日常の中にチョコより甘い香りを   作:ぴぽ

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どうも。
ぴぽです。
第2話となります。
感想とか頂けると参考になります。
それとテンションもあがります笑


第2話

潤と無事に連絡交換をしたりみ。とても嬉しかったらしく、軽やかな足取りで受け付けのあるフロアからスタジオに向かっていた。

「(勇気出した甲斐があったなぁ。新しい友達も増えちゃった!)」

と帰りに頑張った自分へのご褒美にいつもより高いチョコを買って帰ろうと、鼻歌交じりで考えていた。そんなりみを見ながら沙綾は声をかけた。

「りみりんって、あんな感じの男性がタイプなの?」

「え?違うけど?」

「違うの?引っ込み思案のりみりんが積極的に行動してたからてっきり一目ぼれで好きになったと思ったんだけど。」

「え?…え?ち、ちゃうよ!?や、優しそうな人だったから仲良くなりたかっただけだよ?」

慌ててりみが否定するも、沙綾はニヤリと笑い、

「そっか。まぁ、そういうことにしておくよ。」

と言った。

「うぅ…。違うのに…。」

とりみは頬を染めながら呟いた。

 

―――――――――――――――――――――

朝から始まった潤のバイト。気がつけば太陽も西に傾き始めていた。

「(バイトしてたら1日が早いなぁ。)」

と思いつつ、今日あった、潤にとってはかなりイレギュラーな1日を振り返っていた。

「(まさか、牛込さんと連絡交換まですることになるなんてなぁ。てか、牛込さん、めっちゃ可愛い!あんな可愛い人とLINE出来たりする僕はラッキーだなぁ。)」

とニヤけながら考えていた。

「はぁ~。鼻の下伸びてるよ?」

「うわぁ!月島さん!いつからそこにいたんですか!?」

「さっきからずっとだけど?」

「そ、それはすみません。それで、何か用があって声かけたんですよね?書類の不備とかありましたか?」

「違うよ~。」

と言いながらまりなは時計を指した。

「もう定時だから上がって良いよ~。お疲れ様。」

「え?あっ!本当ですね。本当に時間が経つのが早いなぁ。月島さん、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします。」

「は~い。明日も出勤だっけ?こちらこそよろしくね!愛しのりみちゃんとLINEのし過ぎで寝坊しないようにね!」

「い、愛しって!?出会ったばかりでそれはないです!」

と企業でよくあるようなやり取りをした。いや、最後だけはイレギュラーであるが…。弄られて、恥ずかしかったのか、潤は急いで更衣室に入った。1人、残ったまりなは

「違うの?潤君、りみちゃんに一目惚れしたんじゃないの?」

と首を捻っていた。

 

―――――――――――――――――――――

更衣室で私服に着替えて外に出る。日が傾いていたので、潤は暑さはましになったと思っていた。しかし、太陽はそんな甘い考えを吹き飛ばす勢いでまだまだ日差しを地上に降り注いでいた。

「暑っ。」

予想以上の暑さに眉間にシワを寄せた。ちなみに時刻は16時である。少し歩くとすぐに額から汗が出てきた。

「(タオル持ってくれば良かったなぁ。)」

と考えながらカバンからスマホを取り出しLINEを開いた。そこには「牛込りみ」と表示され、メッセージが届いていることを告げていた。

 

“今日はホントにありがとうございました。

牛込りみです。

ジュース美味しかったです。次、買うときがあったら今度は私が買いますね。

それとチョココロネどうでしたか?

美味しいでしょ?

今度、機会があったら是非、一緒に買いに行きましょうね!”

 

文章を読んで潤はクスリと笑った。

「(ジュース気にしないで良いのになぁ~。それはそうと…。)」

りみは引っ込み思案な性格を治したいと言っていた。しかし、潤には何を協力していいかまるで分かってなかった。

「(う~ん。考えても分からないから聞いてみようかな?でも、協力するって見栄切っちゃったから聞きにくいし…。う~ん。いや、やっぱり聞こう!的外れな協力したら牛込さんも困るよね。)」

と思い、文書を作成した。

 

“今日はお疲れ様。

ジュースの件はホントに気にしないでね?好きで奢っただけだから。

チョココロネ美味しかったよ!他のパンもホントに美味しかった!是非やまぶきベーカリーに案内してね!

あと、聞きたい事があるんだけど、引っ込み思案な性格を治したいと言ってたよね?協力するって言ったからにはちゃんと協力したいと思ってる。それで、具体的には何したら良いのかな?”

 

と打った。すぐには返信は無いだろうと思い、スマホをカバンに入れようとした瞬間に「ブー」と鳴った。再びスマホを開くとりみからの返信だった。

 

“バイトお疲れ様です。

ジュース、気にするなと言われても気になっちゃいます。いつか、何かでお礼させて下さい。

是非、行きましょうね!楽しみにしてます!

