用する気満々なため、オレが
「あの人なら、去年あったCP9の人が海賊の人質になった兵士500人皆殺しにして解決した事件、似たようなやり方で解決しそうだ」
いや、あの人は海賊はともかく、人質になった兵士をわざわざ殺しはしないか? 人質を無視するどころか人質ごと海賊を攻撃しそうなので、どちらにしろ兵士に死人は出そうだが。
「おい待て。なんでお前がCP9のことなんて知ってやがる。おれたちだって海軍に入ってしばらく経ってから初めて聞いたぞ」
「シャボンディって聖地マリージョアや海軍本部に近いから、そういう情報が入ってきやすいんだ。情報通の人がいて、オレはその人に聞いた」
というか、オレの母さんだ。
あとたまにバーに来てお菓子をくれるニョン婆も物知りだな。
世界政府加盟国にケンカを売った海賊を倒した事件なのに、事件を解決した人物の情報が出回っていないのは、CP9の仕業だからだそうだ。
「流石に名前までは知らないが」
「おれたちだって知らねェよ。存在しないことになってる諜報員の名前が、そう簡単に出回ってたまるか」
もっともだな。
あまり情報源について深く聞かれると困るので話題を逸らそう。
「それにしてもよく丸坊主と掃除で済んだな……まだ新兵とはいえ、クビにされてもおかしくないと思うんだが」
戦場で口答えしようものなら、クビどころか他に反抗する人が出ないよう、見せしめを兼ねて粛清しようとすることもありえる。首から上をマグマで焼かれかねん。
「クザン中将が止めに入ってくれたんだよ」
「ああ、納得。あの人もサカズキさんと仲悪いからな。良かったじゃないか、止められる人が側にいて」
サカズキさんには煙たがられるだろうけど、代わりにクザンさんからは気に入られただろう。オレも気に入られてるし。
あの
サカズキさんはオレを誘わない。自分の言うことを聞かないから海軍の外に置いて、利用だけしようとして来る。どれだけオレを都合のいい存在だと思っているんだ…使い捨てる気満々で、それを隠す気も0ってどういうことだ……。
まあクザンさんはクザンさんで、オレに雑用を押し付けたいみたいだが。今もたまに機密情報を除いた書類仕事とかを手伝っている。どうもオレに雑務を手伝わせる味を占めたらしい。能力や見聞色ですぐに終わらせている。印刷で筆記時間短縮したり、Dr.ベガパンクが開発したコンピュータという物に変化して計算したり、こっそり過去を見てどこに探している書類があるか探したり。
「今回は運が良かったけど、いつまでもこの調子では、あなたそのうち本当にクビになるわよ? ヒナ苦言」
「おれは気に入らねェ指図は受けねェ」
よくそれで海軍に入る気になったな。
「はぁ、呆れた……」
「クビになったらオレと一緒に
「クビを前提にしてんじゃねェよ……!」
「いや、その調子だと時間の問題に見えたから、今の内に誘っておこうかと。昇進しても不本意な命令はされると思うぞ?」
たとえスモーカーさんが元帥まで出世したとしても、その上にこの人と考えが合わなさそうな世界政府がいるわけだし。
今年に国民が一斉に
……オレ、政府のしたことで良い噂を聞いたことがないな。皆殺しだとか情報の隠蔽に捏造だとか、黒い話ばかりだ。少しは良いニュースを聞かせて欲しい。
CP9は闇の正義の名の元に、政府から非協力的な市民の殺害を許可されているらしいが、政府の闇が溢れすぎていて隠せていない。ドバドバ漏れている。
「ちっ、余計なお世話だ」
スモーカーさんにそっぽを向かれてしまった。勧誘失敗か。
「あら、スモーカー君は誘うのに、わたくしは誘ってくれないの? ヒナ残念」
そう言ってヒナさんがわざとらしく悲しそうな顔をする。
「ヒナさんがクビになるとは思えないけど……海軍辞めて一緒に来てくれるなら歓迎す」
「ふふっ、ごめんなさいね、わたくし海兵としてやっていくつもりだから」
「じゃあ誘われなくて残念、とか言わないでくれ……からかってる?」
「スモーカー君だけ誘われるなんてずるいじゃない。顔が怖いのに」
「顔が怖いのなんか気にしていたら
「ははっ、良かったなっ、クビになってもロゼが拾ってくれるってよ。顔が怖いスモーカー」
「お前らァ、好き放題言いやがって……!」
おっと、フォローした方が良かったか。
スモーカーさんが青筋を立てている。丸坊主だからわかりやすい。そして前より迫力増してるな。
「それに、スモーカーさんは優しいぞ? この前、転んで泣いてた子供の手当てしてたし」
「なっお前、見てやがったのかッ!?」
「へえ、そんなことしてたのか」
「あら、いい所あるじゃない。ヒナ感心」
「泣いてる子供に戸惑いながら手当てする姿にほっこりした」
まあ最初、子供を襲う暴漢に見えたのは伏せておこう。言った所で誰も幸せにならない。
今度は少し照れているようだ。なんか丸坊主になって表情の変化がわかりやすいな。
「そういえばダディさん、子供いたんだ? この前人に聞い」
ジャキッ!
