シャーリーも優しい。シャッキーとシャーリー、字面似ててややこしい。
オリ主は普段心の声を聞く見聞色使ってないです。海賊尋問する時とか戦闘中とかに使ってます。
オリ主の積極的に人間をやめようとするスタイル。
父さんと別れ、家に戻る。家の前に逆さまになって首から上だけ埋まった人たちがいた。ああ……ぼったくられたな。つまり海賊か。
「ゲ、ゲソ~。ホントにぼったくりバーって書いてる……この埋まってる人はオブジェか何か?」
「こんな悪趣味なの置かないよ。たぶん代金踏み倒そうとして母さんにボコボコにされて、法外な値段ぼったくられた挙句埋められたんでしょ。よくあるよくある」
「私、こんなの初めて見たでゲソ。これが人間の常識……」
「いやこの店だけの常識だ。シャッキー、ただいま」
「あら、おかえり。そっちの子がメイプルちゃん?」
店に入ると母さんがテーブルと自分の拳を布巾で拭いていた。返り血だな。
そして母さんもメイプルのこともう聞いてたのか。
「はじめまして、メイプル・リードでゲソ。お金はあんまり持ってないから、できればぼったくらないで欲しいでゲソ……」
「はっちゃんの妹分からぼったくったりしないわよ。ロゼとも仲良くなったのね」
「うん、友達。そういえばここなら大丈夫か、腕見せて?」
「ほっ……腕を見たイカ? いいでゲソよ」
そう言うと、メイプルの肩のあたりから透明にしていた6本の腕が見えてきた。
「おお、はっちゃんより腕多い。いつもどの手で握手してるの?」
「えっ、一番下の右手でゲソが、そんなことが気になるでゲソか?」
「一番下の右手ね、じゃあ握手しよ」
手袋を外しメイプルの手を握る。うん、はっちゃんもそうだったけど、普通の手だな。
「これからいつでも遊びに来てね。待ってるよ」
「ニュー、オレの時もやったな、それ」
「手袋取った握手ってことは、この子のこと気に入ったの?(まだ婿にはあげないわよ?)」
「うん、いい人だよ」
「どういうことでゲソか?」
メイプルが話についてこれず、置いてけぼりになっている。まあ、普通ならただ手袋外して握手しただけだからな。
「オレ、生まれつき触ったものの過去が見れるんだ。今は触っても過去を見ないようにできるけど、つい魔がさして見ないように、普段は手袋してる」
「たしかオトヒメ様は人の心の声を聞けるって、聞いたことあるでゲソな。それと同じ?」
「まあ、同じだね。オレも心の声聞けるし。普段はうるさいし聞こえないようにしてる。まぁ身を守るためには使うけど」
海兵の心の声は結構聞いてる。オレと両親の身の安全的に死活問題だから。今の所、誰の隠し子なんだ? みたいなことしか考えられてない。ガープさんは口に出す声と心の声、たいして変わんないからあんま聞く意味ないけど。たまに黙って今日の飯のこととか考えてるくらい。もう聞かなくていいな。
「凄いじゃなイカ! なんで普段から使わなイカ?」
「自分の過去は普段から結構見てるよ? 思い出すのに便利だから。でも人に勝手に自分の過去見られるの、普通嫌でしょ? 誰にでも知られたくないことあるし。でもオレは強引に知ることができるから、勝手に使わないようにしてるんだ」
「なるほどな~。はっ、今の握手で私が今まで毒食らわせちゃった人数がばれたでゲソか!?」
いや、ばれてない。いったいどんだけ毒食らわせたんだ?
「今の握手は過去を見るためにしたんじゃないよ。これは、オレがメイプルに隠し事しないっていう誓いみたいなもの。オレにとって素手で触れることは相手の隠し事を暴くことと同じ。だから代わりにオレは隠し事をしない、一方的に知るのは不公平だから。はっちゃんやウィリーさんともしたんだ。秘密を共有することでもっと仲良くなれるんだ」
本に書いてた。海軍の人たちとはまだ1人もしてない。海軍にとって放置できない秘密がオレにはあるから。両親のこともそうだし、過去見る見聞色も知られるとまずい。
父さんと母さんも過去を見れるけど少し前しか見れない。そもそも手で触れず目で見てるそうだ。だがオレは触れると人なら生まれた時からのすべての人生が脳裏に浮かぶ。一応相手が見聞色を一定以上使えるならガードされることもある。生まれてすぐ父さんたちに触れた時は父さんが気付いてガードした。もう少しで世界の秘密知るところだった、危ねぇ。父さんありがとう。今は制御できてるので普通に両親と触れ合える。頑張った甲斐あった。
特にヤバイのは過去を見る対象が物の場合だ。たぶん存在してたなら数百年単位で遡って過去を見れる。例えば
だが
「つまり私ともっと仲良くなりたいということで良イカ?」
「うん、そういうこと。オレ色々面倒な事情抱えてるけど、よければこれからもよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくでゲソ! 今日はありがとうでゲソ!」
そう言ってメイプルはオレに8本の腕で抱きついて来て、オレの口にキスをした。
少ししょっぱい。体に電流が走ったようなしびれが走り動悸が激しくなる。体が震え、顔が少し熱いような気もする。まさか……これが恋?
