日常の中にチョコより甘い香りを   作:ぴぽ

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第15話

りみの告白から3日後、潤は毎日、第2回のガールズバイトパーティーの準備に追われていた。第1回が好評だったこともあり、ポスターを貼りだした途端にCiRCLEへの問い合わせが止まらない状態だった。そんな中、この日、CiRCLEには出演する各バンドのリーダーが集められていた。

「皆さん、お忙しい中、ありがとうございます。今日は、ライブの演奏をする順番を決めたいと思っています。」

潤が、ホワイトボードの前で喋る。緊張しているのか額には汗が浮かんでいた。

「当然、最後は私達ね。」

友希那が言うと、横から「はぁーい!」と聞こえ、

「私達が最後だよ~!キラキラ星歌うんだ~!」

と香澄が言った。

「あら?最後は私達よ?最後に私達で笑顔にするの!」

こころが高らかに言うと潤は「はぁ~。」とため息をついた。

「皆さん、落ち着いて下さい。第1回もこんな感じで揉めたと聞いています。なので、ここは公平にくじで決めたいと思います。」

潤が箱を取り出すと、集まってたメンバーはザワザワとした。

「くじの結果で何番になっても、恨みっこ無しでお願いしますね。」

潤がそう言い、順番がかかれたボールが入っている箱をグルグルと回し始めた。友希那が不満そうに潤を睨む。

「(湊さん、そんなに睨んでもダメだよ~!こうでもしないと決まらないでしょ?)」

と潤はそう思いながら再び、説明を始めた。

「くじを引く順番は年功序列で…。なので、Glitter☆Greenの牛込さん。お願いします。」

「はぁーい。もぅ、潤君ったら牛込さんなんて呼んで余所余所しいよ!私の可愛い、可愛い妹の将来の旦那さんなんだから、ゆりさんとかお義姉さんとかで呼んでよ。」

「…早く引いて下さい。」

ゆりの発言に、再びザワザワとしたが、潤は無視をした。ちなみに、りみの告白の返事はいまだに保留中である。

「しょうが無いなぁ。」とゆりが言い、箱の中に手を入れた。

「ほいっと。…おぉ。1番だ。」

「ありがとうございます。Glitter☆Greenが1番でお願いします。」

実力も、人気も高いGlitter☆Greenが1番になり、他のメンバーは良いスタートダッシュが切れるなぁと感じていた。

「では、次は、RoseliaとPastel*Palettes、お願いします。」

「友希那ちゃん。先どうぞ。」

「分かったわ。丸山さんありがとう。…Roseliaは2番ね。」

「私は…。7番かぁ~。って最後~!?」

実力のあるRoseliaが2番、人気が現在うなぎ登り中のPastel*Palettesがトリとなった。潤は良い感じにきまってるなぁと感じていたが、彩は「ち、千聖ちゃんに怒られる…。」と呟いていた。どうやら、千聖に何か言われていたらしい。その後も滞りなく決まっていった。

「では、最後に確認します。1番、Glitter☆Green。2番、Roselia。3番、ハロー、ハッピーワールド!。4番、CHiSPA。5番、Afterglow。6番、Poppin`Party。そして、最後にPastel*Palettes。…間違えないですか?」

潤が周りを見ると、全員頷いていた。

「では、順番はこれで決定で。もし、当日、ハプニングがあった場合は前後するかも知れないので、そこはご了承ください。今日はありがとうございました。」

潤が深々と礼をすると集まっていたメンバーが帰っていった。

「潤君、お疲れ様~。良い感じに決まったじゃない?」

まりなが潤に労いの言葉をかけながら近づいて言った。

「ですね。凄く盛り上がると思います。でも、正直、どの順番でも盛り上がりそうですけどね。」

「いやぁ。早く決まって良かったよ~。潤君、今日はバイト、終わりでしょ?事務所に待ち人がいるよ?」

まりながニヤリと笑って言う。

「りみですか?」

「そうだよ~!早く行ってあげたら?」

「そうします。…では、お疲れ様でした。」

「うん!お疲れ様~!」

潤が出て行くのを確認し、まりなは順番が書かれたホワイトボードを眺めていた。

 

