機械の皇帝   作:赤髪道化

33 / 48
 新世界編の9年前の年。今回で1部が終わり、次回で旅立ちのはず。
 GW後から隔週でもおかしくなかったのに、妥協したとはいえよく週一投稿を続けられたな……時間があればキャラ同士の雑談を増やしたかったけど、その機会はこれからもあるはず。
 今更ながら金曜投稿の理由は、賞金稼ぎの〝金〟であり、金曜は木曜と土曜の間、〝木〟と〝土〟に囲まれていて、ロゼがこれから作っていく農園の暗示。ただの遊び心ですね。
 次回は8月10日くらいまで書けないから、その後書き終えたら。きりが良い所まで終わって本当に良かった……!


〝切り落とされた黒腕〟

「行け! 【RR(レイド・ラプターズ)―レヴォリューション・ファルコン】! 革命の火に焼かれて、散れ! 【レヴォリューショナルエアレイド】!」

 

 

 もう何十回目かの三大将とのバトルロイヤル。大将が相手してくれるって、今更ながら随分恵まれた環境だな。

 全員大将になってもう出来なくなるかと思いきや、むしろ戦闘回数が増えた。大将が海軍本部から大きく離れる程の事態はそうないらしい。本部と聖地マリージョアの守り、新世界で四皇の不穏な動きがあった時にすぐ対応するため、等が理由らしい。この場所も、すぐに戻れる距離だ。チャリでサボって出かける人は当然例外。

 ガープさんが大将への昇進を蹴ってたらしいのは、そのあたりが理由か。あの人はじっとしているの苦手そうだし。

 

 最初にオレが足場を蒸発させてから、【レヴォリューション・ファルコン】に乗り上を取って、空からまた出来た足場に爆撃している。

 こいつは空中戦専用と言うか、一方的に上から砲弾を落とす機械というか、もうフォルムからして鳥じゃない。頭部と砲弾の発射口も付いている両翼が辛うじて鳥。砲弾自体もオレの能力で作り出した物なので、落とした後から操り軌道を変えられる。

 

 おそらくこれが今出来る一番良い戦い方だと思う。空中戦ならあの3人の誰が相手でも撃ち落とされる気がしない。だが普段は周りへの被害が大きい上、相手によっては殺してしまうので殴った方が早いというのが何とも言えん。

 実戦で使う機会は来るのだろうか? オレは今の所訓練や修行で死にかけることはあっても、実戦で死にかけたことはない。ビブルカードを持っているビンズには、『その内修行で死ぬんじゃないか?』と心配された。アインには、『またあいつ死にかけてる……』と慣れられた。たぶん他の人達にも慣れられている。

 

 

「革命……ケンカ売っちょるなァ……(物理攻撃は自然(ロギア)で受け流せると無視すりゃあ、後から破片に遠隔で武装色を纏ってぶつけて来よる)」

 

「挑発だろ。いつもの(覇気の省エネって言ってたが、あいつ、戦闘の時は普段より性格が(わり)ィな……あれじゃあ警戒せざるを得ねェ)」

 

「あいつが革命軍に入るのも、ちょっとあり得そうだからシャレにならないねェ~(接近戦でわっしの速さに対応するようになった癖にィ、まだ勝てないからと今出来る最善の戦法……潔くて腹ァ立つねェ~)」

 

 

 革命軍、最近リーダーの名前と顔写真が割れた。顔にタトゥーが入ったドラゴンという男だそうだ。

 少し安心した。活動内容から、タイガーさんを助けても不思議じゃない。

 

 下ではオレの爆撃音を聞きながら、3人が戦っている。

 オレが上からちょこちょこ攻撃してくるから、こっちに気を配りながら余力を残して抑え目に。

 何度か隙をついて、全員海に突き落としたことがあるので警戒されている。まあ、一対一(サシ)ではまだ誰にも勝てんし、最近は決着がつかず時間切れで終わることが多い。

 最初の頃は勝手に3人がケンカしだしてやりやすかったのにな……オレへの注意がなくて。

 

