日常の中にチョコより甘い香りを   作:ぴぽ

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2話

潤とりみが進路の話をしてから数日後、2人は久しぶりに休みが一緒になり、デートをしようとなっていた。しかし、なかなかデートをする場所が決まらず、潤の部屋でまったりとした時間を過ごしていた。

「本当にどこに行こうか?」

潤がスマホを見ながら、どこか良いデートスポットは無いかと検索をしていた。

「そうだよね…。行ったことある場所ばっかりだもんね…。」

付き合う時間が長ければ長い程、こういう事が起きがちであるが、2人はこうなった時は大抵、ショッピングモールに行っていた。しかし、今日に限ってはそうはならなかった。

「りみ、今月ピンチなんだよね?」

「…ゴメンね。」

ちなみに、りみが金欠の理由はチョココロネの買いすぎである。

「まぁ、僕が出してもいいけど…。嫌なんだよね?」

「うん!嫌!彼氏に全部、お金を出して貰うのは嫌!」

りみが叫ぶように言った。2人のルールの中に「デートは割り勘で」と言うのがあった。バイトをしている潤はりみに比べて財布に余裕があり、デートの度に奢ろうとしていた為、りみが決めたルールである。

「分かったよ。…今日は家でまったりする?」

「うん。そうする。」

デートの方針が決まると、りみは潤に近づき、潤の肩に頭を乗せた。りみのお気に入りの体勢でもあった。

「そうだ。CiRCLEの社員の話はどうなったの?」

「まだ返事してないよ。考え中。早く働いて、お金稼ぎたいとも思ってるし…。社員にならないかって言われた時は、勿論嬉しかったけど、やっぱり、大学にも行っておきたいなぁとも思っててね。…出来ればりみと同じ大学に行きたいなぁって。」

「私と同じ…。そうなったら嬉しいけど…。」

「りみ?言いたい事があるなら言って良いよ。…見当はついてるけど…。」

「あはは…。私と同じ大学に行きたいなら潤くん、勉強凄くしなきゃ…だよ…ね?」

りみが苦笑いしながら言うと、潤はため息をついた。

「だよね…。はぁ~。」

「潤くんはなんで早くお金を稼ぎたいって思ってるの?」

「…言わなきゃダメかな?」

「そう言われると…聞きたいかな。」

りみは潤の肩にもたれていた頭を少し、動かした。潤は顔を赤くしていた。

「…結婚…資金…。」

「ふぇ?」

まさかの解答に、りみは間抜けな声を出した。

「だから!…結婚資金…だよ…。」

照れながら言う潤にりみも赤面した。

「そ、そ、そんな事…考えて…たの?」

「あ、当たり前じゃん!り、りみと別れるなんて想像もつかないし…。だ、大好きだし…。あぁ~!恥ずかしい!」

潤は自分の頭をわしゃわしゃと掻きながら言った。

「そ、そんな事言われたら、わ、わ、私も照れちゃうよ…。」

りみも顔を真っ赤にしていた。

「潤くん…?い、今のって…。ぷ、プロポーズ…なのかな?」

「そ、そうとも取れる発言だったけど…。こんな形じゃなくて、時が来たら、きちんとします…。」

2人はお互いに顔を真っ赤にし、恥ずかしすぎて、背を向けた。そして、いつかくるであろう未来を想像するのであった。

「あぁ~!あ、暑いなぁ~。喉渇いたなぁ~。りみ?な、何か飲む?」

「そ、そうだね。こ、コーヒーが良いかな?」

他人からみたら微笑ましくなるような雰囲気を返るように潤は立ち上がり、飲み物を取りに行った。

「(うぅ…。まだ恥ずかしいよ…。でも、潤くんと結婚…えへへ…。)」

潤を待っている間、りみは想像し、ニヤニヤしていた。

 