─────────────────────

「りみ?お待たせ。」

「ううん。全然大丈夫だよ。…ボピパ6番目なんだね。」

「そうだよ。戸山さんから聞いた?」

「うん。さっきすぐそこで出会ったから。」

りみがロビーを指しながら言った。その間、潤は帰る準備をしていた。

「よし!忘れ物はないね。りみ?行こうか。」

「うん!」

りみは立ち上がり潤の横に並んだ。

CiRCLEを出ると、ムワッとした空気が潤達を覆った。

「うわぁ…。暑っ。」

「そうだね。雨、降りそうだね。」

潤とりみが見上げると空は灰色の雲が埋まっていた。

「雨、降らないうちに早く行こうか?」

「そうだね。…よいしょっと。」

りみは潤の手を取った。すっかり、潤の手が気に入ったりみは潤に会うと手を繋ぐようになっていた。しかし、今日は、潤の手を取ったと思うと、グッと自分の方に引き寄せた。

「え?」

まさか、そんな事をするとは思ってもみなかった潤はビックリしていた。

「えへへ~。1度やってみたくて…。わ、私からのアピールってことで…。」

恥ずかしそうにりみは言った。今、潤の右腕にはりみがピッタリくっついていた。俗に言う、腕を組んでいる状態だ。

「(り、りみがどんどん積極的になっていってるよ~。心臓持つかな…?)」

潤は恥ずかしさのあまり、喋れなくなってしまった。

「そ、それじゃぁ…。い、行こっか?」

恥ずかしそうにりみが言うも、表情は満足そうだった。

─────────────────────

潤の家に到着すると、2人は勉強を始めた。宿題を終わらす為だ。りみの告白後も会って、宿題をしており、かなり進んでいた。2人とも性格的には真面目な為、喋って進まなくなる事は無く、ペンが走る音以外、無音が続いていた。ちなみに、潤は歴史、りみは現代文の問題集をしている。りみはサラサラと順調にペンが進んでいるが、潤は、教科書を見ながら問題を埋めていた。