 

「そろそろもう一発撃てるな……【RR(レイド・ラプターズ)―サテライト・キャノン・ファルコン】!」

 

 オレがいる位置より更に上空で待機させ、太陽光発電でチャージしていた【サテライト・キャノン・ファルコン】の照準を合わせる。

 

「(さっき開幕ぶっぱで足場を海ごと消し飛ばしたあれか……! 古代兵器には近代兵器っつって生み出したらしいが、おれ達でもなきゃ骨も残んないでしょ、あれ。まあだから、事前通告ありとはいえ遠慮なく撃つんだろうが、あんなもん何発も撃たれちゃ堪んねェな)」

 

「(わっしのビームが盗られたねェ~。それも威力が桁外れ……作り出したベガパンクも恐ろしいがァ、あんなとんでもないエネルギーを消費する兵器を、素で撃った後戦える体力のロゼも大概だねェ~)」

 

「(あんな威力の兵器を持ちながら、未だにその手で(あや)めた者はなし。やり過ぎたと倒した海賊に応急処置をしては、血を吐いておった海賊嫌いの癖に、不殺を続ける……とんでもない奴じゃのう)」

 

「【エターナル」

『プルルルル……プルルルル……』

 

 今まさに再び足場を消し飛ばそうとしたその時、オレの腕の子電伝虫が鳴り出した。

 

『ガチャ』

「もしもし?」

 

「「「普通に出るのか……」」」

 

 いやだって、緊急の用かもしれないじゃないか。

 こっちのことは気にせず続けて欲しい。攻撃が来ても躱すから。音がうるさいからオレは攻撃しないし。

 

『父さんが、父さんの腕が……!』

 

 アインか。様子からして普通じゃないな。

 確かゼファーさんは新兵の訓練で海に出ていたんだったか?

 

「今どこだ? すぐ行く」

『海軍本部の医務室……』

「わかった」

『ガチャ』

 

 通話を切る。

 

「オレの負けでいい。用事が出来たから行く」

 

「クリームシチュー」

「ブタの生姜焼き」

「キムチチャーハン」

 

「了解」

 

 罰ゲームの飯の奢りが決定した。

 そのまま、戦う3人を放置し、【レヴォリューション・ファルコン】で海軍本部へ飛んで行く。【サテライト・キャノン・ファルコン】は……元に戻そう。さらばだ、もう休め。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 海軍本部の医務室に着き、泣いているアインに飛びつかれながら事情を聞く。

 新兵の訓練中に能力者の海賊に襲撃され、ゼファーさんは右腕を失い、生徒達は全滅したらしい。知らせを聞いて本部で待機していたアインとビンズが治療中に駆けつけた。

 説明後、元気づけて正気に戻ったアインに、くっつき過ぎだと張り倒されるという、中々理不尽な目に遭ったが、今は置いておく。

 

 治療を終え、生徒達を失い、自分を責めるゼファーさんを、2人が元気づけようとしているが、あまり効果があるようには見えない。上の空だ。

 ちょっと成功するかわからないが、冒険してみるか。

 失敗したら、オレは嫌われるだろうが、このままより良いだろう。

 

 

「訓練教官として同行していた以上、確かにあんたに何の責任もないとは言えんな」

「あなた何をッ!」

 

 アインが睨んできているが無視する。

 

「だがそんなもの、襲撃した海賊の方が悪いに決まっている。まあ、これからはオレがかつてのあんたみたいに、殺さず海賊を捕らえ続けるから、もう休むと良い」

「……おれの真似をすれば、いつかおれと同じ悲しみを味わうかもしれんぞ……?」

「ふははっ。とても残念なことに、オレはアンタ程優しくも慈悲深くもないから、家族がいるからって海賊を見逃さないなァ……人の大事な物奪っといて、自分の番になったら見逃してくれなんて、通らない。それに何より、オレはあんたの正義が間違っているとは思わない。まあ、大海賊時代はオレがついでに終わらせてやるから、もう余生を楽しんでな。そろそろ引退時だろう」

