ロゼもそろそろお年頃、オープンすけべとむっつりすけべ、どっちなのか……レイリーの子だし、歯の浮くようなことを言うし、オープンで堂々とさせるか。
原作開始時の七武海が加入した時期っていつなんでしょう。不明なのは、くま、ミホーク、モリアでしたか。クロコダイルも不明だけど、ビブルカードとSBSの情報からロジャー処刑後で20代前半の時、つまり新世界編22~24年前くらいなので、もうすでに七武海。個人的には、モリアはカイドウに負けて
4月から執筆出来る時間が減るので、投稿ペースが遅くなるかもしれません。まだなんとも言えませんが、隔週とか場合によっては月一。出来るだけ早く書けるよう頑張ります。
マリージョア襲撃から2年が経った。
タイガーのことも指名手配され、今では〝大洋のタイガー〟2億3000万ベリーの賞金首。彼を船長とするタイヨウの海賊団は、海賊としては異例の不殺を貫く海賊団として知られている。海軍の追手の軍艦を何隻も沈めながら、未だに死者は0だそうだ。他の船員も、〝海侠のジンベエ〟7600万ベリー、〝ノコギリのアーロン〟2000万ベリー、〝40段クロオビ〟900万ベリー、〝六刀流のハチ〟800万ベリー、〝水砲のチュウ〟550万ベリーなど他にも多数、1つの海賊団にしては賞金首が多い。はあ……手配されてしまったか……。
たまに商船を襲ったと報道されるが、その新聞の写真の隅には首輪が付いた人がちらほら写っている……まあ、商船には違いないのだろうな。巷じゃ〝奴隷解放の英雄〟とも呼ばれているらしい。
まあそれはいいか。彼らがその辺にいる普通の海賊みたいな略奪をするとは思えん。それよりこの額……そろそろ覇気使いが動くし、捕まえるための作戦も練られるだろう。シャーリーに気になることも言われたし、注意しておくか。未来なんて自分で切り開くものだ。この世に決まった運命などあってたまるか。
「わらわが来たぞ。茶を入れてくれ。サロメ、椅子」
「
考えていると、ハンコックが鍵を開けておいた玄関から入って来る。まあ気配でわかっていたし、今朝の電話で訪問すると聞いていた。この皇帝になった後の口調も、もう聞き慣れたな。たまに前の口調も出るが。
もうすでに何度か見たが、両耳にヘビのピアスをして、赤を基調としたヘビと花の模様が入った服を身に付け、上から
露出が高めだが、
ソニアとマリーよりは露出が控えめと言える。あの2人は水着みたいな服の上から、マントを羽織っているだけだからな。まあそれが
海軍の軍服みたいにルビノクヨ繊維で作った服なら人獣化で体が大きくなっても耐えられるが、閉鎖国家にはまだないだろうな。あれではいつか焼印が見られるぞ? 去年出来た海列車、パッフィング・トムが通る島の1つ、春の女王の町と呼ばれるセント・ポプラなどの場所でルビノクヨ製の服が作られている。
「いらっしゃい、ハンコック。サロメも久しぶりだな」
「
普段ハンコックに巻きついている、骸骨を被った、白い体に赤い模様がいくつもあるサロメにも手を伸ばしながら声をかけると、チロチロと伸ばした舌で舐めてくる。少しくすぐったい。この大蛇はハンコックのウエストよりも太い。たぶんメスヘビ。
ヘビって発声器官あったっけ? まあ、サロメは鳴くし、こいつの種はあるんだろう。耳もないはずだけど、ハンコックの命令もちゃんと聞く。今も主人の要望に応え、とぐろを巻いて椅子になっている。椅子ぐらいちゃんとあるのだが……ヘビは人に懐かず慣れるだけって聞いたが、懐いているようにしか見えん。
トリスタンも
今日は、最近七武海同士の争いがあり、片方が殺害され、下手人の方は他にも問題が発覚し除名され、消息を絶ったので、ハンコック達は海賊の石像を船に乗せて、オレの伝手で世界政府に送り付けた帰りだ。おそらく問題なく加入出来るだろう。個人としても勢力としても実力はあるし、あまり長い間、七武海にいくつも空席を作りたくはないはずだ。出来るだけ早く埋めるため、今なら多少の無茶を言っても通るだろう。