─────────────────────

楽しい時間はあっという間。潤とりみはお家デートをお喋りだけで費やしていた。太陽も西に傾き、空をオレンジ色に染めていた。

「麻里さん。お塩はこれくらいで良いですか?」

「うん。大丈夫だよ!りみちゃん料理上手になったね!」

「ま、まだまだですよ!」

りみは麻里と一緒に、ルーティーン化した夕飯作りに勤しんでいた。その会話を聞きながら、潤はと言うと第3回のガールズバンドパーティーの案を練っていた。

「(出演バンドは前回出てくれたバンドはほぼOKは貰えたけど…。前と一緒で良いのかな?)」

潤は「う~ん。」と考えてみるが、一向に良い案は出てこなかった。

「潤くん?何を考えてるの?」

腕を組んだまま動かない潤を見て、りみが声をかけた。

「ガールズバンドパーティーの事だよ。前と一緒で良いのかなって…。」

前回の資料を指しながら、潤は言った。

「一緒じゃあ…ダメなの?」

「どうかな。良いと思うけど、せっかくだから違う事したいなぁって。」

「う~ん。私も考えてみるね。ポピパの皆にも聞いてみるね?」

「そうして貰ったら助かるよ。よし。他の出演者からも意見聞いてみよう。」

潤は資料を閉じて「う~ん。」と背伸びをした。

「潤?机拭いてくれない?」

「あぁ。良いよ。」

「ま、麻里さん!わ、私がしますよ?」

「いいのよ?りみちゃん。たまにはこのアホを使わなきゃ。将来はりみちゃんが顎で潤を使うくらいにならないと。」

麻里は「ふふっ。」と笑いながら台拭きを潤に手渡した。

「全く、何年後の話をしてるんだよ。」

「あら?来年の話でしょ?」

はぁ~とため息をつきながら潤が言うと、麻里はキョトンとした表情で言った。

「ら、来年…ですか?」

「何言ってるんだよ?来年がどうしたの?」

「あれ?私とりみちゃんのお母さんの中では高校卒業したら同棲をさせるって話が出てるわよ?」

「「…え?」」

潤とりみは固まったが、麻里は構わずに話を続けた。

「りみちゃんのお母さんも、りみちゃんが一人暮らしをするより、潤がいた方が安心だって言ってたわよ!私も潤が一人暮らしをするより、りみちゃんが監視してくれた方が安心だし。」

「えっと…。初耳なんだけど?」

「今、初めて言ったもの。」

潤は驚きながらりみを見た。りみも驚いた表情をしていた。

「だから、そのつもりで準備しててね?潤もりみちゃんも!」

麻里はそう言いながら台所に戻って言った。潤とりみは顔を見合わせた。

「りみ…。どうする?」

「ど、どうしよ…。で、でも、潤くんと同棲…。えへへ。」

嬉しそうにニヤけるりみを見た潤は「(こ、これは覚悟を決めなきゃ)」と思っていた。

「そうそう!まだ言ってない事があったわ。」

「母さんなんだよ。もう何言われても驚かないよ。」

「りみちゃん。さっき、お母さんから電話があって、今日は、泊まらせて貰いなさいって。なんか用事が出来て、家を空けるからって。」

麻里はそう言うと、りみは「分かりました。」と言った。ちなみに、りみが潤の家に泊まるのは、初めてでは無く、りみが家で一人になるときはこうして泊まっていた。

「後、潤?私もこの後、出掛けるから。明日の夕方には帰るから。」

「はぁ?どこに行くの?」

「単身赴任で頑張っているマイダーリンのとこ!」

麻里がウインクをしながら言った。

「はぁ~。いい歳して…。って、待って!りみと2人きりなの!?」

「そうなるわね。りみちゃん。悪いけど、潤を宜しくね。」

「わ、分かりました。」

りみが頬を赤くしながら叫び、潤は頭を抱え、「(頑張れ。僕の理性!)」と思っていた。

 

─────────────────────

「お風呂ありがとうね。」

パジャマに身を包んだりみがタオルで髪を拭きながら潤の部屋に入った。

「いえいえ。僕が先に入ってゴメンね。」

「あ、謝らないでよ~。家主が先だよ~。」

りみが言うと、テーブルに置いてあったジュースが目に入った。

「りみ。オレンジジュースだよ。どうぞ。」

「ありがとう~。頂くね?」

りみは嬉しそうに微笑むと、ストローに口を付けた。

「と、ところで、りみさん?」

「なにかな?」

「や、やっぱり、こ、ここで寝るの?別の部屋に布団敷こうか?」

「嫌!い、一緒に寝たい…。」

潤が言うと、りみは目を潤ませながら言った。当然、この目でお願い事をされると断れない潤は小さく「分かった。」と言った。ちなみにだが、りみが潤の家に泊まる度にこのやり取りをしている。