「はあ?」
スモーカーさんが照れていたので話題を変えると、ダディさんに拳銃を突きつけられた。そして何故か鬼の形相をしている。
「(ああ、コイツ、地雷踏みやがった……)」
「(こうならないように、この子には知らせなかったのに……)」
「お前、おれのかわいいキャロルに興味があるのか……? 聞いてンだぞ、お前が以前に赤子手懐けて兄と呼ばれてたってこたァ。言っておくが、キャロルはやらんからなッ!」
「いや違うぞ、別にそういうつもりで話を振ったわけでは」
ドン! ガキン!
この男、撃ちやがった……。
体を変化させることで銃弾を
「違うだとォ? キャロルがかわいくないってのかッ!? 撃ち殺すぞ小僧ォ!!」
「そんなことは言っていないっ。そもそも……ナミちゃんの方がかわいいっ!!」
「ダディ君はともかく、ロゼ君がこうなるとは思わなかったわ……ヒナ意外(怒る所はそこなのね……撃たれたことはどうでもいいのかしら?)」
「とりあえず止めるぞ……効かねェからって発砲しやがって、アレでも一般市民だぞ。おれがダディをやる」
「そうね、連れてかなきゃいけないし」
「【ホワイトスネーク】」
スモーカーさんが腕を蛇のような形に変えて伸ばし、
「おわっ、スモーカー、何しやがるっ!」
「お前が何してやがる……」
逆上しているダディさんに、スモーカーさんが呆れ気味に、至極真っ当なことを言って返す。
「ふははっ! よくやってくれた、スモーカーさん。今からここで、オレの妹の成長記録の上映会を始める! ナミちゃんのかわいさ、しかとその目に焼き付けるがいい!!」
「何バカなこと言ってるの? 早く行くわよ」
ガシャン……!
オレが首から上を映写機に変え、目から光を出し、壁にナミちゃんの記憶を映像として映し出していると、後ろから忍び寄っていたヒナさんに、両腕で抱きしめるように錠をかけられた。そのまま次々に体を足首から胸の辺りまで錠で拘束され、蓑虫のような状態になる
そしてそのままお姫様抱っこで連れて行かれる。
「ああ、待ってくれ! まだ少ししか映していないのに! 動くと映像がぶれる!」
「……あなたそんな理由でわたくしの【
オレの妹の成長の記録をそんなってご無体な。
「というか何故お姫様抱っこ? 肩にでも担げばいいじゃないか」
「それだとあなたは暴れるでしょう?それに、こうしていると錠を斬れないんじゃない?」
ヒナさんの言う通り、このままでは体をチェーンソーに変えて錠を斬れない。ヒナさんの体ごと斬ってしまうから。肩に担いでくれれば体を揺らして降りた後、錠を斬れるのに。オレのやることが見抜かれている……。
「もうおとなしくするので、降ろして下さい」
「面倒だからこのまま行くわ。ヒナ護送」
「護送って、オレは海賊や賞金首じゃないんだが……」
色々バレたのかと不安になるから止めて欲しい。心当たりが多すぎる……先日もタイガーさん達の件が増えたし。
「そっちの意味の護送じゃないのだけど……」
「いやだって、オレは護衛対象じゃない。ただの
そもそも全身に錠をかけている時点で、守りながら届ける方の護送には思えない……完全に身柄を拘束されている。
「(この子、自分の関わっている研究の重要性に気付いてないの? 海楼石の手錠なんて加工が難しい高価な物、普通外部の人間にポンとくれるわけないじゃない……)」
「なんか急に黙って、どうかしたのか?」
「あなたは危なっかしい子供だと思っただけよ。なんだか手のかかる弟が出来たみたい……試しにお姉ちゃんって呼んでみて?」
何だ急に? 別にいいが。いや、でもやっぱりお姉ちゃんはちょっと……。
「ええと、じゃあ、姉さん」
ゾクリ……
「!?(な、何なの? 今の体が、いえ、魂が震えるような感覚は……それにしてもまさか不意打ちで姉さん呼びにするなんて……ヒナ不覚。でもお姉ちゃんって甘えた呼び方より、こっちの方がこの子には合ってて自然ね……)」
「ど、どうしたんだ? 急に身震いして……やはり普通にヒナさんって呼んだ方が良」
「いいえ、これからはわたくしを姉さんと呼びなさい。ヒナ命令」
「いやでも今固まっていたじゃないか。普通に呼んだ方が」
「わたくしずっと弟が欲しかった(大嘘)から嬉しかっただけよ。ヒナ満足」