「…ふぅ~。りみ、進んだねぇ。」

潤が手をプラプラと休めながら言った。

「そうかな?集中してやってたからあっという間だったよ。潤君も進んでるよ?」

りみも潤の問題集を見て言った。

「僕は教科書見ながらだから遅いよ。まぁ、でも、だいぶ進んだかな?」

潤はパラパラをページを捲る。歴史の問題集もあと少しという所まで来ていた。

「ちょっと休憩にしようか?いいかな?」

「うん。私もきりが良いから。」

「了解。何か飲む?」

「うん。いつもありがとうね。」

潤が台所に向かい、冷蔵庫を開ける。

「(何かないかな?…おっ。これは良いかも!)」

冷蔵庫の中をガソゴソと触る潤の姿をりみは見てた。

「(何してるんだろ?)」

「りみ!」

「なに?あっ!それは!」

潤の手にはかき氷のシロップが握られていた。

「かき氷、好きかな?レモン味しかないけど…。」

「めっちゃ好きだよ~!」

「よし!なら食べよう!」

潤がシロップを机に置き、潤は次に戸棚に向かった。りみが待っていると、潤がどんどん準備を進めて行った。

「お待たせ!」

あっという間に潤が準備を完了させた。

「さぁて!削るぞ~!」

潤が言うと、

「潤君かき氷、好きなの?」

とりみが聞いた。

「好きだよ!夏しか食べれないし、美味しいしね!あとね、これが好きなんだ!」

「練乳?確かに美味しいね。ついついかけ過ぎちゃうんだよね…。」

「分かるよ!」

潤は喋りながら、機械のスイッチを入れた。ゴリゴリと音が響き、どんどん氷の山が出来て行った。

「よし!出来た!りみ?どうぞ。」

「え?じ、潤君からで大丈夫だよ!」

「僕のはすぐに出来るから気にしないで先に食べて!」

「う、うん。なら先に頂くね?」

りみがそっとスプーンで掬い、1口食べると、口の中では、甘さと冷たさが広がった。

「めっちゃおいひぃ~!」

りみが笑顔で言う。その間に、潤は氷を機械に入れてスイッチを押した。再び、氷の山が出来ると、潤も急いで食べた。

「…美味っ!」

と呟き、食べるスピードを上げた。その後も、「美味しい!」という会話だけで、どんどん食べ進めて行き、あっという間に食べ終えてしまった。

「さて、食べ終わったことだし、勉強しますか!」

潤が言い、器を片付けようとすると、

「潤君?ち、ちょっと良い?」

「りみ?どうしたの?」

「…おかわり。」

器を潤の方に申し訳なさそうにりみが出すと潤は器を受け取り、再びかき氷を作り出した。

 

─────────────────────

ところ変わってCiRCLE。潤が帰った後も、もちろん営業は続いている。

「潤!?潤はいるかしら?」

こころがフロントに着くやいなや、叫んだ。 

「ちょ、こころ!?迷惑になるから!」

美咲が慌てて、制止する。

「あら?貴女達は?」

「あっ!紗夜~!潤を知らないかしら?」

「潤さんなら、今日はバイトは終わっているので、今は家だと思いますよ。今から練習ですか?」

「そうなの!」

「紗夜先輩。こんにちは。紗夜先輩も練習ですか?」

「私は、終わったところですよ。」

紗夜がスタジオの鍵を見せながら言った。

「ところで紗夜?あなた、潤とはどうゆう関係?」

「え?」

「ちょ、ちょっとこころ?藪から棒に何言ってるの?」

「いえ。別に隠すことはありませんから。親戚ですよ。」

「そうなの!潤のスケジュールを知ってるから恋人かと思ったわ!」

「こころ!紗夜先輩すみません。」

こころの発言に美咲は焦って謝罪した。

「いえ。大丈夫ですよ。弦巻さんの洞察力には毎回、驚かされます。」

「洞察力?私はただ言ってみただけよ!勘よ!」

「でも、恋人は外してましたね。潤さんには恋人になるかも知れない方がいらっしゃるので。」

「りみかしら?」

「え!?」

先ほどあった順番決めの会議にいたこころはゆりの発言で知っていたが、美咲は知らなかったのでビックリした。

「…そうですね。」

紗夜が認めると美咲は「そうだったんだ…。」と呟いていた。

「なら、潤はどうして笑顔じゃないのかしら?」

「え?潤さんならよく笑っているじゃないですか?」

「(笑顔が出始めたのは最近ですが)」と紗夜は心の中で付け足した。

「確かに笑っているわ!でも、心から笑ってないように見えるわ。」

「そう…でしょうか?私には分からないですね。」

紗夜が顎に手を添えて考えていた。

「紗夜先輩?」

「奥沢さん、ごめんなさい。少し考えましたがやはり分からないですね。近くで見すぎて分からなくなっているかもしれませんね。注意してみますね。弦巻さんもありがとうございます。」

紗夜がの言葉にこころはにっこり笑い、

「紗夜。潤に近々、笑顔にするからって伝えて頂戴!」

「分かりました。それでは練習頑張って下さい。失礼します。」

紗夜は会釈をして、CiRCLEから出た。

「(潤さんが心からの笑顔じゃない…。そうなのかしら…。潤さんやっぱりまだ引きずってるのかしら?)」

紗夜は再び考えながら帰路につこうとしたが、途中で「ふぇぇ…」と言いながら道に迷っている花音を見つけ、再び、花音を連れ、CiRCLEへ向かった。

 

─────────────────────

日が暮れ、りみを送った後、潤は再び宿題を再開していた。

「よし!歴史、終わり!」

持っていたシャーペンを机の上に転がし、「う~ん」と背伸びをした。

「めっちゃ早いペースで宿題が終わってるなぁ。このペースで行けば、夏休みの最後の方はゆっくり出来るかも?」

そう言うと今度は科学と書かれた問題集を出した。パラパラと内容を確認し、再び「う~ん」と背伸びをした。

「…りみの告白の返事…。どうしよ。」

思考を宿題から変えた。

「なんでこんなに悩むんだろ。りみは可愛いし、凄く良い子なのに…。何より、こんな僕を凄く好きでいてくれるのに…。」

潤はカーテンを開け、外を眺めた。いつの間にか降り出した雨が窓に打ち付けていた。

「…これじゃぁ、星なんて見えるわけないか。」

空を見るも、雲で覆われているのか、真っ暗な闇だけが広がっていた。

「はぁ~。なんで悩むんだろ。りみに会う度に、告白の返事を出したいのに…。その話題に触れそうになるだけで、ストッパーがかかったみたい口が動かなくなっちゃう…。」

潤は再び「はぁ~。」とため息をついた。潤の夜はこうして更けて行った。

 