「お、おい。ロゼが痙攣してるぞ。顔色も。まさかお前…」
「あっ、感情が高ぶって毒スミ吐いちゃったでゲソ」
毒食らってた。まあ解毒薬あるらしいし、死なないでしょ。
恋じゃなかったか。
「アハハハ………私の前で息子の唇奪って毒盛るなんていい度胸してるわねぇ、このイカちゃん(あの顔色はマズイかもしれない……私がついていながらっ)」
母さんがメイプルの頭をガシッと掴んで片手で持ち上げてる、メイプルに吸盤の付いた8本の腕で抱き着かれてるオレごと。ちょっとキレてるかもしれない。怒ったところ見たことないからわからないけど。
今もオレからは母さんの顔は見えないが、メイプルからは見えてるらしく、ガタガタ震えてるのが振動で伝わってくる。美人が怒ると怖いっていうからな。母さんだとそれはそれは怖いだろう。
「わ、悪気はなかったでゲソ! だからぼったくらないで欲しいでゲソ!」
「ぼったくらないわよ。ちょっとお話し(物理)するだけよ?(どの拷問がいいかしら? ロゼが生まれてから全部処分しちゃったけど……もうこの娘どうなってもいいわよね?)」
「やっぱまだ会うのは早かったか。安らかに眠れ、メイプル(いい薬になるだろ。もう何人目だよ、毒食らわすの)」
「ゲソ!? 私、海に還っちゃうでゲソか!?」
「
「ああ、解毒薬だな。あっシャッキー、こいつの毒、命に別状はないから」
死ぬような毒ではなかったか。でもオレの体が小さいとはいえ、この速度で体がしびれるイカスミを使って攻撃されるのはかなり厄介だな。毒の効果時間によれば餓死とかするかもしれないし、生かすも殺すもメイプル次第。八つ裂きとか言うだけのことはある。
舌もしびれてるみたいでうまくしゃべれない。オレの声を聞いて、はっちゃんがメイプルのショルダーバッグから解毒薬を出して、オレをメイプルから引きはがし水と一緒に解毒薬を飲ませてくれる。
そしてオレが解毒薬を飲んだのを見届けてから、母さんはメイプルをカウンターの奥に連れてった。まぁ母さん優しいし、ちょっと叱られるだけでしょ。
「
「いや、うちのバカがすまねぇ」
「
「……すまん、なんて言ってんのか全然わかんねぇ。30分くらい横になってろ」
そう言ってオレをソファに運んでくれた……なんか手慣れてる気がする。ホントはたまにじゃなくて、しょっちゅうお菓子に毒混入してるんじゃ……マスクして手袋したら大丈夫だと思うけどなぁ。
30分後、体から毒が消えて自由を取り戻したので、はっちゃんとカウンターの奥に入ると、頭にたんこぶができたメイプルが正座させられ、足の上に漬物石が乗せられていた。口元から吐血のようにイカスミが垂れてる。「私はイカんことしました」と書いた板が紐で吊るして首にかけられてる。
あれはたしかワノ国に伝わるという
「オレの毒も解けたし、もう許してあげて?」
「体はもう大丈夫なの? 顔、すごい色になってたけど(今ある材料じゃこれが限界だったわ。死ぬような毒だったらもっとしてたけど)」
いったいどんな色になってたんだ?
「もう大丈夫だよ。メイプルも大丈夫、これ?」
「今ほどイカの体が恨めしいと思ったことないでゲソ…。足に骨がないから重さで潰れるかと思ったゲソ」
どうやら十分拷問足りえたようだ。あと足に骨ないんだ、やっぱイカの人魚だから? はっちゃんも手足に骨、ないもんな。だからうねうね動き、人間にはできない変幻自在の6刀流剣術が可能になる。頭蓋骨はあるらしいが。
……ふむ、骨をゴムに変えることができるようになれば、オレも関節技効かなくなる?