一緒に突きつけた条件に、アイドル活動のサポートなんてものもあるらしいが……まあ、好きにすればいい。オレも好きにするから。その結果戦うことになったとしても、その時はその時だ。思い切りぶつかった後で和解すればいい。といっても、アイドルをやることで、オレと戦うことになるとは思えんが。
それにしても、首輪を付けられ死んだ目をしていたあの姉妹が、天竜人の支配を振り切り、立派になったな……トラウマだらけの場所だろうに。まあ来る度にすれ違った人達を石化させ、通り過ぎた後で解除し前後の記憶を消すという荒業をするが、体に傷も異常もないことだしギリセーフか。
「
顔だけバケツに突っ込んで、口を動かし水を飲んでいる。中々愛嬌があって良い。
「数か月ぶり……のはずなのだが、あまりお前とは久しぶりという感じはしないな。毎日のように話もしていることだし。ソニアとマリーは、母さん達に何か用なのか?」
2人は店の方に行った。トリスタンも今は向こうで開店前の母さんの店の掃除を手伝い中だ。
ニョン婆が来ないのは電話で聞いている。まあ、前にも会った。たまに父さんとルスカイナの無人島を借りてサバイバル生活なり、戦闘なりをする時に会う。
前に蒸気船を取りに来た時に、代わりにルスカイナの上陸許可をくれた。今のままの法でも、あの島なら男を上陸させても問題ないと。正直助かる。この島で派手に戦闘を行えばバレるからな。
三姉妹も修行に交じって一緒に父さんに相手してもらうこともあるが、中々多彩な技で器用な戦い方をする。というかやっぱりヘビはかっこいいじゃないか。もっと胸を張って良いと思う。
あの島は四十八季といって、週一で春夏秋冬の季節が変化する、中々愉快だが慌ただしい変わった気候で、そんな環境で生き残った強い動物が多く生息しており、人間は大昔に滅んでしまった。だがそんな環境でもオレの能力は本当に便利だ。キッチンを内蔵しているようなものだから、遭難しても困らない。そもそも飛べるのでサイクロンにさえ出くわさなければ自力で脱出可能。
一番困ったのは食料だ。肉が嫌で野菜ばかり食べていたら、好き嫌いせずに食べろと怒られた。せっかく動物が寄って来ない場所で栽培したりしていたんだが仕方がない。それ以降は、倒した動物の尻尾を切り落として、焼いて食べてもいた。あそこの動物はデカイから尻尾だけでも食べごたえがある上、治癒力が高く時間が経てばまた生えてくる。食うに困らん。
「うむ。あの2人はシャッキーやトリスタンと積もる話でもしておるじゃろう。他の船員達は、島を見たり、船に残っておったりじゃ(レイリーが今は自宅におらぬのはリサーチ済み。姑と看護師の足止めは任せたぞ!)」
2人とは後で会うか。
オレの能力については、ゴルゴン三姉妹とは別の悪魔(の実)を食らい、悪魔を体に宿し異能を使えるようになった代わりに、海に呪われカナヅチになったと、一部を除いてほぼ事実を伝えている。悪魔を食べたのか……と引かれたが、些細なことだ。
「顔色も良さそうだな。最近は電話中にいきなり貧血で倒れることも減って来たし、皇帝の業務に慣れてきたか?」
「あのような雑務、元より造作もない。ただ少々朝は低血圧なだけじゃ(へ、平気な顔をしおって……わらわに毎朝あんなことを言っておいて……)」
「じゃあ夜に連絡した方がいいんじゃないか?」
「いや、このままで良い(朝でないとそなたがいるかわからぬし……朝一番に話がしたいのじゃ)」
「そうか」
こいつがそう言うなら良いか。
「それでじゃ。今日来たのは、そなたに渡したい物があるからなのじゃ」
そう言って、おもむろに服の内側に手を突っ込んで、CDケースとカードを取り出した。
「……なんて所に物を入れている」
「他に入れる場所がないのじゃから仕方なかろう。ふふふっ。じゃがそなた、まったくわらわから視線を逸らさなんだな?」
「目の前で、服がはだけた絶世の美女がいたならば、そりゃ見るだろう! 男なら!! 見られたくないのなら、せめて前もって一声かけろ」
