ちょっぴり成長した潤とりみりんの姿を楽しんで頂けたらと思います。
2人が付き合うまでの過程は1話から読んで頂けたらと思います。
よろしくお願い致します!
1話
暖かな日差しが降り注ぐ部屋で、1人の女性がペラペラと分厚い本のページを捲っていた。あるページでは笑顔で、あるページでは懐かしむような表情をして見ていた。
「りみ?何してるの?」
「あっ。潤くん。ちょっと片付けしてたら懐かしくなっちゃって。」
「ん?アルバム?」
りみが見ていたのはアルバムで、表紙には「潤&りみ」と書いてあった。
「ページ増えたね。そうだ。はい。コーヒーだよ。」
「ありがとう。本当だね。色々あったね。」
りみがページを捲ると、潤ものぞき込んだ。
「本当に…。懐かしいなぁ。」
「うん。…じ、潤くん。これからも、その…。思い出増やしていこうね?」
「もちろん!」
2人は顔を見合わすと口づけをした。
「ふふ。」
「流石に恥ずかしがらなくなったね。」
「あ、当たり前だよ~!何年経ってると思ってるの?それに…。」
「それに?」
潤が話の続きを言うように促す。
「は、恥ずかしいより…幸せだなぁって。」
「それなら良かったよ。」
りみは再びページを捲る。
「あっ。この時は…。」
「…あぁ。今思い返すと人生の分岐点…だったかな?」
2人が写真を見ると、満面の笑みの潤と目に涙を溜めたりみが映っていた。
「本当に懐かしいね。」
「うん。」
2人がそう言うと、当時の事を思い出すように語りだした。
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「…おはよ。」
潤はそう言いながらリビングに欠伸をしながら入ってきた。
「おはよう。潤くん?眠そうだね?」
潤の表情に苦笑いしながらりみはコーヒーの準備をして潤に渡した。相変わらず、りみは料理の勉強の為、潤の家に朝と夕に来ていた。ちなみにだが、りみは合鍵も渡され、潤の家に自由に出入り出来る状態である。
「潤さん。あなた今日から新学期でしょ?しかも高校最後の年ですよ?もっとちゃんとして下さい。」
「紗夜姉さんは何でいるんですか?大学は大丈夫なんですか?」
のんびりとパンにかぶりついている紗夜に潤は言った。潤とりみが付き合いだしてから約1年半が経っていた。潤とりみは高校生3年生に。紗夜は大学生になっていた。ちなみに、Poppin`PartyもRoseliaも活動を続けており、その人気は健在でライブをすればチケットはすぐに売り切れてしまう。
「大学生は意外と時間に余裕がありますので。今日は10時までに行けば大丈夫です。あなた達も来年にはこんな感じになってますよ?」
紗夜が潤とりみを見て言った。
「そうなんですね。…じゃなくて!僕はなんで紗夜姉さんが僕の家で優雅に朝ごはんを食べているのかを聞いてるんです!」
潤が言うと紗夜は「そうでしたね。」と呟いた。
「潤さんと牛込さんにご報告です。Roseliaがメジャーデビューすることになりました。」
先程と変わらないテンションで淡々と話す紗夜。あまりにも淡々と喋る為、潤とりみは固まってしまった。そして「「えぇぇぇえぇ!!」」と2人揃って叫んだ。
「本当に!?紗夜姉さんおめでとう!」
「凄いです!紗夜さん!おめでとうございます!」
「ありがとう。でも、大事なのは今からです。デビューがゴールではありませんので。」
自分と苦楽を共にしてきたギターを見ながら紗夜は言った。
「あと、これはまだ言ってはいけない情報なので、他の方には内緒でお願いしますね。」
「分かったよ。気をつけます。」
「はい。応援、してますね。」
2人が言うと、紗夜は微笑み、コーヒーを啜った。
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始業式も終わり、昼から、相変わらず、潤はCiRCLEでバイトをしていた。バイトを始めてからすでに1年半以上経っている為、ほとんどの事務の仕事はほとんど任されていた。これも相変わらずだが、楽器のセッティングなどは出来ないままであった。
「潤君。今、平気かな?」
「はい。大丈夫ですよ。」
パソコンに向かっていた潤は、作業を中断し、声をかけたまりなの方を向いた。
「大事な話があります!第3回のガールズバンドパーティーを開催することになりました!だから、あとよろしくね。」
まりなはそう言うと立ち去ろうとした。
「ち、ち、ちょっと待って下さい!月島さん!それだけですか?」
「うん。そうだよ。第3回のガールズバンドパーティーが開催されるってことだけ決まってたの!だから、後は宜しくね!あっ、ちなみに、やりたいって言い出したのはRoseliaだからね!」