「えへへ~。ありがとう。ベットに入って良い?」

りみが頬を若干、赤く染めて言った。ベットに座り、足だけ布団入れて、本を読んでいた潤は「ど、どうぞ。」と言い、ベットの端にズレて、布団を捲った。

「お邪魔するね。ありがとう。」

りみが潤のベットに入る。潤のベットはシングルベッドな為、りみが入るだけで、2人の距離はゼロになった。

「潤くん。ドキドキしてる。」

りみが潤の胸に耳を当てて言った。

「そりゃ…。生きてるから…。心臓は動いてるよ?」 

「そういう意味じゃなくて…。」

「…分かってるよ。…りみもドキドキしてるくせに…。顔、真っ赤だよ?」

「う、うぅ…。じ、潤くんに引っ付きたいけど…。べ、ベットはなんかね…き、緊張しちゃう…。」

2人はこう話しているが、2人は付き合い立てのカップルではなく、大体、1年半程、付き合っている。一応、念の為…。

「じ、潤くん…。ふ、ふふ、2人きり…だね。」

「そ、そうだね…。り、旅行以来…かな。」

「う、うん…。」

2人きり。そう意識してしまった2人は口数が少なく、お互い、顔を赤くしていた。

「で、で、電気。消す…ね。」

「へ?あ、う、うん!」

潤はりみに確認を取ると、照明のリモコンを操作して、豆電球にした。そして、仰向けになり、りみに右腕を差し出した。

「あ、ありがとう。え、えへへ。腕枕、久々かも。」

りみは照れながらも嬉しそうに言うと、潤の腕を枕にし、ギュッと潤に抱きついた。

「り、りみ?ち、ちょっと苦しい…。」

「ご、ゴメンね。…潤くん?こっち向いて?」

「う、うん?分かった。」

ゴソゴソと布団が擦れる音と共に、潤はりみの方を向いた。依然としてりみは潤に抱きついたままである。

「こ、これで良い?」

潤が向き終わると、丁度、潤の胸の辺りにりみの顔があった。 

「う、うん。ありがとう。…えい。」

りみは首を伸ばすと、潤にキスをした。軽いリップ音が潤の部屋に響いた。

「り、りみ?ど、どうしたの?」

「むぅー。き、キスするのに、理由がいるの?」

「え?い、いや。い、いらないけど…。」

潤はそう言うと、仕返しと、ばかりにりみにキスをした。

「…ふふっ。は、恥ずかしいけど、嬉しい…な。」

「…ねぇ。りみ?ま、まだ…ダメかな?」

潤がそう言うと、りみは再び、潤の胸に顔を埋めた。考えているのか、潤の部屋は静寂に包まれた。

「い、い、良いよ…。」

たっぷり間があって、りみはポツリと呟いた。

「ほ、本当に?」

「う、うん。む、寧ろ…、こ、こんなにま、待たせて…。ゴメンね。」

りみはそう言うと、ギュッと目を瞑った。潤の理性はガラガラと崩れ去って行ったのであった。

 

─────────────────────

「(うぅ…。い、痛いよ…。)」

りみはバンド練習に向かうため、歩いていた。歩く度に、鈍い痛みが走る。なぜ、痛いのか…。それは各々察して欲しい…。

「りみりーん!おっはよー!」

「え?き、きゃ!」

後ろから走りながらやってきた香澄に抱きつかれると、りみは派手に尻餅をついてしまった。

「え?り、りみりん?だ、大丈夫!?」

香澄はいつも通り抱きついたつもりだった為、派手に尻餅をついたりみに驚いた。ちなみに、いつもはりみは踏ん張っている。あまりにも抱きつかれる為、慣れてしまったのだった。

「だ、大丈夫。ご、ごめんね。」

「りみりんが謝らないでよ~。本当にゴメンね。」

香澄は立ち上がらせる為に、りみの手を引っ張った。

「痛っ。」

無事に立ち上がったりみだったが、痛みを隠すことが出来ず、太ももの内側を押さえた。

「り、りみりん!?大丈夫!?」

自分のせいで、りみが怪我をしてしまったと勘違いした香澄は眉を下げた。

「ち、ちゃう…。香澄ちゃんは悪くないの!」

「そうだよ。香澄。りみは元々痛めてたみたいだから。」

「わっ!お、おたえ!?い、いつからいたの!?」

「香澄がりみに抱きついた辺りかな?」

「さ、最初から見てたんだね。」

突然、現れたたえにりみも香澄も驚いていた。

「お、おたえちゃん?な、なんで分かったの?」

「だって、りみの歩き方、ペンギンみたいだった。それに、尻餅をついたからって、太ももの内側なんて、なかなか痛めないよ。」

「おぉ~!おたえ、名探偵だ!」

たえが言うと香澄は目をキラキラさせながら言った。

「名探偵…。香澄、私はポピパのギターだよ?だから、探偵にはなれない。」 

たえは香澄の肩をポンと叩くと、香澄は「おたえー!」と叫びながらガバッと抱きついた。

「ところで、りみりん?なんで足が痛いの?」

「香澄。正確に言ったら、太ももの内側だよ?」

「ふぇ?え、え~と…。」 

香澄とたえの質問に、りみは焦っていた。勿論、本当の事など、言えるはずも無い。なんて言うか、りみが悩んでいると「潤君としたの?やっと。」と、たえが言った。あまりのストレートな言い方に、りみは思わず、頷いてしまった。

「おたえ?りみりんは何をしたの?」

「りみは大人への階段を登ったんだよ。」

おたえがそう言うと、香澄は首を傾げた。りみは顔を赤くした。

その後の練習でも、痛みを隠す事が出来ず、香澄意外のメンバーにバレてしまうのだが、それはまた別の機会に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメ最終話、めっちゃ感動しました。
ポピパ、良かったよ~ってなりました笑
次は劇場版!
全国でありますように…。
ダンまちの映画は近くの映画館ではやってなく、諦めたので…。

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