協力して欲しいって確かに言いましたけど、私も分からないです(^^;)

とりあえず、こうやってLINEをやり取りにして頂ければと思います!”

 

返信早くない?と潤は苦笑いした。とりあえず、“分かったよ。僕はいつでも暇してるからいつでも送ってね!”と返信した。

「さて、早く帰ろう!」と思い、しっかりと一歩を踏み出した。

 

―――――――――――――――――――――

「文、変じゃなかったよね?」

と自室のベットに腰かけながらりみは呟いた。ここだけの話、りみは昼過ぎに帰ってきたが、それから1時間あーでもない。こーでもない。と文章を打ち替えていた。

「うぅ…。LINEってこんなに難しかったっけ?」

とまた呟いてスマホを見て言った。

「いつでも送ってね…かぁ。本当に送って大丈夫なのかな?」

う~ん。とりみは考えて、

「お姉ちゃんが帰って来たら相談しようかな?」

「何を相談するの?」

「ひゃあ!」

りみがビックリしながら後ろを向くとりみの姉である牛込ゆりが立っていた。

「びっくりさせちゃったかな?ごめんね。それで相談って?」

と、ゆりがニコニコしながら聞いた。りみは今日あった出来事と一緒に相談事、いつでも送ってねは本当にいつでも送って大丈夫なのかを聞いた。

「あははっ!りみは心配しすぎだよ~。いつでも送って大丈夫って相手が言ってるなら送って平気だよ!それに忙しかったら返信が遅くなるだけだよ。」

と笑いながらゆりは言った。

「そっか。そうだよね。私が気にしすぎてたね。男の人とLINEするのが初めてだったから緊張しちゃって。」

とりみが照れながら言った。

「それにしても、りみに好きな男性が出来るなんて…。お姉ちゃん嬉しいな。」

と言うと、りみはますます照れた。

「ち、違うよ?沙綾ちゃんにも言われたけど好きとかじゃないよ?」

「大丈夫!何かあったらお姉ちゃんに相談してね!未来の旦那さんになるかもしれないし。」

とゆりはニコッと笑って言った。

「もう!お姉ちゃん!?」

とりみが叫ぶと、悪びれた様子もなく、ゆりはごめんねぇ。と言った。

 

―――――――――――――――――――――

バイト先を出てから40分後。潤はやっと家に到着していた。しっかり踏み出した一歩は今はもう見る影もなく、朝と同様、フラフラとしていた。

「明日からは自転車で、行こう。運動と思って歩くんじゃなかった。」

と呟きながら家の中に入った。

「ただいま。」

と言い、リビングのドアを開けると冷房の風が潤を包んだ。ふぅーと息を吐き、生き返ったような気分に浸っていると

「あら?お帰りなさい。」

と、台所から女性の声が聞こえた。

「ただいま。母さん。」

と言いながら消費した水分を補う為、冷蔵庫から麦茶を取ってコップに注いだ。それを一気に飲む。

「あーっ!生き返る!」

と、叫ぶと 

「外、そんなに暑いの?私、今日一歩も外に出てないから。」

と母親が潤に聞いた。潤の母親は専業主婦で、しかも趣味が読書とインドアなので1日中部屋の中にいると言うのは珍しくないのだ。

「ヤバいよ!ホントに暑いよ。」

と潤が苦笑いしながら言うと、母親が潤の方を見た。

「潤?相当汗かいてる?あなたからかなり邪悪な匂いがする…。」

と眉間にシワを寄せ言った。「マジで?」と潤は言いながら自分の服の匂いを嗅いだ。しかし、不思議と自分では分からないものである。

「お風呂のお湯、入れてあげるから早く入ってちょうだい。鼻が取れそう。」

と言い、風呂場に行ってしまった。「そんなに匂う?」と軽くショックを受けながらリビングに戻った。ソファーに腰かけ、スマホを開くとLINEが届いていた。中を開けるとりみからだった。

 

“もう家に着きましたか?”

 

という内容だった。

 

“着いたよ!歩いて帰ったら汗ヤバかった。”

 

と返すと、

 

“私もです!背中にベースを背負ってるから背中の汗が…(つд`)”

 

と、すぐに返ってきた。

「(ホントに返信早いなぁ。僕も気を付けてLINEしてみよう。)」

と考えながらLINEをしていた。

それから15分後、「お風呂が沸きました。」とアナウンスがリビングに響いた。りみに“お風呂入ってくるね”とLINEし、脱衣場に向かった。滅茶苦茶綺麗に洗おうと心に秘めながら。

それからさらに15分後、お風呂から上がった潤は母親が入れてくれたアイスコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。ダラダラとニュースを眺めていると