「Roseliaが?あれ?紗夜姉さん、何も言ってなかったけど…。」
潤が考えていると、まりなは立ち去っていた。
「はぁ~。しょうがない。とりあえず、前回の資料を…。」
以前やった第2回ガールズバンドパーティーの資料を出して読んでいた。
「…やっぱりメンバー集めが鬼門だよなぁ…。あっ、そう言えば…。」
潤は思い出したように、今、CiRCLEを利用している一覧の表を見ていた。
「とりあえず、話を聞くか…。」
潤は立ち上がり、スタジオに向かった。
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潤がCiRCLEでバイトをしている最中、りみは有咲の蔵で練習をしていた。現在蔵ではりみと有咲、沙綾がいた。
「あの2人遅いなぁ…。」
「まぁまぁ。入学式の準備ならしょうがないじゃん?」
「いやいや!おかしいだろ!?生徒会に入ってる私は準備終わってて、あの2人だけ終わってないって!いったい何をしてるんだよ!」
有咲は叫び、飲んでいたカップをドンと机の上に置いた。
「有咲は本当にポピパが好きだね!」
「そ、そんなんじゃねぇー!」
そんなやり取りを聞きながらりみはベースのチューニングをしていた。
「まぁ、有咲は置いといて、りみりん!」
「どうしたの?」
「最近、潤君とはどう?」
「へ?どうって…。相変わらずだよ?」
りみは首を傾げて言った。
「そっかそっか!なら良かったよ~。付き合って結構なるよね?」
「うん。そうだね。楽しいからここまであっという間だったよ。」
「りみりん、本当に幸せそうだね~。有咲~。カノンの練習してる?このままいったらりみりん、すぐに結婚まで行っちゃうから!」
「さ、沙綾ちゃん!」
りみは顔を赤くして言った。有咲はキーボードの前に移動して、結婚式の定番曲であるカノンを弾き始めた。
「あ、有咲ちゃん!?」
りみは顔を真っ赤にして叫んだ。
「りみりん。実はね、りみりんと潤君が付き合うまで、1番心配してたの、有咲なんだよ?」
「え!?そうなの?」
「うん!心配でソワソワしちゃって!可愛かったなぁ。」
沙綾がニコニコしながら言うと、演奏を終えた有咲が2人の元に近づいた。
「…なんの話、してたんだ?」
有咲はジト目で2人に詰め寄った。
「なんでもないよ。ね?りみりん?」
「えぇ!?う、うん。何にもない…よ?」
「はぁ~。まぁ…良いけど。」
有咲はため息をつく。そしてソファーにドカッと座る。
「ところで、2人に聞きたいことがあるんださけど…。進路ってどーするんだ?」
有咲が言うと、沙綾とりみは顔を見合わすのであった。
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使用中のスタジオに向かった潤。声をかける為、今は演奏が止むのを待っていた。その間、資料を読んで、考えながら過ごしていた。
「(前回は、チケットがすぐに売り切れちゃったんだよなぁ。会場、広い所でやった方が良いのかな?う~ん。でも、何組出てくれるか分からないし…。)」
前回のライブを思い出しながら潤は考えた事をメモに取っていた。そして、スタジオから演奏が止むと、ドアをノックし、中に入った。
「すみません。失礼します。練習中、申し訳ありません。」
潤が中に入ると、練習をしていたAfterglowのメンバーが一斉に潤を見た。
「潤君!どうしたの?練習中に入ってくるなんて初めてだよね?」
恐らく、Afterglowの全員が疑問に思っていた事を代表してひまりが聞いた。
「皆さんにお話しがありまして…。すぐに終わりますので聞いて下さい。」
潤が言うと、Afterglowのメンバーは「なんだろ?」と顔を見合わせた。
「第3回、ガールズバンドパーティーを行う事になりました。日付とかは未定ですが、出演交渉に参りました。」
「出るー!」
「おぉ!ひまり!やる気満々だな!」
「私も出たいな!他のバンドの演奏も聴きたいし!」
「蘭~。ど~する?」
「良いんじゃない?出ようよ…ということだから…。潤、宜しく。」
蘭が代表して潤に言うと、潤は頷き、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。本当に何も決まってないので、決まり次第、お伝えしますね。」
潤は再度、頭を下げ、部屋から出て行った。
「よし。これでAfterglowとRoseliaは大丈夫!」
出演交渉が上手くいき、段々とやる気が出てきた潤は意気揚々と事務所に戻った。