たしかに笑っているな。機嫌も良さそうに見える。
「なら姉さん、扱いが犯罪者みたいだから止めて欲しい」
ゾクゾク……
「そ、そうね……おとなしく抱かれているなら、錠を解いてもいいわよ?」
「いや、普通にさっきまでみたいに歩けばいいじゃないか」
「姉弟のスキンシップよ」
そういえばオレもよくナミちゃんをだっこして飛んでいたな……。
「そうか……なら仕方がないな」
「でしょう?(この子、譲れない一線さえ越えなきゃ本当にチョロ、従順ね……危険に首突っ込みすぎないように調きょ、教育しなくちゃ……ロゼ君、いえロゼの姉として)」
錠を解いてもらい、そのままヒナさ、姉さんに抱えられながら、Dr.ベガパンクの所へ向かった。
いつもと同じように設計図を見て体を変化させてDr.ベガパンクの研究の手伝いをする。
それにしても……やはりこの人頭おかしいな、良い意味で。よくこんな物をポンポン思い付くものだ。開発費用がとんでもないことになりそうだが。オレはそのコストを能力でクリア出来るから恵まれている。
実験も終わり、海軍本部の研究室を出ると、姉さんが待っててくれていた。
時間大丈夫なのか? あの2人も罰で掃除してたみたいだし、空き時間なのだろうか。
何故か急にオレの呼称が呼び捨てになっていたが、オレに至っては姉さん呼びなので大した問題じゃないだろう。君付けより呼び捨ての方が気安い感じがするし、悪いことではないはず。
そして2人でアインの所に戻り、改めてオレの覇王色をアインにぶつけて武装色の覇気も目覚めさせた。まだ目覚めただけなので、強く鍛えるには時間がかかるだろうが。
それにしても、アインが姉さんをどこか怯えた様子で見ていたが、どうしたんだろう?
目覚めたての見聞色で何かを感じ取ったのか? オレは普段、心の声を聞かないようにしているから、2人が何を思っていたのかわからんが。
後日、ダディさんとは、オレが噂以上に
別にどうしても会いたいわけではないので構わないが、そこまで警戒しなくてもいいじゃないか……。
今回の出オチ
目覚めその1。最初はこんな出オチにする予定ではまったくなかったけど、思いつきでアンジャッシュになった。
アインはロゼに覇王色の覇気で体を刺激され、未知の感覚=覇気に目覚めようとしていただけなので、問題は何もない。完璧で幸福に健全です。ロゼの覇王色の擬音をギンギンッ……!! にしてどっかに書こうかと思ったけど、後書きで我慢しました。
ようやくやり方がわかった文字のサイズ変更まで使って、覇王色で遊びすぎ。
覇王色に付け足した効果
人の眠っている覇気を目覚めさせるのが、前回の後書きで書いた覇王色に付け足した設定です。目覚めさせるだけで、強くなるかはその人次第。引っ張るほどの設定じゃなかったけど前回のきりが良かったので。
HUNTER×HUNTERのオーラをぶつけて
四皇が強い勢力を作れる理由にもなる。裏切りを考慮したら、考えなしに傘下に覇気を使えるようにはしないだろうけど。
海軍って覇王色の使い手いるのかな? ガープなら使えても驚かないけど。(※ビブルカードにてセンゴクが覇王色の使い手とわかりました。ガープは違ったけど、こういうケースを想定して金取らなくて良かった……)
覇王色持ちが複数いるロジャー海賊団の元クルーなのにバギーが覇気を使えないのは、彼らの覇王色に耐えられず気絶したんでしょう。ちなみにクロッカスさんは見聞色を使えることがビブルカードに書いてる。ラブーンの感情か言葉が分かるとかかな。
Dr.ベガパンク
ロゼをメカメカの実の能力者にすることが決まった時点で、接点は作るつもりでしたが、まだいい人か悪い人かもよくわからないので、今の所話題に出るだけで登場はさせない。
メカメカの実の能力者のロゼとベガパンクが会うことで、原作よりこの世界の科学技術が発達するかもしれない。ロゼが能力でオーバーテクノロジーを使っても、ベガパンクが開発したで済む。
この頃もう海軍科学班に所属してたかわからないけど、ここではしてることに。たぶんパンクハザードの研究所にいる。
原作で本格的に登場してどんな人か分かれば、書き足したりするかもしれない。藤虎曰く王下七武海がもう要らねェくらいすげェモン完成させたらしいし、原作の登場は近いか?