というか合体ロボみたいに体を各部位で分離して飛ばせば、関節技など無意味に……父さんの元部下のバラバラ人間がそんなことやってたって聞いたし、不可能ではないな。
「やりすぎじゃない? 死んだわけでもなし」
首の板をとって足の上の漬物石をどけながら母さんに聞く。
母さんが答える前にメイプルが涙目で抱きついてきた。よほど怖かったんだな。でもまだ口からイカスミ垂れてるよ? 危ないなぁ。
「殺されるかと思ったでゲソ……すごい迫力だったでゲソ~」
「母さんは優しいから(
「(ロゼの奴、メイプルの8本腕の怪力で抱きつかれてよく平気だな。一度抱きつかれたら、吸盤も相まって全然離れないから魚人街じゃ皆躱すし、シャーリーは躱さないけど気絶するのに)」
ポケットからハンカチ出して口を拭う。これでひとまず大丈夫か?
「あんたの顔、虹色に変色してたわよ? あれは死んだかと思ったわ(もう平気みたいね……本当によかったわ)」
「なにそれこわい」
メイプルの頭を撫でながら恐怖する、それはビビるな。今日見たメイプルの肌の変色は白、黒、肌色だったからそこまで驚かなかったが、虹色は気味が悪い。体に悪そう、毒だもんな。
「魚人島よりも深く反省したので、もう許してくれなイカ?」
「最初から怒ってないわよ。危ないから説教(拷問)しただけで」
「だってさ。よかったね、メイプル」
怒ってなかったか。母さんっていつもニコニコ笑顔を絶やさないけど、何されたら怒るんだろ? 海賊ボコってる時も笑顔だし。
「(絶対怒ってたでゲソ、さっきのシャッキー、海王類がブチ切れた時と同じ目をしてたでゲソ)」
「どうかした、メイプルちゃん?(ニコニコ)」
「な、何でもないでゲソ!」
メイプルまだ震えてるけど、足がしびれたのかな? 正座した上に漬物石乗せれば足がしびれもするだろう。そんなメイプルを心配してか母さんがニコニコ声をかけてくる。まぁしびれ位そのうち治るでしょ。
「うぅ、また毒スミ出ちゃったでゲソ。これじゃパティシエになれないでゲソ……」
「よしよし。そんなに毒入りお菓子よく作っちゃうの?」
「うん、お菓子作ってる時にテンション上がって、気づいたら毒スミ吐いててお菓子に入っちゃってるでゲソ……」
自分の毒は自分に効かないだろうし、味見してもわからないだろうな。ちょっとしょっぱいくらいだろう。色も作るお菓子によってはわからないだろうし。
もしかしたら道場で剣術を習ってるのは、護身のため以外に精神鍛錬も兼ねてるのかもしれない。感情が高ぶるとスミを吐いてしまうなら、感情を制御できるようになればいい。がんばってるんだなぁ。
「大丈夫、オレも協力するから。一緒に毒入れない方法考えよ?」
「恩に着るでゲソ……」
「(あれ?どっちが年上だったっけ?)」
「(大人ぶって慰めてるうちの子、かわいいわぁ)」
「マスクとか手袋とか、してないの?」
「……その発想はなかったでゲソ!」
「おい」
ボルサリーノさんもびっくりの速さで解決した。
うすうす察していたけど、この子、あまり頭を使うのが得意なタイプじゃないな?
バカな子ほどかわいいという言葉がある。これがバカかわいいというやつか。なるほど、愛おしい。ずっと頭撫でてたい。妹いたらこんな感じかな?