「何ィ……? 若造がデカイ口を。そういう口はおれに勝てるようになってから言え」

 

 かかった。これで8割方成功したと言って良い。

 

「Dr.ベガパンクなら新しい腕を作れるかもしれんが、今まで通りとはいくまい? あんたに徹底して基礎を固められたオレだ、流石に片腕相手では負けん」

「お前程クソ真面目におれの訓練に何年もついてきた奴は今までいなかったが、10代半ばの子供がほざきやがる。背が伸びて心まで大きくなったか?」

 

 

 そりゃあオレより長く鍛えてもらった人はそういないだろうな。

 新兵の訓練だから、長くて3年とかだろう。オレはもう12年か。

 この人の訓練は基礎訓練が多い。基礎は大事。ガープさんと父さんは細かい差こそあれ方針には大差ない。オレを追い詰めること。人間死にかければ何かしら掴むものだ。父さんなんてオレに修行をつける時は、毎回『絶対に死なないでくれ』と言ってから始める。

 

 その後、少々口喧嘩気味のやり取りをした後、Dr.フィッシュボーネンに、『怪我人を刺激するな!』と医務室から放り出された。オレの他にアインとビンズも一緒に。

 あの人は良い人だ。何度もオレが怪我を治してもらいに行き、その度に『もう来るな』と怪我しないよう注意されるが、何度行ってもなんだかんだ治療してくれる。

 

 

「それで、なんでアインは膨れているんだ? ゼファーさん、元気になったじゃないか。一緒に追い出されたのはすまん」

「私達が何言って慰めても元気を取り戻してくれなかったのに、あなたがケンカ売ったら戻った……」

 

 嫉妬されてた。ビンズがちょっと呆れているぞ。

 だがかわいいなオイ。だからお前は年上に見えないんだよ。

 

「なんであれで元気になったの?」

()()って……場合によるぞ? 明らかに責任がないのに自分を責めていたら、そりゃあ『お前は悪くない』と言う方が良い」

 

 去年のスカーレットとかがそうだな。

 

「だが、教官の自分がその場に居たんだ。責任がない? そんなことをあの真面目で責任感の強いゼファーさんは認めるものか。こうならないために自分は生徒についていたと考えるだろう」

 

 オレがあの立場でも確実に自分を責める。現に今まで2回そうなった。誰が何と言おうと譲らない。オレの責任だ。

 

「ああいうタイプは、放っておけばいつまででも自分を責める。誰かに責められたり罰されたりした方が、それでむしろ気が楽になる。罪の意識が軽くなる。それだけでなく、相手が失敗しようがそのまま受け入れてやるのが大事……といったところか。あとは、男は辛い時に優しくされ過ぎると自分が惨めに思うことがあるから、発破をかけると良いこともあるな」

「ああ、それはわかる。負けた時に優しくされると却って辛いものだ」

 

 ビンズの共感を得た。

 男は見栄を張りたいんだ。慢心にも繋がるが、向上心にもなるので、一概に悪いとは言えない。

 

「出たとこ勝負の賭けだったってこと?」

「いや? 見聞色で感情を探りながら話していたから、途中で上手くいくと思っていた。見聞色で探れないようなら、表情を見ろ。時間が解決してくれることもあれば、時間を置けば拗れることもあるけど、まあお前らがいれば大丈夫だろ」

 

 まあ失敗したら、もうすぐいなくなるオレが嫌われるだけだし、元気が出るかもしれないなら、やらない選択肢はない。

 

「男の人ってメンドクサイ……」

「女は女で面倒だろ。例えばアイン、オレがお前の私服を『似合ってる』とか『きれい』とか言うと、決まって『ジロジロ見ないで。いやらしい』とか文句を言うけど、毎回新しい服着て来た時はチラチラこっちの様子を窺ったり、あの露出が高い恰好を何種類も揃えているあたり、絶対喜んでもがァッ!?