何を当たり前のことを……女しかいない島ではこういうものなのか? 無防備過ぎる……。
「ち、力強い!? (褒められておるが、思っていたのと違うのう。もっと、こう……
♡♡♡♡♡
『そっ、そんなことはっ……!?』
『ふふふっ、そんなに慌ててどうした? 何なら……触ってみるか?』
『一介の
『いいのよ、そんなことは。私が欲しいのはただ一つ……これからは私の言うこと、何でも聞いて?』
『ハンコック……』
♡♡♡♡♡
こんな風にしたかったのじゃが、赤面すらせぬとは……)」
「男は皆すけべだから、気を付けるように」
「(冷静に注意された。やはり手強いのう……むっ?)それはそなたもか?」
「当然だ。例外はない」
「(み、見たい……わらわに夢中になる姿……!)」
「ともかく、それが例の曲のCDなのだろうが、そっちのカードは?」
「う、うむ。これは……わらわのファンクラブの会員カードじゃ!」
「随分気が早くないか?」
まだデビューしてすらいないだろう。
「アマゾン・リリーでは国民全員が持っておるぞ?」
「身分証明書みたいになっているな……」
オレは持っていないが。
「ふふふっ、それも会員No.0のプレミアものじゃぞ!」
「それってすごいのか?」
「すごいに決まっておるじゃろうがッ! 若いNo.は闘技場で勝者の景品になり、No.4~50くらいまでは
「そんなバカな……」
ハンコックに怒られたが、それでアマゾン・リリーは大丈夫なのか? いや、あの
「ちなみにNo.1がソニアでNo.2がマリー、No.3がニョン婆じゃ」
妹2人は角も立たないし順当だが、ニョン婆もか……先々々代皇帝だというのに。
「まあ、すごい物だというのは伝わった。だが、オレに渡してしまって構わんのか? 話を聞くと、あいつらだって欲しがりそうなんだが」
「これは本来わらわの自分用じゃ……それに、そなたに持っていて欲しいのじゃ。ダメか?」
いつもの自信満々な態度から変わり、少し不安げに尋ねられる。
何かが欲しいとねだってくる時の、媚びたような作った表情とも違う。
なるほど、父さん……これがギャップ萌えなのだな。言葉で説明されても意味不明だったが、実際に見て理解した。心に来るものがある。
「わかった。ありがたく頂戴しよう。そして誰にも渡さない」
「う、うむ!(そんな……わらわを誰にも渡さないなんて)(※おしい)」
ウインクしたハンコックの写真が貼ってあるCDとファンクラブカードを受け取る。
会員カードはとりあえず財布に入れておくか。
「このCD、聞いてもいいか?」
「それなのじゃが、そなたの部屋でわらわの歌を披露したいのじゃ」
「今歌ってくれるってことか?」
「うむ! わらわの美声に酔いしれるがよい!」
すごい自信だな。楽しみだ。
ハンコックをオレの部屋に案内する。と言っても、何度も居候していた時に入って来ていたが。オレの部屋なのにオレ以上に
「(相変わらず本が多い部屋じゃ)ここは久しぶりじゃのう……ではサロメ、マイクスタンド」
「
サロメが、頭に被った骸骨の目の穴から舌で取り出したマイクを咥え、ハンコックの口の辺りに近付き、ピンと体を伸ばし固まり、その胴をハンコックが持つ。オレの部屋にスピーカーはないから、ただの雰囲気作りのアイテムと化しているが。
それにしてもサロメ、そんな特技まで身に付けたのか。主人もそうだが、お前も多芸だな。
「曲はかけた方が良いか?」
「うむ。インストver.があるからそれを頼む」
2年前まではほとんど何も知らなかったのに、外界の文化に詳しくなったものだ。
CDをケースから取り出し、プレイヤーで再生し、オレは自分のベッドに座る。
「♪~♫」
言うだけあってきれいな歌声だ。電話した時に出てきた歌詞のフレーズがいくつも入っている。その時も思ったが、曲に合わせて改めて歌で聞いてみると、まるで告白でもされているかのような錯覚を覚える。
それにしても、歌も上手いが、踊りの振り付けまであるのか。
美しい鈴のような声で響く歌声に、天女の舞を思わせる踊り、桃源郷とはこんな……!?