「そういえば。」

と母親が潤に声をかけた。

「ん?何?」

「今から、お姉ちゃんがくるよ?」

「……は?」

「だから、お姉ちゃんが来るって!おかず持ってきてくれるって。」

「えっと、お姉ちゃんってどっちの?」

「姉の方だよ。」

さっきから話している内容だが、潤の本当の姉という訳ではなく、親戚のお姉さんがおかずのお裾分けに来るという話だ。それだけなら、なんてことない話だが、潤は顔を真っ青にした。

「あーと、えーと、ちょっと用があるから出掛けてくるね!何処に行くかって?言わないよ!」

とかなりあたふたしながら玄関のドアを開けた。開けた先にはアイスグリーンのロングヘアーの女性が立っていた。

「こんにちは。潤さん。」

と微笑みながら言った。

潤は絶望的な顔をしてはぁ~とため息をついた。

「こ、こんにちは。紗夜姉さん。」

彼女は氷川紗夜と言い、潤の親戚だ。

「そんなお風呂あがりの格好でどちらに行かれるつもりでしたか?」

「え?い、いや。こ、こ、コンビニまでちょっと。」

と潤は誤魔化した。

「嘘ですね。暑いので中に入りたいのですが良いですか?勿論、貴方もですよ。」

と紗夜は言った。潤は諦め、に中に入った。

「これ、頼まれてたものです。」

と紗夜が潤の母親に手渡す。

「いつもありがとうね!紗夜ちゃん!」

と言い、台所に入っていった。

「ところで潤さん。」

「は、はい!何でしょうか?」

「夏休みの宿題は済んでますか?いえ。すみません。済んでる訳ないですよね?」

「失礼な!多少はやってますよ!」

「そうでしたか。では、全ての宿題が100%として、何%終わってますか?」

「さ、30%くらいです。」

潤は目を泳がせながら言った。そんな潤をじっと見ながら

「本当は?」

と静かに言った。

「うっ…。5%くらいです。ごめんなさい。」

と俯きながら潤は言った。

「やっぱり…。では潤さん今ここに一番苦手な宿題を持ってきて下さい。私の管理の元でやりましょう。」

「え!?今から?」

「今しないとしますか?」

潤は諦め、自室に宿題と筆記用具を取りに行った。一番苦手と言われたので数学の宿題を選んだ。

「数学ですか。まだ、真っ白ですね。」

「苦手で後回しにしてました。」

「では、早速しましょう。さっ、まだ日が出てるので夜までみっちりいきますよ。」

と紗夜は微笑みながら言った。潤には悪魔の微笑みにしか見えなかった。

 

―――――――――――――――――――――

夜も更け、本当にみっちり数学の宿題をした潤。魂は抜け机に伏せていた。しかし、頑張ったお陰か半分以上終わらす事が出来た。

「ふぅ。いい湯でした。ありがとうございます。」

と、紗夜は髪をタオルで拭きながら出ていた。

潤の家庭教師、もとい監視を続けていた紗夜はこうなることを予想して泊まる準備をしてきていた。

「紗夜姉さん。ありがとうございました。お陰で一気に終わりました。」

「いえ。あなたもよく頑張りました。それとLINEが届いているみたいですよ。」

と机の上に置いてあったスマホを指した。

「ありがとうございます。……あっ、ヤバっ。」

潤は紗夜にお礼を言い、スマホを見た瞬間焦った。りみからのLINEだったのだ。紗夜が来てからずっと勉強だったので気付かなかったのだが、もう少し気を付けて、勉強中だった事を伝えれば良かったと思っていた。慌て返信を打つと紗夜が声をかけてきた。

「すみません。見るつもりは無かったのですが見えてしまったので…。牛込さんと知り合いだったんですね。」

「そっか。バンド繋がりで牛込さんのこと知ってるんですね!」

潤は今日あった出来事を紗夜に話した。

「そんなことがあったのですね。彼女はホントに良い子なので失礼の無いようにしてくださいね。」

「……紗夜姉さんの中で僕の評価はどれだけ低いんですか?」

とちょっといじけながら言った。

「いえ。あなたはとても優しい人だと思いますよ。ただ計画性がないだけです。」

と紗夜は答えた。

「(上げて落とすのか…。)」

と潤は苦笑いした。

「それで、潤さんは牛込さんの事が好きなんですよね?牛込さんならだらしないあなたでも…。」

「ち、ち、ちょっと待って!職場の月島さんにも言われたけど、今日出会ったばっかりだよ?違うって!」

潤は焦りながら答えた。

「あら?そうなの?」

と紗夜が言うと

「そうだよ!確かに、良い子だし可愛いけど…。あぁ!もう!寝る!紗夜姉さんおやすなさい!」

と潤は顔を真っ赤にして出ていてしまった。

「その反応をみる限り好きなんじゃ…。でも…。」

紗夜は立ち上がりリビングにある一枚の写真に目をやった。

「潤さんがこれで前に進めてくれれば良いのですが…。」

そんな紗夜の呟きをかき消すように夜は更けていった。

 

 

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