オレはよく母さんに頭良いと言われるのであんまりかわいくないだろう。
どう考えても生まれつき周りの心の声が聞こえる子供なんて育てにくいよなぁ。赤ん坊の頃よく泣いてたし。やはり早く大人になって独り立ちせねば。
「ふふん、これで私の唯一の弱点が克服出来るでゲソ。ありがとうでゲソ!」
「うん、よかったね。よければ今度オレにも食べさせてよ。メイプルの作ったお菓子食べてみたい」
「任せるでゲソ! とびっきりのを作るでゲソ」
「大丈夫なの? また毒食らっちゃうかもよ?(アナフィラキシーショックとか大丈夫かしら?)」
「平気平気。もし食らっても解毒薬あるし、そのうち毒も克服するから」
「そう? がんばって(この子、頭の出来はいいけど、発想がエキセントリックね。毒は避けるもので克服するようなもんじゃないでしょ。この子は紙一重のバカか天才か、どっちかしら?)」
「毒克服するってんな無茶な。今まで何人も食らった奴いるけど、平気になった奴なんかいねぇぞ?」
はっちゃんの言うことはもっともだ。普通は無理。だがガープさんは出来るし、聞いてないけど父さんも出来るに違いない。〝冥王〟だし、毒なんて平気でしょ。
オレも普通じゃなくなればいい。生命帰還を習得するのが理想だが、今はまだ出来ない。
だが、毒とは生物の生命活動に不都合を起こす物質の総称。なら人間を、生物をやめればいい。
「ふははっ、オレの悪魔の実の能力で、全身を機械化して生物でなくなれば、毒も効かないはず!」
「なん……だと……?」
「(そこに気づくとは……やはり天才ね)」
「試してみるでゲソか?(なんか悪そうな笑い方でゲソな)」
「お願い」
メイプルが聞いて来たので全身を機械化してからお願いする。すると口移しで毒を流し込んでくる。
……なぜ口移しなのか? 別にコップにでも入れてくれれば飲むのに。たぶんその発想はなかったんだろうなぁ。あとで言い聞かせよう、危なっかしい。
世の中にはロリコンとかショタコンとか危険な輩が多いと聞く。オレも母さんに注意するよう言われてるし、メイプルにも気を付けさせないと、かわいいし。
「どうでゲソか?」
「うん、今の所さっきみたいに体に影響はないよ」
「まさかほんとに克服するとは……」
「だけど2つほど欠点があったみたい」
「何でゲソか?」
「これじゃ、お菓子食べても味がわからない。味覚がなくなった」
さっきイカスミ飲んだ時はしょっぱかったけど、今度は味がしなかった。どうやら全身機械化すると味覚がなくなるらしい。
まあ機械って普通食事しないもんな。味なんてわからなくて当たり前か。
でも痛覚はある。戦闘中だけでも消せないかな?
待てよ? 機械になったら呼吸する必要ないんじゃ?
機械化して水につけても体が普通の人間に戻らないのはお風呂で確認済み。だったら全身機械化すれば海に突き落とされても、とりあえず溺死することはないのでは? 体の力は抜けて沈むけど、誰かに引き上げてもらえばいい。
「それでも毒が効かないのはすごいじゃなイカ!」
「そこで、もう1つの欠点が出てくる」
「ニュ? 一体何なんだ?」
「これ、今は効いてこそいないけど、体に毒は入ってる状態なわけだ。じゃあ、機械化を解いたら結局毒でやられるんじゃないかな? 機械になってるから、毒は体内に残り続けるし」
「ああ、なるほど。じゃあこれほぼ意味ないな」
「(やっぱりバカの方かもしれないわ。ガープの影響かしら? 余計なことを……)」
「メイプル、解毒薬出しといてー」
「わかったでゲソ~。…今回は頼まれてやったことだから、説教(物理)はないでゲソよね?」
「ええ、ロゼが自分で毒が欲しいって言ったんだもの。それで怒るのは理不尽でしょ」
「ほっ。そうでゲソよね、よかったでゲソ。あっロゼ、解毒薬でゲソ」
「ありがとう」
「でも毒を口移しで欲しいなんて、一言も言ってないわよね?(まさか2度もするなんて……さっきのじゃ足りなかったのかしら?)」
「ゲ、ゲソ? でも他にどうすれば……!(シャッキーの目が、目がぁ!)」
「コップにでもスミ入れて渡せばいいだけじゃない(あれ以上やるとロゼが反対するかもしれないし、どうしようかしら?)」
「その発想はなかったでゲソ」
やはりそれか。母さんたちの話を聞きながら、解毒薬を水と一緒に飲む。せっかくだし他にも試すか。
機械化を解くとまた体にしびれが走る。やっぱ戻ったら毒は効くか。ならば今機械化したまま飲んだ解毒薬も効いてくるはずだ。
次はまた機械化してみよう……普通に動けるな。だったら麻痺毒食らった時に戦う術が手に入ったから、あながち無意味でもないか。海の弱点も克服できるかもしれないし。
次は機械化したまま30分経ったら、ちゃんと解毒薬が効いて体が治るか試そう。
「母さんの言う通りだよ、メイプル?女の子が簡単にキスしちゃいけません」
「ゲ、ゲソ!? まさかの裏切りでゲソ!(あっ、でもシャッキーの目が元に戻ったでゲソ。許されたでゲソか?)」