「やぁ。一宮君。久しぶり。」
事務所のドアを開けると、初老の男性が椅子に座っていた。
「お、オーナー!お久しぶりです!」
潤が笑顔で言うと、オーナーも微笑んだ。
「ガールズバンドパーティー、またするそうじゃないか。一宮君。期待しているよ?」
「は、はい!頑張ります!」
「それはそうと、一宮君、君は高校3年生になったんだよね?進路はどうするつもりなのかね?」
「し、進路ですか?えっと、まだ何も考えてないです。」
潤が言うとオーナーはニヤリと笑った。
「そうか。なら良かったよ!」
「えっと、何が良いのですか?」
「一宮君、高校を卒業したらうちで正社員として働かないかい?」
「…え?本当…ですか?」
潤がビックリした表情を浮かべた。
「本当だよ。君の真面目な所や、人柄は評価している。だから、他の企業に取られるのは惜しい。だからうちに入社して欲しい。」
「で、でも僕、楽器とか分かりませんよ?」
「そこは大丈夫。期待していない。つまりは事務員として入社して欲しいと思っている。まぁ、返事は今すぐじゃなくて良いから。ゆっくり考えてみて欲しい。」
オーナーが言うと潤は頭を下げ、「分かりました。ありがとうございます。」と言った。
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「急にすみません。」
「大丈夫だよ!」
オーナーの話から数時間後、潤は有咲の蔵に来ていた。もちろん、ガールズバンドパーティーの話をする為だった。
「ゴメンな。リーダーの香澄がいなくて。」
「大丈夫ですよ!返事はいつでも大丈夫ですから。そうそう。これお土産です。」
潤がカバンからコンビニの袋を取り出した。
「ありがとう。有咲。お茶入れよっか?」
「そうだな。おっ!いちご大福じゃん!マジでありがとう!」
有咲はニヤッと笑い、沙綾と共に、お茶を取りに行った。最近のコンビニは洋菓子から和菓子まで何でもあるから助かる。
「りみ。話があるんだけど…。」
「どうしたの?」
真面目な話をする雰囲気になり、りみは背筋を伸ばした。
「あのね。りみって、進路とかどう考えてる?」
「わ、私?う~ん。どこか大学に行こうかなって思ってるよ。ちゃんとは決めてないけど…。どうしたの?」
「実はね、今日、CiRCLEのオーナーとお話ししてね。その、卒業したら正社員にならないかって。」
潤が言うと、りみは笑顔になった。
「潤くん凄い!バイトから正社員ってなかなか無いんじゃないかなぁ。とにかく凄いよ!」
「ありがとう。…でも悩んでるんだよね。」
潤が苦笑いしながら言った。
「何で悩んでいるの?」
「うん。急な話だからビックリしてね。それに…。」
潤はりみをジーッと見た。
「そ、それに?」
「りみの進路が気になって…。りみが遠くに行っちゃうなら、着いていきたいなぁって。」
潤が言い終わると沈黙が流れた。潤は黙ってるりみに疑問を持った潤はチラッとりみを見た。すると、りみは頬を膨らましており、怒っている様子だった。
「潤くん?」
「は、はい!えっと、何で怒っていらっしゃるのでしょうか?」
潤が言うとりみは「はぁ~。」とため息をついた。
「り、りみさん?」
「潤くんはCiRCLEで働きたいの?」
「ま、まだ分かりません!」
「…もし、断るとして、断る理由を私にしないで欲しいなぁ。働きたいのに、私が遠くに行くから着いて行くので、断りますって…。私が喜ぶと思った?」
りみは立ち上がり、潤の横に座った。
「私がどこに行こうと、潤くんがどこに行こうと、やりたいことやろ?そんな距離が遠くなったからって、私が潤くんの事嫌いになるわけないよ?潤くんは遠くに行ったら私の事忘れちゃうの?」
りみは身体を潤に預けた。
「…そんな訳ないよ。でも、そうだよね…。ゴメン。」
「ううん。今までこんな話してこなかったもんね。今度、ゆっくり話そ?」
「うん。そうだね。」
潤はりみの頭をポンポンと撫でた。
「…えっとね。さっきはあんな大それた事言っちゃったけど…。わ、私もね。出来れば、潤くんと一緒にいたいと思ってるよ?だから、近くの大学に行きたいなぁって…。」
りみは頬を赤くして言った。
「そっか…。まぁ、ゆっくりと考えよ?」
「うん!」
りみは元気に返事をすると、ギュッと潤を抱き締めた。
「なぁ…。どうする?」
「面白いからこのまま見てよ?」
蔵の上では、有咲と沙綾が隠れながら2人を見守っていた。
いかがでしたか?
更新は不定期になります。
続きを楽しみにして頂けたら幸いです。
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