ポキッ!
ッ~~! お、おのれェ……あの忌々しい感覚は……この歌は、【メロメロ
というかこの女、まさかCDを売りに出して無差別石化テロでも起こす気か? なんて恐ろしいことを……いやでも、まさかそんな……だが念のため後で確認しておこう。そのためにも、そしてちゃんと最後まで聞き届けるためにも、この天国と地獄が隣り合わせになったようなコンサートを、無事に乗り切らねばッ……!
「!? ♪~♫(ま、まさか指の骨を折ってわらわの【メロメロ
数分後、4本の指を生贄に、オレは生還した。仕方がない、必要経費だ。
左手の指を全部折ってしまえば、自分に【
「何故そこまでするのじゃ。命を取るつもりなど毛頭ないと言うておろうに……ああ、そなたの左手、親指以外の指があらぬ方を向いてしまっておるではないか。もう解いたから折るでないぞ?」
「せっかく聞かせてくれたんだ。途中で寝落ちするのは失礼だろ。良い歌と踊りだった。指が逝ってしまうくらい」
指を元の方向に矯正しながら感想を言う。だが出来れば普通に楽しみたかったな……後で牛乳を飲んでくっつけるか。
「そ、そうか……そうなのか……ふふふっ(最後までわらわの歌を聞くために、自分を傷付けてまで……)」
こ、こいつ……オレの折れた指を見て笑っている……愉悦を覚えている! 天竜人に痛め付けられること約4年、性癖が歪んでしまったか……。
「(むっ? 今、ロゼの左手はボロボロ……今ならヤレる!?)サロメ、ゆけ! 左手は避けよ」
「
「えっ?」
突然
何故? さっきの水が美味しくなかったのか? ……でもこいつ、怒っていないな。じゃれてるのか? どうせ心の声を聞いたところで意味が理解出来んし……。
考えていると、ハンコックにベッドに押し倒された。
今度は何だ!?
「な、何の真似だ?」
「すべてわらわに任せておけ……すぐにいかせてやる……天国にな」
顎を指で軽く持ち上げられ、ハンコックと正面から向き合わされながら言われる。
逝か……殺られる!?