ロゼは能力使って研究の手伝いをする代わりに、海楼石の各種捕獲アイテムを貰ってる。
海楼石の相場がわからないので、こういう形で手に入れることにした。これで1つ億とかだったらとんでもない額で研究の手伝いをしてることになるが……。
ちなみにベガパンクの設計図がミスってて爆発でもした場合、ロゼの体は元に戻りません。ブキブキの実で爆弾に変化して爆発しても元に戻るけど、メカメカは無理。だから覚醒後しか爆弾は作れない。今のままじゃ正真正銘の自爆になる。そしてロゼは元に戻らないことなんて知らない。目隠しで口笛吹きながらスキップで危ない橋渡ってるようなもの。
ジェルマ王国が世界政府加盟国の理由
戦争屋なんてやっている上に、ジャッジをベガパンクと一緒に一度は逮捕しようとしたのになんでジェルマが加盟国だったのかを、政府と技術協定を結んだからということにしてみた。
ロゼが当然のようにジェルマを実在のものと扱ってるけど、海軍に出入りして聞いたとか、両親やニョン婆に聞いたとか、ベガパンクに聞いたとかで知った。
スモーカーとヒナ
当然入隊時期の恰好。
ちなみに2人共原作で手袋派。本文でロゼが言ってた理由で付けてるかはわからないが。
この頃はスモーカーの葉巻は1本。入隊時、スモーカーは葉巻、ヒナはタバコをすでに吸ってる。どこかの後書きで書いたように、この世界では18歳で酒とタバコがOKだと思うので、ヒナが18歳のこの年入隊にした。
スモーカーが子供の頃は原作開始時と髪型変わらないのに、入隊時期は丸坊主なのは何故かと考えて、よく上官に歯向かって、ヒナに庇われて何度かクビの危機を救われたりしたらしいので、罰としてバリカンで刈られたことに。誰に歯向かうのがマズイかと考えると同時に赤犬に決定。ついでにスモーカーと青雉が友達になるきっかけも作れた。
ゼファーは4年の訓練をしてから実戦に投入されたらしいが、今は大海賊時代なので、1,2年にするつもり。来年入隊のヴェルゴも1年でG-5支部に異動してるし。
ダディ・マスターソン(新世界編36歳、スモーカーと同じにした)
ダディが名前です。アニメと小説版で見た目が違うらしいが、小説版を見たことがないのでアニメの方。
アニメのローグタウンで出てきた30丁の拳銃を操る狙撃手。スモーカーと同期らしい。
キャロルという娘がいる。アニメの見た目からたぶんこの年はまだ生まれてないけど、娘を溺愛してるキャラなので、生まれてることにした。0歳か1歳くらい。
ダディがセコムしてロゼを自宅に近寄らせないので出ませんが。
最後にロゼが、そこまで警戒しなくてもいいじゃないか…とかほざいていたが、この話でも姉を作っているので、ダディの警戒は当然の判断。
CP9
CP9の連中は海軍にも名前や年齢、容姿、能力は上層部のごく少数にしか伝わってないことにした。大体の海兵は噂だけ聞いててエ二エス・ロビーの時に初めて名前を聞かされる。
民間にはCP9の存在自体が信じられていないし、情報屋にもわずかな情報しか渡っていない。じゃないとガレーラに本名で堂々と潜入してたルッチ達が
情報を隠したせいでCP9の仕業とバレるってマヌケっぽいが、これくらいしかそれっぽいこと思い付かなかった。長官がスパンダムだったらむしろ納得だが、まだスパンダイン、多分スパンダムよりはしっかりしてる。なんとかルッチの事件を話題に出したかったんだ……。
ヒナ姉化
目覚めその2。弟萌えに目覚めただけでショタコンじゃないです。時間かけて姉化させるつもりだったけど、初登場にして、姉さん呼びからの、即堕ち2コマでキャラ崩壊。
子供の頃のイラストで鳥を飼ってるのを見てたらこうなった。ロゼのイメージ動物が鳥だから。
ロゼに対する扱いは現状弟、またはペット……。
ロゼのイメージ動物はシルバーズのバーズから鳥、ハヤブサ。
自分の秘密とか原作のシナリオとかで出来た檻の範囲内で自由に動き回っている。たまに更なる自由を求めて、檻から自力で脱出し、満足したら檻に帰って来る。まあお利口さん。
鳥であるなら、作品名「機械の
ハヤブサは他の猛禽類に比べて、飼い主に馴れやすいらしいです。ペット感増しちゃった……。