「(そうそう。ロゼが婿に行くのはまだまだ早いわ。30歳くらいまで家にいればいいんじゃないかしら?)」
「裏切ってないよ。男女7歳にして席を同じうせずって言葉があって、7歳すぎたら気安く家族じゃない異性とくっついちゃダメなんだよ?」
「そんな言葉があるでゲソか。でも私はただロゼと仲良くしたいだけでゲソよ?」
「仲良くするにも節度というものがあります」
「(私の教育の賜物ね)」
「でも、たしかに私は9歳だけどロゼは4歳、問題ないんじゃなイカ?」
「その言には一理あります。でもメイプル、たぶん他の人にもあんな感じでしょ?」
「あはは、他の男の人にしたことなんてないでゲソよ(抱きつこうとすると何故か躱されるでゲソ。躱さないのシャーリーくらい? ゲソぬ)」
「ん? そうなの?」
「(あら? 話の雲行きが怪しくなってきたわね…)」
思ったよりはしっかりしてた? そういえば年上だったね、完全に忘れてたよ。妹ってこんな感じかな? とか思ってた。
「そうでゲソ。キスしたのも感謝の気持ちを伝えたかっただけで、するのも初めてでゲソ」
「そっか、ならいいや」
「じゃあこれからは好きに抱きついてもいいでゲソか?」
「いいよ。でもキスはダメ」
「(押しに弱いわ、この子……相手が海賊だったら聞く耳持たないのに。悪い女に騙されないといいけど……メイプルちゃんは……騙すという発想がないわね、たぶん)」
父さんに聞いたけど、ミンク族にはガルチューっていうお互いの頬をすりあわせる挨拶や、ミンクシップという気に入った相手をなめたり甘噛みしたりするスキンシップがあるらしいし、似たようなものか。キスはともかく抱きつくくらいなら普通でしょ。友達だし。
「そろそろお腹すいた。母さん、今日の晩御飯なあに?」
「ポトフだけど、あんた毒大丈夫なの?」
「あっ、忘れてた……まだ無理だね」
一度機械化を解いて、再び機械化してからそう言う。
ふむ、全身機械化している間は解毒薬が効かない、と。なら機械化を解かない限り毒を食らっても体に回らず死なないか? ……これ、もし毒が即死性のものだったらどうなるんだろ? 機械化解いた瞬間死ぬのか?
機械化して海に沈んでも平気かどうかは今日お風呂で試すか。
痛覚はどうしよ? 体の危険信号だから必要なのは理解するけど、戦闘中は邪魔。痛みで武装色解けちゃうし。見聞色はオレの場合、心の声を聞いてるのがデフォだから全開になるだけで済むんだけど、それもできれば嫌だし。センゴクさんたちが言ってた、訳アリで海賊になった奴が相手なら、心の声を聞いて同情してしまうかもしれない。
やはり能力覚醒しないと。覚醒さえすれば痛覚消せるかもしれない。まだまだ人間をやめ足りないか……。
オレの周りの人普通じゃない人ばっかだし、人間やめた方が仲良く出来そうなんだけどな。
「はっちゃんたちも食べてかない?」
「食べるでゲソ!」
「いいのか、シャッキー?」
「元々多めに作ってたから。うちの人は来なかったみたいだけど、代わりにメイプルちゃんが来てちょうどいい量ね(念のため、この娘がただのドジッ子かロゼを狙う悪女か見極めなくちゃ……)」
「じゃあ、ごちそうになるな」
元々オレと母さんにはっちゃん、来れなかったけど父さんの分と合計4人分作ってたのか。準備良いなぁ。
しばらくたって、オレの体の毒が抜けると晩御飯にした。談笑しながら4人で食べる。
どうすれば父さんも毎日一緒にいられるのか? 世界政府を潰せば……海賊が喜ぶだけだな。ないわー。上手く共倒れにならないかな? ……無理だろうな、直接戦うのは海軍だし。そもそも天上金払ってた加盟国がかわいそう。
海軍だけ存続で天竜人クビにして、加盟国が
まあそうなっても父さんの懸賞金、消えないだろうなぁ。
「ごちそうさま。今日もおいしかった。特にジャガイモ」
「はい、お粗末さま(大丈夫そうな子だったわ。今の所は)」
「ごちそうさまでゲソ(今日は何人海賊潰したとか、いくらぼったくったとか、物騒な家族の団欒でゲソ……よく考えたら魚人街もこんなかんじでゲソな。アーロンさんとか。よくあるよくある)」
「うまかったぞ。じゃあそろそろ帰るか、メイプル」
「あっ、はいでゲソ」
はっちゃんたちが帰るので、外に出て見送る。
「そういえばイカの人魚ってどうやって泳ぐの、平泳ぎ?」
「首の後ろの漏斗から水を噴射して泳ぐでゲソ」
「なにそれ凄い」
家の前の海で手足を一切使わずメイプルが泳いでる、かなり速い。
オレが足から風を噴射して飛ぶのと似たようなものか。オレも首の後ろから風噴射しようかな? 足が自由になって蹴りやすくなる。サンダル脱ぐ必要なくなるし。
「2人とも、またねー」
「またな」
「また来るでゲソー(攫われた時は、ついにシャーリーの予言が外れたかと思ったでゲソが、いいことあったでゲソな)」
別れを告げて家に入る。今度はいつ会えるかな?