─────────────────────

「はぁ~。」

潤と同じようにりみはため息をついていた。

「りみ~?ため息ついたら幸せ逃げちゃうよ?てか、貴女、帰ってからずっとため息ついてるじゃない?」

ゆりが呆れながら言った。

「だ、だって~。」

「だって、何よ?」

「私が告白してから潤君、ずっと悩んでるもん。本人は隠しているつもりみたいだけど、分かっちゃうよ~。こんなに悩ますなら、告白するんじゃ無かったよ…。」

「ところでりみ?なんで告白したの?」

「へ?え、えっとね…。が、我慢出来なくなっちゃったの…。」

りみが恥ずかしそうに言った。

「なんか、似たような話を最近、聞いたような…。あっ!潤君が秋帆ちゃんに告白したのも同じような感じじゃなかったけ?」

以前、りみの話に出てきた話題を思い出し、ゆりは言った。

「そ、そうだね。その時の潤君の気持ち、今ならよく分かる…。」

「まぁ、待つのが辛いのはよく分かるけど、待つって言ったなら、ちゃんと待たないとね?」

「う、うん。そのつもりだよ?」

りみがそう言うとゆりはニヤリと笑った。

「ところでりみ?私の言った通りにした?」

「ふぇ!?う、うん。ちゃんと…う、腕組んだよ?」

りみが潤に対して、振り向いてもらう為にしているアピールは、ほぼ、ゆりの入れ知恵だった。

「そっか!なら次はどうしよっかなぁ?」

「お、お姉ちゃん?楽しんでないよね?」

「当たり前じゃん!真剣に考えてるよ!」

ゆりは最高の笑顔をりみに向けた後、「う~ん」と考え出した。

「…2人で会った時は大体、勉強してるのよね?」

「う、うん。大体そうだよ?」

「なら、勉強の休憩中に膝枕してあげたら?」

「ひ、ひ、ひ、膝枕!?」

「そうそう!潤君、喜ぶだろうし、疲れもとれるだろうし…。良いじゃん!」

「お、お、お姉ちゃん!?絶対、楽しんでるでしょ!?」

「あはは!ごめんねぇ~。」

牛込姉妹の夜はこうして更けて行った。

 

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~おまけ~

第2回ガールズバンドパーティーの順番決めの一コマ。

「上原さん?Afterglowさんはリーダーは欠席ですか?」

「リーダーは私だよ?潤君?」

「え?」

「まさか、潤君、Afterglowのリーダーは蘭って思ってたでしょ?」

「さて、皆さん、お集まりありがとうございます。」

「無視しないで!」

 

─────────────────────

~おまけ2~

「千聖ちゃん!ごめん!」

「全く、彩ちゃんは…。実力者がいっぱいいるから最後だけは止めてって言ったのに…。」

「本当にごめん!」

「くじで最後を引くあたり彩ちゃんぽいけど…。まぁ、しょうがないわね。頑張って練習して、トリに相応しいライブにしましょう。」

「ち、千聖ちゃん!私も頑張る!」

「彩ちゃんはライブが終わるまで甘い物禁止ね?」

「そ、そんなぁ…。」

 




少し、投稿の間隔が開いてしまいました。申し訳ありません。
今回はおまけを入れて見ました。
楽しんで頂けたら幸いです。

それと、最近の高校生ってどんな宿題出るんでしょうね?僕は特殊な学科だったので、夏休みの宿題も専門的なものばかりでした。おかしかったりしたら申し訳ありません…。

11月24日修正しました。
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