やぁ。
旧友ペルシカからある計画を任されて天才ハカー機械技師(笑)から、元ロシア軍人のクルーガー先輩が経営すG&K社の社員にジョブチェンジ、そして部下として依頼で直した戦術人形Vectorが仲間に加わった丈二だよ。
いやはや昨晩は、俺を連行した戦術人形達の説得が大変....いや、残りの三人は簡単だったし実質一人か。
その一人であるHK416がドアを開けた瞬間にいきなり殺人パンチを放ってきた時は思考が止まり掛けた。
それをロシアが生み出した武術『システマ』を取り入れたCQCでいなしたら、HK416が舌打ちをして近接技を次々と繰り出した時は、軽口を言いながら全部の攻撃をいなし続け最後にはシステマで彼女を転ばせてそのまま拘束し無力化した。
HK416は、手加減なしの戦術人形のスペックで攻撃してくるからいなす度に凄い腕と拳がジンジンして痛かった。
UMP9ら俺の手際に子供のようにはしゃぎながら『何それすごーい!他のやつも見せてー!』とせがまれたり、ソファーの上で寝ているG11の所までいつの間にか移動していたVectorが彼女の頬っぺたをプニプニしながらさっきまでのの戦いを見ていた。
俺の部下(人形)って何でこう、自由なんだろう。
そして、UMP45は何時もの朗らかな笑みを浮かべながらも、俺のシステマを見て脅威だと思ったのか若干警戒しながら改めて自己紹介をした。
彼女達4人は『404小隊』と呼ばれ、裏の汚れ仕事を担当。グリフィンとは依頼主的存在らしく、雇い主は秘密事項な神出鬼没の小隊らしい。
エラーコードを小隊名にするなんて洒落てるなって話の途中で思った。
Vectorも噂で聞いた程度しか知らない程に秘匿されてると聞いた時は、特殊部隊の中で特殊な立ち位置にいたせいか、謎の親近感が沸き今後とも宜しくと握手をした。
ちなみに彼女達を雇う金は結構高い。それでも危険な任務をちゃんとこなすなら安い方....なのか?
HK416?彼女の攻撃を子供をあやす感じでいなされまくったせいで凄い嫌われた。もうあれだ、猟犬が凄い形相のまま犬歯剥き出しで唸り続ける感じだ。
UMP姉妹が曰く『M4A1』と『M16A1』と呼ばれる戦術人形の次に嫌われているレベル。
何でさ。.....あっちから仕掛けてきて迎撃したのに激おことか理不尽じゃね?っと思ったが、Vector含めた他のメンバーから『結構、大人げないレベルだった。』と言われた。
解せぬ、『手加減は戦士の恥』なのに。
その後はHK416が運転する形でハイエースに再び乗り、彼女達のガールズトークとラジオに流れるジャズの音をBGMにしてG11と同じ席で仮眠をしているとS20区に到着、ちょっとした寄り道をした後にグリフィンの支部に到着し彼女達と別れた。
その際、VectorはUMP45と波長が合うのか、向こうからスカウトされるレベルで仲良くなった。
俺の前で部下の引き抜きするとか彼女、中々に図太いな。
まぁ、そんなこんなでグリフィンの支部に入ると、玄関にいた受付嬢の一人がVectorに支部長が俺に会いたがっているから支部長室に向かってくれと伝言があったことを伝え、俺達は支部長に会うために支部長室に向かった。
Vectorの案内の元、支部長室にたどり着き中に入るとそこには、S20支部長である『シュバルツ・レッド』と彼の秘書にして上級代行官である『キャサリン』が俺達を迎えてくれた。
俺のある程度の履歴やはぐれ鉄血人形鹵獲計画、通称『ユダ計画』を知っている数少ない人達で俺を歓迎しながら計画云々や仕事内容、他愛ない話等をしたのだがまぁこの二人が濃い。
シュバルツ支部長は屈強な体つき、金髪をオールバックにして目付きが鋭い40前半の元ドイツ軍人。
良くも悪くも昔の偉い軍人みたいな誇らしい精神を持っているが、人形や人間関係なく対等に扱う仲間思いな一面があり何処か憎めないのだが...語尾が長く声がうるさい。
『ロシアのぉグレェムリンであるルル!君にィ!ついては君が率いていた彼女達から詳しく聞いているゥゥゥ!今後ともその力をォ存分に発揮したまえェェ!!』
こんな喋り方なのに、むせないのは凄いと思った。それと背後にうっすらとだが、半身機械の男が満面の笑みを浮かべてたのは気のせいだと思う。
丈二、貴方疲れているよ(言い聞かせ)。
キャサリンは眼鏡を掛けたナイスバデェとシルクのような白い肌と金髪のツインドリルが特徴的な女性。会話の中に英語を挟み、アメリカ特有の明るさが特徴的なのだが、その裏では暗部特有の何かがキラリと輝く女狐的存在だ。
そんな怪しい彼女だが支部長に見せる忠誠心は本物だし、敵対しなければ害は無いだろ。.....というか敵に回したくない。