「ロゼ、今日は一緒にお風呂入ろっか(最近一緒に入ってないし)」
「え?なんで?」
オレは3歳から1人でお風呂入ってる。悪魔の実を食べてすぐの頃は、お風呂で溺れないようにまだ一緒に入ってた。今は、まず湯を少しためてオレが半身浴でつかって、オレが出たら母さんが湯を足して入ってる。オレが考えた。
能力者は水に浸かると力が抜けるから、シャワーで済ます人が多いらしいけど、それじゃ水に弱いままだし。毎日湯につかって水中でも体動かす練習してる。成果はいまいちだけど。
「今日、あんた2回も毒飲んだでしょ?体が心配だから一緒に入るわ(息子の自立スピードが速すぎてさびしい。もっと甘えていいのに……)」
「そっか。じゃあ一緒に入る」
「ええ、それじゃお風呂ためてくるわね(こっちから誘えば全然断らないのよね。私やレイリーの教えでこの子が守らないことなんて「自分の身が危なくなったら迷わずぶち殺せ」って教え位だし)」
また心配かけてしまった……むぅ、早く誰が相手でも、何をされても死なないくらい強くならないと。オレが弱いから、心配だから、危なくなったら相手を殺すように言ってくるんだ。相手より圧倒的に強くなれば、殺さなくても自分の身を守れる。
お風呂がたまって母さんと一緒に入った。いつものように水中で体を動かす練習や全身機械化して潜って平気なのかを試そうとしていたが、湯船の中では「溺れちゃ危ないから」と、ずっと母さんに抱きかかえられていた。
オレのしようとしていた実験のことなんてお見通しだったようだ。心の声は消してるはずなのになぁ。敵わないや。
一夜明けて、次の日。
「あっロゼ、昨日ぶりでゲソ!」
いつものように海軍基地で賞金貰って、おやつタイムに家に帰るとメイプルが来ていた。次の日にもう来るとは思ってなかった、その発想はなかったよ。昨日、人攫いに攫われたばっかなのに、全然気にしてないようだ。
まあそんなこと気にしてたら、シャボンディじゃ生活できないか。魚人島も似たようなものなんだろう。
流石に昨日の今日。警戒して帯刀はしているようだ。左右の腰のホルスターみたいな物に合計8本のサーベルを差している。
サーベルには刺突用の直刀と斬撃用の曲刀、そしてどちらも兼ねる半曲刀の3種類ある。海軍でも使っている人がいる。
オニグモさんとか。あの人も8刀流だな、両手と長く伸ばした髪の毛で合計8本のサーベルを操る。兜かぶっていつもタバコふかしてる、シブカッコいい。能力者なのか、生命帰還で髪を操ってるだけなのか? 聞いても笑いながら「海軍に入ったら教えてやるよ」とはぐらかされた。ケチ、オレの能力は教えたのに。8刀流の間ではサーベルが流行ってるのか? この2人しか8刀流なんて会ったことないけど。
メイプルは直刀と曲刀を2本ずつに半曲刀を4本腰に差してる。使い分けるためだろう。
「いらっしゃい」
「昨日のお礼にキッチン借りてお菓子作ったでゲソ。食べなイカ?」
「あっ、食べる食べる」
どうやらクッキーを焼いてくれたようだ。
食べてみたが、なるほどおいしい。皆にも喜ばれるだろう。手が8本あるから、他人の4倍のペースでお菓子を作れる。結構パティシエに向いてるかもしれない。
抱きついてきているメイプルの頭を撫でながらそう言う。
「ふふん、また作るでゲソよ? 美味しいお菓子作る練習になるでゲソし」
「そう? だったらお願い。あらかじめ言ってくれたら、材料はオレが買って来るよ」
貰うばっかじゃ悪いから、オレも何か作れるようになるか。どの道旅に出たら、コックを仲間に勧誘するまでは自分で作らなきゃいけないし。とりあえず母さんに言って、好物のフルーツタルトを教えてもらおう。あれはおいしい。