「どうでもいいかもしれんが、たぶんオレは地獄行きだぞ!?」
「大丈夫じゃ。わらわが良い声で鳴かせてやる」
あっ、そっちか。
オレの傷を見て、蛇姫様の嗜虐心に火が付いてしまわれたのか……そういうのはちょっと……。
「ハンコックゥ? 何をしているのかしらァ?」
オレの部屋のドアが空き、母さんが入って来た。
あっ、これキレている。今まで見たことがないほど怖い。
服の装飾として付いている小さな翼が、悪魔みたいに禍々しく巨大化して見えるようだ。怒るとこうなるのか……。
「しゃ、シャッキー!? これは、愛し合っているだけなのじゃ!」
「えっ?」
オレをアブノーマルに巻き込むな。痛め付けられ悦ぶ趣味はない。
「へェ……そうなのォ。でもォ……それっておかしくないかしらァ?」
「な、何がじゃ?」
「いやおかしいだろ」
オレは指の骨を折って耐えていただけなんだが……愛とは一体。
「傷付けるのがあんたの愛の形なんでしょォ? ロゼは骨が折れて痛がってるのに、あんたは無傷……愛し合うならあんたも痛みを味わわないとねェ?」
「そこなのか母さんッ!?」
そんな特殊なプレイは御免
「だからねェ? ハンコックゥ……続きは私としましょうかァ?」
「ヒィッ!?」
絶対一方的に痛め付ける気だな……。
「その辺にしといてやったら? まあ美人で優しいオレの自慢の母さんのことだ、おいたが過ぎたハンコックに少し警告しただけだよな」
「……アハハハ……当たり前じゃないの。ちょ~っと懲らしめただけよ~」
「(嘘よッ……!!)」
母さんから出ていた謎のプレッシャーが消えた。
「あっ、牛乳入れてくれないか?」
「いいけど……あんた、いくら【生命帰還】が使えるようになってきたからって、わざわざ自分を傷付けるもんじゃないわよ?」
「確かにそうかもしれんが、石になるよりはマシじゃないか?」
「ハンコックをぶっ飛ばしちゃえばいいじゃない」
「そこまでするほどではないかな」
他に被害は出ていないし、殺気は感じなかった。それでも石化は嫌だが。
「(はあ……こうなると頑固なんだから)じゃあ、さっさと強くなっちゃって、私を安心させてよね」
「ああ、頑張る」
母さんが冷蔵庫から牛乳を持って来てくれて、2杯飲んだ辺りで折れた骨がくっついた。オレが手を閉じたり開いたりして具合を確かめ、それを見届けてから、母さんが退室する。
ふむ……まあいいか。放っておこう。
「あ、ありがとう……お礼に、私を慰める許可を出してあげないこともないわ!」
「回りくどい……口調が素に戻っているぞ?」
「こほん! ふふふっ、褒美にわらわの頭を撫でさせてやっても良いぞ?」
回りくどいのは変わらんのか……。
ハンコックは、ずっとオレにしがみつきビクついていた。というか今もしがみつかれている。
サロメは母さんが入って来た時点で、オレの拘束を解き、今はベッドの傍らでとぐろを巻いて待機中。賢い奴……。
じゃあとりあえず、頭を撫でるか。こいつの髪、きれいなんだよな。
「なあ皇帝陛下、ちょっとその姿は情けなくないか?」
「シャッキーには色々世話になったし、どうも頭が上がらぬ……」
ニョン婆にも世話になっているはずなんだが……扱いに差を感じる。
ニョン婆は何故か
「それにしても、すごくサラサラの髪だな」
「当然じゃ、毎日手入れを欠かしておらぬ……わらわの髪に触れることを許可する男など、そなただけなのじゃぞ?」
「それは光栄だ……あっ、ところであの歌のCD、聞いてたら石化する、なんてことにはならないよな?」
「【メロメロ
知らん間に実験台になっていた。そういえば楽器の演奏が聞こえたことがあるな。
世界に復讐とか言ってテロをする気なわけではなかったようだ。良かった。
あれ、そういえばサロメや電伝虫には効かんのか? ……耳がないからか。
「(これ、良いのう……)こ、これからもわらわに尽くすのであれば、またこうして髪に触れさせてやっても良いのじゃぞ?」
偉そう……実際に偉いのか。
「では、お前の1番、いや0番のファンとして、応援しよう」
「うむ。ではまずは、わらわをもっと褒め