 

 アインに2丁の拳銃、〝赤丸〟と〝黒丸〟を口に突っ込まれた。

 

「その余計なことを言う口を、今すぐ閉じなさい……!」

やめてくれアイン。その銃弾はオレに効く(もがもがもがもがもがもがもがもがもがもが)

 

 こいつの拳銃に装填された弾丸は、盾を構えた装甲兵を背中まで撃ち抜く威力。通称〝キャンディジャケット〟。技術の進歩は著しいな。良い武装を揃えている。一発の値段が高いのに。

 能力と武装色で防御しても、流石にゼロ距離射撃では、こいつの武装色と合わせて、オレでも怪我は覚悟する威力だ。

 

「あなたなら怪我で済むわ」

何故オレの言うことがわかった(もがもがもがもがもがもが)!?」

 

 もがもがしか言えてないのに。舌が回らない。

 

「なんとなく」

 

 以心伝心だな。

 そろそろ身の危険を感じるので、2丁の拳銃を口から出す。

 

「……舌で私の腕力を押し返すって、どんな力してるのよ」

「鍛えているから。仕舞いにはこちらも物理的に口を閉じさせるぞ」

「どういう鍛え方してんのよッ!? ビンズからも何か言って……あら?」

 

 アインが隣を見ると、そこには誰もいない。

 オレもいなくなったことに気付かなかった。いくら戦闘後とはいえ、気が抜けた間に、音もなく、気配を消し、素早く逃げたな。付き合いきれんと。忍者スキルが上がっている。

 

「逃げたわね。はあ……もういいわ」

 

 許しを得られたようだ。

 

「それで、もうすぐシャボンディを()つの?」

「ああ。お金と時間はかかったが、船も出来たし、ようやくだな」

 

 サイズがサイズなので仕方ない。作業中にオレ本体がいない間も機械を置いて動かしていたのに大分かかった。

 流石にすべては用意出来なかったが、外側とかは宝樹アダムを買ってそれを使っている。まあ、部屋のドアとかまでアダムを素材にする必要を感じないので別に良い。おかげで札束が半分消し飛んだ。

 お金と言えば、ヒョウゾウへの用心棒代は、シャボンディの母さんの所まで取りに来てもらうことにした。家にもいくらか残していくし、数年はもつだろう。

 

「ふうん……やっぱり行くのね」

「ああ……寂しいならお前も一緒に来るか?」

「行かないわよ。こっちの誘いを蹴っといて、それはムシが良くない?」

 

 そう言っているが、嬉しそうだな。

 少し強引に誘えばいけそうだが、実際ムシの良いことを言っているし、やめておく。

 

「それで、あなた1人なの?」

「いや、他にもいる。お前の知っている人なら、ダディ、キャロルのマスターソン親子」

「もうすぐ海軍を辞める少佐ね。まあ、あの人の親バカは有名だし、時間の問題だったというか……でも、よく誘えたわね」

「『娘に医者とパティシエ、同年代の友達は欲しくないか?』と聞けば、釣れた」

「なんでちょっといかがわしい誘い方してんのよ……」

 

 だって、キャロルがこの理由で一緒に来たがっていたから。

 事前に説得出来ないかと聞かれてオレが代弁した。どの道キャロルが普通に頼めば、あの人は頷いたと思うがな。

 

「あなたがあげたっていうあの子の能力なら、大抵なんとかなるんじゃない?」

「戦わせる気ないけどな。それよりあの能力で修行したい」

「あれを修行……? まあ、あなたが娘を無理矢理戦わせようとする人間じゃないから、少佐も一緒に行くことにしたのかもしれないけど」

 

 いやいや、あの能力の有効な使い方は間違いなく補助だろ。

 戦闘利用なんて、覇王色があるオレには必要ない。

 

「そして医者のトリスタンと、パティシエのメイプル」

 