☆☆☆☆☆
もう何度目かのメイプルの訪問。
メイプルも家のキッチンになれたようで、生き生きしている。水を得たイカのようだ。
「出来たでゲソよー」
「ありがと」
今日はアップルパイみたい。いつも通りおいしそう。
一口食べるとなつかしい感触がする。これは……
「
「ゲ、ゲソ!? そんなバカな……なぜ?」
初めて会った日以来の毒だ。とりあえず機械化しよう。
作っているときはマスクも手袋もしてたが今はしていない。つまり
「運んでる時に入ったか。たぶんオレに出来たって教えた時に」
「あ、あの一瞬でゲソか? これはどうすれば……とりあえず薬でゲソ」
「ありがとう」
あの一瞬で毒を吐くとは…。作り終えて、オレに声をかける時に気が緩んだか? 一つのことに集中しすぎて周りが疎かになるタイプか。オレにも覚えがある。
解毒薬と水をもらう。未だ毒を克服できずか。
「とりあえず運ぶ時もマスクと手袋着用で、あとはもう精神を鍛えるか、そう簡単にイカスミ吐かないよう練習するしかないんじゃないかな? はっちゃんは自由に出せるみたいだし、教えてもらえば?」
「それしかないでゲソか……先は長いでゲソ……」
「オレもいくらでも付き合うし、じきに出来るようになるよ」
「恩に着るでゲソ~」
また機械化を解いて体の状態を確認する。少々しびれるがこれならまだ食べられそうかな?
「もったいないし、全部食べてから薬飲むよ」
「それ、私が食べさせてあげよっか?体しびれて食べにくいでしょ?(ご飯食べさせてあげるなんて3年ぶり位かしら?)」
「私が作ったお菓子でこうなったから、私が食べさせるでゲソ」
なるほど、一理ある。母さんの手を煩わせるのは悪いし……
「そっか。じゃあメイプルお願い」
「……そう(ちっ……まあメイプルちゃんが来てから、私と料理する時間が増えたし、このくらいならまぁ。いや、でも……)」
「(何やら寒気が……?)じゃ、じゃあ、あーんでゲソ」
「あーん」
機械化を解き、口を開けてアップルパイを入れてもらう。
これは美味い。機械化して感想言わないと!
「甘さ控えめのクリームにしっとりやわらかいパイ生地、シャキシャキ食感のりんごの甘さと酸味が合わさってとってもでりしゃす! ぱーふぇくとだよメイプル!」
「ゲ、ゲソ!? かつてないほどのべた褒めじゃなイカ!」
「あんた本当に野菜とか果物好きね(この子が初めて焼肉食べた時はヤバかったわね。「う、牛さんが~!!」って泣きながら抱きついてきて。かわいすぎて意識もってかれるかと思ったわ……なんとか写真撮ったけど。もしかしてあれ、この子の覇王色かしら?)」
「おかわり下さい。あーん」
機械化解いて口を開ける。もっと食べたい。
「野菜と果物が好きだったでゲソか。だから農園作るって言ってたんでゲソねー。全部食べるがいいでゲソ」
「うまうま」
「(ヤバイかわいい……最近キリッとしてきた顔がすっごく緩んでる。写真撮らなきゃ)」
母さんがパシャパシャ写真撮ってる。オレが褒めたからアップルパイ作る参考にするのかな? 楽しみだ。
メイプルに食べさせてもらって完食した。
「ごちそうさま。また欲しいです」
「毒入ってた時はどうしようって思ったけど、気に入ってもらったようでよかったでゲソ。今度から野菜や果物のお菓子作った方が良イカ?」
「ぜひに! ……そういや毒食らってたね、忘れてた」
「忘れちゃだめでしょ(またアルバム買い足さなきゃ)」
機械化して解毒薬と水を飲む。たとえ毒入りだとしてもまた食べたい一品だった。
いったいどれだけメイプルは毒を食わせたのか?