「アバウト……じゃあ、紹介したとはいえ、よくマリージョアに行けたな。別にあいつに任せればいいものを。怖くはなかったか?」
「わらわにとってあの場所は、消し去りたく忌々しい過去ではあるものの、恐怖の対象などではないわ。それにわらわが臆すれば妹達や船員達にも移る」
「強いな、長女兼船長は」
偉い偉いと頭を撫でる。
「……それよりわらわとしては、あの女とそなたがどういう関係なのかの方が気になるのう? そなたの事情を考えれば、仲良く出来るとは到底思えぬのじゃが」
「あいつはオレの情報源であり、協力者であり、ストーカーだ。ちょっと悪質なファンだな」
あと……これは言わなくていいか。
それにしても、本当に弱みを握られ脅されるとは……シャーリーの占いは馬鹿に出来ん。だが、これからのためにも必要ではある。いざという時のために、見張っておいてもらうか。あいつぐらいにしか出来ん。
「そなたの運は良いのか悪いのか……(今思えばソニアにもバレておったし……わらわにとっては運が良いが)」
「結果的には良いんじゃないか?」
「随分綱渡りな幸運じゃ。
「今の所敵対することはなさそうだし、まあ大丈夫だろ」
「……あまり仲良くされるのも複雑じゃのう。あの女とも、海軍とも」
「海軍もか?」
「わらわ達があそこで捕らわれておった時、何をしてくれたわけでもなし。あんなに近くにおるのに、見て見ぬふりをしておった。嫌いじゃ……」
……こいつらには、文句を言う資格くらいあるか。
「海軍にも今はまだ出来んことがある」
「だがそなたはやった。ここでもあそこでも」
「たまたま手に入れた能力を使ってな。それに、オレには失う立場もない。だから出来た。あまりオレに恩を感じ過ぎるなよ? オレは自分のやりたいようにやっているだけだ」
「あっ、それは問題ない。正直もう恩とかどうでもよい」
「そ、そうか」
中々新しい反応だ。ならいいか。
恩を返そうとするのは立派なことだが、自分の好きにやっているだけのオレには必要ない。あえて言うなら普通に仲良くしたいぐらいか。隠し事をせずに済む関係は心地良い。
「(きっかけではあったが、そんなこともう関係ない……ただただ欲しい)……さっきはああ言ったが、わらわも少し、ほんの少しは不安だったようじゃ。だから、たまにこうさせてもらっても良いか?」
そう言って、オレの胸元に顔を沈めてきた……かわいい……! 【メロメロ
「もちろん構わん。お前達が今のままでいる限り。だが、お前がこうやって頼れる相手はオレだけか?」
ハンコックの頭を抱きしめながら問う。
「(や、優しく抱きしめられっ耳元で……! はぁん……♡)い、妹や国民達の前で、あまり弱気な態度は見せられぬ」
「たしかに、お前はそうだろうな。だが、その妹達は姉の力になりたいんじゃないか? なあ、ソニアとマリー?」
「へにゃっ?」
少し
「(ば、バレてたッ……!?)」
1人ただの出歯亀もいるが。
「(うわ~! うわ~!! あ、甘々です……)」
「
「なっ、ななななっ!? い、いつからそこにいたのよ、あなた達ッ!?」
「母さんが出て行った後だな。あと、言葉遣いが乱れているぞ?」
「そんな前から!?」
オレから離れようとするハンコックの頭を後ろから抱きしめながら、疑問に答える。
逃がさん。もっとゆっくりしていけ。
「ロ、ロゼよ、もう良いのじゃぞ?(さ、さっきよりも力強くっ……うれしいが、ソニア達の前で、こ、こんなっ……!)」
「ふははっ、遠慮するな。もっと甘えればいい。普段強気なお前が頼ってくれて、オレはうれしい」
「(うわぁ……いじめっ子がいますよ。恥ずかしがっているのを知りながら、反応を楽しんでますね……ハンコックさんの顔、真っ赤になっちゃってます……かわいいっ!)」
「水臭いわよ、
「あ、
「う、うむ。わかった、わかったから……ちょっと離れて……」
ソニアとマリーも、前からハンコックに抱き着く。
後ろはオレが押さえているし、この抱き枕、もとい蛇姫様、もう顔以外隠れて見えんな。大変気分が良い。こんな皇帝陛下の表情はそう拝めん。恥じらう顔が庇護欲をそそる。
その後も、ソニア達とハンコックに構っていたが、これ以上見ていると