そんな二人を話しが終わり部屋を出た時の俺は精神的に疲れていた。この支部に所属しているVectorは慣れているのか疲れてない。......あのテンションに二人の慣れるのにだいぶ時間掛かりそうだな。
Vectorは他の用事があるらしく一旦離れ、俺はmenuに記録した支部のマップを確認し探索を始めようとするところだ。
明日から本格的に忙しくなるが、今はそんな事はどうでも良い。問題なのは俺が率いていた特殊人形小隊『白い猟犬』のメンバーとどの様に再開するかだ。
ぶっちゃけると、会いたい気持ちがあるのだが、ちょっとした後ろめたさもあって怖い。それもあってか、俺は現在進行形でバレないように周囲に溶け込む形で隠れているというチキン振りを発揮していた。
まさか、再開した時の反応を恐れて、このような下らない形で戦場で培った隠密技術を使うはめになるとは思わなかった。
この後ろめたさには理由がある。
特殊部隊が解散となりそのまま引退したあの日、彼女達ペルシカの計らいで16LABに俺『丈二・ルキーチ・ニコフ』は行方不明者として姿を眩ましてからの四年間偽名を使い、半ば世捨て人としてあの依頼が来るまで静かに過ごしていた。
彼女達『白い猟犬』と別れてから半年後、ペルシカから暗号化されたメールが届き解読すると彼女達は安全地帯であるS020地区で働いているという内容とその証拠である写真や動画が貼られ、彼女達が元気で過ごしているのを見てホッとした反面、姿を消したという自分に対しての不甲斐なさに1日中ナーバスになったは言うまでもない。
何故彼女達を16LABに移籍させたのは俺が去り彼女達が軍に残った場合、俺の事を良く思っていなかった一部の上官達によって彼女達が物理的に滅茶苦茶になる可能性があった。
その為、俺が頼れる人物の中で彼女達を完全に守れる後ろ盾を考え抜いた結果、二世代型の試作機に位置する彼女達に大きく携わり尚且つ主任でもあったペルシカしかいなかったという経緯もある。
俺の方は.....地獄のような激務による一生休暇って感じだ。
一緒に16LABに就職すれば良かったのだが退社する半年前、軍の基地で事務仕事の最中に突然気絶してしまった事があった。
あまりにも突然の出来事だったから、もしかしたら重病を患ったかも想像したら怖くなり軍医に詳しく検診して貰った。
検査した結果、身体に影響は無かった。しかし、戦争やら様々なエゴを見すぎたせいで深いストレスが生じ軽度のPTSDを発症。このままだと精神が危ない状態だと判明された。
PTSDを発症しても気付けなかったのは、度重なる戦場でストレス関連により精神が麻痺し気付けずにいたと結論付けられているが、俺自身が前世の記憶を保持している故に起きる肉体年齢と反比例した精神年齢の早期熟成による弊害も大きく含まれていると思う。
今思うと俺の喋り方はまだ若いが、精神年齢は前世も含めて100歳以上越えている。何らかの障害が発生しても何ら可笑しくもない。
医者から戦場からそれに関連するものから一時的に離れ長い休養が必要だと言い渡された結果、戦術人形であった彼女達とも別れる羽目になったという訳だ。
そして、軍を退役しホワイトハッカー兼技術者たまに傭兵という闇鍋状態で働き始めるまでの二年半、俺は磨耗した精神を癒すために退職金を削りながらこの荒れ暮れた世界の片隅でゆっくり休養をしていた。
プラモ製作やガジェット等、様々な物に触れながら趣味に没頭したお陰か戦闘に出られる程に本来の精神は俺は回復し、一年前に目覚めた第二の転生特典『menu』も相まって技術力はかなり上がった。
その代わり二年半の療養生活により身体が鈍り戦闘技術や隠密等の戦闘面は全盛期より衰えてしまったが。
.......それに、彼女達と別れた際に『もう会うことはない、お前ら俺が居なくても元気で生き抜けよ。』なんてかっこ良く捨て台詞を言ってから去ったもんだから余計に会いづらい。しかもその時、ペルシカも居たからね。今そこに穴があるなら直ぐ様入って、そのまま大きな岩で出口を塞ぎたい気持ちだ。
しかし、再開するのも時間の問題。
何の為にHK416に凄い睨まれながらも店に寄って貰いお菓子の材料を買ってきたと思っているんだ俺。
彼女達と再開する為に覚悟を決めた筈だろ勇気を持て俺。取り敢えず『ナガン』→『ペーシャ』→『ティス』→『クアン』 で会うとしよう。
ナガンとペーシャの二人はビンタを喰らうと思うが、何とかなる。ティスは秘密好きの記者気質があるから今までの事を根掘り歯掘りじっっくり話せばどうにかなる筈、問題があるとすればクアンだ。