 シャーリーも誘ってみたが、店があるからダメだった。こっちも押せばいけそうだったが、まあ無理に誘う気はないし。どうせ飛んで年に数回は会うだろうし。

 たこ焼き屋をしているはっちゃんにも、自分に賞金が懸っているからと断られた。こっちはちょっと無理そう……現七武海の元船員で、800万ベリーなら、なんとか出来ると思うけどな……。

 

「ああ……何度か聞いたことあるわね」

「あと同年代の友達ことオレの妹とその母親」

「? あなたのお母さんではないの?」

「違う」

「あなたまた血の繋がらない姉か妹を作ったの? 何人目よ……」

「姉1人に妹2人の3人目。友達に3人兄がいるのを見ていたら、羨ましくなったらしい」

 

 しらほしのことだ。

 あんな良い兄が3人もいるのを見たら、欲しくなる気持ちもわかる。

 

「『私のお兄様になってくだしゃいっ!』なんて言われたら、もう『妹よっ』と言いながら抱きしめて、頭を撫でる以外の選択肢はあるまい?」

 

 付け加えるなら、断られたらどうしようと不安げに、恥ずかしげに、故郷の国を追われた幼子が、だからな。

 

「流石に他にもあると思うけど……噛んでるわよ?」

「ああ、噛んだんだ。可愛いだろ?」

「あざとい……」

「いやわざとじゃないだろ」

 

 もしかしたら露出狂の可能性はあるが。お前と気が合うかもしれない。

 この前レベッカ、スカーレット、オレの3人で水着を買いに行った。オレは泳げないけど、まあ男避け兼護衛だ。

 店内で椅子に座り待っていると、レベッカが水着を持って駆けて来た……表面積の非常に狭い紐みたいなやつを。あれを着るなら、何も身に着けない方がまだマシだろう。全裸よりエロい。九蛇(クジャ)でもあれは着ない。

 そして自分の体に当てて、『似合う?』と聞いてきたので、『お前にはまだ早いから、あっちのワンピースタイプにしておけ。だからそれはお母様に勧めような?』と言ったら、レベッカを追って来たスカーレットに頭を叩かれた。

 その後レベッカに紐を渡され、『お母様にピッタリだと思う!』と言われ、赤面しあたふたするスカーレットの様子は大変見応えがある良いものだった。子供から目を離すからこうなるということを学んで欲しい。

 

「その2人って、強いの?」

「弱いぞ? 別に強さで選んでいるわけでもないし、戦闘はオレがいるし。まあ、妹がオレの真似をし出して危ないから、少し鍛えている程度だ」

 

 オレの真似なんて自殺行為は、させるわけにはいかないからな。程良く稽古を付けた方がマシだ。

 ついでにスカーレットの方も運動がてら軽く。

 

「じゃあ並以上ね(覇気を目覚めさせているでしょうし。こいつの強さの基準は海軍本部の将校だから、言葉そのままに受け取れないわ)」

 

 本当に弱いんだけどな……そもそも戦闘向きの性格ではないし、回避や逃走優先の鍛え方だから、足腰の鍛錬ばかりだ。つまり重要なことしかやっていない。

 

「強さで選んでないってことは、何か特技でもあるの?」

「え? ……しいて言うなら、お花屋さんと踊り子?」

 

 レベッカはオレと一緒に水をあげたりしているし、スカーレットはたまに路上で顔をベールで隠し、踊ってお金を稼いでいる。妹とよく踊っていたそうだ。少々扇情的な服装で踊っているので、自分の身の上を嘆きそうになっているが、それも立派な職業だぞ。

 それに、プライドで飯は食えない。別にオレが出す分には構わないのに、それを良しとしていないのは自分自身なので、頑張れ。自分で決めたことだろう? (たち)の悪い客は追い払うから。

 

「待って、たぶんお花屋さんが言い方的に妹よね?」

「そうだ」

「あ、あ、あなた! 子持ちにどんな踊りさせてんのよ!?」

「フラメンコ」

 