ハンコックの王下七武海入りが決まり、彼女らが帰った後、〝海賊女帝〟ボア・ハンコックの七武海入りと……何やら頭がわいてるようなキャッチフレーズがついたアイドルデビューとCD発売を知らせる、一面に顔写真が印刷された新聞が発行され、新聞もCDも飛ぶように売れたらしい。ファンクラブの会員カードは、無駄にならなさそうだな。
「ソニア、マリー、実は提案があるのじゃが……」
「何、
「何でも言って!」
三姉妹でアフタヌーンティーの最中、照れくさそうに切り出すハンコックに、冷静に対応するサンダーソニアとうれしそうなマリーゴールド。
「フィッシャー・タイガーの所では、船員達が皆体に太陽のマークが入っているそうじゃ」
「ええ、あの船は私達と同じ、天竜人の元奴隷も乗っているらしい(※新聞の情報)から、区別が付かないようにするためでしょうね」
「それがどうかしたの?」
「わらわ達も
「「え?」」
長女の提案に、次女と三女の感想は同じだった。
重い。1人でやって欲しい、と。
「上からタトゥーを入れるのは良いかもしれないけど、全員同じにする必要はないんじゃない?」
「ええ。
自分達を巻き込まないで、そう遠回しに伝えようとする2人。
「そのじゃな……ロゼをわらわ1人でモノにするのは手に余るので、手伝って欲しいのじゃ」
「え? は? ええ!?
「心配しなくても、回りくどいことせずに正面から押し倒せばいけると思うわよ?」
マリーゴールドが少々強引なことを言っているがそれも当然。
「というかそもそもの話、
「む、むう……わかった、正直に言おう」
ハンコックがテーブルの紅茶を一口飲んで、一拍置く。
ソニアとマリーも喉を潤す。
「ひ、人に見られながら
「「ブーッ!?」」
顔を赤らめ、両の頬に手を当てもじもじと身をくねらせ、かわいらしい様子で、とんでもないことをハンコックが口走った。
妹二人が口に含んでいた紅茶を吹き出すという、淑女にあるまじき粗相をするが、それも致し方なし。長女が痴女染みた性癖を目覚めさせてしまったのだから。
長い間苦楽を共にしたとはいえ、互いのすべてを理解出来るわけではない……とはいってもいきなり過ぎる。戸惑う2人を責められはしまい。
では一体誰に責があるのか、あえて挙げるとするならば、
「「(ロゼ……
今はここにいない、元凶のシルバーズ・ロゼしかいないだろう。
『ソ、ソニア姉様……
『普段はとても頼りになるのに、ロゼ絡みだとホントに斜め上を吹き飛ばすわね、
姉妹のアイコンタクトと、ソニアは心の声を聞く見聞色で意思疎通を図り、姉の世迷言の対策を立てる2人。長年の助け合いによる以心伝心と、望まぬながらも2人が手にした
『あれ? でも人に見られるとかは置いといて、そんなに悪くないのかも』
『えっ? ちょ、ちょっとマリー? あなたまでそっちに回ると、私の負担がとんでもないことになるわよッ!?』
『だって私達、そう簡単に他人に気を許せないし、恐怖こそ薄れたものの男は好きになれない。年も結構近いし、まだ子供だけどそれは時間が解決してくれる。おまけに強い。ロゼって私達の条件にちょうど良くない?』
『……(一番の問題は海賊だってことだけど、
2人もお年頃(※今年17歳と15歳)、そういうことに少しは興味がある……否! 長女(※今年18歳)と一緒にニョン婆先生の特別レッスン(夜の部)を受けるくらいには興味津々だった。
『
『……そうね。こういうのは男が責任を取るものだって、ニョン婆も言ってたし』
ロゼ(※今年11歳)に将来すべての責任を取らせよう、という結論に至り、姉妹のアイコンタクトは終わった。
「わかったわ
「一緒にロゼを押し倒しましょう」
「おお! わかってくれたか!」
本人のあずかり知らぬ所で、ロゼの自由を束縛する三姉妹同盟が結成されたが、これもロゼの好きにやった結果。男なら、責任を取るのが当然の筋であろう。
アマゾン・リリー帰還後
「「「というわけで、三姉妹まとめてロゼとピーッ!(※自主規制)する方法を教えて欲しい」」」
「ほっほっほ、最近の若い者は進んでおるニョう……いやそなたら何を考えておるニョじゃッ!?」
ビシィッ!!
