デート・ア・ライブ 千代クレイン   作:事の葉

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手紙

‐ side 士道

 

 家に帰ってベッドに横になる。特段何をしたってわけでもないが、やはり精霊と相対するとどうも疲れてしまうのだ。

 

「ん・・・?なんだこの紙」

 

 ポケットの違和感に気付き、中からそれを取り出してみる。

 それは封をされた手紙のようだった。封蝋を外すと、折り畳まれた一枚の紙が出てきた。達筆な字で、

 

『明日の11時、駅前に 千代より』

 

 とだけ書かれていた。

 

「まさか...」

 

 いや、しかし思いつくのはあの精霊と対峙したときだけだ。十香も折紙も用件あがあれば直接かメールで伝えてくる。こんなことをしなくていいわけだ。

 あの精霊が俺のことを知っていて呼び出してきた...? しかし、俺の記憶の中に千代という名前の友達はいなかった・・・気がする。

 しかし、相手は俺の顔に覚えがあるらしい。でなければこんな手紙は出さないだろう。

 

 リビングにいた琴里に事情を説明して、明日へ備えるために早急に眠らせてもらうことにした。

 どうも想像以上に疲れていたらしく、時刻は五時だというのにぐっすりと眠ってしまった。

 

 

‐side 琴里

 

 今回現界した精霊<ブランク>は少し可笑しい。彼女は基本その場から動かず、一頻り暴れてそのまま消失(ロスト)する。そこに大きな感情の起伏、まぁつまりりは人間に対しての憎悪のようなものは見当たらない。ストレス発散時と似たような精神状態が観測できる。

 今回は全く違った。十香と折紙が<ブランク>を守った時に過度なストレスが起こり、その後は焦りが増加した。

 

「・・・手紙の件もあるし、面識でもあるのかしら?」

 

 フゥムと頭を唸らす。同時にコロッとチュッパチャップスが口の中で転がった。

 士道の近辺を探ってみたが、千代という名前の少女はいなかった。まぁ、こっちが覚えていなくても相手が覚えている、なんてことはままあることだ。

 どれだけ頭を悩ませても、今の私が出来ることは今回の手紙が挑戦状的な意味合いでないことを祈ることだけだ。

 

 

-side 千代

 

 明日は何を着ていこうか。私の家は古いらしく、基本行事は着物で行く決まりだったが・・・今回は洋服にチャレンジしてみようか。いやいや、変に挑戦して変な印象を持たれたら困る。無難な感じも...彼の記憶には残りたいし...

 別に選り取り見取りな服を揃えているわけじゃない。元からファッションには疎かった...という言い訳は予め準備しておこう。

 

「どうしよう」

 

 勢いだけで手紙を送ってしまったが...そもそも気付いてなかったらどうしよう。いやいや、そんなことはきっとない。気付いていると信じよう。でも、来なかったら? きっと彼は私の事を覚えていない。交わした会話も両手で数えられる程度だ。小学生時代の友達なんてその後離れてしまえばすぐに忘れてしまうもの。

 

 考え出すとキリがない。こういったときはちゃっちゃとやってちゃっちゃと寝るに限る。

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