 ギター等の演奏に合わせて、手に持ったカスタネットを鳴らしながら、激しいステップを踏み踊るダンスだ。

 オレが演奏しているが、誰も演奏なんて聞いていないので問題ない。露出多めの服で激しく踊っているスカーレットに視線は釘付けだから。

 ちなみに父さんの発案である。まあ、大した用意もなく路上で出来ることなんて限られているからな。元手もほとんどいらない。

 

「エロい踊りじゃなくて、なんかゴメンな? それで、何を想像した? ストリップショー的なものか?」

「ち、違うし!? あなたがエロいからそう思っただけよ!?」

 

 責任転嫁されてしまった。

 まあ、顔を真っ赤にして可哀想なので、このくらいにしておこう。

 

「こほん! ……それで、他にはいるのかしら? 私はそちらの方が気になるわ」

「パンダレスラーと、こっちは異名で言った方が知っているかもしれないな……〝魚雷〟だ」

「(パンダ? 覆面レスラー?)〝魚雷のウィリー〟は知ってるわ。あなた以外の、しかも魚人の賞金稼ぎ(バウンティハンター)ね」

賞金稼ぎ(バウンティハンター)は本業じゃないけどな」

 

 あの人は魚人島の移住の件で、地上を知るために同行するという使命もある。たまに竜宮城に顔を出して報告に行く。昔のタイガーさんと似たようなものだな。

 パンダマンは、まあ成り行き? ドレスローザの件で手配されたら、その時はその時で考えよう。

 

「あとは……女科学者。お前と(かぶ)っているな」

「はあ?」

「すまん、オレが悪かった」

 

 人を殺せそうな絶対零度の視線を向けられた。

 科学に絞っている分、レイジュの方が科学者として上かもしれないことも言わないでおこう。まあ、相手はジェルマの姫だし仕方ない。環境がな? たまにDr.ベガパンクに学んでいるとはいえ、流石にな?

 

 

「お前は能力とコンバットナイフに2丁拳銃、航海術など幅広く身に着けているから、全然被ってなかったわ。流石努力家の天才肌、万能だな」

 

 少々露骨に持ち上げる。

 

「別に気にしてないわよ? 聞いてみれば女ばかりねとか、良い御身分だとか思っていないわ。私は大人だから。あなたより4つも年上だから。最近背が私に追いついてきたからって、調子に乗らないでくれる?(努力家の天才肌で万能……? 他の人に言われたら嬉しいけど、こいつにだけは言われたくない。嫌味か……自覚ないだけでしょうけど)」

 

 なんか飛び火した。オレの背が伸びたの不満だったのか?

 そりゃあ、あれだけ動いてあれだけ食べて、それで背が伸びなかったら嘘だろう。父さんも母さんもそれなりの背丈はあるし。たまにいる巨人族の血が混じってそうな人達程ではないが。

 

「悪かった。埋め合わせするから」

「……何?」

「マッサージ、大した効能はないけど、気持ち良いと評判」

 

 逆に、トリスタンのマッサージはすごく痛いが、筋肉痛が取れたり体の悪い所が良くなる。両極端だ。

 

「変なとこ触ったらあなたを殺して私も死ぬわ」

「了解了解」

 

 そしてその辺の部屋に入って行き30分後、

 

「もう良い……許す、許すからぁ……これ以上はホント無理ぃ……」

 

 蕩けきった顔をした、少々人前に出せないアインが出来上がった。

 何故か毎回こうなる……父さんやステューシーに言われた通りにしているだけなんだけどな……?




RR(レイド・ラプターズ)―レヴォリューション・ファルコン】
 攻撃名は【レヴォリューショナル・エアレイド】。弾の種類は複数あるけど技名は一緒。

 ゼファーの新兵の訓練艦全滅
 たぶんウィーブルがやったんだろうけど、まだ能力もわかってない奴をどうこう出来ないので、アインとビンズがいなかったこと以外変わらず。2人はもう正式入隊済み。だからアインが見せびらかしてる足の傷はない。
 ウィーブルの実力がわかってたら、戦闘描写書いて返り討ちもありだったな。どんな能力なんだろ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。