俺が診断された後、隠していた精神ボドボド状態にいち早く気付いた戦術人形。彼女と出会った経緯が経緯な為、ファザコン義父ver(対象:俺)な程にlove。
一線は越えていないが俺に対して娘のように甘えていた。別れる時なんかは俺の背中に抱き付いて泣きじゃくる程だ。
一人の状態でファザコン気味のクアンと会ったら....死にはしないが、多分ヤバい。それに彼女のことだ。今頃、仕事を手早く済ませ俺の探索をしている筈だ。
そのリスクを軽減するために、いち早く部隊でお姉さんポジにいるナガンに会わなきゃならない。Vectorと別れる前に教えて貰ったナガンがいそうな場所を重点的に隠密で「見つけましたよ、叔父様。」探すし....か.....。
...........マジかぁ。俺の後ろにいるから姿は見えないが、この声と気配は間違えなくクアンだ。しかも、両手でホールドしていやがる。
緩そうに見えてちゃんと俺の腕の関節を抱き付きながら自分の腕で極めているせいで抜け出せねぇし、地味にいてぇ......。
「ふふふ...四年振りですね叔父様。私ですクアンです。まさか、また叔父様と出会えるなんて思ってもいませんでした。」
あー、そうだな。まさか後ろに回り込まれた上、誰にも気付かれないレベルの隠密をするとは腕が上がったな。嬉しい限りだよ(震え声)。
「っ!!スッ...スパシーバ!叔父様と別れてから叔父様と貴方の義父で今は亡きヨシフ大佐。そして、『白い猟犬』の名に恥じぬよう私達は毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日,毎日、精進したお陰です。また、貴方に誉められるなんて....グスッ夢のようでず!!」
あっ嬉しいのは分かるけど、徐々に力を強くしながら抱き締めないで。折れちゃうから、俺の骨がクルミ割り人形のクルミみたいに粉砕しちゃうから。...冗談抜きで折れちゃうから!
「....私はもう、一生っ.....会えないかとっ....。」
クアン?おーいクアン?...ってかこれヤヴァイ、早くこの拘束から抜け出さないと、だんだんヤバくなってきたぞ。クアン久々に君の顔を見たいからこの拘束をほどいてくれないか?.....クアン?
「あの時、叔父様が....もう限界に近いのを知ってたからっ!....でも、........私に、私に生きる意味を教えてくれた叔父様にまた出逢えて褒めてくれるなんて.....っ!!」
「私...わたしっ!...うぅ....うぅぅぅ....。」
おっおーい、クアン?
「う"う"ぅ....う"う"ぅっ...お"し"さ"ま"あ"ぁ"ぁぁぁぁぁ!!」
あっ!ヤバい!骨が!骨が悲鳴上げてるから!!感動するのは後からにしてくれたら嬉しい!!今物理的な意味でヤバいから!!俺の身体が、くるみ割り人形の圧力よってくるみの殻がひび割れ始めた状態だから!
「う"わ"わ"わ"わ"わ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ん"!!」
あっ!ちょっ...やめっ........あっ........
アッーーーー!!
HK416&9A-91好きの指揮官、本当にすまなかった。orz
HK416の性格上、彼女が殺意を向けるレベルで嫌うあの二人に似た丈二に突っ掛かるだろなと思ったのと、丈二の油断ならない感を出すために考えた結果こうなりました。
9A-91は.....ヤンデレにするのも味気ないので、ある出会いが切っ掛けで丈二を叔父様と呼び犬のように甘えるファザコン(義父)キャラになりました。
ちなみに『白い猟犬』におけるヤバい系主人公でもあります。
次回には白い猟犬に所属している残りのメンバーを出す予定なので楽しみにしていて下さい。
オマケ
シュバルツ・レッド
年齢 40歳前半
元ドイツ軍の軍人。軍の退廃と腐敗に呆れた頃に、クルーガーのカリスマに引かれグリフィン社に入社した。
クルーガーと同じく衰え知らずの屈強な体つき、金髪をオールバックで鋭い目付きが特徴的。
良くも悪くも昔の偉い軍人みたいな誇らしい精神を持つが、人形や人間関係なく対等に扱う仲間思いな一面があり何処か憎めない。
しかし、語尾が長く声がうるさい。
キャサリン 推定20歳前半?
眼鏡を掛けたナイスバデェとシルクのような白い肌と金髪のツインドリルが特徴的な女性。
会話の中に英語を挟み、アメリカ特有の明るさが特徴的なのだが、その裏では暗部特有の何かがキラリと輝く女狐的存在な一面を持つが、シュバルツ支部長に見せる忠誠心は本物である。
経歴、年齢全てが謎で、特殊部隊に所属していた丈二でさえも推し量れない闇深さを持つ。