A.タイガー、ジンベエ、アーロン、ウィリー、アラディン、ハック、シャーリー、クロオビ、チュウ、ヒトデナシ、マクロ一味、ホーディwith新魚人海賊団の面々。
はっちゃんとヒョウゾウ、イカロスのタコイカ組は生まれつきある程度の毒耐性があるのでバクバク食べてる。
タイガー、ジンベエ、ウィリー、ハックは優しいので貰ったら食べてる。アーロンも同胞には優しいので、シャーリーも友達だから食べてる。そして全員5割くらいの確率でダウンして、スタンバッてるアラディンが解毒。←ここまでテンプレ。
他は完全にトラウマになってるのでメイプル見たら逃げてる。当たり前の反応。
マクロ一味がメイプル売ろうとしたのは、毒の恨みかもしれない。
オリ主の悪そうな笑い方「ふははっ」
漢字に変換すると「
海に沈んでも機械化した体は元に戻らないのか?
A.ルフィは海に沈んでもゴム人間のままだし、チョッパーもトナカイの姿に戻らない。ブルックなんか魂抜けて、白骨死体に戻っても不思議ではないのに生きてる。
シュガーのおもちゃもたぶん戻らない。戻るなら
でもモリアの
メカメカは水や海水につけても戻らないみたい。でもあくまで海水につかる前に機械化していたらの話で、水中で、機械化したり機械化を解くのはできない。
ガープの影響でオリ主がバカになった?
A.ガープさん悪くない。オリ主元から頭のいいバカ野郎だった。よく考えすぎて空回りする。
もしオリ主が海兵になったら、掲げるのは「愛(物理)ある正義」。
紙に毛筆で(物理)まで力強い筆致で明記され、額縁に入れられている。
人間的には間違いじゃないかもしれないが、世界政府や海軍的にはアウトなことを頭使ってバレないようにコソコソやり、周りが気付いた時にはもう手遅れ。そもそも両親のことも明かさない。
海賊からは「げえ!ロゼ!」「妖怪〝命以外全部おいてけ〟だ!逃げろ!」と恐れられ、海賊逮捕数もトップクラスだが、
部下や民衆からは何故か人望がある。たぶん部下の訓練をよくしていたり、海賊から奪った宝や船を売って、海賊の被害者や貧しい国に寄付してるからだろう。あと巨大ロボ的な意味で人気。
主にセンゴクがガープとオリ主のダブルパンチ食らってグロッキーモンスターと化す。
赤犬の懐刀、というより赤犬が何か発覚したらオリ主を粛清するため近くに置いて監視してる。
なお本当に粛清してしまったら、海軍vs鬼神と化した両親&ファンで世界政府の命運をかけた第二次世界大戦が勃発。海軍や世界政府加盟国からも離反者が出る。
第一次世界大戦はたぶん〝空白の100年〟に起こった。「D」の一族でもない(仮)のに傍迷惑。
海軍本部はホワイトな職場です(白目)。
30歳くらいまで家にいればいいんじゃないかしら?
A.15歳でシャボンディを出発予定。
悪い女に騙されないといいけど…。
悪いかどうかはともかく騙されてるね。あっシャッキーさん背中にブーメラン刺さってますよ。
オニグモ中将、思想は過激だが頂上戦争でマルコに海楼石の手錠をつけた有能。
〝不死鳥〟マルコの青い炎は他人の傷もある程度癒せる上に本人は医者、長期戦になるにつれて厄介なヒーラー。さっさと潰すに越したことはない。
海楼石を使ったってことは能力者じゃないかもしれないが、直接手錠に触れてなかったみたいなのでやっぱ能力者かもしれない。
新世界編の中将は、全員相手が悪かったのかもしれないが、日に4度の敗北という前人未到の記録を作ったスモーカーに、ルーキーのバルトロメオに速攻やられてトイレ兼ゴミ捨て場に捨てられたメイナード、傷一つ負わせられずサボにアニメで3分クッキングされたバスティーユと今の所見せ場なし。
世界徴兵で入ったばっかの奴を大将にするのも納得。
中将の強い所が見たいです。
もしかしてあれ、この子の覇王色かしら?
対レイリーとシャッキー限定の覇王色(笑)。愛する息子に厳しく接する覚悟なき親は意識をもってかれる。ガープもたまにエースの覇王色(笑)にやられて意識もってかれそうになってるらしい。
やはり持って生まれたか……これが、海賊王と冥王の血筋……。