ニョン婆のノリツッコミが
引退した先々々代の気苦労が増えてしまったが、かつて国を放り出した天罰が下ったのかもしれない。
タイガーの異名
本来〝奴隷解放の英雄〟ですが、世界政府関係者が、天竜人に歯向かった者を好意的過ぎる異名で呼ぶとは思えないので、〝大洋〟という別の異名を付けられたことにしました。
タイヨウがカタカナ表記なのは太陽と〝大洋〟のダブルミーニングだからってことにします。たしか魚人島の人達がタイヨウとカタカナで呼ぶのは実際に見たことがないからと、何巻かのSBSで書かれてたと思いますが、タイヨウの海賊団の船員や地上の人達は普通に太陽見てるので。
元奴隷や、タイガーが天竜人にケンカを売ってスカッとした人達は、陰で〝奴隷解放の英雄〟と呼ぶ。つまり、民間では〝奴隷解放の英雄〟と呼んでる人がほとんど。
タイヨウの海賊団の船員の懸賞金と異名
本来アーロンはインペルダウンから釈放後からココヤシ村上陸前に2000万ベリーになったみたいですが、面倒なのでまとめました。アラディンも賞金首みたいなんですが、異名も懸賞金もわからないので省き、クロオビ、チュウ、はっちゃんの懸賞金はビブルカード通りですが、クロオビとチュウは異名がないので適当に付けときました。
ルビノクヨ繊維
ルビノクヨという植物から作られる良く伸びる繊維。原作にはないです。
原作のセント・ポプラは美しい町並みと暖かい気候、船の材木が特徴の島で、オシャレそうだから、プラスして植物繊維の糸で服を作ってることにしました。
カクのキリン化やセンゴクの大仏化にも耐えているので、海軍や政府の服は大分伸縮性がある。ドラゴンボールのベジータの戦闘服みたいに。
マリーゴールドの見た目
ルフィ戦で髪を動かして攻撃していたから【生命帰還】が使えるはずなので、原作の頑張って筋肉をいっぱいつけた姿の戦闘モードと、【生命帰還】で筋肉量を絞り細いまま成長したifの姿のアイドルモードの可変にしました。強さと美しさを良い所取りした欲張りセット。
ゴルゴン三姉妹は【生命帰還】の習得条件を満たしてそう。
【メロメロ
ハンコックの歌や音楽に魅了されたものを石にするオリ技。
生声や生演奏でないと無意味なので、電伝虫やCD等による放送テロは出来ない。電伝虫やマイクスタンドになってたサロメにも、カタツムリやヘビに耳はないので効かない。
サロメがハンコックの言うことを聞くのは、サロメが見聞色の使い手で主人の意図を読み取っているか、ハンコックの覇王色にそういう効果があり従わせているかだと思う。ルフィも原作で2年後になってから動物をよく従わせてる。
というかそうならないと最悪勝手に滅ぶ部族。厄介ですね。
恋煩いが
周りに大した被害が出ない分、食い煩いよりは大分マシ。92巻SBSによると、麦わら傘下のハイルディンが嫌いな食べ物はセムラ。完全に「セムラァ~! セムラァ~!」言いながら巨人族の英雄を殺した